By Atsushi Ito
◆ 総合勝率
順位 | 名前 | 総合成績 | 勝率 |
1位 | 金川 俊哉 | 16勝8敗 | 67% |
2位 | 八十岡 翔太 | 17勝10敗 | 63% |
2位 | 大木 樹彦 | 17勝10敗 | 63% |
4位 | 津村 健志 | 15勝9敗 | 63% |
5位 | 中村 修平 | 13勝8敗 | 62% |
6位 | 高橋 優太 | 16勝11敗 | 59% |
7位 | 齋藤 友晴 | 15勝12敗 | 56% |
7位 | 浦瀬 亮佑 | 15勝12敗 | 56% |
9位 | 井川 良彦 | 12勝12敗 | 50% |
10位 | 原根 健太 | 13勝14敗 | 48% |
10位 | 木原 惇希 | 13勝14敗 | 48% |
10位 | Ipank Aziz Riphat | 13勝14敗 | 48% |
13位 | 齋藤 慎也 | 5勝7敗 | 42% |
13位 | 大澤 拓也 | 5勝7敗 | 42% |
15位 | 熊谷 陸 | 11勝16敗 | 41% |
15位 | 平見 友徳 | 11勝16敗 | 41% |
17位 | ポンポコ宮本 | 4勝14敗 | 22% |
18位 | 檜山 俊輔 | 5勝22敗 | 19% |
◆ 3-0まとめ
プレイヤー | 色 |
津村 健志 | 白緑 |
中村 修平 | 白黒 |
平見 友徳 | 白黒 |
金川 俊哉 | 赤黒 |
齋藤 友晴 | 白黒 |
大木 樹彦 | 赤緑 |
浦瀬 亮佑 | 緑多色 |
Ipank Aziz Riphat | 白黒 |
高橋 優太 | 赤黒 |
金川 俊哉 | 青黒 |
高橋 優太 | 赤白 |
大木 樹彦 | 黒緑 |
原根 健太 | 青白 |
齋藤 友晴 | 赤緑 |
八十岡 翔太 | 赤白 |
浦瀬 亮佑 | 青黒 |
中村 修平 | 緑多色 |
高橋 優太 | 赤黒 |
◆ 2色別の全体勝率
2色 | 勝敗 | 勝率 |
白緑 | 23勝16敗 | 59% |
青黒 | 19勝14敗 | 58% |
黒赤 | 23勝19敗 | 55% |
緑多色 | 13勝11敗 | 54% |
白黒 | 36勝36敗 | 50% |
黒緑 | 18勝18敗 | 50% |
白赤 | 12勝12敗 | 50% |
白青 | 12勝12敗 | 50% |
青赤 | 30勝33敗 | 48% |
赤緑 | 22勝29敗 | 43% |
青緑 | 8勝16敗 | 33% |
色別の全体勝率
色 | 勝敗 | 勝率 |
黒 | 83勝76敗 | 52.4% |
白 | 96勝87敗 | 52.2% |
赤 | 87勝93敗 | 48.3% |
緑 | 84勝90敗 | 48.2% |
青 | 69勝75敗 | 47.9% |
『アモンケット』減少により変わったものと変わらないもの
『アモンケット』×3のドラフトは「督励」と「カルトーシュ」によって、防御側の陣容を見てから攻撃に向かわせるサイズを自在に変えられたため、攻撃側が歴代の他の環境と比べても極めて強いイニシアチブを持つアグロ優位な環境だった。
だが、『破滅の刻』には「カルトーシュ」はなく、「督励」はあるものの枚数は減少している。その結果、『破滅の刻』ドラフトでは防御側イニシアチブへの揺り戻しが見られるようになった。
それはどういうことかというと、「単純にタフネスの高い地上のクリーチャー」が突破されづらくなったことを意味している。
とはいえ、環境には3/1や3/2、3/3といったサイズのクリーチャーが溢れているため、ここでいう「タフネスが高い」とはタフネス4以上を指す。そしてタフネス4以上のクリーチャーは (とりわけ一方殺を狙えるパワー2以上も兼ねているとなると) 『破滅の刻』でも限られており、まして「督励」持ちのクリーチャーもわずかながら残っている上に「加虐」という新たな攻撃優位のコンセプトも存在していることを考えると、アグロ優位を覆すほどではないと考えるのが妥当だろう。
ただ環境が防御側にも攻撃側の速度を減速させる手段を用意したことで、『アモンケット』×3のときと比べてアグロ、ミッドレンジ、コントロールと最終形の選択肢の幅が広がったのは特筆すべきポイントと言える。
他3色の追随を許さない白と黒の安定感
そんな中で、勝率 (参考: 前掲「色別の全体勝率」)・人気 (参考: 最もやりたい2色の組み合わせは?) ともに他3色を圧倒したパフォーマンスを見せたのは白と黒の2色であった。
速度帯に幅がある環境においては、ミッドレンジを組むのが正解となりやすい。そこにおいて、豊富な除去と程よいクリーチャーサイズを持ちつつ、赤ほど過度にアグロ寄りではなく、また青ほど過度にコントロール寄りではないこの2色は、どんな相手に対してもダメージコントロールをしつつ骨太に立ち回るのに最適なカラーと言える。
白か黒のいずれかを絡めたデッキの勝率に比して、赤/緑/青の3色から2色を選ぶ組み合わせが勝率ワースト3を記録している (参考: 前掲「2色別の全体勝率」) ことから見ても、環境に慣れないうちは白か黒のうち少なくとも一色を触っておくのが無難と言えるかもしれない。
寡占スポットになりやすい青と緑の使い方がカギを握る
ただ、それはあくまで前提に過ぎない。共有された前提がメタゲームを形作るのは、ブースタードラフトにおいても同じなのだ。
ここでは青と緑という、卓内の許容人数が少ないために寡占スポットになりやすい2色に注目しておきたい。
『アモンケット』×3ドラフトの後半もそうだったが、強力なアーキタイプが周知されると、それに関与しないカードの点数は相対的に安くなる。ゆえに、たとえば前回のプロツアーでのカルカノの戦略のように、「安いカードで強力なデッキを作るテクニック」を知っていることは、勝率を安定させるための切り札となりやすい。
「青緑」や「緑多色」など、あまり研究が進んでいないアーキタイプこそ練習する価値がある。グランプリの2日目やプロツアーの参加者ならば前提としての「レベル1」は当然共有しているはずであり、そこから「レベル2」や「レベル3」に到達してはじめて、同卓したプレイヤーを出し抜くことができるのだ。
いよいよ今週末に迫ったグランプリ・京都2017、そして来週末のプロツアー『破滅の刻』では、どのようなドラフト戦略が支配的となるのか。プロプレイヤーたちの練習の成果に期待しつつ、生放送やテキストカバレージを楽しみに待つとしよう。
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