Just Nowスタンダード! vol.8 -《嘶くカルノサウルス》《地質鑑定士》を軸にしたラクドスが大流行-

紳さん

はじめに

みなさん、こんにちは。スタンダード担当の紳さんです。

「Just Nowスタンダード!」では、主なスタンダードの大会結果をまとめてお伝えします。入賞したデッキを紹介しながら、注目のカードやメタゲームの様相、デッキテクニックなどに触れていきますので、参考になれば幸いです。

今回の記事では土日に開催された『Standard Challenge』の大会結果と、晴れる屋TC東京で開催された『チャンピオンズカップシーズン2店舗予選』の結果をお伝えします。

1/13(土)『Standard Challenge 32』

まずはマジックオンライン上で行われた『Standard Challenge 32』の結果です。

  • 優勝 赤単
  • 準優勝 ラクドスミッドレンジ
  • 3位 エスパーミッドレンジ
  • 4位 アゾリウス兵士
  • 5位 ラクドスコントロール
  • 6位 版図ランプ
  • 7位 ディミーアミッドレンジ
  • 8位 ゴルガリミッドレンジ

トップ8デッキリスト

参加人数73名。アグロ、ミッドレンジ、コントロール、ランプとバランス良くいろんなデッキが入賞するなか、赤単が優勝しました。

優勝 「赤単」

もはや優勝の常連ともいえる赤単ですが、これまでの一般的なリストとは一味ちがいます。

シヴの壊滅者轟く雷獣

メインから《シヴの壊滅者》《轟く雷獣》を1枚ずつ採用し、《轟く雷獣》にいたってはサイドボードにも採用されています。

どちらも速攻を持つためアグロデッキと相性が悪いわけではありませんが、デッキの速度を落としてまで採用する価値があるのでしょうか。

熊野と渇苛斬の対峙魅力的な悪漢巨怪の怒り

デッキリストをくまなく見つめると、《熊野と渇苛斬の対峙》による+1/+1カウンターや《魅力的な悪漢》《巨怪の怒り》による「役割・トークン」など、「改善」されているクリーチャーが盤面に多く並ぶことが想像できます。

《シヴの壊滅者》や墓地から戻ってきた《フェニックスの雛》にも+1/+1カウンターが置かれるなど、《轟く雷獣》の攻撃時誘発型能力である「改善されているクリーチャーの数だけダメージ」が脅威となる場面も少なくないことがわかりました。

レジスタンスの火、コスウラブラスクの溶鉱炉シヴの壊滅者

ロングゲームにもめっぽう強い《レジスタンスの火、コス》《ウラブラスクの溶鉱炉》などに加え、マナフラッド受けにもなる《シヴの壊滅者》の採用など、「速度よりも対応力を最優先」していることが伺えます。

赤単のことをただ直線的で最速の勝ち筋ばかりを目指しているデッキと捉えると痛い目を見そうですね。

準優勝 「ラクドスミッドレンジ」

ここでも準優勝という結果を残し、着実に使用者の数を増やしている「ラクドスミッドレンジ」はTier1のデッキに登りつめようとしています。

地質鑑定士嘶くカルノサウルス

4枚ずつ採用された《地質鑑定士》《嘶くカルノサウルス》がもたらす「発見」は、盤面をつくりながら確実にカードアドバンテージを稼ぎます。めくれたカードが状況的に有効な場面であればそのままキャスト、そうでなければ手札に加えるだけです。

分派の説教者黙示録、シェオルドレッドしつこい負け犬最深の裏切り、アクロゾズ

「発見」クリーチャー以外にも、《分派の説教者》《黙示録、シェオルドレッド》は生きているだけでリソース差をどんどん拡大させますし、《しつこい負け犬》《最深の裏切り、アクロゾズ》は追放除去で対応しない限り、半永久的に戦場へ戻ってきます。

ギックスの残虐ギックスの命令多元宇宙の突破

サイドボードのカードも含め、デッキに採用されたほとんどのカードが「1:2交換」もしくはそれ以上の効果を見込めるカードばかりで構成されています。

まさに「アドアドしい」を体現した、理論上の最強デッキにふさわしいデッキコンセプトです。

執念の徳目豆の木をのぼれ婚礼の発表

一方でラクドスカラーの最大の弱点ともいえる「エンチャントに触れない」点は明確に弱点といえます。

なかでも《執念の徳目》を置かれた場合は最悪で、こちらの「アドアドしい」クリーチャーたちが逆に悪用されるため、ほぼゲームエンド級の相性の悪さです。

版図ランプ相手に《豆の木をのぼれ》を置かれた場合も苦戦は必至で、リソース勝負で負けることすら覚悟します。

大洞窟のコウモリ強迫真実の抽出

それでも、環境トップクラスの干渉手段である《大洞窟のコウモリ》に加え、サイドボードには《強迫》《真実の抽出》といったハンデス手段もあり、まったく対抗できないわけではありません。

《真実の抽出》は黒にしては珍しく、戦場に出てしまった致命的なエンチャントを除去できる可能性があるカードです。

地質鑑定士嘶くカルノサウルス

とにかくリソースが尽きない発見型のラクドスミッドレンジ。さながら「8 Cast」ならぬ「8 Discover」とでも表現いたしましょうか。

「アドを稼ぐことがなによりの楽しみ」というプレイヤーはとても多いですよね!ここ最近で使用者が増え続けていることも納得の楽しそうなデッキです。

1/14(日)『Standard Challenge 64』

つづいて『Standard Challenge 64』の結果です。

  • 優勝 エスパーミッドレンジ
  • 準優勝 ラクドスミッドレンジ
  • 3位 赤単
  • 4位 版図ランプ
  • 5位 赤単
  • 6位 エスパーミッドレンジ
  • 7位 ラクドスミッドレンジ
  • 8位 版図ランプ

トップ8デッキリスト

124名が参加し、大盛況の大会となりました。優勝したエスパーミッドレンジはさすがですね。

また、前日に続いて準優勝&7位入賞と結果を残したラクドスミッドレンジはここでも人気のアーキタイプとなり、124名中22名が使用するほどの大流行ぶりを見せました。

嘶くカルノサウルス原初の征服者、エターリ大勝ち

《地質鑑定士》を採用せず、《大勝ち》から《嘶くカルノサウルス》《原初の征服者、エターリ》の恐竜コンビへと繋ぐラクドスコントロール(ラクドスランプ)も一定数の使用者がおり、最新のトレンドカラーはラクドスといえるでしょう。

優勝 「エスパーミッドレンジ」

ラクドスの猛追を振り切り、124名の頂点に立ったのがこちらのリストです。

婚礼の発表忠義の徳目

メインから《婚礼の発表》4枚、《忠義の徳目》3枚と一般的なエスパーミッドレンジと異なり、かなりエンチャントに寄せた構成となっております。

分派の説教者ヨーグモスの法務官、ギックス黙示録、シェオルドレッド

《分派の説教者》《ヨーグモスの法務官、ギックス》《黙示録、シェオルドレッド》といったクリーチャーがいずれも不採用なことに驚きました。《地底のスクーナー船》すらも不採用です。

除去に弱いクリーチャーたちに頼らず、主力をエンチャントに寄せたことがラクドスが多い今大会において、かなり良い選択だったのかもしれません。

下水王、駆け抜け侯不穏な投錨地

一方で、《下水王、駆け抜け侯》は2枚採用。《忠義の徳目》との相性を考え、生き残った場合のバリューの高さを評価しているのでしょうか。

《忠義の徳目》が戦場に出たあとは《不穏な投錨地》もかなり頼れるアタッカーになるため、4枚フル投入されているようです。

それにしても驚きのデッキ構築…やはり優勝するデッキは一味違いますね!

1/14(日)『チャンピオンズカップシーズン2店舗予選 in TC東京』

それでは最後に、1月14日(日)に開催された『チャンピオンズカップシーズン2店舗予選 in TC東京』を勝ち抜き、エリア予選出場への権利を獲得したデッキを2つご紹介します。

権利獲得 「毒性アグロ」

見事にエリア予選への切符を手にした毒性アグロのリストがこちらです。

前回のJust Nowスタンダード!でも触れましたが、好成績を残し続け本格的にTier1のデッキとなりましたね!

大洞窟のコウモリ怒りの大天使黙示録、シェオルドレッド

毒性アグロの台頭により、エスパーミッドレンジ、版図ランプ、ラクドスミッドレンジなど他のTier1デッキがアグロを咎めるために用意したライフ回復手段が水泡に帰すことになりました。

このデッキ特有の勝利手段(毒殺)が現環境にブッ刺さっているようです。

敬慕される腐敗僧渦巻く霧の行進

なかでも《敬慕される腐敗僧》《渦巻く霧の行進》のコンボを止めるのはとても困難で、対象にさえとってしまえばスタックに乗った《敬慕される腐敗僧》の誘発型能力を対処する手段はほとんどありません。

《ティシャーナの潮縛り》で打ち消すことは可能ですが、《渦巻く霧の行進》は一度にたくさん《敬慕される腐敗僧》の能力を誘発させることも可能なので、根本的な解決にはなっていなさそうです。

血清の罠

ブロッカーをどかしながら増殖で毒・カウンターを増やせる《血清の罠》は、対戦相手からすると悪魔のようなカードですね。

なにげに土地でないパーマネントであればなんでも対象に取れるため、毒性アグロの最大の弱点である《一時的封鎖》を対戦相手のターン終了時にバウンスするといった奇襲的な使い方もできそうです。

権利獲得 「ディミーアミッドレンジ」

こちらは、おなじくエリア予選への切符を手にしたディミーアミッドレンジのリストです。

遠眼鏡のセイレーン大洞窟のコウモリヨーグモスの法務官、ギックス漆月魁渡

先手をとったときのテンポの良さは環境随一のデッキではないでしょうか。とくに軽量飛行クリーチャーと《ヨーグモスの法務官、ギックス》の相性は抜群です。

ある程度のクリーチャーが横並びしたら、「こんなに簡単にカードを引いていいのか?」と言いたくなるぐらいの大量ドローをもたらします。

かき消し否認軽蔑的な一撃

サイドのカードも含めて打ち消しも豊富で、《ヨーグモスの法務官、ギックス》の能力で引いてきたこれらのカードを構えることで逆転を許しません。

強迫切り崩し喉首狙い

相手のデッキに合わせて打ち消しを濃くするか、ハンデス&除去要素を濃くするか選べるのも強みですね。

夜の棍棒使い離反ダニ、スクレルヴ顎骨の決闘者

毒性アグロ対策としてサイドに採用された《夜の棍棒使い》は面白いですね。

《離反ダニ、スクレルヴ》を含む1/1のダニや《顎骨の決闘者》を薙ぎ払いながらブロッカーを用意できるため、かなり有効なアンチカードとして活躍しそうです。

おわりに

Tier1のデッキがいずれも有力視され、大会でも結果を残し続けるなかでやや変わったリストが優勝しています。

いずれも想定されるゲームレンジや軸をずらして対策カードを無力化していることが好成績につながっているのではないでしょうか。

さてさて、『カルロフ邸殺人事件』発売まで1か月を切りました。『プレイヤーズコンベンション横浜2024』に向けて、ラストスパートをかけるのはどのデッキでしょうか。

今後の大会結果に注目です!

この記事内で掲載されたカード

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紳さん マジック愛に生きるフリーライターです。モダン、パイオニア、スタンダードでローグデッキを使い、勝利を目指す! 至って真剣勝負の毎日です。 紳さんの記事はこちら