By Kazuki Watanabe
『イクサランの相克』、発売!
新セット発売、さらに禁止改訂によって激変したスタンダード環境では、様々な新しいデッキが生み出されています。その中でも、部族のメカニズムを活かしたデッキの活躍は見逃せません。
『イクサラン』から引き続き、恐竜、吸血鬼、海賊、そしてマーフォークは健在ですが、どの部族も新カードの登場によって強化がなされています。
今回は、その中でも一際強化されたマーフォークをご紹介しましょう。
マーフォークとは
3 《森》
4 《手付かずの領土》
4 《植物の聖域》
4 《ハシェプのオアシス》
1 《廃墟の地》
-土地(22)- 4 《クメーナの語り部》
4 《霧まといの川守り》
4 《深根の精鋭》
4 《マーフォークの霧縛り》
4 《銀エラの達人》
2 《金属ミミック》
3 《翡翠光のレインジャー》
3 《オラーズカの暴君、クメーナ》
2 《波を司る者、コパラ》
2 《秘滝の軍使》
-クリーチャー(32)-
2 《顕在的防御》
2 《否認》
2 《形成師の聖域》
2 《歩哨のトーテム像》
1 《オラーズカの暴君、クメーナ》
1 《呪文貫き》
1 《幻惑の旋律》
1 《人工物への興味》
1 《バラルの巧技》
-サイドボード(15)-
様々なクリーチャー・タイプが登場するマジック。その中でもゴブリンやゾンビなどと共に古くから登場する由緒正しき種族がマーフォークです。『イクサラン』のスタンダードでは活躍することはできませんでしたが、《波を司る者、コパラ》や《秘滝の軍使》と言った強力なクリーチャーは存在していたため、『イクサランの相克』でカードが増えれば活躍するのでは? と考えられていました。
その予想どおり『イクサランの相克』が発売されて大幅に強化され、「部族」というメカニズムの強さを見せつけています。プロツアー予備予選や、Magic Onlineでも成績を残し、環境に名乗りを挙げました。「クリーチャーを並べて強化する」というシンプルで強力な戦術を使いこなしてみましょう。
注目カード3選
《オラーズカの暴君、クメーナ》
新たに登場した伝説のマーフォーク、《オラーズカの暴君、クメーナ》は自軍のマーフォークをタップすることで、様々な能力を使い分けます。
「ブロックされない」「ドロー」「全体強化」。どの能力も強力で、莫大なアドバンテージをもたらしてくれます。除去耐性はないものの、タフネス4を活かして一時的に戦線を支えることもできるでしょう。
戦場に居座って味方を強化し、手札を補充。ときにはブロックされない能力を付与して攻撃役も務め、暴君の名に違わぬ八面六臂の活躍を見せてくれます。
《マーフォークの霧縛り》
特定のクリーチャー・タイプを強化してくれるカードを、”ロード”と呼びます。古くから存在するマーフォークには《アトランティスの王》や《真珠三叉矛の達人》など複数のロードが存在しますが、『イクサランの相克』で6体目のロード、《マーフォークの霧縛り》が加わりました。
クリーチャーが並べば並ぶほど、ロードの強さは際立ちます。戦場を埋め尽くしたマーフォークに加えられる、+1/+1という一見小さな修正がどれほど強大か。部族を中心とするデッキと対戦したことがある人なら痛感していることでしょう。
《マーフォークの霧縛り》は伝説のクリーチャーではないので、複数並べることも可能です。1/1の《霧まといの川守り》が驚くべきサイズになって相手のライフを削ってくれるかもしれません。
《翡翠光のレインジャー》
「探検」を2回行い、3マナとは思えないアドバンテージを稼いでくれる《翡翠光のレインジャー》ももちろん採用されています。
《ならず者の精製屋》が禁止された際に「エネルギーデッキが代わりに採用するのでは?」と予想されていましたが、その強さは環境でも屈指のもの。緑系のデッキならばほとんど採用されている、と言っても過言ではありません。
また、「探検」、《深根の精鋭》、《金属ミミック》、《オラーズカの暴君、クメーナ》など、+1/+1カウンターを乗せる手段が多いのもこのデッキの特徴です。「ブロッカーを用意して攻撃を受け止めよう」と思っている相手のライフを、《秘滝の軍使》で一気に削りきってしまいましょう。
サイドボード・ピックアップ!
《海底の神託者》
サイドボードに採用されている《海底の神託者》の能力も非常に強力です。
《霧まといの川守り》や《オラーズカの暴君、クメーナ》のようなブロックされないクリーチャーとの相性は抜群ですし、《マーフォークの霧縛り》などで強化された状態ならば、安易に攻撃を通せば致命傷を受けた上にドローもされてしまうという状態になるため、相手にプレッシャーをかけることができます。
《バラルの巧技》
このデッキには、戦場に出たときに誘発する能力、いわゆる「ETB能力」を持つクリーチャーが複数採用されています。そこで役立つのが、メインボードに採用されている《送還》と、サイドボードの《バラルの巧技》。相手のクリーチャーを排除するのみならず、自分のクリーチャーを手札に戻してETB能力を再利用する使い方も覚えておきましょう。
《翡翠光のレインジャー》や《銀エラの達人》を手札に戻して戦場に出し直す。《オラーズカの暴君、クメーナ》や《秘滝の軍使》、《マーフォークの霧縛り》を出して戦力を強化する。こちらの戦力が十分ならば相手のクリーチャーを排除して勝利を掴む……様々な活用方法が考えられます。
マーフォークで、スタンダードの海を渡れ
「クリーチャーを並べて強化する」という戦術はシンプルですが、非常に奥深く、その強さに魅了された人も多いことでしょう。
部族を中心とするデッキは、長いマジックの歴史の中で幾度となく環境を制覇してきました。この環境でも、マーフォークのみならず、吸血鬼や恐竜、海賊が大会で結果を残していくことでしょう。
『イクサランの相克』環境のスタンダードはまだ始まったばかり。多種多様なアイディアが、今この瞬間も生み出されています。晴れる屋のデッキ検索には様々なデッキが登録されているので、ぜひこの環境を楽しんでください!