新シーズンの幕開け ~プロツアー『イクサラン』とグランプリ・上海2017~

原根 健太

先日行われたプロツアー『イクサラン』及びグランプリ・上海2017のイベントレポートをお届けします。どちらのイベントも成果はいまひとつでしたが、そうなるに至った経緯や思考過程をまとめ書き起こすことで次に繋げる狙いです。

プロツアー『イクサラン』・調整過程

毎度お馴染みではありますが、今大会もチーム「武蔵」(with 高尾 翔太)の面々で調整を行いました。

また今大会より2017-2018シーズンのチームシリーズが開始されましたが、現在の調整環境を維持するため、このイベントには不参加を決めています。当たり前のことですが、ライバルチームの面々と共に練習を行うなどもっての外ですからね。

世間の盛り上がりからは一歩引いた状態となるため少し寂しくはありますが、やむを得ないことです。今の調整環境は僕にとってかけがえのないものであり、大切にしたいと思っています。

さて、今大会の調整に関してですが、「2点」普段と異なる点があります。

いつものプロツアーとの相違点

まず1つは世界選手権の存在です。

新セット『イクサラン』が発売されてからこのプロツアーが開催されるまでの間にマジック:ザ・ギャザリング世界選手権2017が開かれました。

世界のトッププレイヤー達によりデッキやカードの評価が定義された状態でのイベントということで、単純に弱いデッキを持ち込む可能性が下がりますね。強いとされるデッキが明確化されており、安定的選択肢と意識する対象がハッキリしているのはこれまでにないことです。

2つ目は「プロツアーの開催時期」です。

これまでプロツアーは新セットが発売されてから「2週間後」のタイミングで開催されていましたが、今大会は「5週間後」に開催されます。これによる違いはやはり「デッキ構築・プレイの練度」でしょうね。

新セット発売から2週間後の大会というのは正直あらゆる選択肢を検討するだけでも精一杯のタイミングで、ロクにプレイしたことがないデッキを本番に持ち込まざるを得ないことも少なくありません。

5週間ともなると準備期間は倍以上。その上で世界選手権と言う判断材料まで用意されているわけですから、プレイヤー各々これまでと比較して非常に高い精度で大会に臨めますね。

そんなわけで本番に至るまでにかなりの時間があったのですが、僕たちはこの練習期間の多くを下記のデッキの調整に費やしていました。

宝物の地図巻きつき蛇秘宝探究者、ヴラスカ

行弘(賢)さん発案、《宝物の地図》《巻きつき蛇》の能力で高速で「変身」させ、《スカラベの神》《秘宝探究者、ヴラスカ》といったフィニッシャーに繋ぐ、新カード中心のシナジーデッキです。

持ち込まれた時点で高いポテンシャルを感じ、時間をかけてブラッシュアップを繰り返したのですが……結果は「失敗」に終わりました。調整を続ける中でいくつかの問題点に行き当たったのです。

マナベース

泥濘の峡谷つむじ風の巨匠根縛りの岩山

まず1つはマナベース

ティムールのプレイする《つむじ風の巨匠》を対処するためには、自らも《つむじ風の巨匠》をプレイすることが必要不可欠となり、赤をタッチすることが決まりました。同カードは赤単アグロの猛攻を凌ぐのにも役立ち、余ったエネルギーの消費先としても最適です。

しかしながら、要求ターンの早い赤マナはデッキの安定性を大きく低下させ、事故による敗北は無視できない数値に達し始めました。2ターン目に《巻きつき蛇》をプレイし3ターン目に《つむじ風の巨匠》をプレイしようとする、3ターン目の色マナ要求値は(青)(黒)(赤)(緑)。当たり前ですが無茶です。

連続したタップインにより全アクションに遅れが生じ、そもそもカードがプレイできないといった不具合も多発しました。

《宝物の地図》の良し悪し

削剥宝物の地図慮外な押収

次に《宝物の地図》の扱いについて。

このカードはプレイに2マナ、起動に1マナを3回、計5マナを盤面に影響しないアクションとして要求します。

その後発生する3つの《宝物》+「変身」後の土地、計4マナを用いて失ったテンポ分の巻き返しを図っていくわけですが、現在のスタンダード環境には《削剥》《慮外な押収》といったアーティファクト対処手段がメインデッキ時点で存在しており、「変身」を阻害されてしまうことが少なくありませんでした。

特に《慮外な押収》は本当にクリティカルで、こちらが丹精込めて育てた《地図》を奪われ、あろうことか相手の展開を強化してしまいます。調整中、《地図》を奪われたゲームは「全ゲーム敗北」しました。

《削剥》は単純な破壊である分まだマシですが、こちらはティムールだけでなく赤単からもプレイされるので、環境の2トップがメインデッキ時点で回答を持っているというのは非常に好ましくない事態です。

フィニッシャー

スカラベの神秘宝探究者、ヴラスカ

最後に、デッキの着地地点について。

フィニッシャーである《スカラベの神》《秘宝探究者、ヴラスカ》は本当にパワフルなカードで、盤面に定着した際の勝利期待値は非常に高いものでした。しかしこれは単純に両者のカードパワーが秀逸なだけであって、その過程に《宝物の地図》が必要であるかを疑問に感じるようになります。

《宝物の地図》には上記のような裏目が存在します。同じ負け筋を辿り続ける内に「除去カードや《逆毛ハイドラ》で盤面を繋ぎ、これらをプレイする方が良いのではないか」と考えずにはいられませんでした。

長い時間をかけて調整を続けたこのデッキは、出発前日に「プロツアー本番で有力と思われるデッキ群」(ティムール・ティムールタッチ黒、赤単、王神の贈り物)とぶつけたところ、0勝4敗をマークし粉々に砕け散りました

絶望の末、急遽別の選択肢を探すことに。

この時点で候補に浮上したのは、やまけんさん(山本 賢太郎)が環境初期からずっと調整を続けていたラムナプ・レッドと、ヤソさん(八十岡 翔太)謹製のティムールタッチ黒でした。

ヤソさんのティムールは随分と特殊な形をしていますが、これはこの調整期間でティムールのメインボードの勝率が非常に低いと気付いたことに起因しています。

前述の世界選手権をティムールが制したことから、後発のデッキは全て「ティムールに勝てること」を前提とした構築されたものばかりで、メインボードの勝率が低いことはある種必然的なことでした。

その結果「もうこれならこちらもメインボードでは何か思い切った構成を取って、特定のデッキにしっかり勝ち、残りはサイドボードで取り直そう」というアプローチが図られることになりました。

今回の構成はメインボード時点から「対赤単」を強く意識した形。《マグマのしぶき》のような軽いアクションをしっかり用意しながら《霊気圏の収集艇》によるライフゲイン手段を持ち、《慮外な押収》《熱烈の神ハゾレト》への対処も見ています。

マグマのしぶき霊気圏の収集艇慮外な押収

また《栄光をもたらすもの》の代わりに採用された《スカラベの神》《秘宝探究者、ヴラスカ》はティムール同型に強いカードで、このマッチアップにも意識を寄せています。これは調整チームの出した結論が「ティムール」と「赤単アグロ」であったことから、その2つを意識しての決断でした。

ちなみに、僕の目から見て二者択一であればデッキ的な完成度は赤単の方に軍配が上がりそうだと感じていました。

僕個人としてはあまり使い慣れないデッキタイプではありますが、前回のプロツアーレポートにも記した通り「練習量<正解デッキを選ぶこと」だと思っているので、思い切って乗り換えを検討したところ、自分のプレイがあまりに下手過ぎて本番までに間に合う気がせず断念。経験値のあるティムールに身を委ねることに。

どのくらい下手だったかと言うと、何本かゲームをしてみて一度も「相手ライフを15以下にできなかった」という事実をもとにご想像いただければと思います。代表的なプレイは第2メインフェイズに《アン一門の壊し屋》をプレイしてエンド。

アン一門の壊し屋

急ピッチで本番用デッキを組み上げ、いざアルバカーキの地へ。

プロツアー『イクサラン』・本番

まずはドラフトラウンドから。

ドラフトの苦手な僕は今回、Hareruya Pros&Hopes合同練習会に加え、Team Cygames様主催のドラフト合宿にも参加させていただき、レベルアップを図ってきました。

2度の合宿によるリミテッド力の強化。最終的な勝率は70%ほどに落ちつき、明確なレベルアップを果たしました。これまでの僕とは一味違います。昨シーズンから続く成績不振を打ち破るべくいざ……!

ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 1白黒吸血鬼 〇××
Round 2青黒海賊 〇××
Round 3赤黒アグロ ××

0-3。あれ……?

デッキは白赤恐竜。

ドラフトデッキ

2マナ域に攻撃的なクリーチャーをピックできず、デッキの完成度は若干低め。

それでも1-2、運が良ければ2-1はあるかといった見た目でしたが、全ゲームで接戦を繰り広げ、消耗し切っての0-3という結果に。ほとんどのゲームを最後の1ターンでトップデッキされ逆転負けの結末を辿り、精神的にもかなりキツかったですね。

プロツアーでのドラフトはどれだけ失敗デッキを組んでも0-3だけはしてこなかったのですが、ついにといったところでしょうか。合宿の成果が生かせず無念。

すっかり気落ちしてしまい、昼飯も食わずしょんぼり。そうこうしている内に構築ラウンドがスタート。正直今回はデッキに自信もないので内心気が気ではありませんでしたが、今はやれることをやる他ありません。

ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 4赤黒アグロ 〇×〇
Round 5アブザントークン 〇〇
Round 6スゥルタイエネルギー ×〇×
Round 7バント《副陽の接近》 ×〇×

R4の赤黒アグロは《スカラベの神》《慮外な押収》で相手の《不死の援護者、ヤヘンニ》《熱烈の神ハゾレト》を奪い、《バントゥ最後の算段》をケアして勝利。

R5のアブザントークンにはメインサイド共に《秘宝探究者、ヴラスカ》が暴れて勝利。このマッチアップはサイドボードを合わせ極端に有利なマッチアップです。

R6のスゥルタイエネルギーには1ゲーム目に《逆毛ハイドラ》を連打され、これが全く止まらずに敗北。3ゲーム目はマリガン後2ランドストップし事故死。

R7のバント《副陽の接近》は1ゲーム目を相性差で落とし、3ゲーム目はマリガン後サイドインしたカードを1枚も引かず鳴かず飛ばずの展開で普通に《副陽の接近》を2回プレイされて敗北。

連勝後の連敗であえなく初日落ち。僕はこのラウンドをもってドロップし他メンバーの勇姿を見守りますが、僕らの構築ラウンドの結果は散々たるものでした。

使用者 構築ラウンドの成績
渡辺 雄也2-2-1
行弘 賢0-3
市川 ユウキ2-6
八十岡 翔太6-4

僕が2-2なので、5人合わせて12-17-1。勝率41%

プラチナレベルプロ3人・ゴールドレベルプロ2人でこのスコアは、残念ながら「デッキが弱かった」と認めざる他ありません。

感覚的な話になりますが、昨シーズンの3大会で使用した機体・霊気池・ゾンビはいずれも対戦中に「このデッキ強いな」と感じることができたのですが、今回のデッキは正直感触が悪く、5回戦が終わったあたりで「これはダメかもしれない」と感じ始め、その矢先であっと言う間に負けました。

赤単との対戦を前提にデッキを構築したためかデッキの動きが細く、盤面上は有利なのに勝つまでに時間がかかり過ぎたり、平らな場で先の動きを考えているときドローの受け入れが狭かったりと、「押し」の足りないデッキだなという印象。

プロツアーの初日落ちは初参加した『マジック・オリジン』のとき以来。感想は「暇」の一言に尽きますね(笑)

会場に赴いて対戦を見学している間、夜ホテルにいる間、帰りの飛行機搭乗の間、「今回のデッキの何がダメだったのか」をずっと考えていました。

前述の理由から、ティムールというデッキのメインボードの勝率が低い事実には変わりがなく、何かに寄せた構築を行うというアプローチは悪くなかったように思います。ではその対象、「赤単に寄せる」という部分はどうだったのでしょうか。

地揺すりのケンラ熱烈の神ハゾレト

赤単は確かに強力なデッキタイプで、シェアも広く、メインデッキから勝ちにいけるならそれに越したことはありません。しかし赤単に有効なカード、《マグマのしぶき》《霊気圏の収集艇》といったカードはその他多くのデッキに対してはイマイチで、恩恵にあずかる量よりずっと多くの跳ね返りを受けると感じました。PT時に感じた線の細さはまさにそれですね。

また仮に意識を寄せたところで1ゲーム目を勝利できるかは別の話で、先手を取られて4ターン目に《熱烈の神ハゾレト》が走ってくれば《マグマのしぶき》の有無程度では勝敗は変わりませんし、1ゲーム目時点では相手デッキが分からないがゆえに3ターン目《ならず者の精製屋》がファーストアクションの手札をキープしてしまうような負けパターンも考えられます。

このことから「赤単に寄せるというやり方はリスクが大きい」と感じるようになりました。

グランプリ・上海2017 調整過程

では一体どうすべきなのか。

プロツアーから日本に戻ってきて、上海に向け出発するまでの時間はわずか2日。やれることは限られてきます。残された時間で僕が試したのは「PTの時とは逆側のアプローチ」に振り切ることでした。

だいぶ禍々しい見た目をしていますが、「赤単アグロ」とは逆側の「ミッドレンジ以降のデッキに勝つこと」をテーマとしたティムールタッチ黒です。

媒介者の修練者反逆の先導者、チャンドラスカラベの神

僕の経験上、ミッドレンジデッキのミラーマッチで最も「無理ゲー」を感じるのが《反逆の先導者、チャンドラ》《スカラベの神》によるマウントで、特にマナクリーチャーから繰り出される3ターン《チャンドラ》や4ターン《スカラベ》はゲームを破壊するレベルの脅威だと認識していました。

今回の構築ではマナクリーチャーを8枚採用することでこの動きを積極的に狙い、着地点となるマウントカードも4枚ずつを採用。「重なって腐ったらどうするんだ」思われるかもしれませんが、《スカラベの神》は残れば勝ちのカードなので、場に残っている状態で2枚目以降が手札に残っていても気になりませんし、《排斥》《ヴラスカの侮辱》のような追放除去を気にせず強気にプレイできる利点もあります。

《反逆の先導者、チャンドラ》に関しては2枚目がある状況では「-3」能力を活用して盤面のカードと積極的に交換を行い、使い潰すイメージになります。忠誠度の下がった《チャンドラ》を攻撃対象にさせてターンを消化させ、2体目を展開して再び盤面を押さえに行く流れですね。

副陽の接近王神の贈り物

またミッドレンジ「以降」のデッキをターゲットにしていると表記していますが、このデッキはメインボード時点から「副陽の接近」や「王神の贈り物」デッキに勝利することも狙っています。

ティムールをプレイしているとき、上記デッキ群相手にメインボード時点で勝利するチャンスをもたらしてくれるのはほとんどが《スカラベの神》《反逆の先導者、チャンドラ》でした。これらのカードを多量に採用することは、こうした特殊なデッキ相手に勝利する機会をより多く生み出してくれることも意味しています。

機知の勇者

《機知の勇者》は従来のティムールでは見慣れないカードですが、マナクリーチャーが8枚も積まれているこのデッキにはマナフラッド問題が常に付きまとうため、その解消手段として採用されています。

その他、単純なフラッド解消以外にもデッキの軸である《チャンドラ》《スカラベ》との相性は良好で、《チャンドラ》を守りながらブロックを行い、墓地に置かれた後は《チャンドラ》の「+1」能力でマナを生み出し「永遠」能力を起動、盤面を支えながらリソースを稼いでくれます。

場に出た際の能力は《スカラベ》の能力でも誘発可能で、これによる蘇生であれば必要なマナはずっと少なく済み、能力で手札から追加の戦力を墓地に落とす動きが可能です。重複した《チャンドラ》《スカラベ》を他のカードに変えても良いですし、デッキの潤滑油として活躍してくれます。

当日朝4時までMagic Onlineで調整を行いなんとか形にはなりましたが、急ピッチで仕上げたデッキですので作りがところどころ雑ですね。

両フィニッシャーが本当に4枚必要かどうかの検証はできていませんし、赤単は切っているはずなのにメインボードの《マグマのしぶき》は説明がつきません。ここはサイドボードの《削剥》と入れ替えた方が良いと思います。

グランプリ・上海2017・本戦

検証の薄いオリジナルデッキということで不安は大きいですが、PTからの反省点がどこまで活きてくるのかは楽しみでもあります。結果は……。

ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 1BYE
Round 2BYE
Round 3BYE
Round 4ティムール ×〇〇
Round 5ティムールタッチ黒 〇〇
Round 6青白トークン ×〇〇
Round 7青緑《静電気式打撃体》 ××
Round 8ティムール 〇×〇
Round 9ティムール
(今大会優勝者)
 ××
ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 10赤単 ×〇〇
Round 11赤単 〇××
Round 12ティムール 〇×〇
Round 13赤単 ×〇〇
Round 14ティムール ××
Round 15青白《副陽の接近》 〇×〇

11勝4敗。23位入賞となり、プロポイント2点と500ドルの賞金を獲得。

オポネントが高く、最後2戦を勝利できていればトップ8だったので、惜しい結果でした。

切った赤単とは3回マッチングしましたが、サイドボードの《牙長獣の仔》が活躍して勝ち越しに終わることができています。

対 赤単

Out

媒介者の修練者 媒介者の修練者 媒介者の修練者 媒介者の修練者
反逆の先導者、チャンドラ 反逆の先導者、チャンドラ 機知の勇者 機知の勇者

In

牙長獣の仔 牙長獣の仔 牙長獣の仔 牙長獣の仔
削剥 削剥 チャンドラの敗北 チャンドラの敗北

この8枚はどうしてもサイドアウトしたいので、多量の入れ替えに備えて対赤単専用スロットとして《牙長獣の仔》を用意しました。《媒介者の修練者》を抜く関係で代えの2マナ域が望ましく、赤単相手に最も効果が上がりそうなカードということで採用しています。

牙長獣の仔

ミッドレンジ以降のデッキとは9回対戦し、6勝3敗。悪くない数値ですが意識している以上もう1勝はほしいところでした。

デッキの率直な感想としては《スカラベの神》が最高で、《反逆の先導者、チャンドラ》が微妙

《チャンドラ》は勝ち筋にもなりますが負け筋にもなりえ、安定した盤面で着地させないとロクにリソースにならないまま沈んでしまうので、ムラの激しい1枚です。負け試合は大体《チャンドラ》が即落ちしています。せっかく《栄光をもたらすもの》が入っていないのに《チャンドラの敗北》が当たってしまうのも良くない部分でしたね。

逆に《スカラベの神》は着地した試合をほとんど勝利しており、勝利貢献度は圧倒的。裏目は《慮外な押収》くらいのもので、これも《蓄霊稲妻》《秘宝探究者、ヴラスカ》でケアが効きます。カードパワーの高さを再認識しました。

スカラベの神

デッキの感触は悪くなかったので、この先もしスタンダードのイベントがあるなら引き続きの使用を検討しても良いと思えました。同一の路線を考えるのであれば《スカラベの神》は4枚で問題ないと思いますが、《チャンドラ》の枚数は考えものですね。

数を減らして異なる脅威に変換するか、《チャンドラ》を維持するためのプランを考案する必要があります。

これからのこと

今回のレポートはここまでとなります。

この後は来月頭にヤソさん・ナベさん (渡辺 雄也) と共に日本代表としてワールド・マジック・カップ2017を戦います。その前週には前哨戦としてグランプリ・リヨン2017のチームリミテッドにも参戦予定です。

来週末には日本を出発することになるので、現在は急ピッチでチームスタンダード用のデッキを模索中。プロツアーが終わったばかりにも関わらずハードスケジュールが続いていますが、なんとか良い結果を持ち帰れるようがんばってきます。

応援よろしくお願いします。

それではまた次回。

原根

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