最新のローグデッキを追いかける!
こんにちは。晴れる屋メディアの紳さんです。
『限界突破スタンダード!』では、大会で入賞した実績のある、ユニークなローグデッキを紹介します。
メジャーなデッキ、ガチデッキの情報については『Just now スタンダード!』や『スタンダードデッキ紹介』をぜひ、ご参考ください。
それでは早速、最近の大会実績から厳選したローグデッキを紹介します!
スタンダード:ローグデッキ紹介
「部屋型」発見コンボ
まずは晴れる屋千葉店でSasaki Takashiさんが使用し、『《黙示録、シェオルドレッド》争奪スタンダード』でトップ4に入賞したユニークな「発見」デッキの紹介です。
『ファウンデーションズ』で《電気複製》が登場したことにより、《溶鉄の複製》と合わせてコピー呪文が8枚体制となりました。
これらのコピー呪文は《嘶くカルノサウルス》の「発見5」によって確定で唱えられるため、速攻を持った《嘶くカルノサウルス》のコピー・トークンが生成され、また「発見5」が誘発……というループが発生します。
最終的に、ライブラリー内に残っている《電気複製》と《溶鉄の複製》の数だけ速攻・トランプル7/6のコピーが並ぶため、おおむね攻撃して勝利となります。
《電気複製》や《溶鉄の複製》の対象となった《嘶くカルノサウルス》を除去されるとコンボは止まりますが、次のターンに《引き抜き》でリアニメイトすることで再びコンボが狙えます。
いざとなれば《有角の湖鯨》でのビートダウンプランなどもあり、二の矢、三の矢が控えているところもデッキの強みです。
マナベースに注目すると、土地は29枚と多めに採用しています。マナ加速などがなく、6ターン目までは毎ターン、確実に土地を置きたいデッキです。
また、『ファウンデーションズ』で再録された占術ランドが合計13枚と、かなり多く採用されています。《電気複製》や《溶鉄の複製》はなるべくライブラリーに眠っていて欲しいカードのため、このデッキでは「諜報」よりも「占術」の方が有用です。
ちなみに、すべての呪文が「発見5」に引っかからないようにデッキを組む必要があるため、採用できるカードの選択肢はかなり限られています。
しかし、『ダスクモーン:戦慄の館』で登場した「部屋」ならば大丈夫です。ドローと除去を兼ねたカードが多く、《嘶くカルノサウルス》を探しながら、《嘶くカルノサウルス》登場までの時間を稼ぎます。
そして、Sasakiさんのデッキはユニークなことに、サイドボード15枚すべてが「部屋」という斬新な構築です。
《嘶くカルノサウルス》《電気複製》《溶鉄の複製》《押し出し/引き抜き》の採用枚数合計がちょうど15枚なので、サイドボード後はコンボパーツをまとめて「部屋」と入れ替えることで、相手の除去などの対策カードを腐らせながら《確実な階段》による特殊勝利を目指すことができます。
メインの発見コンボを見て、サイドからエンチャント破壊が入れられることはほとんどないでしょう。斬新なアイディアですね!
もし、部屋にこだわらないのであれば《中止/停止》はぜひ、サイドに採用したいカードです。現スタンダードでは墓地対策はかなり重要で、相性が改善するマッチアップがかなり増えるのではないでしょうか。
吸血鬼 with 《うろつく玉座》
つづいては、Onodera Kyoheiさんが晴れる屋川崎の休日構築戦で使用し、優勝したデッキを紹介します。
- 2024/09/10
- 限界突破スタンダード! vol.6 -「わからん殺し」に要注意!知っておきたいローグデッキ対策-
- 紳さん
Onoderaさんのデッキについては以前、「スマスロ吸血鬼(リビングエンド)」を紹介させていただきましたが、今回はまったく別のアプローチの吸血鬼デッキですね。
このデッキは種族デッキにありがちな「ロードによる全体+1/+1修正」を武器にして戦うのではなく、《うろつく玉座》で吸血鬼の誘発型能力のダブルアップを狙います。
《分派の説教者》ならばドローやトークン生成が2倍になり、《ヴォルダーレンの興奮探し》ならば「賛助2」が2回誘発します。キッカー込みで《忘却の虚僧》を唱えれば、着地したときに2体リアニメイトが可能に!
除去やハンデスでゲームをコントロールしながら、《うろつく玉座》で一気にアドバンテージを拡大する動きは、フェアながら強そうですね!
また、《アクロゾズの放血者》がいる状態で《戦慄の奔出》の3番目のライフルーズ効果を解決すると、即勝利が狙えます。フェアに立ち回りながら、一瞬の隙をついて即死コンボを決めることができるのはなかなか面白そうです。
ちなみに、《新たな血族、ヴァドミル》の能力は「毎ターン1回しか誘発しない。」という制限があるため、たとえ《うろつく玉座》をコントロールしていても誘発回数が増えることはありません。
また、《アクロゾズの放血者》の能力は「置換型能力」のため、これも《うろつく玉座》の恩恵を受けません。このデッキを大会に持ち込む際は注意しましょう。
サイドボードの《アガサの魂の大釜》は墓地対策をしながら《ヴォルダーレンの興奮探し》を追放する狙いがある一石二鳥なカードです。+1/+1カウンターが乗ったクリーチャーは《ヴォルダーレンの興奮探し》の起動型能力を持つため、生け贄にすることで除去や直接火力として機能するようになります。
特に《新たな血族、ヴァドミル》などは自身の能力で+1/+1カウンターが乗せられるため、ブロッカーが並ぶ終盤では頼りになる砲台となります。4個以上の+1/+1カウンターが乗っていれば「絆魂」によるライフ回復も望めるため、対アグロデッキの必殺兵器となるでしょう。
“ほぼ”白単エンジェル
つづいても種族デッキの紹介です。晴れる屋仙台店の『プレインズウォーカー・フレンドリーマッチ スタンダード』で3-0した、Hida Toshiakiさんの天使デッキを紹介させていただきます。
《希望の源、ジアーダ》でマナ加速しつつ、スタッツが著しく成長する天使たちを戦場に送り込みます。天使は飛行を持っているので、攻撃が通りやすいのも強みですね。
《光の模範》はライフ回復がトリガーとなり、強力な能力が誘発します。このデッキは「絆魂」やライフ回復能力を持った天使が多く採用されているため、誘発させるチャンスはたくさんありそうです。
ほぼ白単という構成ですが、《魂の洞窟》や《優雅な談話室》《薄暗い裏通り》を採用することで《怒りの大天使》のキッカーコストが支払えるようになっています。《魂の洞窟》の恩恵で打ち消しにも強そうです。
《破片魔道士の救出》が3枚と多めに採用されており、単体除去には対抗できます。特に最大のアドバンテージ源となる《光の模範》は死守したいクリーチャーです。
《太陽降下》のような全体除去は明確な弱点となりますが、《ゴバカーンへの侵攻》をサイドから投入することで時間を稼ぐことは可能です。
ライフ回復を軸としているデッキのため、アグロデッキには耐性があります。ただし、《叫ぶ宿敵》の能力を誘発させてしまうと、一転して窮地に立たされることになるでしょう。
ただし、自分に「呪禁」を与えてくれる《大都市の改革家》がいれば《叫ぶ宿敵》すら対策可能です。グルール果敢などアグロデッキがトップメタの今、一度は試してみたい種族デッキですね!
《森》の緑単
最後に、晴れる屋千葉店の「フライデーナイトマジック」で3-0した、Ito Yutaさんの緑単デッキを紹介させていただきます。
採用されている21枚の土地はすべて《森》。当然、すべての土地がアンタップインでテンポよくクリーチャーを展開することができるでしょう。
また、土地が伸びれば伸びるほど《花ざかりの開花族》は手が付けられないスタッツとなります。
マナレシオも高く、3マナ4/4は当たり前です。特に3マナのクリーチャーは《ラノワールのエルフ》から2ターン目の着地が狙えるのが強みとなります。
《土の勇者》に至っては4マナ8/8という超ハイスペックで、《原初の飢え、ガルタ》の早期ターン着地を助けます。
戦場に出たクリーチャーのパワーを参照してドローが誘発する《荒野無頼団の先駆者》もかなり強く使えます。
《狩猟の統率者、スーラク》は戦闘の開始時にクリーチャーに速攻を付与できるようになり、《怪物的出現》はほぼ確定除去として機能します。採用しているクリーチャーのパワーが高いことで、デッキ全体を強く使うことができる構成です。
《バジリスクの首輪》の採用は珍しいですが、このデッキにはトランプルを持ったクリーチャーが多く、「接死」がかなり強力です。
パワーが高いため「絆魂」によるライフ回復量も高く、フェアデッキ相手にライフレースを有利にすることができます。
サイドボードにはクリーチャー除去対策・墓地対策・万能除去が揃っています。メインから置き物破壊・墓地追放ができ、ドローエンジンまで搭載されております。不器用に見えてかなり器用な立ち回りが可能なデッキという印象ですね!
「殴りデッキこそ至高」「戦闘はマジックの華よ!」というプレイヤーにおすすめの緑単デッキ。ぜひとも使ってみてください!
おわりに
いかがでしたでしょうか。なかなかユニークなローグデッキがたくさん活躍していますね!
ちなみに、話題の《全知》を《アブエロの覚醒》で釣り上げるコンボデッキ、「アゾリウス全知」は元々、『限界突破スタンダード!』で紹介する予定のデッキでしたが、『Standard Challenge』で2回も優勝したので、『Just now スタンダード!』の方で紹介しております。
- 2025/01/14
- Just Nowスタンダード!vol.43 -《アブエロの覚醒》で《全知》を釣り上げるデッキが優勝-
- 紳さん
このように、ローグデッキとして認識していたデッキが、突如として活躍してメジャーなデッキになるというケースもあります。強いローグデッキはローグ賞味期限が短いのです。
ローグデッキ愛好家としては寂しいような嬉しいような、複雑な心境ですね。インディーズバンドのメジャーデビューを見届けるファンの方もこのような気持ちなのでしょうか。
さて、次はどんなローグデッキとの出会いが待っているのか。次回の限界突破スタンダードでお会いしましょう。それでは、また!