By Atsushi Ito
『イクサランの相克』、発売！
『カラデシュ』ブロック、『アモンケット』ブロックのカードに『イクサラン』『イクサランの相克』の「恐竜」や「海賊」といった新カードが入り混じった環境で活躍するのは、はたしてどのようなカード、どのようなデッキとなるのでしょうか？
さて、今回はつい先週末、『イクサランの相克』発売直後のSCG Classicでトップ4に入賞した「白青オーラ」をご紹介します。
白青オーラとは
- Jim Davis
- 「白青オーラ」
- StarCityGames.com – Standard Classic 2018/01/21 Dallas
- (3位)
「白青オーラ」は『アモンケット』の「カルトーシュ」や『イクサランの相克』で新たに加わった《執着的探訪》といった優秀なオーラを軽量クリーチャーに付けることで早いターンに戦線を拡大しつつ脅威を作り上げ、速度差と物量差で押し切るデッキです。
このデッキの強みは何と言っても強力な2マナ域にあります。《アダントの先兵》は除去耐性を有することで、《上級建設官、スラム》はオーラをプレイするたびにカードを引けることで、そして《典雅な襲撃者》はオーラで増したパワーを二段攻撃で効率良く打点に転化できることで、それぞれ普通のクリーチャーにオーラを付けるよりもお得なボーナスを得ることができます。
オーラという縦軸の戦略だけでなく、《聖なる猫》《典雅な襲撃者》の「不朽」「永遠」や《軍団の上陸》、《結束のカルトーシュ》などによりクリーチャーを横に並べてから《結束の試練》で全体を強化するという横軸の戦略も併用しており、相手によって攻め方を変えることができるのも魅力の一つです。
注目カード3選
《執着的探訪》
『イクサランの相克』から加わった《執着的探訪》は《好奇心》にサイズ修正が加わるという歴代でも最強クラスのオーラであり、序盤から積極的に攻撃していくこのデッキならデメリットも気になりません。
システムクリーチャー的性質を持つ《上級建設官、スラム》にはエンチャントせずに分散させることで、対戦相手からすれば「どちらを除去してもカードを引かれる」という不自由な2択を突きつけることができます。
《空渡りの野心家》
『イクサランの相克』の新しいキーワード能力「昇殿」は自分のパーマネントの数を参照します。オーラもパーマネントなので、強化呪文でありながら「昇殿」の達成に貢献することができます。
《空渡りの野心家》は「都市の承認」がある状態では1マナ2/1飛行と破格のスペックを持ち、《知識のカルトーシュ》と合わせて貴重な飛行のクロックを提供してくれます。
《結束のカルトーシュ》《軍団の上陸》が1枚で2個分のパーマネントを供給してくれるので、4ターン目に「昇殿」というパターンも珍しくないことでしょう。
《上級建設官、スラム》
モダンの「純鋼ストーム」においては0マナ装備品との組み合わせでカードを引き増すのに使われていた《上級建設官、スラム》ですが、オーラとの組み合わせでも同様にカードを引き増すことができます。
モダンの「白緑オーラ」における《コーの精霊の踊り手》と同様、生き残れば勝負を決定づけるほどの驚異的なアドバンテージを供給してくれます。
サイドボード・ピックアップ！
《不可解な終焉》
『イクサランの相克』で加わった《不可解な終焉》は、対象を3マナ以下に限定してはいますが、どんなサイズのクリーチャーでも除去できる頼もしいエンチャントです。
《巻きつき蛇》など除去できないと大きくバリューを得られてしまうクリーチャーを対処できるのはもちろん、追放除去なので《屑鉄場のたかり屋》《アダントの先兵》といったカードにも対応できるのが魅力です。
《従者の献身》
《ラムナプの遺跡》が禁止になったとはいえ、いまだ《熱烈の神ハゾレト》は健在である以上、赤系のデッキへのケアは怠れません。絆魂を持たせるオーラとしては《野望のカルトーシュ》が既にありましたが、白青のこのデッキにとっては『イクサランの相克』で登場した《従者の献身》の方が使いやすいのは間違いありません。
トークン生成で「昇殿」の助けになるのも地味にありがたいところです。
まだまだ環境初期！
今回ご紹介したのは、軽量クリーチャーとオーラの組み合わせで手が付けられない盤面を構築する「白青オーラ」でした。今週末の大会では、さらに洗練されたデッキが活躍するはずです。
既存のアーキタイプに新カードを足したもの。これまで見たこともないようなコンセプトで組み上げられたもの。そういった様々なデッキに出会えるのも、環境初期の魅力です。その中から、のちにトップメタに君臨するデッキが現れるかもしれません。
ぜひ始まったばかりの『イクサランの相克』環境のスタンダードで、色々な自分なりのアイデアやデッキに挑戦してみてください！
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