最新のスタンダード大会結果をチェック!
こんにちは。晴れる屋メディアの紳さんです。

いよいよ今週末、『第30期スタンダード神挑戦者決定戦』が開催されます!
2月に開催された、プロツアー『霊気走破』では「オーバーロード」が優勝&準優勝を独占し、圧倒的なパフォーマンスを見せました。
はたして、このままスタンダード環境はオーバーロードに支配されるメタゲームとなるのか、それとも……?
今回の記事では直近で開催されたオンラインの大会結果をチェックしていきたいと思います!
3/1(土) 『Standard Showcase Challenge』
まずは255名と多くのプレイヤーが参加した、『Standard Showcase Challenge』の結果から見ていきましょう。
3/1(土) 『Standard Showcase Challenge』
優勝 エスパーピクシー
準優勝 グルール果敢
3位 エスパーピクシー
4位 エスパーピクシー
5位 赤単
7位 ジェスカイ召集
8位 アゾリウス全知
トップ8にオーバーロードの姿はなく、上位はアグロ系デッキとエスパーピクシーが独占する結果となりました。
そして、優勝したエスパーピクシーは、『霊気走破』で新たな武器を見つけたようです。
エスパーピクシー
こちらが優勝したエスパーピクシーのデッキリストです。
新カードの《勢い挫き》は、クリーチャーや機体をコントロールしている相手には生け贄を強制し、それらをコントロールしていないプレイヤーからは手札を奪う、腐りにくいエンチャントです。
エンチャント
エンジン始動!(あなたが速度を持たないなら、1から始まる。速度はあなたの各ターンに1回、対戦相手がライフを失ったとき、1上がる。最高速度は4である。)
このエンチャントが戦場に出たとき、各対戦相手はそれぞれ、自分が選んだ、クリーチャーや機体である1体を生け贄に捧げる。それができない各対戦相手はそれぞれカード1枚を捨てる。
, このエンチャントを生け贄に捧げる:あなたは自分の速度に等しい点数のライフを得る。
このカードも当然ながら、《養育するピクシー》《孤立への恐怖》《この町は狭すぎる》などで使い回されることになります。エスパーピクシーがまた一段階、パワーアップするアップデートとなりました。
そして今、スタンダードでもっとも注目されているカードと言ってよいでしょう。《食糧補充》がエスパーピクシーにも採用され始めました。
ソーサリー
あなたのライブラリーの一番上にあるカード5枚を見る。そのうち2枚をあなたの手札に、残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。
1-2マナのカードを多く採用しているエスパーピクシーでは、手札に加えたカードをすぐにプレイできるなど、使い勝手は良さそうです。
たくさんのマナが使える終盤では、《嵐追いの才能》をレベル2にすることで《食糧補充》を使い回すことも可能で、この動きから《この町は狭すぎる》にたどり着けば、ループが止まらなくなります。
ところで、優勝したリストに2枚採用されている《ベイルマークの大主》はバウンスと相性は良いものの、少し意外なカードかもしれません。
なぜなら、このデッキは実に4分の3が《ベイルマークの大主》で回収できないカードで構成されており、常にアドバンテージが獲得できるカードではないからです。
それでも採用されている理由はなんでしょうか。
《ベイルマークの大主》は切削系のカードにありがちな「切削したカードのなかから選んで回収する」という類のカードではなく、墓地にクリーチャーやプレインズウォーカーがあれば、とりあえず回収ができる点が評価できます。バウンスして使い回せば、アドバンテージ獲得手段としてはまずまずの性能と言えるでしょう。
倒された《悪夢滅ぼし、魁渡》を回収する動きは強力ですし、勝負が長引けば5/5のアタッカーとして機能する状況もあり得るでしょう。総じて、《ベイルマークの大主》は採用する価値が十分にあるカードだと考えられます。
『霊気走破』でより一層、強くなったエスパーピクシー。今後も注目を集めるデッキとなりそうです。
3/2(日) 『Standard Challenge 64』
つづいて、77名が参加した『Standard Challenge 64』の結果をチェックしていきましょう。
3/2(日) 『Standard Challenge 64』
優勝 アゾリウスアグロ
準優勝 エスパーピクシー
3位 エスパーピクシー
4位 エスパーピクシー
5位 アゾリウスコントロール
6位 赤単
7位 エスパーピクシー
8位 赤単
おや? この大会でもオーバーロードの姿が見えない……?
この大会ではトップ8をアグロデッキとエスパーピクシーが独占する結果となり、優勝は《威厳あるバニコーン》と《マネドリ》で強烈なビートダウンを仕掛けるタイプのアゾリウスアグロでした。
ここでは5位に入賞した唯一のコントロールデッキに注目したいと思います。
アゾリウスコントロール
こちらが5位に入賞したアゾリウスコントロールのリストです。一般的な「受けに特化したコントロールデッキ」のリストとは様子が異なりますね。
《ミストムーアの大主》を4枚フル採用しているリストはやや珍しいのではないでしょうか。
最近のコントロールデッキは《完成化した精神、ジェイス》でライブラリーアウトを狙うデッキが多かったと思いますが、しっかりと殴って勝利しようとする意志が見てとれます。
そして、このデッキもやはり《食糧補充》を採用。もしかして、青いデッキならとりあえず入るカードなのか?
全体除去に関しては、採用枚数的に《太陽降下》の優先度がかなり下がっているようです。環境がかなり高速化していることは否めません。
4ターン目に《ミストムーアの大主》で突っ張って、飛行2/1のクリーチャー・トークンをブロッカーに回しながら全体除去を狙っていけると強そうですね。
盤面をサラ地にして、除去と打ち消しを構えながら《ミストムーアの大主》が動き出すのを待つ動きはかなり強力ではないでしょうか。
余裕があれば、ギリギリまで全体除去を温存し、兆候が解けるターンで全体除去!なんてことも可能です。自分の《ミストムーアの大主》だけが盤面に残ることになります。
あらかじめ蓄積カウンター1個が置かれて戦場に出る《爆発域》は、環境的にかなり強いですね!即起動で1マナのパーマネントをすべて破壊できます。土地としては破格の性能なのでは……
ところで、今回のリストでは採用されていませんが、コントロールデッキとしてはインスタントタイミングの手札補充も欲しいところです。《遠見の儀式》は《記憶の氾濫》と比較すると物足りませんが、コントロールデッキなら試したいカードではあります。(そもそも、《記憶の氾濫》が強すぎただけという説も)
こちらが構えているとき、「相手がアクションしてきたら打ち消しや除去、なにもしてこなかったドローを進める」という選択肢を選べる状況が強いと思います。
ちなみに、サイドボードには鬼のディスカード対策が。《萎れ葉のしもべ》はまだギリギリ手札からプレイできますが、《強情なベイロス》はまったく色が合っていません。エスパーピクシーがいかに脅威であるかを物語っていますね。
一部のマジックプレイヤーにとって、コントロールデッキからしか得られない栄養が確実に存在します。最新型のアゾリウスコントロールデッキ、ぜひとも回してみてください。
3/3(月) 『Standard Challenge 64』
最後に、88名が参加した『Standard Challenge 64』の結果をチェックしていきましょう。
3/3(月) 『Standard Challenge 64』
優勝 オーバーロード
準優勝 ゴルガリミッドレンジ
3位 アゾリウスコントロール
4位 アゾリウス全知
5位 ジェスカイ眼魔
6位 オーバーロード
7位 エスパーピクシー
8位 オーバーロード
おお、安心しました。ここではしっかり、オーバーロードが優勝しています。トップ8にオーバーロードが3名入賞。
プロツアーで大ブレイクしたジェスカイ眼魔や定番デッキのゴルガリミッドレンジなども活躍しているようです。
ここでは4位に入賞したアゾリウス全知をチェックしていきましょう。
アゾリウス全知
コンボデッキが活躍しづらい現スタンダード環境ですが、新生、アゾリウス全知は一味違うようです。
諜報しながら攻撃クリーチャーを1マナでバウンスできる《エファラの分散》、アグロデッキやエスパーピクシーに刺さる《一時的封鎖》、コンボパーツを探しながらブロッカーとして重宝する《ファラジの考古学者》《悲劇の神託者》など、時間を稼ぐための手段が豊富にあります。
墓地に《全知》がある状況であれば、《アブエロの覚醒》から即座にコンボルートに入ることができ、最速4ターンキルも可能なデッキです。
このデッキにとって《食糧補充》を獲得したことはかなり大きなアップデートといえるでしょう。《アブエロの覚醒》にたどり着きやすくなっただけではなく、手札に《アルケヴィオスへの侵攻》がない状況からでも、見切り発車で《全知》を釣り上げて勝てる見込みがさらに高くなりました。
とりあえず《全知》を定着させれば、《食糧補充》《困惑の謎掛け》《ファラジの考古学者》などを連打して《アルケヴィオスへの侵攻》に繋がる可能性は高く、いかに早く《全知》を墓地に置けるかどうかが勝負の鍵となりそうです。
- 2025/01/14
- Just Nowスタンダード!vol.43 -《アブエロの覚醒》で《全知》を釣り上げるデッキが優勝-
ちなみに、アゾリウス全知の《アルケヴィオスへの侵攻》から即勝利となるルートについては、以前の記事で説明をしていますので、ぜひご参考ください。
少し前のデッキリストなのでフィニッシュに使われるカードこそ違いますが、《アルケヴィオスへの侵攻》をひたすらバウンスして墓地やサイドボードのカードを使い回すという理屈は同じです。
このアゾリウス全知、エスパーピクシー相手に有利な戦いができるコンボデッキと言えるのではないでしょうか。相手がプレイした《望み無き悪夢》や《勢い挫き》を逆に利用して《全知》を墓地に落とすことが可能で、メインから採用している《一時的封鎖》もエスパーピクシーの主力をあらかた追放することが可能です。
また、サイドボード後は相手のデッキがどうであれ、墓地対策カードとの戦いとなります。
サブプランとしては《ミストムーアの大主》のようなカードを採用するのではなく、《激浪の機械巨人》を3枚採用しているようです。墓地対策カードを対処しながら、あわよくば殴ってもいける、というところがほかのフィニッシャーとは一線を画します。
スタンダードでは珍しい、かなりオールイン寄りのコンボデッキです。《食糧補充》などコンボパーツを探すカードが増えたことで、今後はさらに注目すべきデッキとなりそうですね!
コンボデッキが好きな方はぜひ、お試しください。
おわりに
今回紹介したデッキのほかにも、プロツアーで台頭したジェスカイ眼魔、ゴルガリ切削、セレズニアギアハルク(《収集家の檻》)、イゼットアーティファクトといった有力デッキが存在します。
「これから大会に出るぞ!」という方はぜひ、スタンダードデッキ紹介で簡単におさらいしておきましょう!
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セレズニアギアハルク
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イゼットアーティファクト
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メタゲーム的にはややエスパーピクシーが頭一つ抜けているという印象こそありますが、圧倒的トップメタというほどではないような気がします。
今週末の『第30期スタンダード神挑戦者決定戦』が本当に楽しみですね!
どんなデッキが活躍するでしょうか。それでは、また来週!