Translated by Nobukazu Kato
(掲載日 2019/08/14)
はじめに
みなさんこんにちは。ミシックチャンピオンシップ・バルセロナ2019 (MC4) が幕を閉じましたが、私はホガークヴァインを選択しました。
望ましい結果は出なかったものの、Hareruya Swordがチームシリーズ決勝進出を確定させることができたので少なくとも満足のいく大会でした。《甦る死滅都市、ホガーク》はまともなゲームをやらせないことがあまりにも多く、モダン環境に大きな悪影響を及ぼしているので、早く禁止されることを期待しています。
Aaaand with 11-5 from @JavierDmagic and 10-6 from @leearson (plus @urlichmtg at X-4 playing in the Feature Match, and @JDezani somewhere) we locked up FIRST PLACE IN THE TEAM SERIES!!! HYPEEEEE #MythicChampionshipIV pic.twitter.com/sQIaI23ick
— Andrea Mengucci (@Mengu09) July 27, 2019
「各人の成績が出揃い、チームシリーズの1位が確定!やったー!」
デッキ解説
MC4が終わって時間に余裕ができたため、私は『モダンホライゾン』発売後のバントカンパニーの可能性を探ってみることにしました。MC4前にも多少は調整してみたのですが、ホガークヴァインが極端に強かったですし、納得のいくバントカンパニーの構成も見つけられなかったので当時は諦めました。
MC4で公開されたデッキリストの中には氷雪バントカンパニーが2つあったので、自分なりの形に調整しようと決めました。そしてMagic Onlineのリーグに4回参加し、結果は5-0、4-1、3-2、4-1でした。今使用している最新版のデッキリストがこちらになります。
1 《冠雪の島》
1 《冠雪の平地》
1 《繁殖池》
1 《神聖なる泉》
1 《寺院の庭》
4 《虹色の眺望》
4 《吹きさらしの荒野》
1 《霧深い雨林》
1 《地平線の梢》
1 《爆発域》
1 《ガヴォニーの居住区》
1 《幽霊街》
-土地 (22)- 4 《極楽鳥》
4 《貴族の教主》
4 《氷牙のコアトル》
3 《漁る軟泥》
2 《翻弄する魔道士》
4 《聖遺の騎士》
4 《呪文捕らえ》
2 《不屈の追跡者》
1 《永遠の証人》
-クリーチャー (28)-
2 《溜め込み屋のアウフ》
2 《復活の声》
2 《統一された意思》
2 《遺棄の風》
2 《否定の力》
1 《不屈の追跡者》
1 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
-サイドボード (15)-
調整していく中で機能したカード、機能しなかったカードをいくつか解説していきましょう。
機能したカード
《氷牙のコアトル》
このカードをプレビューで初めて見た際、氷雪パーマネントを3つも用意することは簡単ではないと思い、非常に使いづらいカードだろうと評価していました。しかし実際に使ってみると、《虹色の眺望》が4枚、フェッチランドが5枚、さらには冠雪土地をサーチできる《聖遺の騎士》が4枚あるため、3~4ターン目に接死を付与させることは非常に簡単だったのです。
さらには、クリーチャーという形で除去を採用できるようになりました。相手は何もない私の盤面に攻撃をしかけ、《集合した中隊》から飛び出した《氷牙のコアトル》に不意打ちされることが何度もありました。現在は《呪文捕らえ》、《氷牙のコアトル》、《集合した中隊》といったカードがあるため、インスタントタイミングで動くデッキとして立ち回ることも可能です。相手からすれば、これら全てをケアしてプレイするのに苦戦することでしょう。
《溜め込み屋のアウフ》
バントカンパニーにおいては、《石のような静寂》の上位互換です。《集合した中隊》で展開できますし、ゴブリンなどの攻撃的なデッキに対して2/2のクリーチャーとして運用できますからね。
《否定の力》
サイドボード後は《否定の力》と《統一された意思》を含めて16枚の青のカードがありますから、手札を追放して唱えらえる確率は十分にあるでしょう。マナコストを踏み倒すのは非常に重要で、土地をタップアウトして脅威を展開しても返しのターンで相手のコンボを妨害することができます。仮に青のカードを追放できないとしても、マナクリーチャーが8枚ありますから通常通りに唱えることが問題になることはありませんでした。このデッキでは《否認》の上位互換と言えるでしょう。
《夢を引き裂く者、アショク》
個人的に墓地対策と言えば《夢を引き裂く者、アショク》であり、常在型能力も幅広いデッキ (トロン、タイタンシフト、ドルイドコンボ、アミュレットタイタンなどのプレインズウォーカーを対処しづらいデッキ) に対して非常に頼りになります。それだけでなく、起動型能力を使用するたびに墓地を追放できるので、相手が墓地を再び肥やすことを許しません。
《遺棄の風》
《遺棄の風》の基本土地を相手に献上してしまうというデメリットはあってないようなものです。というのも、メインデッキにすでに《流刑への道》を4枚搭載していますし、大抵のクリーチャーデッキがそこまで多くの基本土地を採用していないからです。
このデッキには8枚のマナクリーチャーと4枚の《聖遺の騎士》がいるため、「超過」で唱えることはそこまで難しくありませんでした。人間やホガークヴァインとの対戦を筆頭に、「超過」のモードがゲーム展開をひっくり返してしまうことが多々ありました。
《時を解す者、テフェリー》
《罠の橋》に対して実質的に除去として機能します。《時を解す者、テフェリー》は万能なカードであり、クリーチャーデッキに強いのはもちろんのこと、打ち消し呪文を無力化し、《血編み髪のエルフ》、《死せる生》、《約束の終焉》といったカードを封じます。
機能しなかったカード
《ルーンの与え手》
《ルーンの与え手》に感銘を受けたのは、ドルイドコンボを使用していたときのことでした。《献身のドルイド》を1度の単体除去から守るだけでなく、戦闘を有利に進めることもできるのです。
《ルーンの与え手》に最も適したデッキは、《珊瑚兜への撤退》を使ったコンボバージョンのバントカンパニーだと思います。以前は《聖遺の騎士》が除去されてしまうと《珊瑚兜への撤退》が単体で弱いカードになるという弱点を抱えていたからです。そこで《ルーンの与え手》がいれば《聖遺の騎士》を守ってくれることでしょう。
アドバンテージの獲得に比重を置いたバントカンパニーでも《ルーンの与え手》を使ってみましたが、1マナ域が多いデッキではあまり活躍できませんでした。また、《氷牙のコアトル》と一緒に採用する場合、マナベースの観点からも無理が生じます。
《薄氷の上》
氷雪土地を軸にするデッキならば完璧な除去となるはずでした。しかし《暗殺者の戦利品》、《拘留代理人》、《仕組まれた爆薬》が環境トップのデッキに採用されており、追放したクリーチャーが戦場に戻ってしまうのは大きな痛手となり得ます。
さいごに
今回の記事はここまでとなります。ぜひみなさんのバントカンパニー研究にお役立てください。
デッキに関して質問などがありましたら、Twitterまでどうぞ。喜んでお答えします。
ではまた次回!
ケルヴィン・チュウ (Twitter)