コマンダー塚本の統率者最前線! vol.11 -マナレシオ∞エムラクール-

塚本 樹詩


 こんばんは、塚本です。


約束された終末、エムラクール


 『異界月』入りの統率者、楽しんでいるのでしょうか? 僕も先日早速いつもの統率者仲間とワイワイ卓を囲み遊んだのですが……と、とにかく《約束された終末、エムラクール》が強い!!

 事前にデッキを調整する時間がなく、手持ちのデッキに取りあえず入れただけでしたが、意識した構築でなくても簡単に出せて強い!! と早速新カードの新鮮さと強さに感動していました。


締め付け移ろいの門


 一方で別の卓の友人の試合を見ていると統率者の猛者が《約束された終末、エムラクール》《締め付け》《移ろいの門》というとんでもないコンボを決めていました。

 これって…無限スレイバー(《精神隷属器》)やないか!!

 専用デッキを組んだらおもしろそうなので、今回の主役は《約束された終末、エムラクール》、君に決めた!



■ とにかく! マナを! 減らせ!!

 《約束された終末、エムラクール》には夢が詰まっています。墓地のカードタイプが増えれば増えるほど、マナコストが軽くなるのです!

 統率者では……

土地
クリーチャー
インスタント
ソーサリー
アーティファクト
エンチャント
プレインズウォーカー
部族

 と8種類のカードタイプを参照することができるので、たったの5マナでプレイできるようになりますね! カードタイプが部族だけで独立したカードはないので現実的には7種類ですが、デッキにはなるべく部族カードも入れて8マナ軽減を狙っていきたいですね。

 デッキの土地を約40枚にすれば、残りの60枚をそれぞれのカードタイプ6種類10枚に当てることで均などに《約束された終末、エムラクール》のコストが減らせるはず! これを今回の構築の方針としましょう!


ウギンの目心なき召喚Planar Gate


 しかし、5マナで妥協してはいけません! 《ウギンの目》があればコストは3マナまで減り、《破滅の伝導者》を使えばさらに1マナに! こんな巨大なクリーチャーをたった1マナでプレイできたらさぞ気持ちいいことでしょう!! 元のサイズが13/13なので、デメリットを気にせずに《心なき召喚》も使えますね。もはやここまでマナコストを減らすことに意味があるのか? いや、ロマンを突き詰めろ!

 さらにマニアックなカードではありますが、《Planar Gate》のようなカードを使っていくのもアリかもしれませんね! 《約束された終末、エムラクール》が0マナで召喚できるようになったらアルティメット《羽ばたき飛行機械》の誕生ですよ!!



■ とにかくサクリファイス&ディスカード!

 各カードタイプを10枚ずつ選出する際には、《約束された終末、エムラクール》のコストを軽くするためになるべく自身を墓地に置くような効果を持ったカードか、任意のカードを墓地に送れるカードを優先して選んでいきたいところですね! というわけで、各カードタイプからデッキと相性の良さそうなカードを探していきましょう!


桜族の長老クローサの大牙獣コー追われの物あさり


 自身を墓地に送りやすいといえば《桜族の長老》のような生け贄能力を持ったクリーチャーか、サイクリングを持ったクリーチャーですね、そして《コー追われの物あさり》のように手札を増やしたり捨てたりできるような能力も《約束された終末、エムラクール》と相性が良いですね!


荒原のカカシ


 墓地のカードを増やすのも重要ですが、複数のカードタイプを持っているカードをデッキに採用すれば、墓地に落ちたときのカードタイプのカウントを稼ぎやすくすることができるので、デッキにあった能力なら是非とも採用していきたいですね! 《荒原のカカシ》は土地を探しながら自身も墓地に置かれるので非常にGoodですね!


嘘か真か盗人の運命


 さて、次はインスタント・ソーサリーについてですが、これらのカードタイプは使い終わったら自動的に墓地に送られるため、なるべく他のカードタイプを墓地に送れるようなカードを探して選出していきたいところです。

 《嘘か真か》は極端な例ではありますが、5枚の内に《約束された終末、エムラクール》が含まれていたら相手がどう分けようと悶絶しそうなのでデッキに合っていて、かつ楽しそうなので適任と言えるでしょう。《約束された終末、エムラクール》がなくとも、狙ったカードタイプを墓地に落とせるのがいいですね。

 新《嘘か真か》こと《偏った幸運》も新しいカードですし試してみましょう! こういった墓地にカードを複数枚置ける呪文の他にも《盗人の運命》《タール火》のようなカードタイプに部族を含むものも無理のない範囲で採用してきましょう。


調律行き詰まり原基の印章


 《調律》は何度も使い回すことができ、墓地にカードをモリモリ送れるので1枚での貢献度が非常に高そう! そして《行き詰まり》も自らが呪文を唱え、対戦相手みんなに3枚引かせたとしても、結果的に《約束された終末、エムラクール》でターンを奪ったときのプレイの選択肢を広げてくれそうなので、おもしろそう! 他の候補としては《原基の印章》《軽快なリフレイン》などの生け贄能力のついたカードですね。


屑鉄の学者、ダレッティダク・フェイデン


 統率者戦では四方八方から狙われ生存しにくいプレインズウォーカーも、今回のデッキに関していえば墓地に落ちてもカードタイプの種類が増えるので、複雑な嬉しさがありますね! 中でも《屑鉄の学者、ダレッティ》《ダク・フェイデン》は手札整理に貢献してくれるのでデッキにピッタリです。

 任意のカードタイプを墓地に送りながら、延命や時間稼ぎをしていくれて、墓地に落ちても力に変えられるプレインズウォーカーの存在は、このデッキではいいことずくめですね! とはいえプレインズウォーカーは元々種類が少ないので、10枚の選出が一番楽なカードタイプなのではないでしょうか?

 ここまでカードを見てみるとデッキも青赤緑の3色でまとめられそうなので、この3色を持った統率者を選んで、デッキ構築をしてみましょう! ということで、できあがったデッキはこれだ!!




《龍爪のスーラク》

1 《龍爪のスーラク》

-統率者(1)-

3 《森》
5 《島》
2 《山》
1 《Taiga》
1 《Tropical Island》
1 《Volcanic Island》
1 《繁殖池》
1 《蒸気孔》
1 《踏み鳴らされる地》
1 《乾燥台地》
1 《血染めのぬかるみ》
1 《溢れかえる岸辺》
1 《霧深い雨林》
1 《沸騰する小湖》
1 《新緑の地下墓地》
1 《汚染された三角州》
1 《吹きさらしの荒野》
1 《樹木茂る山麓》
1 《魂の洞窟》
1 《統率の塔》
1 《燃え柳の木立ち》
1 《シヴの浅瀬》
1 《ヤヴィマヤの沿岸》
1 《セファリッドの円形競技場》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》
1 《アカデミーの廃墟》
1 《Bazaar of Baghdad》
1 《僻地の灯台》
1 《エルドラージの寺院》
1 《ウギンの目》
1 《ガイアー岬の療養所》
1 《変わり谷》

-土地 (39)-

1 《コー追われの物あさり》
1 《桜族の長老》
1 《ルートウォーターの泥棒》
1 《呪文滑り》
1 《ブリキ通りの悪党》
1 《永遠の証人》
1 《荒原のカカシ》
1 《破滅の伝導者》
1 《クローサの大牙獣》
1 《約束された終末、エムラクール》

-クリーチャー (10)-
1 《渦まく知識》
1 《神秘の教示者》
1 《思案》
1 《定業》
1 《森の教示者》
1 《タール火》
1 《ウルヴェンワルド横断》
1 《汚損破》
1 《俗世の教示者》
1 《外殻貫通》
1 《森の占術》
1 《ヴェリズ・ヴェルの翼》
1 《長期計画》
1 《盗人の運命》
1 《嘘か真か》
1 《撃退》
1 《偏った幸運》
1 《魂の再鍛》
1 《時間操作》
1 《知識の搾取》
1 《カルニの心臓の探検》
1 《木化》
1 《軽快なリフレイン》
1 《原基の印章》
1 《森の知恵》
1 《行き詰まり》
1 《調律》
1 《ジェイスの誓い》
1 《締め付け》
1 《倍増の季節》
1 《探検の地図》
1 《師範の占い独楽》
1 《巻物棚》
1 《貫く幻視の祭殿》
1 《雲石の工芸品》
1 《からみつく鉄線》
1 《移ろいの門》
1 《生命維持コード》
1 《精神隷属器》
1 《Planar Gate》
1 《ダク・フェイデン》
1 《屑鉄の学者、ダレッティ》
1 《深海の主、キオーラ》
1 《荒ぶる波濤、キオーラ》
1 《精神を刻む者、ジェイス》
1 《月の賢者タミヨウ》
1 《求道者テゼレット》
1 《炎呼び、チャンドラ》
1 《時間の大魔道士、テフェリー》
1 《解放された者、カーン》

-呪文 (50)-
hareruya



■ 統率者の中の統率者《龍爪のスーラク》!!

 《龍爪のスーラク》《約束された終末、エムラクール》が打ち消されなくなるので、前座として最適な統率者と言えます。デッキ内にサーチしたい土地が多いので、《探検の地図》《森の占術》《魂の洞窟》以外を優先して選択しやすくなるのが素晴らしいですね!


龍爪のスーラク


 今回は何が何でも《約束された終末、エムラクール》を使い倒す! という明確なビジョンがあるので、それに集中できるよう統率者はサポート専用のような能力を持つ《龍爪のスーラク》を選びましたが、単体でデッキのコンセプトとなりえるクリーチャーは青赤緑にはまだまだいるので、他の勝ち手段をもっと確保したい! というプレイヤーは別のクリーチャーを選ぶのも良いでしょう。


Bazaar of Baghdad僻地の灯台ガイアー岬の療養所


 土地についてここで触れておくと、墓地のカードタイプのカウントを増やすために《Bazaar of Baghdad》をはじめとした手札循環を促すカードを採用しました。《Bazaar of Baghdad》はオーパーツのようなカードで、現代マジックにおいても唯一無二のオーバーパワーな土地なので、未体験の人には是非とも試していただきたい1枚です!


変わり谷ルートウォーターの泥棒ブリキ通りの悪党


 デッキに部族のカードを入れている関係上「徘徊」を持ったカードを採用しているので、条件達成に必要な種族として”ならず者”であるクリーチャーを採用していますが、《知識の搾取》《悪名高き群れ》のようなカードを無理に使わずとも《妖精の計略》《水大工の意思》といったカードもありますので、ここらへんは試しながら要調整といった部分ですね。


■その他のコンボ紹介!


永遠の証人時間操作


 《約束された終末、エムラクール》用にデッキに入っている《移ろいの門》《生命維持コード》も単体ではあまり活躍が見込めないので《永遠の証人》《時間操作》を組み合わせることによって無限ターンにしてしまいましょう。

 この場合《時間のねじれ》ですと、対象を変更されてしまう危険性があるので、なるべくなら《時間操作》《荊州占拠》を優先して採用していきましょう。


時間の大魔道士、テフェリー倍増の季節


 プレインズウォーカーをたくさん採用しているのなら《倍増の季節》との相性はいいと【過去にHareruya Prosの井川さんも仰っていました!】 プレインズウォーカーの中には忠誠度が倍になって出てきた場合に即奥義可能なカードもあり、そういったカードで得られる紋章は確実にゲームを優位に進めてくれる効果を持っているので、是非ともこのコンボを活用していきましょう!

 特に《時間の大魔道士、テフェリー》の紋章は他のプレインズウォーカーの強さを引き上げるものなので、複数枚のプレインズウォーカーが手札にあって《倍増の季節》とのコンボを決める場合は、状況にもよりますがこのカードから先にプレイしておきたいですね。


無害な申し出寄付


 《約束された終末、エムラクール》をこすり過ぎてこのデッキにマンネリを感じてきた場合は《無害な申し出》or《寄付》《呪文滑り》or《焼身の魂喰い》のコンボを組み込みましょう!

 相手のターンをコントロールしている最中に相手にファイレクシア・マナをライフで支払わせて勝つといったコンボなのですが、相手のライフが奇数ですと勝てないので《燃え柳の木立ち》を使って操作するか、相手のフェッチランドなどを使ってうまく偶数にしてからコンボを開始しましょう。


魔道士の競演


 ライフを任意に支払うカードとしては《魔道士の競演》もあって、こちらも魅力的ですが、新しいカードがとにかく使いたい! 猫が好き! といった方は上記のコンボがおススメですね。


 今回は《約束された終末、エムラクール》の専用デッキを組みましたが、専用デッキでなくても無色のカードであるため今後たくさんのデッキからプレイされる可能性が増えてきます。プレイヤーが墓地のカードタイプを突然参照しだしたり、墓地のカードタイプが増えるような落とし方をしていたりと、事前の挙動で察知できたりするので、そういったシグナルを読み取った場合にはターンのコントロールを奪われても対応できるようにしておきたいですね。

 また《即時却下》《もみ消し》といったカードで対策を取るのもいいでしょう。使う側の皆さんに最後にお伝えしたいのは、もしコンボデッキを相手にターンを奪った場合には、そのプレイヤーに自分以外を倒すようにコンボを決めてくれとお願いしてみましょう。そうすればコンボを決めてくれる「自動モード」に入ってくれることがあるので時間短縮に繋がります!

 それでは今回はここらへんで終わりです。



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