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こんにちは!
先週末は、今季2回目のプロツアーである【プロツアー『ゲートウォッチの誓い』】に参加してまいりました。
フォーマットはモダンとドラフトの2本立て!
リミテッドは【グランプリ・名古屋2016レポート】にもちょこっと書いたので、今回はモダンの調整記をお届けいたします。
■ 調整記・序盤 (1月1日~1月15日・禁止発表前まで)
今回の調整は、【昨年のモダンプロツアーで使用したアブザン】からスタートしました。特にこれと言った理由はありませんでしたが、強いて挙げるなら【Willy Edelが濃密な調整録を挙げていた】ので興味があったこと、スタンダードでも大好きな《苦い真理》が使いたかったことです。
2 《沼》 1 《森》 1 《平地》 2 《草むした墓》 2 《神無き祭殿》 1 《寺院の庭》 4 《新緑の地下墓地》 3 《湿地の干潟》 3 《吹きさらしの荒野》 2 《活発な野生林》 1 《乱脈な気孔》 1 《黄昏のぬかるみ》 2 《幽霊街》 -土地(25)- 4 《タルモゴイフ》 3 《漁る軟泥》 3 《包囲サイ》 2 《黄金牙、タシグル》 -クリーチャー(12)- |
4 《コジレックの審問》 3 《思考囲い》 3 《流刑への道》 4 《突然の衰微》 4 《未練ある魂》 1 《大渦の脈動》 4 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(23)- |
4 《大爆発の魔道士》 3 《石のような静寂》 2 《台所の嫌がらせ屋》 2 《苦い真理》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《ドロモカの命令》 1 《窒息》 1 《滅び》 -サイドボード(15)- |
このデッキはフェアデッキ全般にかなり強く、当時は現役バリバリだった「《欠片の双子》コンボ」に対しても有利が付く優良デッキでした。
50マッチくらいを終えて「もしもプロツアーに出るならこんな感じ」というリストは完成したものの、ここで大きな問題となったのが「エルドラージ」デッキでした。
● プロツアーの台風の目・エルドラージ
2 《沼》 2 《平地》 2 《神無き祭殿》 4 《湿地の干潟》 2 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 1 《ボジューカの沼》 4 《エルドラージの寺院》 4 《幽霊街》 1 《魂の洞窟》 1 《大天使の霊堂》 2 《ウギンの目》 -土地(25)- 1 《呪文滑り》 4 《不毛の地の絞殺者》 4 《荒廃を招くもの》 4 《忘却蒔き》 1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 -クリーチャー(14)- |
1 《殺戮の契約》 4 《流刑への道》 4 《コジレックの審問》 1 《思考囲い》 4 《未練ある魂》 4 《大祖始の遺産》 2 《探検の地図》 1 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(21)- |
3 《機を見た援軍》 2 《仕組まれた爆薬》 2 《解呪》 2 《天界の粛清》 2 《石のような静寂》 1 《殺戮の契約》 1 《強迫》 1 《世界のるつぼ》 1 《ヴェールのリリアナ》 -サイドボード(15)- |
昨年末に突如としてMagic Online (以下MO) に現れ、瞬く間にメタゲームの中心に食い込んできたデッキが「エルドラージ」です。
一応フェアデッキに分類されるデッキですが、その実は一種のコンボデッキのようなもので、「アブザン」や「グリクシスコントロール」など、ミッドレンジやコントロールデッキに対して無類の強さを発揮します。
とりわけメインから搭載されている《大祖始の遺産》が効く相手にはそれが顕著で、《タルモゴイフ》の入ったデッキには非常に相性が良いデッキです。
まだ『ゲートウォッチの誓い』が加入する前の段階でこれほどまでに強く、さらには日々公開される『ゲートウォッチの誓い』のカードリストで更なる強化が約束されていたこのデッキ。
それなりに数が多いデッキだと予想されたので、「エルドラージ」には負けないようなデッキで出ようと決意したのが調整序盤で一番の変革でした。
フェアデッキでこのデッキに勝つのは相当に難しいと感じていたので、何か強力なアンフェアデッキが完成すれば理想だと考えていました。
■ 調整記・中盤 (1月15日~1月25日・禁止発表前後)
「エルドラージ」に勝てそうなアンフェアデッキを探すことは決まりましたが、他にも多くの強力なデッキが混在するモダン環境では、雑多なデッキに負けない単純なデッキパワーが非常に重要です。
そこでまず試してみたのが、MOで見かけた新型の「Super Crazy Zoo」でした。
2 《蒸気孔》 1 《湿った墓》 1 《血の墓所》 4 《汚染された三角州》 4 《沸騰する小湖》 4 《血染めのぬかるみ》 1 《溢れかえる岸辺》 -土地(17)- 4 《死の影》 4 《窯の悪鬼》 4 《グルマグのアンコウ》 -クリーチャー(12)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《手練》 4 《血清の幻視》 4 《頑固な否認》 4 《稲妻》 3 《変異原性の成長》 4 《ティムールの激闘》 4 《ミシュラのガラクタ》 -呪文(31)- |
4 《呪文滑り》 4 《思考囲い》 3 《虚空の力線》 2 《四肢切断》 1 《強迫》 1 《沼》 -サイドボード(15)- |
新型の「Super Crazy Zoo」。それはデッキに青を加えることで、《死の影》や《ティムールの激闘》にアクセスしやすくなった安定性重視の構築でした。
個人的に【以前のバージョン】を進化させるとしたら、安定性の向上以外に道はないと思っていたので、このアプローチには非常に好感が持てました。
MOであっさりと5-0できて感触は良かったので、このデッキも候補のひとつと認識して次のデッキに移りました。ちなみにこのデッキには後日談があるのですが、それはまた次回のブログで。
次に試したのは、モダンの本命中の本命である「《欠片の双子》コンボ」デッキです。
5 《島》 1 《山》 3 《蒸気孔》 1 《踏み鳴らされる地》 4 《沸騰する小湖》 4 《霧深い雨林》 3 《硫黄の滝》 2 《僻地の灯台》 -土地(23)- 4 《瞬唱の魔道士》 4 《詐欺師の総督》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《嵐の神、ケラノス》 -クリーチャー(11)- |
4 《血清の幻視》 4 《稲妻》 2 《払拭》 2 《呪文嵌め》 4 《差し戻し》 1 《収穫の火》 1 《電解》 2 《謎めいた命令》 2 《血染めの月》 4 《欠片の双子》 -呪文(26)- |
2 《思考を築く者、ジェイス》 1 《呪文滑り》 1 《イゼットの静電術師》 1 《ピア・ナラーとキラン・ナラー》 1 《ザルファーの魔道士、テフェリー》 1 《嵐の神、ケラノス》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《払拭》 1 《汚損破》 1 《否認》 1 《焙り焼き》 1 《古えの遺恨》 1 《神々の憤怒》 1 《魂の洞窟》 -サイドボード(15)- |
このデッキを使おうと思ったきっかけは、デッキパワーに申し分がないのはもちろんのこと、「エルドラージ」が《突然の衰微》の入ったデッキを抑え込んでくれるなら最高の選択肢になりえると思ったからです。
それに「エルドラージ」のような大ぶりなデッキは、きっと「《欠片の双子》コンボ」デッキに対して弱いだろうと2~3日ほどずっと調整を続けるも、【残念ながら禁止になった】のであえなくお蔵入りに(^_^;)
それなりに時間をかけていたので残念ではありましたが、前々から《詐欺師の総督》が減るのであればぜひとも使ってみたいデッキがあったので、早速そちらにとりかかりました。
2 《島》 1 《沼》 1 《山》 2 《湿った墓》 2 《蒸気孔》 1 《血の墓所》 4 《汚染された三角州》 4 《血染めのぬかるみ》 2 《忍び寄るタール坑》 1 《闇滑りの岸》 -土地(20)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《猿人の指導霊》 4 《グリセルブランド》 4 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(16)- |
4 《血清の幻視》 4 《信仰無き物あさり》 3 《呪文貫き》 4 《御霊の復讐》 4 《イゼットの魔除け》 1 《差し戻し》 4 《裂け目の突破》 -呪文(24)- |
3 《稲妻》 3 《早霜》 2 《払拭》 2 《汚損破》 2 《神々の憤怒》 2 《すべてを護るもの、母聖樹》 1 《コジレックの審問》 -サイドボード(15)- |
こちらは《御霊の復讐》から《グリセルブランド》や《引き裂かれし永劫、エムラクール》を釣り上げる大味なデッキ。
【MTGGoldfish】に【良さそうなデッキリスト】があったので、そこに《ヴリンの神童、ジェイス》を入れただけです。
【《怒れる腹音鳴らし》を使った瞬殺ダメージ型】もありますが、「瞬殺ダメージ型」が速度と引き換えに極度に《グリセルブランド》に依存しているのに対し、こちらは釣り上げるクリーチャーが《引き裂かれし永劫、エムラクール》でも大丈夫だというメリットがあります。
以前このデッキが抱えていた問題点としては、《御霊の復讐》や《裂け目の突破》から出る《引き裂かれし永劫、エムラクール》さんが《やっかい児》と《詐欺師の総督》に対して無力だったことですが、「《欠片の双子》コンボ」デッキがいなくなるのであれば、それはこのデッキにとってこれ以上ない追い風だと感じました。
また、このデッキを使ってみて《ヴリンの神童、ジェイス》の強さには驚きました。特に《猿人の指導霊》から出る《ヴリンの神童、ジェイス》はその名に違わぬ神がかった強さで、デッキの安定性の向上に一役買うだけでなく、対戦相手が墓地対策を施してきた際の《裂け目の突破》プランへの移行が非常にスムーズになり、デッキパワーが一段階上がったという印象を受けました。
なお、《ヴリンの神童、ジェイス》を《御霊の復讐》で釣った場合、ターン終了時までに「変身」させれば別のオブジェクトになるので、もちろん追放されることはありません。《ヴリンの神童、ジェイス》は対戦相手の手札に腐った《稲妻》の対象になりやすい、という意見もありますが、僕はこの手のデッキならば4枚必須のカードだと思います。
上記ふたつのデッキはどちらも好感触で結果も良好だったので、このまま調整を続けようと思った矢先!
これらのデッキリストが【公式ページ】に掲載されてしまい、それが【StarCityGames.com】と【ChannelFireball.com】で特集されてしまうハプニングが!
■【Daily Digest: Modern Is Dead By Gerry Thompson】
■【Deck of the Day – Modern Grixis Goryo’s By Eric Froehlich】
まあどうせそんなに注目されないだろうと高を括ることにして、デッキリストの完成度が高いと感じていた《御霊の復讐》をメインに調整は佳境に。余談ですが、これ以降は4-0したら毎回ドロップしてました。 (※MOのリーグは5-0レシピしか掲載されないため)
■ 調整記・終盤 (2月1日~2月4日)
【グランプリ・名古屋2016】が終わるまではリミテッドにかなりの時間を費やしてしまったものの、その間にやまけん (山本 賢太郎) さん、なべ (渡辺 雄也) 君、あんちゃん (高橋 優太) にデッキリストを見てもらったところ、全員が気に入ってくれる望外の結果が!
最終的に【あんちゃんは「黒緑エルドラージ」を使用】することになりましたが、やまけんさんとなべ君は本戦でも使用してくれたので、彼らと意見交換をしながら最後の調整が終わりました。
大会前日に瀬畑 (市川 ユウキ) さんにも色々とアドバイスをいただいたものの、慣れていないリストでミスしてしまうのが怖かったので、練習で使っていたままのリストで突撃!
1 《島》 1 《沼》 1 《山》 3 《蒸気孔》 1 《湿った墓》 1 《血の墓所》 4 《沸騰する小湖》 4 《汚染された三角州》 1 《血染めのぬかるみ》 2 《忍び寄るタール坑》 1 《闇滑りの岸》 -土地(20)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《猿人の指導霊》 4 《グリセルブランド》 4 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(16)- |
4 《血清の幻視》 4 《信仰無き物あさり》 3 《呪文貫き》 4 《御霊の復讐》 4 《イゼットの魔除け》 1 《差し戻し》 4 《裂け目の突破》 -呪文(24)- |
3 《稲妻》 2 《払拭》 2 《紅蓮地獄》 1 《苦い真理》 4 《神聖の力線》 3 《粉砕の嵐》 -サイドボード(15)- |
最後まで悩んだ部分は、《呪文貫き》の枠を《思考囲い》にするか否かでした。しかし、(1)ずっと《呪文貫き》で練習していて慣れていたこと、(2)《イゼットの魔除け》を2ターン目に打ちたい関係で、1ターン目に《沼》を持ってきたくない=土地が痛いことを理由に僕は《呪文貫き》を選択。
なお、今回は練習中に気付いたことや、戦績をメモしてみました。基本的には自分で見直す用なので見るに堪えないかもしれませんが、お時間のある方は下記ページもご覧になってみてください。
■【御霊の復讐デッキメモ】
さてさて、今回はかなり長くなったので調整編はここまでです。今回のブログを読んで、「エルドラージ」の話題が少なかったけど大丈夫?と思った方も多いでしょう。
というわけで、珍しく次回予告です。
■ 次回予告
・すごいぜエルドラージ
・ごめんよチームエウレカ……
・しゃべり場の果てに ~飲んで飲んでまた飲んで~
・すごいぜエルドラージ
・ごめんよチームエウレカ……
・しゃべり場の果てに ~飲んで飲んでまた飲んで~
それではまた明日のブログで!
コガモ
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