はじめに
こんにちは。晴れる屋メディアの紳さんです。
《アクロゾズの放血者》をコントロールし、《戦慄の奔出》の一番下のモードを唱えて即勝利する黒単メガハンデスデッキが最近のマイブームです。コンボが決まらない時は《敵意ある調査員》でアドを取り続けて勝ちます。
みなさんはもう、気になる新カードは手に入れましたか?
それでは始まったばかりの『サンダー・ジャンクションの無法者』環境、最新のスタンダード大会結果をチェックしていきましょう!
4/21(日)『第13回スタンダード提督決定戦』
まずは4/21(日)に行われた『第13回スタンダード提督決定戦』の結果から見ていきましょう。
【スタンダード提督決定戦とは?】
神奈川の覇者を決める大会のこと。おもに晴れる屋横浜店や川崎店で開催され、地元民から愛されている。
大会に勝利し、提督の座についた者は神奈川県エリアの晴れる屋における大会参加費が無料など、覇者の恩恵を受けることができる。
神奈川の猛者たち12名によって開催された大会の結果は、このようになりました。
前環境の有力デッキ、ボロス召集が1、2フィニッシュを決めました。
- 2024/03/07
- ボロス召集
全体強化が強すぎる!最速&最強の数の暴力
優勝 「ボロス召集」
こちらが見事、神奈川の覇者となったデッキのリストです。
新カードの《養育するピクシー》は貴重な飛行戦力でありながら、《ひよっこ捜査員》や《ヴォルダーレンの美食家》など1ターン目に出したクリーチャーを手札に戻し、再度ETB能力を誘発させることでテンポを失わずにアドを稼ぐことができる強力なカードです。
全体除去をケアするターンでは、あらかじめ展開した《イモデーンの徴募兵》や《イーオスの遍歴の騎士》を手札に戻すことで《太陽降下》や《間の悪い爆発》後の戦線をすぐに立て直すことができます。
土地を22枚まで絞りながらも、再録された《感動的な眺望所》の新加入によってマナベースは比較的安定しているようです。
地味ながらもしっかりと有用なカードを手に入れ、強化されたボロス召集。新環境でも活躍してくれそうですね!
4/20(土)『Standard Challenge 32』#1
つづいて、オンラインで行われた『Standard Challenge 32』#1の結果です。この日は『Standard Challenge 32』が2回、開催されております。まずは42名が参加した1回目の大会結果から。
4/20(土)『Standard Challenge 32』#1
優勝 エスパーミッドレンジ
準優勝 エスパーミッドレンジ
3位 ボロス召集
4位 エスパーミッドレンジ
5位 ラクドスミッドレンジ
6位 ディミーアミッドレンジ
7位 赤単
8位 アゾリウスコントロール
こちらも前環境からの有力デッキ、エスパーミッドレンジが上位を独占しました。
- 2024/01/26
- エスパーミッドレンジ
クリーチャーを並べて、ラフィーンで強化しながら殴りきる!
優勝 「エスパーミッドレンジ」
こちらが優勝したエスパーミッドレンジのリストです。
新カードの《精神の決闘者》と《すりのチビボネ》が採用されております。《精神の決闘者》は《策謀の予見者、ラフィーン》とのシナジーが凄まじく、2マナのクリーチャーと思えない高火力を叩き出すことも珍しくありません。
除去や打ち消しなどは「悪事を働く」ことになり、盤面の優位を維持しながら《精神の決闘者》の能力を誘発させることができます。また、ブロッカーを軽量除去でどけながら《すりのチビボネ》の攻撃を通し続ける動きも強いですね!
層が厚いエスパーミッドレンジのクリーチャー陣ですが、《精神の決闘者》と《すりのチビボネ》はすんなりレギュラーの座を獲得できそうな実力があります。
ほかの新カードとしては、《秘密の中庭》がマナベースの安定に貢献しています。アグロに寄せたエスパーミッドレンジにとって、ありがたい再録ですね。
また、最強の墓地対策カードである《安らかなる眠り》もしっかりとサイドボードに採用され、前環境のトップメタであるティムールランプ(世界魂ランプ)を睨むことができているようです。
新環境でもやはりエスパーミッドレンジは強そうです!《策謀の予見者、ラフィーン》は登場してから約2年、ずっとメタゲームで活躍しています。凄すぎる。
4/20(土)『Standard Challenge 32』#2
つづいて、56名が参加した2回目の『Standard Challenge 32』#2の結果です。
4/20(土)『Standard Challenge 32』#2
優勝 エスパーミッドレンジ
準優勝 ラクドスミッドレンジ
3位 エスパーミッドレンジ
4位 ジェスカイコントロール
5位 エスパーミッドレンジ
6位 ジェスカイコントロール
7位 赤単
8位 ティムールランプ(世界魂ランプ)
この大会でもエスパーミッドレンジが活躍し、優勝を含む3名が入賞しました。
ここでは、新興勢力として著しい活躍を見せるジェスカイコントロールに注目いたしましょう。
注目 「ジェスカイコントロール」
4位に入賞したジェスカイコントロールのリストです。
新カードの《最後の決戦》はインスタントタイミングで全体除去ができる派手な呪文です。《真昼の決闘》は「計画」などでビッグターンを作られることを未然に防ぎつつ、いざとなれば除去としても機能します。
《三歩先》は概ね3マナの打ち消しですが、マナが豊富に使える終盤以降は打ち消し+αの活躍が見込めるなど、状況次第で1:2、1:3交換まで望めるアドバンテージ源となります。
《稲妻のらせん》が序盤の脅威を除去しながらライフを安全に保つことができるため、アゾリウスコントロールに比べるとアグロデッキに対する耐性が上がっています。
終盤にもつれれば《三歩先》や《記憶の氾濫》の価値がどんどん上がり、リソース勝負では負けることはなさそうです。
なんといっても、コントロールの命であるマナベースに対抗色ファストランドが加わったことが大きなポイントです。
2ターン目の脅威がそのままゲームを決めかねない現代マジックにおいて、しっかりと2ターン目に構えることが何よりも重要だと考えられます。これまでのマナベースでは安定して《稲妻のらせん》と《喝破》を同時に構える動きは難しかったと思いますが、今後は比較的簡単に実現できそうですね!
4/21(日)『Standard Challenge 64』
最後に、87名が参加した『Standard Challenge 64』の結果です。
4/21(日)『Standard Challenge 64』
優勝 版図ランプ
準優勝 ボロス召集
3位 版図ランプ
4位 エスパーミッドレンジ
5位 エスパーミッドレンジ
6位 青赤パワーストーンランプ
7位 ボロス召集
8位 ボロス召集
この大会も、前環境の有力デッキたちがこぞって活躍しました。優勝は版図ランプです。
- 2024/01/26
- 版図ランプ
現スタンダード屈指のハイパワーデッキ!
ゲームスピード的にティムールランプ(世界魂ランプ)に勝つことが厳しいとされていた版図ランプですが、新環境になってもメインデッキはほとんど変わっておりません。
《安らかなる眠り》の再録によってティムールランプの立ち位置が厳しくなり、そもそも数を減らしたことが版図ランプにとって追い風でした。万が一、マッチアップした場合でも《安らかなる眠り》をサイドから投入することで十二分に勝機が生まれます。
ティムールランプ側も《安らかなる眠り》を破壊することはできますが、手札を使わされた上に墓地が一旦はリセットされてしまうのが厳しいですね。
この大会では6位に面白いデッキが入賞していたので、紹介していきます。
注目 「青赤パワーストーンランプ」
こちらが入賞デッキの青赤パワーストーンランプのリストです。
- 2022/12/27
- スタンダード情報局 vol.104 -マナは力-
- 富澤 洋平
パワーストーンランプは約1年半前の『兄弟戦争』環境で登場し、トップメタにこそなりませんでしたが、それなりにメタゲームを賑わせたアーキタイプです。
《鏡割りの寓話》禁止のあおりを受け、使用者が激減したデッキではありますが、今回は装いを新たに再登場しました。
さて、今回の新型パワーストーンランプですが、《身代わり合成機》の性能を活かすために3マナ以上のアーティファクトがたくさん採用されているのかと思いきや、呪文の半数はインスタントとソーサリーです。
しかし、よくよく見ると《瞬足光線の大隊》が採用されており、「試作」でプレイしたとしても《身代わり合成機》の能力を一気に3回誘発させることで圧倒的な盤面をつくることができます。アーティファクトの枚数を抑える代わりに、爆発的なシナジーを持つカードを採用した形ですね。
ランプしながら壁としても優秀な《スランの蜘蛛》、コンボパーツを探しながら全体除去が行える《間の悪い爆発》、エスパーミッドレンジを咎める《石術の連射》はメインから4枚採用と徹底的に苦手なクリーチャーデッキをメタっています。
《間の悪い爆発》で捨てるカードとしては、《街並みの地ならし屋》が最適ですね。終盤は墓地からしっかりと仕事をしてくれそうです。
終盤までもつれ込めば《身代わり合成機》と《瞬足光線の大隊》のコンボで一気に逆転できますし、不要なカードは《厳しい授業》で捨てれば良いだけと考えれば、このような尖ったデッキ構成も大いにアリなのかもしれません。
気になるのは環境に決して少なくないコントロール相手に勝てるかどうかです。特に《告別》や《兄弟仲の終焉》は《身代わり合成機》とトークンを根こそぎ除去されてしまうため、かなり厳しそうに感じます。
また、《アンズラグの猛威》は採用実績こそありませんが、アーティファクト系のデッキが流行ればサイドから投入されることは十分に考えられるカードです。
どうやら、それを見越した上でアーティファクトに全振りするのではなく、インスタントやソーサリーにスロットを割いているようですね!メインとサイド合わせて4枚の《否認》が輝きを放っています。
追放しない限り2回目の対処が求められる《街並みの地ならし屋》に加え、9マナでプレイされる《瞬足光線の大隊》も対処必須級のカードとなり、コントロール対面はむしろ望むところなのかもしれません。
新カードの《身代わり合成機》を活かすデッキとしては白青アーティファクトデッキが真っ先に思い浮かびますが、このような使い方もあるのだと感心しきりです。今後の活躍も楽しみですね!
おわりに
ボロス召集、エスパーミッドレンジ、版図ランプといった前環境からの有力デッキが活躍を続けるなか、しっかりと実績を残す新デッキ(?)の存在が確認できました。今後はどんなデッキ、どんなカードが頭角を現すのでしょうか。
今週末にはプロツアー『サンダー・ジャンクションの無法者』も控えており、この環境の実態が明らかになってくることでしょう。それでは次回の大会結果もお楽しみに!