【予算1万】チャレンジャーデッキを強化しよう ~ラクドス吸血鬼~

Lee Shi Tian

(編集者注:カード価格は執筆時点のものを参照しています。)

Translated by Nobukazu Kato

原文はこちら
(掲載日 2022/5/14)

あなたの好みは?

みなさん、こんにちは。リー・シー・ティエン/Lee Shi Tianです。

『ニューカペナの街角』の発売から2週間ほど経ちましたね。新しいカードやデッキを使ってみたでしょうか?もしまだだとしたら、ウィザーズ社が近年発売し続けているチャレンジャーデッキをスタート地点にしてスタンダード環境を楽しんでみるのも良いかもしれません。チャレンジャーデッキのリストはこちらから見れます。

今回はチャレンジャーデッキ「ラクドス吸血鬼」を使ってみることにしましょう。デッキリストを見ればわかると思いますが、このデッキは「血トークン」を共通項にして吸血鬼とサクリファイスシナジーという2つのテーマを結び付けたものになっています。そこで、それぞれのテーマを色濃くした構築を2つ作ってみることにしました。予算は晴れる屋通販サイト価格で1万円以内です!

吸血鬼アグロ

では、1つ目のデッキを見ていくとしましょう。

この構成では《霜剣山の製錬者》《鬼流の金床》といったサクリファイス向けのカードを抜いています。サクリファイス軸はシナジー重視のデッキであり、吸血鬼は攻撃的な戦略のほうが適していると考えたからです。

殺しの競技者ファルケンラスの闘技士吸血鬼の社交家

『ニューカペナの街角』からは、1マナでパワー2の吸血鬼が加わりました《殺しの競技者》です。《ファルケンラスの闘技士》もいますから、攻撃的なゲームプランがますます実現しやすくなりました。1マナ域が充実したことで、《吸血鬼の社交家》を安定してロードクリーチャーとして使いやすくなっています。

ヴォルダーレンの投血士ファルケンラスの先祖イマースタームの捕食者面汚しの乙女、エインジー

《ヴォルダーレンの投血士》《ファルケンラスの先祖》は空からダメージをたたき込みながらも、各種吸血鬼が生み出した血トークンの使い道を増やしてくれます。アグロデッキが苦手とする全体除去も、《ファルケンラスの先祖》《イマースタームの捕食者》がいれば安心です。

そして《面汚しの乙女、エインジー》は血トークンを生け贄に直接ダメージを与え、フィニッシャーとしての役割が期待できます。

ヴォルダーレンの居城荒廃踏みの小道憑依された峰

マナベースはどうでしょうか。攻撃的な1マナ域の展開を支える多色土地は《荒廃踏みの小道》のほかに《ヴォルダーレンの居城》があります。おかげでかなりマナベースを安定させられますね。《憑依された峰》に代表されるスローランドは、スタンダードの2色デッキには必須です。

バグベアの居住地見捨てられたぬかるみ、竹沼反逆のるつぼ、霜剣山

また、ミシュラランド(クリーチャー化する土地)や特殊能力を持つ土地は余ったマナの使い道になるので、アグロ戦略にとってただただ素晴らしいカードです。

では、チャレンジャーデッキのリストを今回の吸血鬼アグロに強化するうえで必要なカードをまとめてみましょう。

ラクドスサクリファイス

もうひとつの強化案はラクドスサクリファイスです。ビートダウン向けの吸血鬼カードは抜き、シナジー重視のデッキへと変更しました。《鬼流の金床》《霜剣山の製錬者》を活用し、血トークンをクリーチャーへと変貌させていきましょう

黄金犬ヴォルダーレンの美食家鬼流の金床

この構成では《ヴォルダーレンの美食家》に加えて《黄金犬》を採用し、《鬼流の金床》をさらに使いやすくさせました。2ターン目から《鬼流の金床》を起動し、そこからカードアドバンテージを獲得したり、各種シナジーを発生させていくことが狙いです。

殺人魔霜剣山の製錬者

『ニューカペナの街角』の《殺人魔》はサクリ台(生け贄に捧げる能力を持つカード)でありながら、自身の能力に限らずクリーチャーを生け贄にするたびに付加価値を生み出します。《鬼流の金床》の構築物トークンを生け贄に捧げるだけでサイズが上がっていくのです。

《霜剣山の製錬者》は宝物トークンや血トークンを3/1のクリーチャーに変身させます。サクリファイスデッキだからこそ強く使えるカードですね。ただ、マナのかかるカードではあるので採用枚数は2枚に抑えています。

実験統合機不運な目撃者命取りの論争

デッキ内に眠るキーカードを引き当てられるように《実験統合機》《不運な目撃者》を追加しました。《命取りの論争》も似たような狙いで採用しており、血トークンや《不運な目撃者》を生け贄コストに充てればカードアドバンテージを得られます。

ひとつ注意点です。《不運な目撃者》の能力は、次の自分の終了ステップまで持続します。つまり、ブロックに回したり、相手のターンに生け贄に捧げたりと、相手のターンに死亡させればその能力を無駄なく使いやすくなります。それからこのデッキは1~2マナのカードしかないので、3ターン目に《実験統合機》を出したとしても、めくったカードを唱えられずに損をしてしまう心配がありません。

山荒廃踏みの小道

話題をマナベースに移すと、1マナ域が赤中心なので《山》を追加で1枚入れて土地基盤を安定させました。また、土地はできる限りアンタップインするものが望ましいので、《憑依された峰》は4枚ではなく2枚に抑え、《荒廃踏みの小道》をフル投入しています。

では、ラクドスサクリファイスの強化に使用したカードをまとめてみましょう。

おわりに

カードをプレイする順序を考えるのが好きだったり、低マナのカードたちでシナジーを発生させたりするのが好きなら、ラクドスサクリファイスはかなり楽しめると思います。攻撃的な戦略が好きだという人は、吸血鬼アグロがピッタリでしょう。

新セットが発売されましたが、まだ環境は初期の段階です。どの戦略が強いのだろうと各々が試行錯誤しています。マジックはこういう時期が最高ですね。この記事を読んで、スタンダード環境に足を踏み入れてもらえたらと思います。

リー・シー・ティエン(Twitter / Twitch)

この記事内で掲載されたカード

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

Lee Shi Tian リー・シー・ティエンは香港出身のスーパースター。プロツアートップ8が5回、グランプリトップ8が10回 (内優勝1回) と凄まじい戦績を誇り、特にモダンフォーマットを得意とするプレイヤー。 リーは偉大なプレイヤーとしてのみならず、アジア圏のコミュニティの育成に尽力した人物としても広く知られており、彼とそのチームメイトである "チームミントカード" の面々はプロシーンで次々と好成績を残し続けた。 プレイヤーとして、そしてコミュニティリーダーとしての功績が世界中で高く評価され、2018年にマジック・プロツアー殿堂入りを果たす。 Lee Shi Tianの記事はこちら