スタンダード情報局 vol.85 -《日向》で《オパス》を踏み倒せ!-

富澤 洋平

はじめに

みなさんこんにちは。晴れる屋メディアチームの富澤です。

前回は日本選手権2022 -Tabletop Returns-で活躍したデッキをご紹介しました。これまで3色デッキばかりが注目を集めていましたが、その陰に隠れて虎視眈々と牙を磨いていたオルゾフミッドレンジが見事大会を制しました。

3色か2色か。スタンダードのメタゲームはどのような変遷をたどっていくのでしょうか。

今回はStandard Challengeの結果を振り返っていきます。

先週末の注目トピックは?

『ニューカペナの街角』発売から1月以上が経過し、より精鋭化してきたスタンダードのデッキたち。ここまで続いてきたエスパーミッドレンジのトップシェアも途切れ、代わってジェスカイオパスが最大勢力となっています。毎週土日に開催されるMO上のイベントStandard Challengeでは、両日ともにジェスカイオパスがトップ8の半数を占めていました。

鏡割りの寓話鏡割りの寓話

加えて、目を引いたのは《鏡割りの寓話》の採用率の高さです。アーキタイプを問わずデッキが赤ければ採用されうるこの英雄譚は、日曜日に開催されたStandard Challenge #12424550での採用枚数は120枚にものぼりました!実に30名ものプレイヤーが4枚ずつ採用していたのです。

マナを伸ばし、手札を入れ替え、あまつさえフィニッシャーとなるカードが3マナで手に入るのですから。《鏡割りの寓話》は環境を定義しているカードといっても過言ではありません。

それでは《鏡割りの寓話》の活躍をみていきましょう。

Standard Challenge #12424550

順位 プレイヤー名 デッキタイプ
優勝 SoulStrong ジェスカイオパス
準優勝 MJ_23 マルドゥミッドレンジ
トップ4 Jaberwocki ジェスカイオパス
トップ4 sneakymisato ジェスカイオパス
トップ8 nathansteuer ジェスカイオパス
トップ8 bless_von グリクシス吸血鬼
トップ8 Sarlanga ロアホールドシュート
トップ8 SilvergillLord ジェスカイオパス

(※デッキタイプをクリックするとリストが閲覧できます。)

Standard Challenge #12424550を制したのはSoulStrong選手のジェスカイオパス。トップ8の全デッキリストに《鏡割りの寓話》が4枚ずつ採用されている点は見逃せません。

呪文貫き軽蔑的な一撃

トップ8に入った面々の中には前回ジェスカイオパスを使って2連覇したJaberwocki選手の名前もありました。今回持ち込まれたデッキはメインボードから火力を減らして《呪文貫き》《軽蔑的な一撃》を採用するなど、早くもミラーマッチを意識した構築となっています。

メタゲーム

デッキタイプ トップ32 トップ16
ジェスカイオパス 15 7
グリクシス吸血鬼 5 4
ジャンドミッドレンジ 3 1
ジェスカイストーム 2 1
オルゾフミッドレンジ 2 1
その他 5 2
合計 32 16

トップ32、トップ16の半数近くがジェスカイオパスにあたり、ほかのアーキタイプと比べても比較にならない数です。ミッドレンジ系のデッキが多かったこともあり、有利なフィールドとなっていました。まさに圧倒的としか言いようがありません。

先週まで一定数だったエスパーミッドレンジですが、ジェスカイオパスの増加もあってかトップ32中に0と厳しい結果になっています。

トップ8デッキリストはこちら

ジェスカイオパス(トップ4)

優勝したSoulStrong選手が持ち込んだのはオーソドックスなジェスカイオパスでした。《暁冠の日向》《マグマ・オパス》のコンボを組み込んだコンボ・コントロールとなります。2マナ以下の干渉呪文をふんだんに詰め込んでおり、相手の動きを封じつつ《鏡割りの寓話》《黄金架のドラゴン》へと繋ぎ、素早く攻守を入れ替えます。

ジュワー島の撹乱かき消し

受けと攻めの両方が求められるスタンダードにおいて、ジェスカイオパスは優れたデッキのひとつです。デッキの1/4近くを受けの呪文に割り当てており、その内訳も1マナの火力と2マナの打ち消しと軽い構成となっています。《ジュワー島の撹乱》《かき消し》は効果が限定的なソフトカウンターに分類されますが、カードタイプを選ばずに使用できるため序盤の影響力は大きく、先手後手のどちらであっても容易く戦況をコントロールしてくれます。

また、このデッキは《暁冠の日向》がいることでほかのデッキよりもソフトカウンターの寿命が長いという利点があります。相手は+1マナ、自分は-1マナと計2マナ差が生まれるため、《ジュワー島の撹乱》は見た目以上に機能します。

暁冠の日向マグマ・オパス

メインのフィニッシャーとなるのは《暁冠の日向》《マグマ・オパス》のコンボ。土地やクリーチャーなど複数の対象を取ることで《マグマ・オパス》のマナコストを踏み倒し、最小2マナで強固なボードを作り上げます。土地を縛ることで反撃を封じてしまい、相手からすれば《Time Walk》をプレイされたような錯覚へと陥ってしまいます。実際は、4/4サイズのクリーチャーが2体並ぶため、それ以上なわけですが。

地震波

最近めっきり姿を見なくなった白単アグロですが、呪文主体のジェスカイオパスにとっては天敵となります。《スレイベンの守護者、サリア》が着地したら最後、対処できない限り重い枷を背負う羽目に。

そんな白単アグロ対策ですが、軽量火力に加えて《地震波》が採用されています。《燃えがら地獄》と比べてマナコストは高いものの、対象を複数取るため《暁冠の日向》と相性が良く、わずか1マナで相手の戦場を一掃しうる呪文へと変貌します。

ロアホールドシュート(トップ8)

Sarlanga選手が持ち込んだのはなんとリアニメイトデッキ。《報復招来》を使うことで本来よりも少ないマナで《ヴェロマカス・ロアホールド》を戦場へ着地させ押し切るコンボデッキです。青いデッキが増えたことで若干不利な立場になっていますが、それでも最速5ターン目に出てくる《ヴェロマカス・ロアホールド》は脅威であり、ミッドレンジ主体の環境が続く限りは活躍が期待できます。

身震いする発見鏡割りの寓話永岩城の修繕

円滑なリアニメイト戦略には下準備が必要不可欠。まずは《身震いする発見》《鏡割りの寓話》《永岩城の修繕》を使って《ヴェロマカス・ロアホールド》を墓地へと送り込みましょう。特に前2種はボロスというドロー呪文の乏しいカラーにあって、《報復招来》を引く助けとなります。

《永岩城の修繕》《ヴェロマカス・ロアホールド》までの時間稼ぎとしても優秀であり、生き残ればトークンを生成し続けるため長期戦にも対応可能です。

報復招来ヴェロマカス・ロアホールド

《ヴェロマカス・ロアホールド》を墓地へ送りこめば、後は戦場へ戻すだけ。《報復招来》は本来よりも2ターン早く、それでいて巨大な《ヴェロマカス・ロアホールド》を着地させてくれます。

《ヴェロマカス・ロアホールド》は攻撃時に能力が誘発するわけですが、パワーが7を越えたことで効果範囲が広がり《エメリアの呼び声》もプレイ可能に。一連の流れが決まれば4/4の天使を追加しつつ破壊不能を得るため、次のターンまで生き残る確率がぐっと上がります。《ヴェロマカス・ロアホールド》自身は警戒を持つため《放浪皇》でも対処不可能なのが嬉しいところです。

その他の大会結果

Standard Challenge #12424538

順位 プレイヤー名 デッキタイプ
優勝 msskinbolic ジェスカイオパス
準優勝 Jaberwocki ジェスカイオパス
トップ4 bolov0 ジェスカイオパス
トップ4 rastaf ジェスカイストーム
トップ8 triosk グリクシスミッドレンジ
トップ8 Terribad ジャンドミッドレンジ
トップ8 Lennny エスパーミッドレンジ
トップ8 MSlap_LaBiscia ティムールコントロール

(※デッキタイプをクリックするとリストが閲覧できます。)

Standard Challenge #12424538の優勝はmsskinbolic選手。決勝戦ではJaberwocki選手とのジェスカイミラーを制しています。

メタゲーム

デッキタイプ トップ32 トップ16
ジェスカイオパス 13 6
グリクシス吸血鬼 4 1
ジャンドミッドレンジ 4 3
ティムールコントロール 4 2
エスパーミッドレンジ 3 1
その他 4 3
合計 32 16

トップ8デッキリストはこちら

おわりに

今回は流行のジェスカイオパスと、ボロスリアニメイトをご紹介しました。メタゲームの上位がミッドレンジばかりになったことで、やや重めのカードを使うコントロールが活躍しやすい環境へと変化しています。それは同時に呪文主体のデッキが増えたことであり、そろそろ《スレイベンの守護者、サリア》の足音が聞こえてきそうですが、果たしてどうでしょうか。

今週末には第20期スタンダード神挑戦者決定戦が控えていますね。次回はそれらの情報をお届けしたいと思います。

この記事内で掲載されたカード

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富澤 洋平 晴れる屋メディアチームスタッフです。《黄金架のドラゴン》のカードパワーに圧倒される毎日です。 富澤 洋平の記事はこちら

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