クイックインタビュー:『バルダーズ・ゲートの戦い』のコモンに注目!
晴れる屋メディアチーム
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6月17日に発売された『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』は、その名の通り統率者戦を目的にリリースされたセット。2人よりも3人、3人よりも4人といった風に対戦者数が増えれば増えるほど恩恵を受けられるようにデザインされています。
しかしながら、その内の何枚かはほかの構築フォーマットでも十分に通用するレベル。「イニシアチブ」は「統治者」と「ダンジョン探索」を合わせたような能力であり、発売前から期待されていました。
そこで今回は、『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』よりパウパー界へと進出を果たしたコモンカードを調べてみました。パウパーで強かったり、注目すべきカードはどのカードなのでしょうか。
「イニシアチブ」の筆頭としてあげられたのは黒の《物騒なバトルレイジャー》。4マナ1/5のタフなクリーチャーです。
BIG MAGICの所属プレイヤーである中道 大輔選手は「イニシアチブ」のカード全般に注目していると教えてくれ、その中でも黒の《物騒なバトルレイジャー》をイチオシとしています。
中道「高タフネスで火力に強く、『金属術』を達成した《感電破》でも対処できません。同じ『イニシアチブ』関連のカードとしては青の《アーラコクラの隠密》も強力ですが、こちらは火力で対処可能な範囲内。サイドボード後は《紅蓮破》などの色対策カードが当たってしまいます」
中道「《物騒なバトルレイジャー》は高タフネスの場持ちの良いクリーチャーにとどまらず、ダンジョンを進んで+1/+1カウンターを配置すれば『イニシアチブ』の奪い合いにも強く、環境に蔓延る色対策にも引っかからないのも魅力といえます」
統率者戦を良く知るニワさんは《物騒なバトルレイジャー》のどの部分にパウパーの可能性を見たのでしょうか。
ニワ「『イニシアチブ』を得て《地下街》を進むと+1/+1カウンターを配置する“鍛冶場”へ辿りつきます。元のサイズでも十分に頼もしくありましたが、+1/+1カウンターを載せれば3/7まで成長しちょっとやそっとのことでは打ち取られません。ここまでくると攻撃へ転じても止めることは困難です。攻防に優れ「イニシアチブ」を取り返しやすいことが、このクリーチャーを勧める由縁です」
キタハシさんは《物騒なバトルレイジャー》を青黒コントロールで使用したそうです。
キタハシ「マナコスト、サイズ、ブロックされた際の誘発型能力とすべてが素晴らしいデザインです。打ち消し呪文をベースにしたディミーアコントロールでも採用できるマナコストですし、ゲームが長引けば《払拭》や《対抗呪文》を構えつつ安全にプレイ可能。4マナはほかのインスタントとの兼ね合いを考えてもちょうどいいマナコストになります」
キタハシ「素のサイズが1/5と《感電破》を耐えるタフネスの高さは見逃せません。交換するには複数枚のカードを要求しますし、“鍛冶場”へ進めばさらに硬くなります。《殺し》も効かず、ブロッカーとして信頼のおけるクリーチャーですね。ダンジョンを進みサイズが上がった前提での話ですが、攻撃するたびに対戦相手は3点のダメージとイニシアチブの譲渡か、5点のライフを迫られることになり、攻防の両方で活躍できます」
もう1枚ピックアップされたのはノンクリーチャーアーティファクトと相性の良い《ケンクのアーティフィサー》。本体は頼りないものの、戦場へ出たときの誘発型能力に注目です。
オザワさんは《ケンクのアーティフィサー》の親和デッキでの使用感を語ってくれました。
オザワ「今大会で親和で使用しましたが、《剃刀潮の橋》などのブリッジ土地と組み合わせて3/3・飛行・破壊不能と最高の壁になってくれました。対処が難しく、前のターンから戦場へ出ていた土地を対象にとればすぐさま攻撃へ向かえるテンポの良い仕様。奇襲性も高く、『イニシアチブ』を取り返しやすいカードです。また、クリーチャー化したアーティファクトとは別に本体がいるため、天敵である《悪魔の布告》に対する避雷針も用意されています」
すぐさま無敵生物を作るのではなく。サイトウさんは親和デッキでのプレイの駆け引きを教えてくれました。
サイトウ「ノンクリーチャーアーティファクトが多い親和と相性が良いカードです。《銀色険の橋》などのブリッジ土地をクリーチャー化すれば、破壊不能により火力や恐怖系などあらゆる除去の効かない無敵のクロックが誕生します。警戒して追放除去を構えている相手に対しては、あえてブリッジ土地ではなく血・トークンや《胆液の水源》などほかのアーティファクトをクリーチャー化することもあります」
サイトウ「安定してアーティファクトを確保できるか次第ですが、『明滅』との組み合わせも期待できます。シンプルながらプレイに幅のある面白いカードです」
以上が、今回、この調査に参加してくれたプレイヤーたちです。「イニシアチブ」関連のカードの名前がもっと出るかと思いましたが、意外な結果となりました。
『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』は発売されたばかりであり、パウパーでの可能性はまだ未知数といえます。今回ご紹介したカード以外にも《アーラコクラの隠密》や《無謀なバーバリアン》など魅力的なカードがつまっています。
みなさんも、ぜひ、『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』入りのパウパーでを楽しんでくださいね。
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