はじめに
みなさん、こんにちは。
先週はMO(Magic Online)のデッキリストの掲載数に大きな変更が加えられましたが、コミュニティからの反対意見も多く、公式が急遽変更を撤回するという事態に至りました。トップ8でなくても面白いデッキリストやイノベーションが見つかるため、変更が撤回されて良かったです。
今回は『Legacy Showcase Challenge』と、先週末の『Legacy RC Qualifier』の入賞デッキを見ていきたいと思います。
2/14 『Legacy Showcase Challenge』 -多種多様なデッキが活躍-
参加者228名という大規模なイベントで、トップメタであるディミーアテンポが人気でしたが、対策も厳しくトップ8には残りませんでした。上位には「デス&タックス」「ボロスエネルギー」「土地単」「親和」など、ディミーアに強いデッキが複数入賞しています。
今大会のプレイオフはさまざまアーキタイプが見られ、現在のレガシーは多様性のある環境ということが再確認できたのは良かったです。
デス&タックス
今大会を制したのは、《空を放浪するもの、ヨーリオン》を「相棒」にしたデス&タックスでした。
最近は《オークの弓使い》《ベイルマークの大主》《思考囲い》といった黒いカードを採用したオルゾフ型が主流でしたが、優勝したリストは《スレイベンの守護者、サリア》や《鳴り渡る龍哮の征服者》など、妨害能力を持つクリーチャーを多く入れた過去のデス&タックスに近い構成となっています。
The Spy、スニーク・ショーなどコンボデッキが多い現環境では、白単型は厳しいと思われましたが、《不毛の大地》《白蘭の幻影》に加えて《幽霊街》もフル搭載と、徹底的に土地破壊しながら攻める戦略がハマったようです。
☆注目ポイント
このデッキは《石鍛冶の神秘家》《白蘭の幻影》《護衛募集員》《孤独》といった「戦場に出たときの能力」を持つクリーチャーが多数採用されており、これらを《溌剌の牧羊犬、フィリア》でブリンクすることで容易にアドバンテージを獲得できます。
《封じ込める僧侶》《獅子の飾緒》《カノプテック・スカラベ・スウォーム》など特定のデッキに刺さるカードを《護衛募集員》でサーチできるのも強みです。特に《封じ込める僧侶》は流行りの《実物提示教育》対策としても機能し、メインから4枚採用されている《カラカス》とあわせて相手の動きをかなり牽制できます。
コンボデッキが多い環境なので、サイドボードには4枚採用された《耳の痛い静寂》をはじめ、《攪乱のフルート》や《精神壊しの罠》など対策に多くのスペースが割かれていました。
オムニアルーレン
アルーレンとオムニテルをハイブリットしたデッキで、『ローウィンの昏明』で《並外れた語り部》が登場したことから生まれた、新しい形の《実物提示教育》系デッキです。
《魔の魅惑》か《全知》が戦場にある状態で《アーチリッチ、アサーラック》をプレイすると、《魂を喰らう墓》を踏破していないので手札に戻ります。それを利用して、何度も《アーチリッチ、アサーラック》をプレイして《ファンデルヴァーの失われた鉱山》の「暗黒の泉」を通り続けることで無限ドレインで勝つことができます。
また一般的なオムニテルと同様に、《全知》から《偉大なる統一者、アトラクサ》や《引き裂かれし永劫、エムラクール》をプレイして勝つパターンも健在です。
☆注目ポイント
オムニテルには《騙し討ち》のようなサブプランがなく、《実物提示教育》を対策されてしまうとコンボを決められない弱点がありましたが、《魔の魅惑》がその弱点をカバーしてくれるようになりました。たとえ《実物提示教育》をカウンターされても、その次のターンに《魔の魅惑》からコンボを決めて勝つことができます。
このタイプのコンボは、ハンデスやカウンターで妨害してくるディミーアテンポなどが苦手ですが、《夏の帳》があればそれらを無力化しつつ、《食糧補充》で立て直すことが可能です。
新戦力《並外れた語り部》のおかげで、《アーチリッチ、アサーラック》《偉大なる統一者、アトラクサ》《引き裂かれし永劫、エムラクール》といったコンボパーツを簡単にサーチできるようになりました。2/4というサイズも《稲妻》1枚で落ちないため、イゼットテンポなど火力除去が中心のデッキにとってはやっかいなクリーチャーです。
『Legacy RC Qualifier』 -イゼットテンポが復権、優勝は土地単-
開催日:2026年2月20日
優勝 土地単
3位 ボロスエネルギー
4位 ドゥームズデイ
5位 イゼットテンポ(《嵐追いの才能》+《ブーメランの基礎》型)
6位 土地単
7位 ボロスエネルギー
8位 イゼットデルバー
先ほど紹介した『Showcase Challenge』と同様に、ディミーアテンポはトップ8におらず、トップ32まで見てもわずか3名という結果に。
一方、同じテンポデッキであるイゼットテンポはトップ8に3名と大きな活躍を見せています。型にもいくつかあり、伝統的な《秘密を掘り下げる者》採用型、《呪詛の壊し屋》採用型、そして《嵐追いの才能》+《ブーメランの基礎》搭載型などがあります。
土地単
『Legacy Showcase Challenge』でも上位入賞していた土地単ですが、今大会では優勝を果たしました。
ディミーアテンポをはじめとした青いフェアデッキに強い一方で、カウンターがないので《実物提示教育》系やThe Spy、ドゥームズデイなどコンボデッキ相手には苦戦を強いられます。
☆注目ポイント
『ローウィンの昏明』から登場したインカーネーション・サイクル。レガシーでは主に《欺瞞》や《幽愁》が使われていますが、土地単では《鮮麗》が採用されていました。

を支払えば任意の土地をサーチできるので、《イス卿の迷路》《ボジューカの沼》《耐え抜くもの、母聖樹》などを状況に応じて持ってこれます。
の3点ダメージも優秀で、《月の大魔術師》など、このデッキにとって致命的なクリーチャーを対処できるようになりました。
《真髄の針》は《ウルザの物語》でサーチすることができ、プレインズウォーカーを含めていろいろな脅威に対応できるカードです。特に《悪夢滅ぼし、魁渡》は、一度戦場に出てしまうと対処が難しく、このデッキがディミーアテンポに負けるパターンのひとつなので、《真髄の針》で「忍術」もまとめて能力を封じることができるのは重要です。
サイドには《紅蓮破》や《赤霊破》が採用されているので、2ゲーム目以降は《悪夢滅ぼし、魁渡》《知りたがりの学徒、タミヨウ》により対処しやすくなります。
《攪乱のフルート》は定番のコンボ対策手段で、メイン、サイドと合わせて4枚採用されています。コンボ以外にも、《マリット・レイジトークン》を守るために《厚かましい借り手》の出来事を指定するなど有効な場面は多くあります。
イゼットテンポ
今大会では、さまざまなイゼットテンポが入賞を果たしました。なかでも特に印象的だったのは、現在スタンダードで猛威を振るうイゼット講義でも採用されている《嵐追いの才能》と《ブーメランの基礎》を搭載した型です。
《嵐追いの才能》や《コーリ鋼の短刀》で序盤から果敢持ちのトークンを並べることができ、軽いスペルが多く採用されているので、果敢を複数回誘発させて瞬時にゲームを決めることができます。
筆者も今大会後にこのデッキを『Legacy Challenge』で使用したところ、スイスラウンド全勝でトップ4に入賞することができました。
☆注目ポイント
スタンダードではおなじみの2枚。《嵐追いの才能》は1マナ1/1の果敢・クリーチャーとして機能し、中盤以降引いてきてもレベルに2でスペル回収とフレキシブルなところが魅力です。《ブーメランの基礎》との相性も抜群で、エンチャントなので《ドラゴンの怒りの媒介者》も「昂揚」させやすくなります。
《ブーメランの基礎》は1マナとは思えないほどの汎用性を持つスペルです。《バロウゴイフ》や《濁浪の執政》など火力除去で対処できない脅威にも対処でき、軽いので《コーリ鋼の短刀》の誘発も簡単に狙えます。
4マナ以上出るようになれば、《ブーメランの基礎》で《嵐追いの才能》をバウンスして再プレイし、レベル2で墓地から《ブーメランの基礎》を再利用するといったループも可能です。
総括
禁止を免れた《知りたがりの学徒、タミヨウ》については、コミュニティ内で論争が巻き起こっていました。
しかし、禁止改定直後に開催された『Legacy Showcase Challenge』では、《知りたがりの学徒、タミヨウ》を採用したデッキの代表格であるディミーアテンポは上位に姿を見せず、トップ8に残ったディミーアリアニメイトのみが採用しているという結果となっています。
最近は《呪詛の壊し屋》や《並外れた語り部》など新カードも活躍しており、特定のデッキが支配し続けることもないため、ノーチェンジは妥当な判断だったのかもしれません。
USA Legacy Express vol.272は以上になります。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!
















































