木原 惇希(東京)。
【初代スタンダード神】であり先日の【グランプリ・千葉2016】でも準優勝を果たした、新潟の生んだ強豪プレイヤーである。
そんな木原がモダンラウンドで使用しているデッキは「サン&ムーン」。最近流行りの赤白プリズン系のデッキで、その名を冠する《血染めの月》に加えて《虚空の杯》で対戦相手をロックし、《先駆ける者、ナヒリ》や《ギデオン・ジュラ》といったフィニッシャーで速やかにゲームを終わらせるコントロールだ。
しかし、木原といえば昨年の【The Last Sun2015】で使用していた【キハラワークス】のようにシークレットテク盛りだくさんのトリッキーなデッキを愛用している印象が強く、この手の駆け引きが発生しにくいデッキを選ぶのは意外である。
なぜ彼は本大会で「サン&ムーン」を選択したのか? そのリストに独自の調整などは施されているのだろうか? 早速木原に話を伺ってみた。
木原 惇希
--「木原さんがご使用されているのは最近流行っている『サン&ムーン』ですね。なぜそのデッキを選択されたのでしょうか?」
木原「理論上は環境に不利なデッキがないからです。『ジャンド』や『トロン』に《血染めの月》が効くというのは言わずもがなですが、『感染』や『親和』に対しては《神の怒り》や《神々の憤怒》が刺さり、それ以外のデッキに対しても大抵は《虚空の杯》が効果的に働きます」
--「なるほど。あまり木原さんらしくないデッキ選択だったので、宗旨替えでもしたのかと思いました」
木原「……まぁ今言ったのは全部建前で、実際には《太陽の勇者、エルズペス》が使いたかっただけなんですけどね。『The Last Sun』で『Sun』って名前のついてるカードを使って勝ったらおもしろいな、と思ってやりました」
--「ああ、そういえばTwitterでも仰ってましたね」
The Last Sun優勝するためにElspeth,Sun’s Championからデッキ作ります!
— あつき (@atsuki_SLK230) 2016年12月16日
--「リストはMOなどのコピーでしょうか?」
木原「だいたいそうですが、サイドボードは多少いじってます。たとえば《突然のショック》は絶対に採りたいと思っていたのでサイドに2枚入れていて、《石のような静寂》を減らして《神聖の力線》に変えたり、追加の《血染めの月》として《月の大魔術師》を入れたりですね」
--「なるほどなるほど。ちなみに、実際にデッキを回してみてどうですか?」
木原「少なくとも僕の好みではないですね。選択肢が少なくてプレイングの介入度が低く、《血染めの月》や《虚空の杯》で相手も何もできないので作業的なゲーム展開になることが多いです」
--「なんとなくそう言うと思っていました。最後に、このデッキを使用する方へコメントなどがあればお聞かせください」
木原「絶対にやめた方がいいとだけ言っておきますが、強いて言うなら難しい局面でシビアな判断を求められる、といったことがほとんどないので初心者の方でも回しやすいとは思います。僕はもう一生使うことはないです」
--「The Last Sunだけに、このデッキを使うのはラストサン&ムーンってことですかね」
木原「全然うまくないしやかましいわww」
木原は実際にこのデッキを使ってモダンラウンドを5-2の好成績で勝ち上がり、見事にトップ8入賞を果たしている。
本人の言では「あまり勧めない」とのことだったが、筆者を含む対戦相手に何もさせないことに魅力を感じる一部の層にとってはこれほど回していて楽しいデッキもないことだろう。ぜひ試してみてはいかがだろうか?
9 《平地》 1 《山》 2 《聖なる鋳造所》 4 《乾燥台地》 4 《凱旋の神殿》 3 《岩だらけの大草原》 2 《宝石の洞窟》 -土地 (25)- 4 《猿人の指導霊》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー (5)- |
4 《稲妻のらせん》 1 《神聖な協力》 3 《神々の憤怒》 2 《神の怒り》 2 《未達への旅》 4 《血染めの月》 1 《払拭の光》 4 《虚空の杯》 4 《先駆ける者、ナヒリ》 2 《反逆の先導者、チャンドラ》 1 《復讐のアジャニ》 2 《ギデオン・ジュラ》 -呪文 (30)- |
4 《神聖の力線》 3 《安らかなる眠り》 2 《月の大魔術師》 2 《石のような静寂》 2 《突然のショック》 1 《天界の粛清》 1 《太陽の勇者、エルズペス》 -サイドボード (15)- |
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