はじめに
こんにちは、晴れる屋メディアチームです!
先週末はプロツアー『ローウィンの昏明』がアメリカ・リッチモンドで開催されましたね!
優勝したのは「ディミーア加虐者」を使用したクリストファー・ラーセン/Christoffer Larsen選手!チームデッキとして持ち込まれた新アーキタイプが、プロツアーを制す結果となりました!
ほかにも新デッキが続々と登場し、想像していたメタゲームとは違って観ていてとてもワクワクした大会だったのではないでしょうか?
ということで今回は、プロツアー『ローウィンの昏明』の結果を見ていきます!
プロツアー『ローウィンの昏明』
メタゲームブレイクダウン
まずは参加者303名のメタゲームブレイクダウンから。
大方の予想通り、「シミック律動」「バント律動」など《アナグマモグラの仔》と《自然の律動》を軸にしたデッキが使用率トップとなりました。「5色律動」まで含めると約33%が律動デッキになりますね。
その次に続くのは「スゥルタイリアニメイト」と「バントエアベンダー」。この2つもプロツアー前から強力なデッキとして活躍しており、ここまでは順当なメタゲームといえます。
注目すべきは「イゼットエレメンタル」や「グリクシスエレメンタル」といったエレメンタルデッキの躍動です。さまざまな型が登場していますが、ここまで急激に数を増やしたのには”あるエレメンタルの存在”が大きいでしょう。
そのカードこそが、エレメンタルの親玉である《刻み群れ》です!
《アナグマモグラの仔》デッキの攻略から始まったこのプロツアーですが、クリーチャーデッキに対して《刻み群れ》の一方的な全体バウンスはあまりに強力。「土の技」された土地も手札に戻ってしまうので、たった一手で大きく後退することになります。
このメタゲームを踏まえて、最終的にどんなデッキが勝ち上がったのでしょうか?上位に入賞したデッキを見ていきましょう。
大会結果
プロツアー『ローウィンの昏明』は、初日にドラフト3回戦+スタンダード5回戦、2日目も同様のラウンド数が行われ、上位8名が3日目の決勝ラウンドへと進出します。
開催日:2026年1月30-2月1日
優勝 ディミーア加虐者
準優勝 ティムール調和者
3位 ティムールエレメンタル
4位 ジェスカイコントロール
5位 イゼット講義
6位 ディミーア加虐者
7位 バントエアベンダー
8位 5色律動
9位 4色エレメンタル
10位 ディミーアミッドレンジ
11位 多色律動
12位 ラクドスモニュメント
13位 スゥルタイエレメンタル
14位 イゼットエレメンタル
15位 スゥルタイリアニメイト
16位 バントエアベンダー
トップ8に7種類ものアーキタイプが入賞する結果に!!
優勝を果たしたのは、冒頭でも触れた「ディミーア加虐者」。さらに準優勝も新顔の「ティムール調和者」と、新デッキがトップ2を独占する形になりました。
一方で、メタゲーム使用率トップだった《自然の律動》系デッキは「5色律動」がトップ8に1名のみとかなり苦戦。想像以上に《アナグマモグラの仔》への包囲網は厚かったようです。
プロツアー上位デッキ紹介!
ディミーア加虐者 (優勝)
突如としてメタゲームに現れた《終末の加虐者》が優勝トロフィーをかっさらっていきました。また、同じチームメイトであるルイス・サルヴァット選手もこのデッキでトップ8に入賞しています。
実は《終末の加虐者》デッキがプレミアイベントで優勝するのは2回目。前回は2024年の『第30回マジック世界選手権』で、ハビエル・ドミンゲス選手が「ディミーアデーモン」で世界王者に輝きました。
以前は《終末の加虐者》を出してライブラリーを互いに6枚にしたあと、《完成化した精神、ジェイス》や《不穏な浅瀬》で相手をライブラリーアウトさせるのが勝ち手段でしたが、今回のディミーア加虐者は《不穏な浅瀬》に加えて、《限りない強欲》で相手にドローさせて勝てるようになっています。
大きく違うのは《終末の加虐者》の着地ターンで、《スーペリア・スパイダーマン》の登場で、最速4ターン目からクライマックスを迎えられるようになりました。
ここまでの動きは『ローウィンの昏明』発売前からも可能でしたが、新たに登場した《欺瞞》のおかげで、ついにデッキが形になったようです。
《終末の加虐者》を安全に出すまでのハンデスや、《スーペリア・スパイダーマン》のコピー先としても非常に優秀で、ゲームプランを立てやすくなりました。また、最終的なフィニッシャーになる《不穏な浅瀬》の攻撃前に、あらかじめ除去を抜く役割も果たしてくれます。
トップメタの《アナグマモグラの仔》デッキに対しては、《報いの呪詛》や《苦々しい勝利》《苦難の収穫者》といった大量の除去で展開を妨害します。《スーペリア・スパイダーマン》で《苦難の収穫者》をコピーするだけでも、十分な時間稼ぎとなるでしょう。
デッキを潤滑にまわすために採用されているのが、この3種類のドロー呪文。特にこのデッキの《食糧補充》は、普段より意識してプレイする必要があります。「~残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く」ため、《終末の加虐者》で6枚となったライブラリーの内容を把握することが可能なのです!後の展開も考えて、下に送ったカードもできれば覚えておきましょう。
《冬夜の物語》もインカーネーション・サイクルの登場で強化されたカードです。「想起」により軽いコストでパワーの高いクリーチャーを戦場に用意できるため、簡単に1マナで墓地から「調和」することができるようになりました。
《限りない強欲》は勝ち手段でもありますが、ドロー呪文としても優秀です。3枚もカードを引けるので、状況によってはあえてクリンナップ・ステップで《終末の加虐者》を墓地に落とす手段にもなるでしょう。
Christoffer Larsen wins Pro Tour Lorwyn Eclipsed!
— Team Cosmos Heavy Play (@CosmosMTG) February 2, 2026
He takes the title after a five-game final, playing Dimir Excruciator to the first Pro Tour trophy of 2026.
Team Results:
• Top 8: Luis Salvatto (6th)
• Dimir Excruciator win rate: 72.5%
• 12 players in the $, 62.1% team WR pic.twitter.com/yRW7NC1rVY
優勝者のラーセン選手が所属する「Team Cosmos Heavy Play」によると、ディミーア加虐者はトップ8に2名を送り込んだだけでなく、デッキの勝率はなんと72.5%!
ちなみに、プロツアー期間中にMagic Onlineで行われた『Standard RC Super Qualifier』でも優勝しており、確かな強さであることは間違いないようです。今後のメタゲームの中心となるでしょう!
ティムール調和者 (準優勝)
決勝戦でデーモンの前に立ちはだかったのは、ワンショットキルコンボを搭載した「ティムール調和者」でした。
上陸デッキで活躍している《強靭形態の調和者》ですが、このデッキはより《強靭形態の調和者》にフォーカスされています。
コンボの手順はいたってシンプル。《強靭形態の調和者》をワープでプレイし、《寓話の小道》を置いて上陸の能力がスタックに置かれたまま起動して土地を持ってきます。《急抗直下》で速攻・トランプルを付与してパワー7にしたあと、上陸2回分の能力を解決してパワー28の調和者でワンパンするだけ!!
そんな簡単に決まるの?と疑問に思うかもしれませんが、最速でコンボを決めずとも、序盤は軽い除去でさばきながら、《星間航路の助言》《食糧補充》でコンボパーツをかき集めることができます。
このコンボの強みは、相手に展開か妨害を構えるかの選択を迫れるところです。相手は勝つために展開するとコンボを決められ、かといって妨害を構えるとマナを伸ばされてしまい、「コンボ+《呪文嵌め》《スパイダーセンス》によるバックアップ」といった準備の時間を与えてしまいます。
コンボ手前のアクションとして《氷耕しの探検家》や《土のベンダーの位に至る》なども優秀で、特に《氷耕しの探検家》は放置しておくとあっという間にマナが伸びていきます。《バーシンセー》もゲーム中盤以降にクロックを作ることができ、手札を消費することなく戦場に脅威を用意し続けられるので、極論このカード1枚でゲームを決めてしまうことも可能です。
そして、これらのクリーチャーに除去を使ってしまうと、肝心のワンショットコンボを止められなくなるジレンマが発生するというわけです。
またコンボにこだわらずとも、《強靭形態の調和者》の「上陸」は、ほかのクリーチャーのパワーも倍にできるので、あらかじめ戦場にいる「土の技」した土地や《氷耕しの探検家》のパワーを上げることも可能です。
《氷耕しの探検家》がいれば、フェッチランドで4回上陸できるため、それなりの打点を叩き出すことができます。《土のベンダーの位に至る》でトランプルを付与したり、《脱出トンネル》であらかじめブロックされないようにして一撃を決めましょう!
実際に準決勝のジェスカイコントロール戦では、除去満載のデッキ相手にもかかわらずコンボを使わずにストレート勝ちしています。
このデッキ相手は、こちらの立ち回りもかなり重要となってくるため、一筋縄ではいかなさそうです。うっかりワンショットされないように気をつけてくださいね!
エレメンタル
明確に《アナグマモグラの仔》デッキを狩りに来たエレメンタルデッキ。
ただ、エレメンタルデッキといっても同族に寄せたものやコンボチックなものまでさまざま。ここでは、上位に入賞していたリストを簡単に紹介します。
《うろつく玉座》型 (3位)
トップ4に残ったのは《うろつく玉座》を採用した純正のエレメンタルデッキでした。
《炎束ね》や《再点火、アシュリング》の裏面でマナ加速し、各種エレメンタルを展開していきます。
《うろつく玉座》は選んだクリーチャー・タイプの誘発型能力を倍にできるクリーチャーです。着地してターンが帰ってくればフィーバータイムの始まり。「想起」で出した《欺瞞》で2枚ハンデスしたり、《鮮麗》で3点ダメージ×2を飛ばしたりできます。
通常コストでインカーネーション・クリーチャーをプレイすると、どちらの能力も2回ずつ誘発するため、もうむちゃくちゃ。圧倒的なアドバンテージはあなたのものです。
ダブルシンボルを必要とする「想起」ですが、現在のスタンダードは同族サポートの土地も多く存在しています。特に《魂の洞窟》は、コストが重く大ぶりなアクションになりやすいエレメンタルにとって嬉しい1枚。
インカーネーション・クリーチャーは勝手に「想起」で墓地にいくので、どうせならと《スーペリア・スパイダーマン》を採用したリストも9位に入賞していました。
《まだ死んでいない》型 (13位)
かつてモダンに、「想起」した《悲嘆》を《まだ死んでいない》で戦場に戻す極悪デッキが存在していました。「ラクドス想起」または「スキャム」と呼ばれていましたが、それのスタンダード版です。
ただ、今回登場したインカーネーション・サイクルは色マナを支払っていないと能力が誘発しないため、3ターン目にそこそこのサイズのクリーチャーが残るコンボとなっています。
それでもこのコンボが優れているのは、戦場にエレメンタルを残せることで《刻み群れ》を早期に展開できるところにあります(想起だけに)。
《並外れた語り部》とも相性が非常によく、全体バウンスである《刻み群れ》をサーチしつつ、《並外れた語り部》を手札に戻すことで再度能力を使用できます(これでまた《刻み群れ》持ってこれるのも極悪では……?)
イゼットエレメンタル (14位)
イゼットスペル+エレメンタルで「イゼットスペレメンタル」とも呼ばれているデッキです(ちょっと言いづらい)。
《選択》や《手練》といった軽量ドローを連打し、墓地にスペルをためて《かまどの精》や《渦泥の蟹》を低コストでプレイするデッキです。
過去にも似たようなデッキに《トレイリアの恐怖》を使った「シミックテラー」がありましたね。《トレイリアの恐怖》は今でも使用できますが、エレメンタルではないので不採用となりました。
すべては《刻み群れ》のために……。
なぜか《渦泥の蟹》はエレメンタルなので、インスタントタイミングでプレイしつつ、《刻み群れ》のコストを下げることができます。しかも、軽減できる最大値である7マナなのも優秀。
全体バウンスを手に入れ、《アナグマモグラの仔》デッキに滅法強いエレメンタルデッキは、今後もよく見かけることになるでしょう。
ラクドスモニュメント (12位)
アグロデッキは《叫ぶ宿敵》を失い、完全にメタゲームからはじき出されてしまいました。
しかし、そんなアグロデッキの救世主となる「ラクドスモニュメント」が12位に入賞!トップ32まで見渡しても赤系のアグロはこのデッキのみで、スタンダードラウンドの成績も8勝2敗と好成績を残していました。
《月影》や《略奪するアオザメ》を各種ディスカード手段で育てたり、《忍耐の記念碑》でアドバンテージを稼いでいきます。
新登場した《鉄盾のエルフ》により、自由に手札を捨てつつ攻めることができるようになりました。破壊不能のアタッカーなので、コントロールデッキは処理に手こずることでしょう。
優先的に墓地に落としたいのが、《炎跡のフェニックス》と《恐血鬼》の2枚。《恐血鬼》は「上陸」で簡単に墓地から戻ってこれますし、《炎跡のフェニックス》も条件を満たせば戻ってきます。
肝心のパワー4を用意する手段ですが、その助けとなってくれるのが《血茨のフレイル》です。手札を捨てるだけで装備させることができ、+2/+1修正で簡単にパワー4以上のクリーチャーを用意できます。マナに余裕があれば、《血茨のフレイル》をプレイしたターンに手札の《炎跡のフェニックス》を複数枚捨て、まとめて戦場に戻す芸当も!?
正直こんなカードあったっけ?となりましたが、こういったカードにスポットが当たるのはすごいですね!
おわりに
プロツアー『ローウィンの昏明』を振り返ってきました。
新デッキがメタゲームが大きく動いた”終末”でしたね!これもまたプロツアーの醍醐味!
ここからどういったメタゲームになるのでしょうか?さらなる新デッキの登場を楽しみにしておきます!
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