はじめに
みなさんこんにちは。
今週末には『Summer Sun’s Zenith』が開催されるため、今回はパイオニアを取り上げていきたいと思います。
ここ数年は競技フォーマットとして不採用だったこともあり、パイオニアに触れる機会があまり多くなかったプレイヤーもいるかと思います。しかし、2027年には『地域チャンピオンシップ予選』のフォーマットとして採用することを公式が示唆するなど、変化の兆しが見られます。
Pioneer? In 2027?
— PlayMTG (@PlayMTG) August 12, 2026
More likely than you'd think!
WeeklyMTG teased some RCQ info to look forward to. Be sure to keep an eye out for official announcements in the future 📜 pic.twitter.com/dl0ZuxrxWh
さて、今回は最近の『Pioneer Challenge 32』の結果から現在のパイオニアでおすすめのデッキを取り上げていきたいと思います。
『Pioneer Challenge 32』 -ミッドレンジ環境-
開催日:2026年8月16日
優勝 ドレッジ
準優勝 ゴルガリミッドレンジ
3位 ゴルガリミッドレンジ
4位 ジェスカイ講義
5位 ゴルガリミッドレンジ
6位 アゾリウスコントロール
7位 ゴルガリミッドレンジ
8位 セレズニア天使
多種多様なデッキが活躍するパイオニアですが、今大会ではゴルガリミッドレンジがプレイオフで半数を占めていました。
ゴルガリミッドレンジ
パイオニアはミッドレンジが人気のフォーマットで、《アナグマモグラの仔》や《デリアン・フェル教授》といった強力なカードの登場もあり、現在はゴルガリカラーのミッドレンジがトップメタの一角に位置しています。
《アナグマモグラの仔》によるマナ加速によって《デリアン・フェル教授》や 《黙示録、シェオルドレッド》など4マナ以上の脅威を早い段階から展開できます。さらに、《選別の儀式》や《不浄な別室/祭儀室》といった重めのスペルもプレイしやすくなります。
《致命的な一押し》や《突然の衰微》《選別の儀式》といった優秀な除去、《思考囲い》のようなハンデスなど妨害手段が豊富で、《不浄な別室/祭儀室》のようなドローエンジンもあるためアドバンテージ差を広げていくことが可能です。
そして、《黙示録、シェオルドレッド》のような強力なフィニッシャーも存在するので、リソースの尽きた相手に対して逆転の機会を与えず、速やかにゲームを終わらせることができます。
☆注目ポイント
《思考囲い》と《致命的な一押し》といった効率的な妨害や除去にアクセスできるのが黒を使う理由の一つです。
《思考囲い》は「パルヘリオンシュート」などコンボ対策に必須で、対処すべきカードの情報も得ることができるため、ミッドレンジとしてゲームプランが構築しやすくなります。
また、アグロデッキに対しても1ターン目にプレイすることができれば、爆発的なスタートを阻止することもできる優秀なハンデススペルです。
《致命的な一押し》は、パイオニアではフェッチランドが使えないため「紛争」の条件が難しいものの、「イゼット果敢」や「赤単」のクリーチャー、各種クリーチャー・トークンをわずか1マナで処理できる最良の除去といえます。
《変わり谷》はすべてのクリーチャー・タイプを持つクリーチャーになれるため、このデッキの主要なアドバンテージ源である《不浄な別室》と相性が良いです。さらに、《アナグマモグラの仔》のおかげで《祭儀室》でデーモン・トークンを生成しやすくなっています。
メインから採用されている全体除去の《選別の儀式》は、「イゼット果敢」の脅威を一掃することができます。
《デリアン・フェル教授》は『ストリクスヘイヴンの秘密』から登場した4マナのプレインズウォーカーですが、《アナグマモグラの仔》のおかげで3ターン目にプレイすることができます。
ライフゲインできる[+2]能力は、赤いアグロデッキが幅を利かせている現環境では非常に有用です。[+0]能力で失ったライフを取り戻すこともできます。
ドローの[+0]能力と除去の[-3]能力を持ち合わせているので、カードアドバンテージとボードアドバンテージの両方を確保することができます。
サイドボードの《未認可霊柩車》は、「イゼットフェニックス」のような墓地を利用するデッキ全般を対策できるカードなので、多くのマッチアップでサイドインされます。
- 2026/06/10

ゴルガリミッドレンジ
パイオニア屈指のカードが大集合!1枚戦場に残れば勝てる!
『Pioneer Challenge 32』 -パイオニアを代表するコンボデッキ-
開催日:2026年8月22日
優勝 アブザンパルヘリオン
準優勝 ディミーアミッドレンジ
3位 イゼット大釜
4位 アブザンパルヘリオン
5位 イゼット果敢
6位 アブザンパルヘリオン
7位 ジェスカイ講義
8位 イゼット果敢
パイオニアを代表するコンボデッキである「アブザンパルヘリオン」が優勝を含めてプレイオフに3名と大活躍でした。ほかには「イゼット果敢」や「ジェスカイ講義」などスタンダードでも活躍していたデッキのパイオニア版が複数入賞しています。
アブザンパルヘリオン
「アブザンパルヘリオン」は、『神河:輝ける世界』で《大牙勢団の総長、脂牙》が登場して以来、パイオニアを定義してきたコンボデッキで、現在でもトップメタの一角を担っています。
このデッキは、《エシカの戦車》や《轟雷のブルードワゴン》《パルヘリオンⅡ》といった機体を墓地に落とし、《大牙勢団の総長、脂牙》でリアニメイトします。特に《パルヘリオンⅡ》をリアニメイトした際は、一撃で13点ものダメージを与えることも可能です。
非常に爆発力のあるコンボデッキですが、ハンデス、単体除去、全体除去など一通り揃っているためコンボ対策をされてもミッドレンジのように振る舞うことができます。
☆注目ポイント
『ローウィンの昏明』から登場した《並外れた語り部》によって、《パルヘリオンⅡ》を捨てつつ《大牙勢団の総長、脂牙》をサーチしてくることができるため安定性が向上しています。
《エシカの戦車》はこのデッキのコンボ以外での勝ち手段です。《大牙勢団の総長、脂牙》でリアニメイトすると、合計でパワー10の戦力を戦場に展開することができます。
《轟雷のブルードワゴン》は「サイクリング」持ちなので、能動的に墓地へ送ることができます。そのため《大牙勢団の総長、脂牙》と相性が良いです。
戦場に出ると、マナ総量4以下の土地でないパーマネントを破壊できるため、アグロデッキとのマッチアップで特に頼れます。
《ベイルマークの大主》は「切削」する手段であり、カードアドバンテージ源、終盤のコンボ以外の勝ち手段など、様々な役割を一手に担ってくれます。誘発型能力で《パルヘリオンⅡ》などを墓地に落としつつキーカードである《大牙勢団の総長、脂牙》を回収することも可能です。
《パルヘリオンⅡ》などコンボパーツを墓地に送りつつ、クリーチャーやプレインズウォーカーに対処できる《苦々しい勝利》は、このデッキにとって最高の除去といっても過言ではありません。
- 2026/02/27


アブザンパルヘリオン
わずか3ターンで巨大要塞発進!
イゼット果敢
《コーリ鋼の短刀》の禁止によって弱体化を強いられたにもかかわらず、「イゼット果敢」は環境に留まり現在でもトップメタの一角に存在しています。
『アバター 伝説の少年アン』で《ブーメランの基礎》をはじめとした「講義」カードが新たに収録されたことで、パイオニアでも「講義」を使用したデッキが増加しました。
スタンダードと違い、パイオニアでは『ストリクスヘイヴン:魔法学院』のカードも使えるため、《学術論争》のような強力な「履修」スペルも採用できます。
基本的には《僧院の速槍》や《損魂魔道士》《熾火心の挑戦者》といったマナコストの軽い「果敢」持ちクリーチャーで圧をかけていく戦略です。
しかし、《無謀な怒り》といった軽く優秀な除去や、《没頭》などアドバンテージを稼ぐ手段も豊富なため、粘り強く戦うこともできます。爆発力のあるアグロ戦略に加えて軽いインタラクションも持ち合わせているので、環境に存在する多くのデッキと互角以上に渡り合えます。
☆注目ポイント
戦場に出たときの能力によって1/1「果敢」持ちカワウソ・トークンを生成する《嵐追いの才能》は、このデッキの1マナ域クロックとして機能するほか、《ブーメランの基礎》との組み合わせにより、このデッキで最も優れたアドバンテージエンジンにもなります。
《ブーメランの基礎》は、《嵐追いの才能》の戦場に出たときの能力を再利用しつつ、軽いキャントリップとして使用できます。もちろん、ブロッカーをバウンスして疑似除去としても使うことができる軽い優秀なスペルです。
インスタント除去以外にも、《ブーメランの基礎》や《手練》といったソーサリースペルを多用するため、《没頭》で2枚のカードを手札に加える条件を満たしやすい構成になっています。このデッキの1マナキャントリップとして《手練》が《考慮》よりも優先されているのもそうした事情からです。
パイオニアの「イゼット果敢」の一番の注目ポイントは、何といっても《学術論争》です。
「果敢」クリーチャーを強化しつつブロックを強制することで除去のように使用でき、《熾火心の挑戦者》を対象にすれば強化しつつアドバンテージを得ることが可能です。
加えて「履修」を持っているため、このデッキで最も重要な除去スペルの《火の技の修行》や呪禁を付与できる《タコの型》など、状況に応じて「講義」をサイドボードから持ってくることができます。
- 2026/01/16

イゼット果敢
呪文を連鎖させて果敢に攻める!
ジェスカイ講義
スタンダードでも活躍していた「講義」デッキは、パイオニアでも定番のデッキとして活躍しています。そのため、普段スタンダードをプレイされている方でパイオニアを始めたいという方にもおすすめできるデッキです。
パイオニアでは「履修」と「講義」を併用することができるため、スタンダードよりもさらに強力な戦略になります。
「履修」は「講義」のサーチ手段としてもルーティングとしても使えるので、「講義」を墓地に溜めることも容易です。
イゼット、ティムール、ジェスカイなど複数のバリエーションが存在しますが、今回入賞したジェスカイバージョンは「講義」デッキのアドバンテージエンジンである《ばあば》と《積み重ねられた叡智》に加えて、エンドカードの《ジェスカイの啓示》を採用しています。
☆注目ポイント
《ばあば》+《積み重ねられた叡智》の組み合わせはパイオニアでも強力です。《ばあば》のルーティング能力のおかげで《積み重ねられた叡智》で3枚のカードを手札に加える条件も満たしやすく、そこで得たアドバンテージもコスト軽減能力のおかげで有効活用しやすくなっています。
《愛着を捨てる》は、自身とあわせて一度に2枚の「講義」カードを墓地へ置くことができるため、早い段階から《積み重ねられた叡智》でカードを3枚手札に加えることが可能になります。
《火の技の修行》は序盤だけでなく、キッカーが払えるようになる中盤以降も《黙示録、シェオルドレッド》などフィニッシャークラスの脅威も処理できる柔軟なスペルです。
《爆裂の技》も、このデッキなら環境の多くの脅威に対応可能です。追放効果も無視できない要素といえます。
スタンダードと異なり、パイオニアでは《ゼロ除算》が使えます。スタック上と戦場両方に対応できるバウンススペルで、「履修」によって状況に応じた「講義」を手札に加えることができます。
《雷神、ソー》は追加の勝ち手段として最近採用されはじめたクリーチャーです。「履修」や「講義」を多く採用したこのデッキにマッチしており、複数のスペルをプレイして爆発的なターンを実現できます。
《発見の石板》も非クリーチャースペルを多用するこのデッキでは、効率のいいマナ加速として機能します。「切削」したスペルをプレイしなかったとしてもそのまま墓地に置かれるので、墓地に「講義」カードを落としておきたいこのデッキと相性がいいカードです。
《ばあば》のコスト軽減能力は非クリーチャースペルなのでアーティファクトである《発見の石板》も軽いコストでプレイすることができます。《ばあば》のコスト軽減能力と《発見の石板》を組み合わせれば、《ジェスカイの啓示》を早い段階からプレイすることができるようになります。
- 2026/08/26


ジェスカイ講義
一撃必殺!《ジェスカイの啓示》でゲームを決める
総括
パイオニアが最後に競技シーンで採用されたのは2024年で、それ以降は主にMagic Onlineやアリーナ、一部のローカルイベントのみでした。これまで競技フォーマットとしてのサポートがあまり多いとはいえないフォーマットでしたが、正確な時期などは不明であるものの、公式配信で2027年にパイオニアを競技シーンに復活させることが示唆されていました。
パイオニアはアグロ、ミッドレンジ、コンボなど多様なアーキタイプが活躍するフォーマットなので今後の展開が楽しみです。
以上、USA Pioneer Express vol.20でした。それでは次回の連載でまた会いましょう。良いパイオニアライフを!
パイオニアおすすめ記事
- 2026/08/04
- Summer Sun’s Zenith直前!最新のパイオニアを解説!
- 2026/08/26
- パイオニアデッキ紹介
- 2026/05/06
- 第21期パイオニア神決定戦カバレージ













































