Round 3: 鳥海 貴(埼玉) vs. Menendian Stephen(アメリカ)

晴れる屋

By Atsushi Ito




 【インタビュー】で紹介したマジック最古参のヴィンテージプレイヤー・Menendian Stephenでさえも、今回の2016 Asia Vintage Championshipに集った選りすぐりのプレイヤーたちを前にしては、楽勝とはいかないようだ。

 その証拠に、Menendianの成績は2回戦を終えたところで1勝1敗。22人のスイスドロー5回戦となると、トップ8ラインは3勝2敗のオポ勝負あたりになる。となればこの第3回戦は、少しでもオポネントの数字を稼ぐためにも負けられない戦いとなる。

 だが、それは対戦相手の鳥海の側も同じことだ。相手がVintage Championshipの優勝経験者だとしても、怯む理由にはならない。

 しかもMenendianにとってはなお悪いことに、鳥海のデッキはヴィンテージ神・森田が【「メンター」にとって不利なマッチアップだ】と答えていた「オース」なのである。

 Menendianに訪れた試練。はたして《噴出》は火を噴くのか。



Game 1


 《禁忌の果樹園》《トレイリアのアカデミー》《ドルイドの誓い》でキープした鳥海だったが、Moxenも他の土地も引けず、《ドルイドの誓い》をプレイすることができない。

 一方後手1ターン目の《Library of Alexandria》からドローを進めるMenendianはディスカードしながらも手札を充実させ、ひたすら守りの構えを見せる。

 が、そんなヴィンテージらしからぬ展開も、鳥海がようやく《Black Lotus》を引き込んだことでゲームが動き始める。


ドルイドの誓いForce of WillForce of Will


 《Black Lotus》が解決されたのを確認した鳥海は、続けて「オース」の代名詞こと《ドルイドの誓い》をプレイ。これは《Force of Will》(追放:《噴出》)されるが、鳥海はさらに《Force of Will》(追放:《Force of Will》)し返す。

 ここでMenendianは一息つくべく、スタックで《Ancestral Recall》をプレイするが、鳥海はそうはさせじとこれにも《Mana Drain》で追いかける。


Ancestral RecallMana Drain噴出Force of Will


 しかし度重なる《Library of Alexandria》のドローで充実しきっていたMenendianの手札はその程度ではビクともしない。すぐさま《噴出》で手札を補充すると、鳥海の《Force of Will》《Force of Will》(追放:《ダク・フェイデン》)!

 これにはさすがの鳥海も《ドルイドの誓い》を墓地に置くほかない。

 しかもこのターン7つもの呪文の応酬があったにもかかわらず、返すターンのドローを経た後のMenendianの手札は依然として7枚。《Library of Alexandria》はアクティブなままだ。



鳥海 貴


 だが。

 続けて《露天鉱床》を引き込んだ鳥海が即座に《ドルイドの誓い》の2枚目をプレイすると、手札の枚数はあるとはいえ濃厚なスペルを一気に費消したばかりのMenendianには、これをカウンターすることができない。

 ついに鳥海の場に《グリセルブランド》が降臨する。Menendianは続くターンのアタックも、その後の7枚ドローも、ただ見守ることしかできない。

 そして鳥海が《Force of Will》のバックアップで《実物提示教育》を通したところで。

 《業火のタイタン》が、Menendianを焼き切ったのだった。


鳥海 1-0 Menendian



Game 2


 マリガンした鳥海に対し、さらにMenedianは《Ancestral Recall》で追い打ちをかける。

 さらに鳥海が負けじと《森の知恵》を通したところで、Menendianは《露天鉱床》で鳥海の浮きマナを潰してから《僧院の導師》を着地させると、さらに《Mox Sapphire》をプレイしてトークンを生み出していく。

 手札が噛み合わず、《真髄の針》を置くことしかできない鳥海は、《噴出》《時を越えた探索》というMenendianの《噴出》ショーをただ見ていることしかできない。

 ほどなくして鳥海のライフがモンク・トークンたちの攻撃で全て消え去ると、決着は3本目へと持ち越された。


鳥海 1-1 Menendian



Game 3


 《渦まく知識》への《紅蓮破》《精神的つまづき》した鳥海だったが手札内容が芳しくなく、Menendianの《Time Walk》からの《ダク・フェイデン》《Force of Will》するのが精一杯の抵抗となってしまう。



Menendian Stephen


 一方《噴出》で手札を充実させたMenendianは、《封じ込める僧侶》《墓掘りの檻》と立て続けに《ドルイドの誓い》対策を着地させていく。

 もはやどうあっても《ドルイドの誓い》は起動できそうもない状況。そんな状況に《僧院の導師》までも追加されてしまっては、鳥海にはもはや抗う術は残されていなかった。


鳥海 1-2 Menendian

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