最新のスタンダード大会結果をチェック!
こんにちは。晴れる屋メディアの紳さんです。
今回はオーストラリアと中国で開催された「地域チャンピオンシップ」の結果をチェックしながら、最新のメタゲーム追いかけたいと思います!
『ANZ Super Series Cycle 9 Regional Championships – Melbourne』
5月10日(土)、オーストラリアのビクトリア州メルボルンにて開催された地域チャンピオンシップの結果からチェックしていきましょう。
予選を勝ち抜いた222名のプレイヤーが参加しました。
『ANZ Super Series Cycle 9 Regional Championships – Melbourne』
優勝 ディミーアミッドレンジ
準優勝 ラクドスミッドレンジ
3位 オルゾフピクシー
4位 グルール昂揚
5位 イゼット果敢
6位 ジェスカイ眼魔
7位 イゼット果敢
8位 ジェスカイ眼魔
この大会はトップ8すべてがフェアデッキという結果になりました。(《コーリ鋼の短刀》や《忌まわしき眼魔》が本当にフェアなのかはさておき)
優勝はディミーアミッドレンジ、準優勝はラクドスミッドレンジとなっております。
ディミーアミッドレンジ
こちらが優勝したディミーアミッドレンジのリストです。定番のアーキタイプではありますが、改めて地力のあるデッキだと感じます。
《コーリ鋼の短刀》を破壊できないディミーアカラーですが、1-2ターン目のハンデスで対処することが可能です。この構成ならばコンボデッキやコントロール相手にも有利に戦うことができます。
攻撃の中心となるのは《分派の説教者》《永劫の好奇心》《悪夢滅ぼし、魁渡》の3種で、このうちの1つでも生き残って攻撃し続けることができれば、どんどんアドバンテージ差をつけることができます。
一度でも盤面の有利が取れたなら、簡単に逆転は許しません。相手よりも多い手数で妨害&除去を繰り返し、ゲーム終了まで優勢を保ちます。
《ティシャーナの潮縛り》で《コーリ鋼の短刀》を無効化できるのはいいですね!
サイドボードには打ち消しが多めに用意されていました。環境に《魂の洞窟》と《湧霧の村》があるため過信はできませんが、アゾリウス全知など打ち消しが必要となるマッチアップはまだまだ存在します。
ラクドスミッドレンジ
こちらは準優勝したラクドスミッドレンジのリストですが、かなりユニークなデッキです。
キーカードとなるのは《運命を笑う者、アリーシャ》で、《逸失への恐怖》や《太陽の執事長、インティ》でディスカードした軽量クリーチャーをリアニメイトする狙いがあります。
伝説のクリーチャー – 人間・戦士
先制攻撃
これが攻撃するたび、これの上に+1/+1カウンター1個を置く。
強襲 ― あなたの終了ステップの開始時に、このターンにあなたが攻撃していた場合、あなたの墓地にありマナ総量がこれのパワー以下であるクリーチャー・カード1枚を対象とする。それを戦場に戻す。
「強襲」によってリアニメイト能力が誘発するため、《運命を笑う者、アリーシャ》自身が攻撃に参加する必要はないところがポイントになります。
ターン中に攻撃さえしていればOKなので、適当なクリーチャーで攻撃し、ブロックで討ち取られたとしても、その後に《運命を笑う者、アリーシャ》をプレイして終了ステップにすぐさまリアニメイトといった動きが狙えます。
そう考えると、戦闘で確実に相討ちが狙える接死持ちの《すりのチビボネ》が4枚フル投入されている理由が見えてきますね!
意外だったのは、《ファイレクシアのドラゴン・エンジン》と《ギックスに拾われし者、ミシュラ》の合体シナジーが採用されていたことです。
アーティファクト・クリーチャー – ファイレクシアン・ドラゴン
二段攻撃
ファイレクシアのドラゴン・エンジンがあなたの墓地から戦場に出たとき、あなたはあなたの手札を捨ててもよい。そうしたなら、カード3枚を引く。
蘇生
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(「ギックスに拾われし者、ミシュラ」と合体する。)
伝説のクリーチャー – ファイレクシアン・人間・工匠
あなたが攻撃するたび、各対戦相手はそれぞれX点のライフを失い、あなたはX点のライフを得る。Xは攻撃クリーチャーの数に等しい。ギックスに拾われし者、ミシュラと、「ファイレクシアのドラゴン・エンジン」という名前を持つクリーチャー1体が攻撃していて、あなたがその両方をコントロールしていてそれらのオーナーであるなら、それらを追放し、その後、それらを「ファイレクシアに下りし者、ミシュラ」へと合体させる。それはタップ状態かつ攻撃している状態で戦場に出る。
伝説のアーティファクト・クリーチャー – ファイレクシアン・工匠
ファイレクシアに下りし者、ミシュラが戦場に出るか攻撃するたび、以下から3つを選ぶ。
・対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーはカード2枚を捨てる。
・クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。ファイレクシアに下りし者、ミシュラはそれに3点のダメージを与える。
・アーティファクトやプレインズウォーカーのうち1つを対象とする。それを破壊する。
・ターン終了時まで、あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーは威迫とトランプルを得る。
・ターン終了時まで、あなたがコントロールしていないすべてのクリーチャーは-1/-1の修整を受ける。
・パワーストーン・トークン2つをタップ状態で生成する。
ドローソースに乏しい前のめりなラクドスにとって、手札が尽きたタイミングで《ファイレクシアのドラゴン・エンジン》が戦場に出れば、実質的に3ドローするようなものです。
現スタンダードではアーティファクト対策がされがちですが、破壊されても墓地から蘇生できる上、先述した《運命を笑う者、アリーシャ》でのリアニメイトも狙え、《ファイレクシアのドラゴン・エンジン》はデッキに合っているカードといえそうです。
クリーチャーが横並びすれば、《ギックスに拾われし者、ミシュラ》のドレイン能力は無視できない威力となります。また、合体能力はともかく、ドレイン能力に関しては《ギックスに拾われし者、ミシュラ》自身が攻撃する必要がありません。
この能力もやはり《すりのチビボネ》のような気軽に攻撃できるクリーチャーと相性がよく、デッキとしては一貫性があるといえるのではないでしょうか
ついついミシュラ合体ばかりに目がいきがちですが、《ファイレクシアのドラゴン・エンジン》と《ギックスに拾われし者、ミシュラ》はどちらも単体での活躍が十分に見込めます。もちろん、タイミングが良ければ合体してゲームに勝つというドリーミングな展開もありますね!
《焚炭の機械巨人》も面白いカードで、《ギックスに拾われし者、ミシュラ》をリアニメイトしてすぐさま攻撃に向かわせることが可能です。合体さえしてしまえば、終了ステップに追放する必要もありません。
意外なデッキが地域チャンピオンシップ準優勝という結果を残したことに最初は驚きましたが、リストを見つめていると緻密な計算によって導き出された勝利の方程式が浮かび上がってきました。
ミシュラ合体の夢をまだ果たせていない方は、ぜひ、このデッキを回してみてください。
- 2023/10/24
- 話題の「ミシュラ合体」でスタンダード大会に出てみた
- 紳さん
(ちなみに私は卒業しています)
『MTG China Open S9 Regional Championship』
つづいて、中国・北京市で開催された地域チャンピオンシップの結果です。
こちらも5月10日(土)に行われ、233名のプレイヤーが参加しました。
ここではアゾリウス全知が優勝するなど、トップ8に2名が入賞する活躍を見せました。全体的にはイゼット果敢や赤単、グルールといったアグロデッキが多く入賞しています。
3位に入賞したオルゾフミッドレンジはピクシー型ではなく、妨害や除去を多めに採用した王道的なフェアデッキでした。流行中の黒単デーモンに白をタッチしたような構成で、アグロデッキを強く意識しているようです。
アゾリウス全知
こちらが優勝したアゾリウス全知のリストです。進化を続けてきたアーキタイプですが、このリストが最新型であり、ほぼ最終系となるのではないでしょうか。
- 2025/03/13
- スタンダード神へ就任!アゾリウス全知&神決定戦での思考を徹底解説!
- 平山 怜
過去には、Hareruya Prosの平山さんがこのデッキを使用し、スタンダード神の座に就いています。リストはかなり変わりましたが、勝利に至るための考え方などは今でも通じる部分が多いので、ぜひ、ご参考ください。
クリーチャー – ドラゴン
飛行
このクリーチャーが戦場に出たとき、土地でもこれでもないパーマネント最大2つを対象とする。それらをオーナーの手札に戻す。
《巻きつき捕らえ》
インスタント – 前兆
カード3枚を引き、その後、カード1枚を捨てる。(その後、このカードをオーナーのライブラリーに加えて切り直す。)
《マラング川の執政》という最強のフィニッシャーを獲得したことで、もう《アルケヴィオスへの侵攻》を採用する必要もなく、サイドボードに勝利手段を用意する必要もなくなりました。
つまり、75枚すべてをプレイアブルなカードで揃えることが実現できています。
ちなみに、これまでのアゾリウス全知と比べると手順は格段にシンプルとなりますが、念のために勝利手段について下記にまとめました。
《全知》着地後の勝利ルート
①《食糧補充》などドローソースを連打し、《マラング川の執政》が手札に2枚揃うまでチェーンさせる。
②2体の《マラング川の執政》を出し入れすることで、自分はあらゆるパーマネントを無限に出し入れでき、対戦相手の土地以外のパーマネントはすべて手札に戻すことができる。
③《乱動するドラゴンの嵐》を出し入れすれば無限ドローとなるので、《第三の道の創設》が見つかるまで繰り返す。
④《第三の道の創設》を無限に出し入れし、II章能力で対戦相手のライブラリーをすべて吹き飛ばし、ターンを返して勝利。
ちなみに、なんらかのアクシデントで《第三の道の創設》が追放されてしまったとしても、《マラング川の執政》を4体並べて、打ち消しを構えつつ、対戦相手の土地以外のすべてのパーマネントを手札に戻した状態の盤面となるため、概ね勝利となります。
《マラング川の執政》の前兆面《巻きつき捕らえ》を含め、デッキのほとんどのカードがドローソースであるため、《全知》着地後にコンボが止まる心配をする必要はほとんどないでしょう。
つまり、アグロデッキに対しては《アブエロの覚醒》と《全知》という2枚のコンボパーツをいかに早いターンで揃えることができるか、そして妨害や土地追放があるデッキに対しては、いかにそれらを回避することができるか、という勝負となります。
サイドボードは妨害を回避する手段や、アグロデッキ対策のカードが用意されています。
コンボデッキというのはプレイングが難しそうに思えますが、この最新型のアゾリウス全知はゴールが明確で、手順もシンプルであるため、初心者でも扱いやすいデッキです。コンボデビューしてみたいという方はぜひ、挑戦してみてくださいね!
墓地対策が増えてくると勝ちにくくなるデッキだとは思いますが、今後の立ち位置がどのように変化していくのか注目です。
おわりに
というわけで、海外の地域チャンピオンシップの結果を中心に優勝&準優勝デッキを紹介しました。
また、今回紹介したデッキ以外に、依然として人気の注目デッキが《コーリ鋼の短刀》を使用したイゼット果敢デッキです。
今しばらくは《コーリ鋼の短刀》を巡るメタゲームとなる可能性が高く、また、《コーリ鋼の短刀》を攻略したデッキが新たなメタゲームの覇者となる可能性が高いでしょう。
次はどんなデッキが活躍するでしょうか。来週の大会結果もお楽しみに!それでは、また。