コマンダーサミット大阪レポート
晴れる屋メディアのいってつです!
僕がもっとも重要視しているイベントのひとつが、「晴れる屋コマンダーサミット」です。TC東京とTC大阪で定期的に開催され、統率者戦をめいっぱい楽しめる一日となるイベントです。
大阪での開催は昨年12月。ちょうど1年前。今回は久しぶりに現地へ飛び、イベントの盛り上がりを取材できる運びとなりました。
「ヒュージリーダーズ」「パイオニアEDH」のメッカ、大阪のいまの統率者の盛り上がりをレポートします!
イベント模様
準備がすすむTC大阪
コマンダーサミットでは参加者が遊びたいゲーム観にあわせてテーブルわけが行われます。デッキをたくさん持っていけば、様々なゲームを楽しむことも可能!
いってつもみなさんとゲームを楽しみました!
【#コマンダーサミットin大阪】
— 晴れる屋 TC大阪 (@hareruya_osaka) December 17, 2022
本日は『コマンダーサミットin大阪』開催日です🎉
あわてんぼうのいってつサンタ🎅がクリスマス前に出没中🎄
一緒に遊べるチャンス、ファンの方は必見です😆
途中参加も大歓迎‼
話題のパイオニアEDHも遊べるかも⁉
イベント詳細はこちら👇https://t.co/2vGaY1lEao pic.twitter.com/UW5iAFPmqc
「Party」では統率者戦をはじめたばかりという方と出会いました。お友達に「初心者でも大丈夫だから行こうよ !」と誘われたんだとか。熟練のプレイヤーはもちろん、統率者戦やマジックを始めたばかりの方でも参加できるのが、コマンダーサミットの魅力です!
「Battle」では先日動画でも使用、記事でも紹介した《力を欲する者、スタースクリーム》で「統治者」を奪い合ってワイワイ盛り上がり、「Challenge」では《大いなる歪み、コジレック》を2ターン目に着地させて蹂躙しました。
同じ統率者戦でも、テーブルが変わればまた違った楽しさがあります。ひとつのイベントでいろんな楽しみ方ができ、まったく飽きさせません。
ヒュージリーダーズ
コマンダーサミットでは変則ルールの統率者戦も楽しめます。
マナ総量5以上のカードと土地だけで構築するヒュージリーダーズの交流会を覗いてみます。
そこには2ターン目に着地し、毎ターン(文字通り全員のターンに)3/4二段攻撃で攻撃する統率者の姿が!!
「やばいやばい」、もはや笑ってしまうほどのテンポ差。ヒュージリーダーズではゲーム開始時のライフが25点なので、本当にやばい。
「見た目以上のもの」をもつトランスフォーマー・カードのほかにも、『兄弟戦争』ではそれ自身のコストよりも軽く唱えられる「試作」が登場し、ヒュージリーダーズの戦略の幅が広がっているようです。
パイオニアEDH
最近、急速に拡大している「パイオニアプールで遊ぶ統率者戦」、パイオニアEDH。ルールは統率者戦とまったく同じですが、高額な再録禁止カードや過激なマナアーティファクトを必要とせず、じっくりと手を進める、かなり面白い変則フォーマットです。
パイオニアプールならではのカード選びも面白く、統率者戦では見向きされなかった多くのカードに再びチャンスが与えられます。そのまま一般の統率者戦のテーブルに混ざることができるのも魅力です。
この日も交流会が開かれ、白熱したゲームを楽しんでいました。
いってつもコジレックで参戦。コジレックを出すよりも圧倒的に早く、《梅澤悟》に《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を忍術されて負け。悔しすぎる。
新セットによる環境の変化が統率者戦よりも大きく、まだ発見されるのを待っているパイオニアEDH界のオタクカードがまだまだあるはず。デッキ構築が好きな方にはたまらないフォーマットです。
最強統率者決定戦
コマンダーサミットでは「最強統率者決定戦」なるトーナメントも実施されています。これを目当てに参加しているプレイヤーも少なくありません。TC東京で開催されている「統率者神決定戦」とはやや環境が異なり、統率者戦の地域性を感じさせます。
プレイヤーに話を聞いてみても、1つのデッキをこつこつと環境に合わせて調整し続けているプレイヤーが多い印象です。
今回決勝に残ったのはこの4デッキ。
予選ラウンド1位 マスダショウヘイ選手
予選ラウンド2位 ナカガワタロウ選手
予選ラウンド3位 フクモトカズキ選手
予選ラウンド4位 アサクラヨシトモ選手
ゲーム模様
デリーヴィーはセットゴー、コルメラからは《魔力の櫃》。このマッチではもっとも足が速そうに見えるグリクシスカラーの統率者だけあって、空気が少し硬くなる。
一方、3番手ティヴィット、0マナアーティファクト3枚から1ターン目に統率者を着地させる。
「おいおいおい」「はぁ~?」と周囲からため息が聞こえる、前のめりなハンド。《秘密売り、ティヴィット》の着地で宝物・トークン2つ、手掛かり・トークン3つを獲得し、仮に統率者が除去されても再キャストが容易に。
さらに《神秘的負荷》まで着地させ、もうめちゃくちゃ。ゲームは早くも、ティヴィットのリードを3人が追いかける形になった。
コルメラは受け取ったターン、《幻影の像》。もちろん、《秘密売り、ティヴィット》のコピーになる。
ティヴィットは《オアリムの詠唱》でコルメラに《白鳥の歌》を吐き出させ、《悪魔の教示者》で《時の篩》をサーチ。
《神秘的負荷》も立てながら《時の篩》をキャスト、リーサルを仕掛けるが、デリーヴィーから《精神壊しの罠》!《時の篩》の着地を阻止しただけでなく、追放することにも成功。墓地からの回収を許さず、コンボをひとつつぶすことができ、一安心か。
デリーヴィーはさらに《石のような静寂》まで着地させる。これがアーティファクトへの依存度が高く、コンボにもアーティファクトが絡む3人全員に強烈に刺さる!全員が除去したい・打ち消したいと感じているが、「しばらくは戦場にいてもらわないと自分以外が勝ってしまう」という不安がデリーヴィーに時間を与える結果に。
《浄火の戦術家、デリーヴィー》を着地させると、その能力で《幻影の像》を対象に取ります。護法でこの能力は打ち消されますが、《幻影の像》の能力で自壊。
《浄火の戦術家、デリーヴィー》に続き、コンバットでドローできるクリーチャーを展開していくデリーヴィー。《浄火の戦術家、デリーヴィー》で土地をアンタップすることで、盤面にクロックを残しながらしっかり構えてターンをまわします。
ところでテシャールはというと、《石のような静寂》があるのでギリギリ許されているものの、かなり充実した盤面。墓地からアーティファクト・カードを回収できるカード、サクり台があれば様々なループコンボを形成できる。除去1枚でリーサルまで手が届きそうなラインナップだ 。
コルメラも《波止場の恐喝者》で大量の宝物を獲得し、いよいよ「《石のような静寂》を除去したものが勝つ」構図に。
こうなれば毎ターン着実にダメージを与えながらドローしている《浄火の戦術家、デリーヴィー》が有利。
そのデリーヴィーから今度は《堂々たる撤廃者》。各プレイヤーのライフも徐々に詰まりつつあるこの状況ではリーサルもあり得るか。
これにはティヴィットが《出現領域》起動からのインスタントタイミングで《毒の濁流》!デリーヴィーから打ち消しを放ってはみますが、これもティヴィットはかわします。
結果、戦場には《秘密売り、ティヴィット》だけが残り、 《堂々たる撤廃者》が着地するも、後続はなし。 ここまでコンバットダメージを受け続けてきたコルメラは《魔力の墓所》の3点ダメージで脱落。
これを受けたティヴィット、受け取ったターンで《時を解す者、テフェリー》!明らかに《石のような静寂》を除去しながらのリーサルですが、デリーヴィーは《毒の濁流》の攻防でもう打ち消しがない!
解禁された大量のマナアーティファクトから《船砕きの怪物》!2枚の軽量マナアーティファクトを交互にバウンスさせて無限マナを生み出す。これにデリーヴィーからは《耐え抜くもの、母聖樹》が飛び出し、「おお!」と観客からも声があがるが……だめ!ティヴィットは手札にまだマナアーティファクトを隠し持っていて、無事ループ成立!
無限マナを成立させるとループに《秘密売り、ティヴィット/Tivit, Seller of Secrets》を絡めて手掛かりトークンを生成し、無限ドローまで成立。《タッサの神託者》までたどり着き、勝利!
序盤のリードを守り続け、見事に走り切った!優勝は《秘密売り、ティヴィット》のフクモトカズキ選手!おめでとう!
勝者インタビュー
ゲーム後、各プレイヤーの手を開いてみると、誰もが「あと1ターンあれば……」という状況。序盤からずっと優位に見えたティヴィットでしたが、ギリギリのところで勝ち抜いた、非常にいいゲームでした。ゲーム直後の”ティヴィット”、フクモト選手にインタビューしました。
決勝戦直後のフクモト選手。
優勝おめでとうございます!第2回コマンダーサミットin大阪でも《虎の影、百合子》でtop4でしたが、今回は悲願達成となりましたね。今回はなぜ《秘密売り、ティヴィット》を選択したのでしょうか。
「大阪の最強統率者決定戦の環境傾向として、スタックス戦略が多いと見ていました。コンボが止まったときに殴り負けず、自身が出す手掛かりでドロー、宝物で再キャストも容易な《秘密売り、ティヴィット》が環境にあっていると判断しました」
『MTG専門店 蓮屋』さんで販売されている統率者デッキの監修も手がけられていますね。どういった経緯で統率者戦に触れるようになったのでしょうか。
「もともと、ハースストーンやマジックのリミテッドを精力的にプレイしていました。《虎の影、百合子》を見て、このカードを使いたい!と思ったのがきっかけです。」
きっかけは《虎の影、百合子》の登場だったんですね。そうして始めた統率者戦のどんなところに魅力を感じますか?
「高額、最強のデッキが常に勝てるわけではないところですね。ゲームの展開次第でいろんなデッキにチャンスがあるのが面白いです」
そんなフクモト選手、パイオニアEDHも精力的にプレイされていて、イベントのあとに対戦させていただいた。
統率者は《暁冠の日向》。《不屈の独創力》から《蝗の神》と《滝の賢者》が登場、速攻を持ったトークンが大量に殴りかかり、敗北。「環境に緑が多いから、全体除去を大量に搭載した型がいいと思うんですよね」と、ここでも環境を俯瞰したデッキ構築が光った。
第1~2期統率者神のツボイ選手と同じく、幅広くマジックと統率者戦に触れている人物がトーナメントでも力を見せつけた形となった。つぎのチャンピオンもカジュアルプレイヤーの中から生まれるのかもしれない。
展望
盛況のなか閉会したコマンダーサミット。1年ぶりに再訪した大阪の地、その統率者の盛り上がりは本物だった!
TC大阪のコマンダーサミット、もとい関西の統率者戦を盛り上げたい!そんな想いから、次回のコマンダーサミットではビッグな催しが企画中とのこと。続報にご注目ください!
一緒に遊んでいただいたみなさん、取材に応じていただいたみなさん、本当にありがとうございます。TC大阪のテーブルでまたお会いしましょう。