Translated by Kouhei Kido
(掲載日 2019/01/15)
はじめに
初めまして!俺はサム・ロルフ。Hareruya Hopes所属でグランプリとMagic Onlineのグラインダーだ。リミテッドに自信があって、最近はパイオニアを攻略するために日夜このフォーマットを研究している。パイオニアのMOPTQではセレズニア騎士を使って優勝することもできたし、変わり続けるメタゲームにもついてきた。
今回は、パイオニアにおいてベストデッキの一つだと個人的に考えているデッキのガイドをお届けしようと思う。
緑単ランプ
4 《ギャレンブリグ城》
4 《見捨てられた神々の神殿》
3 《光輝の泉》
3 《ウギンの聖域》
1 《オラーズカの拱門》
1 《爆発域》
-土地 (27)- 3 《歩行バリスタ》
4 《樹上の草食獣》
2 《エルフの神秘家》
2 《ラノワールのエルフ》
4 《エルフの再生者》
3 《茨の騎兵》
3 《ウルヴェンワルドのハイドラ》
3 《世界を壊すもの》
2 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》
-クリーチャー (26)-
今使っているこのリストは、有名なMOのプレイヤーである_Batutinha_のデッキリストをベースにしたものだ。今もこれが理想の構築だと思っているから大きく変えることはしていない。
MTGの歴史上にあるランプデッキと比べて、このリストは見慣れないものになっている。ランプデッキでは、メインで相手の軽い除去を手札で腐らせるために一般的に軽いクリーチャーを採用したくないんだ。ただ、このフォーマットで一番強いマナ加速呪文は3マナ帯にある。つまり、2ターン目に3マナのカードを使うためには、1ターン目にマナ加速をする必要があるということだ。そのため、パイオニアのランプデッキには1マナでマナ加速できるカードを8枚採用している。
パイオニアで一番強いマナ加速呪文が3マナ帯にあり、2マナ帯が欠けているから、このデッキではそのリスクをとっているってわけだ。
俺の考えではこれはコンボデッキだ。マナカーブの山を越えて重い呪文を唱えられるようになるべく早く土地を並べていこうとする。多くのデッキはこのゲームプランに上手く干渉できない。
このデッキが持つもう一つの強力な軸は盤面の制圧力だ。《茨の騎兵》と《ウルヴェンワルドのハイドラ》は到達を持つデカいクリーチャーであり、マナ加速しつつゲームプランを進めてくれる。アグレッシブなデッキに対しては素晴らしいブロッカーになり、《反逆の先導者、チャンドラ》に焼かれず、《キランの真意号》、《栄光をもたらすもの》、《鉄葉のチャンピオン》、《恋煩いの野獣》など、どれでもブロックしてくれる。さらに、守るだけでなく時には相手のライフにプレッシャーをかけることだってできるんだ。
次に、このデッキでのカード選択について話そう。まずは土地について。緑単色のデッキなので、無色で能力付きの土地をたくさん入れられる。《ギャレンブリグ城》を起動するには、緑マナが2つしか必要ないからね。《光輝の泉》は、赤いデッキが使う火力の射程外に逃げることが可能だ。《見捨てられた神々の神殿》は、《精霊龍、ウギン》や《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を出しやすくしてくれる。そして、《ウギンの聖域》があれば終盤で手札を補充することだってできる。
表面的にみると《茨の騎兵》がデッキに入っているのは奇妙に見えるかもしれない。いくつかのリストでは、《茨の騎兵》の代わりに《不屈の巡礼者、ゴロス》と《大瀑布》をフィニッシャーに添えたものも存在している。ただ、このデッキには終盤に強いカードがすでに十分用意されているんだ。また、戦闘ダメージを通すために相手が《茨の騎兵》を死亡させれば、次のドローを強固なものにすることができる。ゲーム終盤でリソースとなる《世界を壊すもの》を墓地に落とすことも可能なんだ。
さて、4枚の《樹上の草食獣》とマナクリーチャーが入っていることについて話そうか。これらを入れると環境に存在する《乱撃斬》や《致命的な一押し》といった軽い除去に対していい標的になってしまう。自分のデッキの中のリソースをこれらの除去と交換したくはないが、安定して2ターン目に3マナのマナ加速呪文を唱えるためには必要な代価だ。
《樹上の草食獣》はアグレッシブなデッキの相手に対しては素晴らしいブロッカーだ。土地の総数を伸ばせば、《見捨てられた神々の神殿》の恩恵を受けやすくなる。
サイドボードについて
次はサイドボードのカードを見ていこう。
《次元の歪曲》
このカードは相手のデッキが速すぎるときに干渉するためのカードだ。主に赤単とマナクリーチャーを使うデッキに対するカードだね。このデッキのゲームプランとは明らかに合わないカードに思える。でも、盤面を整えるよりも先に相手の速度を落とすことが必要な場合だってあるんだ。
《危険な櫃》
このカードは盤面を横に伸ばそうとしてくるマッチアップのためのカードだ。追放除去だからスゥルタイドレッジに対して素晴らしい活躍をしてくれる。フード戦略にも有効だし、ミッドレンジに対してサイドインしてもいいだろう。《危険な櫃》はミッドレンジデッキが盤面に展開することに対する抑止力になる。これは、盤面に展開しすぎずに、《危険な櫃》を起動したくなる程度に展開する動きを要求するということだ。これでゲーム終盤に強力なカードを唱えられるまでの時間を稼いでくれる。
《不屈の追跡者》
このカードは主にコントロールに対して使う。クリーチャーで攻撃してこないで、1:1交換をこっちに迫ってくるデッキに対してもいいカードだ。青白コントロールを相手にして2ターン目に《不屈の追跡者》を唱えられたなら、負けようがないくらいゲームをリードできる。でも、不用意に攻撃して《アゾリウスの魔除け》と《神聖な協力》には突っ込まないように気を付けて!
《難題の予見者》
このカードは、相手の手札に干渉できるから青白コントロールに対して強力だ。赤単に対しては良好なブロッカーでもあり、アグレッシブなデッキにとってはこのカードを綺麗に対処することは難しい。ビッグレッドには《反逆の先導者、チャンドラ》や《栄光をもたらすもの》があるけどね。単体除去の選択肢が多いアグレッシブな黒いデッキに対しての使い勝手はあまりよくない。あと、《悪ふざけの名人、ランクル》に対してかなり弱いからね。
《減衰球》
《減衰球》は《睡蓮の原野》デッキに対する解答だ。こちらのゲーム終盤の強力さの上を行く可能性のあるデッキの一つだね。《睡蓮の原野》デッキが数を減らしたらサイドボードから抜くことを考えてもいい。ただし、サイドボードに《減衰球》がなければ、《睡蓮の原野》デッキ相手の試合は捨てることになるけどね。《減衰球》が自分の《ギャレンブリグ城》と《見捨てられた神々の神殿》にも影響を与えることには注意が必要だ。
サイドボードガイド
最後にメジャーなデッキに対するサイドプランを書いておこう。
青白コントロール
vs. 青白コントロール
後攻の場合:もし相手が《呪文捕らえ》を見せてきていた場合は、《樹上の草食獣》を残し、《呪文捕らえ》をかいくぐって3マナのカードをプレイできるようにしよう。《僧院の導師》など相手がゲーム速度を速くしてきたときもメインに戻したりする。その場合は、《樹上の草食獣》を2枚残して《精霊龍、ウギン》と《光輝の泉》を1枚ずつ抜く。
赤単/ボロスバーン
vs. 赤単/ボロスバーン
最悪のマッチアップの一つで、こちらが動き出す前に倒されることがあるし、こちらの強力なカードはあまり試合に影響がない。1:1交換を多くおこない、相手に少しでも多く土地を引いてもらったうえで、試合を遅らせるのに十分な《光輝の泉》を引くことを祈るしかない。《灼熱の血》と《ゴブリンの鎖回し》に対して弱いからエルフは全部抜いて、デッキの重いところを削っていこう。先攻でも後攻でも一緒だよ!
グルールアグロ
vs. グルールアグロ(先手)
vs. グルールアグロ(後手)
イゼットフェニックス
vs. イゼットフェニックス
相手が《若き紅蓮術士》を使っている場合のサイドプランだ。もし相手が《氷の中の存在》を採用した型であれば、《次元の歪曲》の代わりに《減衰球》で相手を減速させてやればいい。
黒単アグロ
vs. 黒単アグロ
もし2ゲーム目に《致命的な一押し》を見かけなくて、3ゲーム目が先攻なら《世界を壊すもの》を削ってエルフをデッキに戻してもいいけど、後攻ではやらないね。《思考囲い》による被害が大きくなるから、メインのゲームプランから逸脱したカードをサイドインするのは好きじゃない。
ミラーマッチ
vs. ミラーマッチ
ミラーマッチは先攻後攻に大きく左右されるね。《難題の予見者》を使って相手の手札を破壊し、マナカーブを崩すのが俺の好みだ。ただミラーマッチでは後攻であることがあまりにも痛手だから、差をつけるのは本当に難しい!
結論として、現時点では緑単ランプは環境で強力なデッキの一つだ。でもパイオニアの環境が高速化していったら良い立ち位置ではなくなるかもしれない。ここまで読んでくれてありがとう!
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ではまた!