高橋優太のGP広州レポート&プレイングの極み+『カラデシュ』デッキ案

高橋 優太



■ GP広州(8/26-8/28)

「ドレッジ」で参加。



高橋 優太「発掘」
グランプリ・広州2016

2 《山》
2 《血の墓所》
2 《踏み鳴らされる地》
1 《草むした墓》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《樹木茂る山麓》
4 《銅線の地溝》
1 《幽霊街》

-土地 (20)-

4 《傲慢な新生子》
4 《恐血鬼》
4 《ナルコメーバ》
4 《秘蔵の縫合体》
4 《臭い草のインプ》
4 《ゴルガリの墓トロール》

-クリーチャー (24)-
4 《信仰無き物あさり》
4 《燃焼》
2 《カラスの罪》
4 《壌土からの生命》
2 《叫び角笛》

-呪文 (16)-
4 《虚空の力線》
3 《自然の要求》
3 《古えの遺恨》
3 《仕組まれた爆薬》
1 《カラスの罪》
1 《天啓の光》

-サイドボード (15)-
hareruya




・ドレッジのデッキ相性表


有利 不利
親和バーン
ジャンド感染
アブザントロン
ジェスカイコントロールスケープシフト
《集合した中隊》デッキアドグレイス
マーフォーク


ドレッジの長所は、粘り強いクリーチャー展開と《燃焼》によるクリーチャー除去。


燃焼


それらが有効な中速のデッキや、《燃焼》が効きやすい小粒なビートダウンなどに対して特に強いので選択した。

ドレッジ自体はブン回っても4キル、通常では5キル程度の早さなので、自分より早いコンボデッキに対して弱い。バーンは平均4キルだし、《風景の変容》やアドグレイスも4キル。感染は3キル。それぞれ自分より1ターン早いので不利だ。


古きものの活性大祖始の遺産精霊龍、ウギン


またトロンは《古きものの活性》のおかげで墓地対策にアクセスしやすく、《精霊龍、ウギン》で全部追放されるので不利だ。

ただ、《風景の変容》はリソースを大量に必要とするため《カラスの罪》が効きやすく、《壌土からの生命》とのコンボで手札を空に出来る。これによりコンボへの勝率が上がったので採用した。

そして本戦。


ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 1BYE
Round 2BYE
Round 3BYE
Round 4アドグレイス ×〇×
Round 5親和 〇〇
Round 6青白コントロール 〇〇
Round 7トロン 〇××
Round 8赤緑スケープシフト ×〇×
Round 9バーン ××


5-4で初日落ち。

土地コンボは相手が墓地対策+5キル回りだったので仕方ないが、バーンに対して意識が甘かった。


骨までの齧りつき


相手が土地1で2ターン止まったにもかかわらず負けてしまい、サイドに《骨までの齧りつき》を2枚取るべきだったと反省。



■ スーパーサンデーシリーズ予選

初日落ちしてしまったので、サイドイベントのスーパーサンデーシリーズ予選(シールド)に参加。



高橋 優太「白緑タッチ青」
スーパーサンデーシリーズ予選(シールド)

7 《森》
7 《平地》
2 《島》
1 《港町》

-土地 (17)-

1 《悪魔の棲家の狐》
1 《首絞め》
1 《巡礼者の守護霊》
1 《単体騎手》
2 《裏道の急使》
1 《呪文捕らえ》
1 《異端聖戦士、サリア》
1 《悪鬼を縛る者》
1 《剛胆な補給兵》
1 《群れの守護獣》
1 《大天使アヴァシン》
1 《上弦の月の教団》
1 《信仰持ちの聖騎士》
1 《ソンバーワルドの雄鹿》
2 《不憫なグリフ》

-クリーチャー (17)-
1 《腕っぷし》
1 《粗暴者の貶め》
1 《グリフの加護》
1 《月皇の外套》
1 《絞首束縛》
1 《実地研究者、タミヨウ》

-呪文 (6)-
hareruya





こ、これは・・・!!!


異端聖戦士、サリア大天使アヴァシン呪文捕らえ実地研究者、タミヨウ


《異端聖戦士、サリア》《大天使アヴァシン》《呪文捕らえ》《実地研究者、タミヨウ》


さらには《港町》のおかげで、マナベースに無理なく青をタッチ可能。その上コモンアンコモンも優秀で、赤と黒には特に目ぼしいものが無かったため10分でデッキが完成。私の長いマジックキャリアの中でも一番強力なシールドプールに巡り合えた。


ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 1赤黒 〇〇
Round 2白黒 〇〇
Round 3白黒 ×〇〇
Round 4白緑 〇〇
Round 5赤緑 〇〇
Round 6白緑 〇〇


6-0。デッキが強かった!

決勝ドラフトに進出。



高橋 優太「赤黒」
スーパーサンデーシリーズ予選(ドラフト)

9 《山》
8 《沼》

-土地 (17)-

2 《グール呼びの共犯者》
2 《熱錬金術師》
1 《親切な余所者》
1 《稲妻織り》
2 《霊動カカシ》
2 《ステンシアの亭主》
1 《狂気の預言者》
1 《くすぶる狼男》
1 《遠沼の猟犬》
1 《膨らんだ意識曲げ》

-クリーチャー (14)-
1 《邪悪借用》
1 《稲妻の嵐》
1 《苦しめる声》
1 《癇しゃく》
1 《霊魂破》
1 《悪戯》
1 《誘惑に負けて》
2 《生命の危機》

-呪文 (9)-
hareruya





赤黒除去コン。

クリーチャーが足りなくて、《ステンシアの亭主》《遠沼の猟犬》など数合わせが入っているが、除去は強いのでなんとか。


ラウンド 対戦デッキ 勝敗
準々決勝白黒 〇〇
準決勝青白 〇〇
決勝白単 ××


3没ッ!!!


単体騎手月皇の外套


最後は《単体騎手》《月皇の外套》で6/6になってしまい《稲妻の斧》でも対処できず負け×2。

《単体騎手》3枚デッキだった!



■ プレイングの極み

さて、だいぶ時間が空いてしまったが解答編だ。(※編注:出題編は【こちら】)


※画像をクリックすると拡大します。


《衰滅》がスタック上にあるが、「どのプレイをすれば自分が一番有利な状況になるか」を想像してみよう。


(1). 《集合した中隊》をプレイする。


集合した中隊


《衰滅》を追放する目的で《呪文捕らえ》+αを探すのはリスクがあるため、素直に手札から《呪文捕らえ》をプレイした方が良い。

《衰滅》が解決したあとに《集合した中隊》をプレイするのは、自分が3体クリーチャーを失ったうえで《精神壊しの悪魔》が残るため良い交換とは言えない。

このターンの《集合した中隊》は選択肢から外した方が良いだろう。


(2). 《呪文捕らえ》《衰滅》を追放する。


呪文捕らえ


解決後、土地を置かれて《呪文捕らえ》を除去されてしまうと場が壊滅した上に《精神壊しの悪魔》が残る。もしこのターンに2マナ除去を撃たれなかったとしても、ゲームが進んだうえで2枚目の《衰滅》をプレイされると全てを失うことになる。

《呪文捕らえ》の「追放する」誘発型能力にスタックで《ドロモカの命令》《精神壊しの悪魔》と格闘して《呪文捕らえ》の「場を離れたとき」を誘発させ、これにより《衰滅》を追放したままにするプレイもある。

しかしその場合は相手の場に悪魔とニッサが残る。《衰滅》を利用して、もっと相手のクリーチャーを減らしつつ自分の場を有利にできないだろうか。


(3). 《ドロモカの命令》を活用する。


ドロモカの命令


《ドロモカの命令》をプレイ。《森の代言者》Aを+1/+1で3/4に、《森の代言者》Bと《巨森の予見者、ニッサ》で格闘。

《ドロモカの命令》2枚目をプレイ。《森の代言者》Aを+1/+1で4/5に、《森の代言者》Bと《精神壊しの悪魔》で格闘。悪魔に2点ダメージ。

《ヴリンの神童、ジェイス》を起動。墓地が5枚になるため変身。

《衰滅》を解決。相手の場のクリーチャーが居なくなり、自分の場には《森の代言者》《束縛なきテレパス、ジェイス》が残る。

正解は(3)だ。

(3)の状況ならば次のターンには6/7の《森の代言者》が攻撃したうえで手札に《集合した中隊》《呪文捕らえ》が残る。


束縛なきテレパス、ジェイス


さらに《束縛なきテレパス、ジェイス》《ドロモカの命令》《集合した中隊》を再利用できるので盤石と言える。



■ カラデシュ雑感


カラデシュの第一印象:プレインズウォーカーが強い!


反逆の先導者、チャンドラ生命の力、ニッサ


特に《反逆の先導者、チャンドラ》《生命の力、ニッサ》はデッキの核となるカードであり、維持できればそのまま勝ってしまう。

これらのプレインズウォーカーを攻略するためには「パワー5の速攻クリーチャー」が有効なのではないかと構想中。



高橋 優太「青赤エルドラージ搭乗」
サンプルデッキ

2 《島》
4 《さまよう噴気孔》
4 《尖塔断の運河》
4 《霊気拠点》
4 《廃集落》
4 《ハンウィアーの要塞》
2 《海門の残骸》

-土地 (24)-

4 《面晶体の這行器》
4 《空中生成エルドラージ》
4 《コジレックの伝令》
4 《難題の予見者》
4 《現実を砕くもの》
4 《希望を溺れさせるもの》

-クリーチャー (24)-
4 《次元の歪曲》
4 《密輸人の回転翼機》
4 《高速警備車》

-呪文 (12)-
hareruya



このデッキの理想の回りは以下の通り。


2ターン目:《密輸人の回転翼機》
3ターン目:《空中生成エルドラージ》→搭乗して攻撃(3点)
4ターン目:《高速警備車》→末裔トークンで搭乗して攻撃(10点)
5ターン目:《現実を砕くもの》→それぞれ搭乗して攻撃(13点)



密輸人の回転翼機高速警備車現実を砕くもの


《密輸人の回転翼機》は搭乗条件が簡単で、2マナクリーチャーとしては破格の性能を持っているので注目している。

《高速警備車》《現実を砕くもの》に次ぐパワー5速攻クリーチャーで、PW攻略の鍵になるだろう。どちらの機体も晴れる屋価格400円(9/20現在)は性能に対して安く感じるので、今すぐ予約を!(宣伝)


コジレックの伝令


そして《コジレックの伝令》はエルドラージだけでなく、アーティファクトのコストも軽くなる! カラデシュはアーティファクト中心のセット、かつ青赤はアーティファクトと相性の色。《コジレックの伝令》アーティファクトデッキの潤滑剤として最適だ。

ローテーションにより《シヴの浅瀬》などダメージランドが軒並み落ちた。そのためエルドラージデッキを組む際には、無色土地を慎重に選ぶ必要がある。無色と有色のマナ両方が出る《廃集落》《霊気拠点》は必須だろう。


廃集落霊気拠点ハンウィアーの要塞


今回のデッキは速攻がテーマのため《ハンウィアーの要塞》を採用した。ただ赤マナの枚数が少ないため、「後半起動できたらラッキー」くらいの認識で良いだろう。

《ハンウィアー守備隊》との「合体」も夢見たが、赤赤のダブルシンボルが出ないため断念。


今回はここまで。

次回はさらに「カラデシュ」入りのデッキを掘り下げていこう。

ではまた


高橋優太



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