By Kazuki Watanabe
様々なプレイヤーが集う、PWC Championship 2018。
その中には、昨年のPWC Championshipの王者である神の姿もある。
岡井 俊樹。
先日開催された第10回スタンダード神決定戦で見事に防衛を果たしたばかりだが、彼の初戴冠は昨年のPWC Championship 2017であった。それからの1年で彼が魅せた飛躍を、ご存知の方も多いだろう。
岡井は、昨年のトップ8プロフィールで、「来シーズンの目標は?」という問いに「PT行ってみたい」と答えていた。そしてその目標を実際に叶え、プロツアー『破滅の刻』、そしてプロツアー『イクサランの相克』に参加している。
岡井の飛躍の背景には、PWCがあると言っても過言ではない。ここでは岡井とPWCの出会い、そして次の目標について伺ってみよう。
岡井「気付いたら通っていた」
――「早速ですが、PWCに始めて参加されたのいつなのですか?」
岡井「スタンダードのグランプリに出場するために『GPTに出よう』と決めまして、そこで参加したのがPWC主催のGPTでした。それが初めてですね」
――「なるほど。では、『PWCに出よう』と思って参加した、というわけではないんですね」
岡井「そうですね。気付いたら通っていた、という感じでしょうか。GPTやPPTQに通う中で『PWCって何だろう?』と思った覚えがあります。グランプリの不戦勝や、RPTQ出場を目指す場所でしたね。そして、通っていると実感するのですが、PWCは練習の場として最適なんですよ」
練習の場としてのPWC
――「練習の場、ということですが、普段はどのように練習をされているのですか?」
岡井「最近はMagic Onlineを利用することもありますが、週末の大会に参加する方が主軸ですね。土日の大会、となるとPWCがやはり候補に上がってきます」
――「なるほど。では、どのような点が、練習の場として最適なのでしょうか?」
岡井「まず、PWCは参加者が多くてラウンド数も長いですよね。その上、参加者のレベルがとにかく高いので、一日参加すると、とにかく良い練習になるんです」
――「今日も朝から6ラウンドなので、長時間対戦できますね」
岡井「そうですね。色々な人、デッキと対戦できますし、長時間集中する練習にもなりますからね」
――「PWC、そしてグランプリやプロツアーは長丁場になりますが、一日参加していると疲労が気になることはありませんか?」
岡井「疲れは確かにありますね。ですが、僕の場合は後半の疲労感よりも前半の方が大変です。徐々にエンジンが掛かってきて、頭が冴えてくるというか……ラウンドをこなす中で、『少し良くなってきたかな?』と実感することもありますね。こういった体験ができるのも、PWCの良いところだと思います」
今でも変わらぬ、岡井の目標
――「そうやって練習を積み重ねているわけですね。では、その練習の先……次の目標について教えていただけますか?」
岡井「権利を取って、プロツアーに参加したいです。これは今でも変わらぬ目標なので」
――「なるほど。そのために、『ここを変えてみよう』『こんな練習をしよう』と考えていることはありますか?」
岡井「何か特殊なことをする、というよりは今のペースを続けていきたいですね。集中して練習の質を上げていく、といったところでしょうか。無理をしてペースを崩すことなく、実力を付けていきたいと思っています」
――「今後の予定についてお伺いしたいのですが、今月末のグランプリ・京都2018には参加されるのですか?」
岡井「はい、その予定です。チームメイトに迷惑をかけないように、練習をしている最中です」
――「もう目前ですね。担当するフォーマットはスタンダードですか?」
岡井「いえ、今回はモダンを担当するんですよ。プロツアー『イクサランの相克』に向けた練習を活かせると思うので」
――「では、ここからはグランプリに向けてモダンの練習が大詰めを迎えるわけですね」
岡井「そうなりますね。納得できないデッキを使用するのも、それを使いこなせないのも悔しいので、良いデッキを見つけて、そのデッキを使いこなせるように練習したいと思います」
PWCは、様々なプレイヤーが集う。そしてプレイヤーによって様々な意義を持つ。
PWCでの勝利を目指すものにとって、ここは“目標”だ。そして、ここで培った実力を発揮して国内外の大会で活躍を始めた者にとっては“原点”となる。
PWCはマジックを思いっきり楽しむ場であると同時に、世界の舞台へ羽ばたく力を得られる場だ。
「マジックを楽しみたい」「強くなりたい」と思う方は、ぜひ参加してみて欲しい。