はじめに
みなさん、こんにちは。
先日の気になる禁止改定は、今回も予想通りノーチェンジでした。
ディミーアテンポがトップメタに君臨し続けているものの、「エネルギー」「ショーテル系」「The Spy」「ストーム」「カーンフォージ」「エルドラージ」「土地単」などさまざまなデッキが見られ、健全な環境なので妥当な判断だといえます。
さて、今回の連載では『プレイヤーズコンベンション京都2026』で行われた『レガシー選手権』と、MOの『Legacy Showcase Challenge』の入賞デッキを見ていきたいと思います。
『レガシー選手権』 ―多様なアーキタイプが活躍―
開催日:2026年3月14日
優勝 多色コントロール
準優勝 ボロスエネルギー
3位 ドゥームズデイ
4位 ディミーアリアニメイト
5位 エルフ
6位 ディミーアテンポ
7位 スニーク・ショー
8位 アゾリウス石鍛冶
『プレイヤーズコンベンション京都2026』の目玉イベントのひとつである『レガシー選手権』は、参加者341名と大盛況でした。
今大会のプレイオフに入賞したデッキは、すべて異なるアーキタイプだったのも印象的でした。
多色コントロール
『レガシー選手権』を制したのは、《空を放浪するもの、ヨーリオン》を「相棒」にした多色コントロールでした。このデッキの強みは柔軟性にあり、《知りたがりの学徒、タミヨウ》や除去、カウンターを駆使して長期戦へ持ち込むことができます。
トップメタのディミーアテンポなどフェアデッキに強いデッキですが、The Spyやスニーク・ショー、ドゥームズデイなどのコンボデッキは苦手です。
☆注目ポイント
《量子の謎かけ屋》は《豆の木をのぼれ》と非常に相性が良く、手札の状況によっては2マナでカードを3枚引くこともできます。カードをドローしつつ4/6飛行が残る動きは、レガシーでも十分に強力です。
ドロースペルを多用するこのデッキにとって、《オークの弓使い》は天敵です。《オークの弓使い》をもっとも効率よく対策する手段は《オークの弓使い》であり、コンボデッキに対してもドロースペルを牽制しながら圧をかけることができるため、黒をタッチしてでも採用する価値はあるでしょう。
《力線の束縛》は多色コントロールの主要な除去で、たったの1マナで多くの脅威に対応することが可能です。
《空の怒り》はコントロールデッキにとって対処しづらい《ウルザの物語》や置物をまとめて流せます。白青ベースのコントロールデッキでは採用したいカードの1枚です。
ボロスエネルギー
モダンでも活躍しているボロスエネルギーは、レガシーでも通用する強さであり、《呪詛の壊し屋》を獲得したことでさらに強化されました。
レガシーでは《色めき立つ猛竜》も使うことができ、《ナカティルの最下層民、アジャニ》などアドバンテージを稼ぐ手段も豊富なので、フェアデッキに強く出ることができます。一方、妨害手段が少ないので、The Spyやショーテル系など自分より速いコンボデッキには不利です。
苦手なコンボデッキとの相性を改善させるために、《思考囲い》や《陰謀団式療法》といったハンデスのために黒をタッチしたバージョンも存在します。
☆注目ポイント
《静牢》はエネルギーデッキならではの優秀な除去で、《濁浪の執政》や変身した《知りたがりの学徒、タミヨウ》にも1マナで触ることができます。たとえエネルギーを支払えなくても、サイズをリセットしたり、変身前のタミヨウに戻せます。
《封じ込める僧侶》はスニーク・ショーやリアニメイト、《緑の太陽の頂点》《自然の秩序》などに有効なヘイトベアーで、対コンボ戦を少しでも有利にするためにメインからの採用になっています。また土地単やトロン、多色コントロールなどに有効な《月の大魔術師》もメインから入っています。
《呪詛の壊し屋》の登場によってディミーアテンポなど青いフェアデッキに有利になりました。相手にとってマスト除去のクリーチャーですが、このデッキにはほかにも《オセロットの群れ》や《ナカティルの最下層民、アジャニ》など除去したいクリーチャーが多いため、難しい選択を強いることができます。
The Spyに対しては《虚空の力線》《外科的摘出》などの墓地対策、対ストームには《耳の痛い静寂》、ショーテル系には《攪乱のフルート》など、サイドボードの枠は苦手なコンボデッキ対策に多く割かれています。
『Legacy Showcase Challenge』 ―《Candelabra of Tawnos》4枚積みのアーティファクトデッキが優勝―
開催日:2026年3月14日
優勝 トロン
準優勝 マルドゥエネルギー
3位 スニーク・ショー
4位 ドゥームズデイ
5位 カーンフォージ
6位 ディミーアテンポ
7位 ボロスエネルギー
8位 ディミーアテンポ
9位 The Spy
10位 マルドゥエネルギー
11位 ディミーアテンポ
12位 黒単
13位 茶単
14位 スニーク・ショー
15位 白単イニシアチブ
16位 無色ポスト
今回の『Legacy Showcase Challenge』で優勝したのは、なんと《Candelabra of Tawnos》をフル搭載したトロンでした。
トロン
《嵐の目、ウギン》をフィニッシャー枠に据えたアーティファクト中心のトロンで、《三なる宝球》で相手の行動を縛りつつ、マナ加速から強力なアーティファクトやプレインズウォーカー、《引き裂かれし永劫、エムラクール》を展開して相手を圧倒します。
再録禁止カードの《Candelabra of Tawnos》を4枚採用しているため、テーブルトップで組みづらいのが難点です。
☆注目ポイント
土地をアンタップできる《Candelabra of Tawnos》とトロンランドを組み合わせることで、大量のマナを生み出すことができます。そのマナから《大いなる創造者、カーン》《一つの指輪》《嵐の目、ウギン》《引き裂かれし永劫、エムラクール》といった強力なカードを高速展開することが可能です。
《古えの墳墓》を採用していないので、ほかのビッグマナ系のデッキと違って1ターン目から《厳かなモノリス》+《通電式キー》といった動きはできないため、本格的に動き出せるのは2ターン目以降になります。とはいえ、《次元の結節点》とトロンランド、《ウルザの作業場》+アーティファクトがそろうだけでマナ加速できるので、安定して2ターン目から3マナ以上出すことができます。
天敵である《不毛の大地》を対策する必要があるため、《真髄の針》《魔術遠眼鏡》《攪乱のフルート》といった起動型能力を封じるアーティファクトがメインから数枚採用されています。
サイドボードのスペースの多くは《大いなる創造者、カーン》でサーチするためのカードで占められていますが、The Spyなど高速コンボを対策するために《虚空の力線》や《精神壊しの罠》なども採用されていました。
ディミーアテンポ
トップメタのディミーアテンポは、優勝こそ逃したものの安定した勝率を出していました。現環境でもっともポピュラーなデッキですが、プレイヤーによって個性が出るデッキでもあります。
最近では《ネザーゴイフ》を採用してよりテンポに寄せたバージョンをよく見かけますが、今大会で入賞したリストは《バロウゴイフ》をメインから3枚採用したミッドレンジ寄りのバージョンでした。
《バロウゴイフ》を多めにとることでコンボデッキには少し弱くなりますが、もともとディミーアはコンボに強いデッキなのでそこまで問題にならず、ボロスエネルギーやエルドラージに対してより強くなります。
筆者も同様のリストを使用し、先週末の『Legacy Challenge』で優勝することができました。
☆注目ポイント
《殺し》はライフを支払えばタダで撃てる優秀な確定除去ですが、最近は黒いクリーチャーを使ったデッキが多く、ボロスエネルギーのように《呪詛の壊し屋》を採用したデッキに対しては4点のペイライフが痛いため、メインに1枚のみになっています。
またボロスエネルギーの隆盛により、単体除去だけでは対応が難しくなったのでサイドに《毒の濁流》が取られていました。状況によっては、《バロウゴイフ》を戦場に残しつつ相手の場を一掃できるため、一気に流れを作ることができます。
《仕組まれた爆薬》も同じ全体除去ですが、こちらは《虚空の杯》や親和デッキなど幅広いマッチアップに対応することができます。
最近は赤単プリズンが環境に少ないので減らされる傾向にある《水流破》ですが、《呪詛の壊し屋》に対する除去として機能し、《ゴブリンの砲撃》《騙し討ち》《燃え立つ願い》など、いろいろと対応できるので最低でも2枚はサイドに取っておきたいカードです。
総括
《知りたがりの学徒、タミヨウ》やThe Spyについて禁止の懸念がありましたが、ディミーアリアニメイトが支配していたときと異なり、バランスがとれた良環境の印象を受けました。
MOの大規模イベントである『Legacy Showcase Challenge』でも毎回異なるアーキタイプが結果を残しているので、個人的にも禁止カードを出す必要は感じられず、前回と同様に今回の公式の判断にも賛成です。
USA Legacy Express vol. 273は以上になります。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!


















































