2026年8月10日 禁止制限告知
2026年8月10日、スタンダードと、レガシーおよびヴィンテージで禁止制限告知が行われました。
ここでは、禁止された各カードについて紹介していきます。
【スタンダード】
《アナグマモグラの仔》禁止
《嵐追いの才能》禁止
《ばあば》禁止【パイオニア】
変更なし【モダン】
変更なし【レガシー】
《ファンタスティッカー》禁止【ヴィンテージ】
《ファンタスティッカー》制限【パウパー】
変更なし
スタンダード
前回と前々回の禁止制限告知でも触れられていたように、スタンダードは「イゼット系デッキ」と「《アナグマモグラの仔》系デッキ」の戦いが目立っていました。
それでも「4色コントロール」のような遅いデッキの出現によって「禁止」ではなく「注視」にとどまっていました。しかし今回ついに「スタンダードでの決着が早すぎる」という問題にメスが入ります。
《アナグマモグラの仔》禁止
「《アナグマモグラの仔》系デッキ」といえば、長らく「緑単上陸」や「《自然の律動》デッキ」が代表格でしたが、『ストリクスヘイヴンの秘密』で《練習を積んだ攻撃》が登場して状況が変わりました。
MTGアリーナで収集したデータが示すものは明白でした。「セレズニア・オフェンス」は2番目に高い使用率を記録しながら、57%を超える勝率で他を大きく離しているのです。
通常、使用率が上がれば勝率は下がるものです。高い使用率を記録しながらも高い勝率を維持するデッキは、フォーマットのバランスにおいて大きな脅威となります。
実際に私たちが持つデータによれば、「セレズニア・オフェンス」の全体的な傾向は《迷える黒魔道士、ビビ》を禁止した当時の「イゼット大釜」のデータに酷似しています。
公式声明文より、使用率と勝率が高すぎることが示されています。《沼地のハンター、レザーヘッド》に《練習を積んだ攻撃》で二段攻撃を与える動きは、4-5ターン目にして対処不能な必殺の動きでもありました。
また、この「セレズニア・オフェンス」は特に白いクリーチャーデッキに強く、はからずしも「イゼット果敢」に強いデッキを環境から追いやってしまったことも原因の一つかもしれません。
これによって「イゼット系デッキ」および「《アナグマモグラの仔》系デッキ」と、ほかのデッキとの差がさらに広がりました。
《アナグマモグラの仔》が禁止となれば、緑系のデッキの速度は大きく減速します。
これによって、今まで速度の問題で避けられていた中~重量級カードが注目されるかもしれません。
《嵐追いの才能》禁止
《アナグマモグラの仔》の禁止に伴い、メタゲームでの使用率が高い「イゼット果敢」からも禁止カードが出ます。
《嵐追いの才能》もまた下環境でも使用されるパワーカードで、1ターン目から無視できない脅威を送り込みつつ、ゲーム後半にはフィニッシャーとして活躍していました。
《嵐追いの才能》は「イゼット果敢」の素早い動き出しに寄与する1マナのカードであり、《ブーメランの基礎》との組み合わせでゲーム後半の強さももたらします。
ゲーム前半の強みと後半の強みをあわせ持つのは、1マナのカードとして適切でないと私たちは考えます。
低コストのカードはここまで多芸であるべきではなく、ゲームが長引いた際に高コストのカードと渡り合うべきではないのです。
特にセルフバウンス戦術と相性が良すぎるこのカードは、《この町は狭すぎる》の禁止後に《ブーメランの基礎》が登場して再び脚光を浴びました。
この2枚が長期戦にも耐えうる「イゼット果敢」を成立させ、長らく最強の座を守り続けています。
現在のスタンダード環境における「イゼット果敢」から、3年スタンダードにおいては果敢やその他低コスト呪文の恩恵を受けるカードの扱いに、より慎重を期す必要があることを私たちは学びました。
(中略)
ゲームが序盤から雪だるま式に転がることのないよう、回答を迫る1、2マナ域のカードについては精査レベルが大きく向上しています。
また、スタンダードの速度についてはどの程度が望ましいのかを改めて考え、それを実現するためのデザイン手法に熱心に取り組んでいます。これらの取り組みは以前から進められており、教訓が活かされたセットが近いうちにやって来るでしょう。
2023年に「セットのローテーション期間が2年から3年」に変更されたことによって、低コスト呪文とその恩恵を受けるカードの幅が広がる危険性についても触れられています。
- 2023/05/08
- スタンダードのローテーション期間が変更!これからどうなる!?
- 晴れる屋メディアチーム
すでに開発部はこの教訓をもとにデザインに取り組んでいるとのことです。
『現環境の速度は、私たちがスタンダードに求める速度よりも速い』とも記されており、今後のスタンダードはゆっくりとしたゲームを楽しむことができそうですね。
《ばあば》禁止
一部コミュニティでは、スタンダード最強の1マナクリーチャーともいわれている《ばあば》もまた、禁止となりました。
これは青赤系でありながら基本的に《嵐追いの才能》を使わないデッキであり、MTGアリーナのスタンダードにおいて特に高い使用率を記録しています。
次のスタンダード環境における最上位の枠を「講義」デッキが容易に占めることがないよう、私たちは《ばあば》の禁止を決断しました。
「講義」デッキもまた使用率が高く、ほか2枚の禁止の影響を受けないデッキであることから、メタゲーム上位デッキすべての速度を下げる狙いでの禁止となります。
《ばあば》は講義デッキにおける唯一のクリーチャーであることも多く、《ばあば》を対処するための除去は、このデッキに対して有効ではありません。
かといって《ばあば》を放置すれば、雪だるま式にマナとアドバンテージを得させてしまい、講義デッキへの反撃を難しくしているとも述べられています。
本日行われた3つの禁止措置はすべて、スタンダードの多様性を高め、環境の速度を落とすための取り組みです。
(中略)
現環境の速度は、私たちがスタンダードに求める速度よりも速いのです。
今回の3枚の禁止により、スタンダードはやや緩やかな速度のゲームになるでしょう。
これによってスタンダードは大きく変わります。
『マジック:ザ・ギャザリング | ホビット』の新環境は、新鮮なものとなりそうです。
禁止改定の影響を受けなかった有力なデッキ
ディミーア加虐者
赤単アグロ
白黒ライフゲイン
レガシー
《ファンタスティッカー》禁止
登場してまたたく間にレガシー環境を激変させた、《ファンタスティッカー》が早くも禁止となりました。
もともと、《ファンタスティッカー》は統率者デッキに含まれているカードです。
コマンダーであれば、対戦相手のライフは40点×3人の120点。条件を達成したとしても、8回の攻撃でようやく勝利します。
しかも、分厚いデッキの中のたった1枚のカードであり、コマンダーにおいては問題がなく楽しいカードです。
しかし、2人対戦のレガシーでは、対戦相手のライフは20で、しかもカードは4枚ずつ投入できます。
単純計算でダメージの価値が6倍、引く確率は約6倍、ならば強さは36倍……というのは言いすぎにせよ、ライフ20点のゲームで3マナ16点ダメージというのはあまりにも破格でした。
- 2026/07/10
- 分け入っても分け入っても《ファンタスティッカー》~レガシーが「峠」になった日~
こちらの特集記事にもありますが、レガシーのカードプールをもってすれば4回目の呪文を唱えることは容易です。
瞬間的なマナ加速によって1ターン目に「16点」が成立することは珍しくなく、初めは「ドゥームズデイ」、ストーム系の「TES」「ANT」と採用が広がり、一時期は「ディミーアテンポ」が、つまりフェアデッキにも採用された実績があります。
かつての《密輸人の回転翼機》のように、色もデッキプランも問わないカードとなってしまったのです。
一部コミュニティで「車社会」とまで言われるほど広まった《ファンタスティッカー》に対して様々な対策が模索されましたが、どれも決定的な対策とはなりませんでした。
これらの現状を解決するため、《ファンタスティッカー》は禁止となります。
前回の禁止制限告知で《Candelabra of Tawnos》が禁止された直後に《ファンタスティッカー》が環境を一新したため、これから始まるのは誰も知らない環境です。
年末のエターナル・ウィークエンドに向けて、レガシーは徐々に競技面でも盛り上がりを見せるでしょう。果たしてどんなデッキが最初に覇権を握るのでしょうか。
ヴィンテージ
《ファンタスティッカー》制限
レガシーよりも《ファンタスティッカー》の条件が満たしやすいヴィンテージでも、ある種当然に《ファンタスティッカー》は制限となります。
《Mishra’s Workshop》《Black Lotus》に各種Mox、ヴィンテージのマナを生み出す速度はレガシーの比ではありません。
ワークショップ+Moxがフル投入される、いわゆる「ショップ」系デッキにおいて、《ファンタスティッカー》の条件はあってないようなものです。
晴れる屋のメタゲーム上位を見てみると、「レイカーショップ」の使用率は突出しています。
採用枚数ランキングを見ると、なんとMoxで2番目に使われている《Mox Pearl》以上!
《Mox Pearl》が制限カードとはいえ、周囲の面々からもどれほど使われているかが想像できるでしょうか。
レガシーよりもハイパワーなカードが使える分、対抗馬となるデッキはあります。
《ファンタスティッカー》なしでも十分にパワーのある「ルールスブリーチ」「ディミーアルールス」や「ドレッジ」、あるいはアンフェアな動きを咎める「白単イニチアチブ」などはこの環境でも健闘していました。
とはいえ《ファンタスティッカー》が、“たった3マナ”のアーティファクトでありながら、事実上1枚でゲームを終わらせるパワーを持っていることに変わりはありません。
今後は制限カードとなり、「ショップ系デッキ」の上振れ要素カードに落ち着くのではないでしょうか。
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