お宝カードハンター、まつがん: 5月8日(2)

晴れる屋

By Daisuke Kawasaki





(5月8日(1)は【こちら】)


「だらだらクソデッキ」

ここでは
どんなデッキを作っても
許される






紹介しよう。

伊藤敦。いや、まつがんと呼んだ方が通りがよいか。

彼は、ゼウスを目指し、クソデッキを作り続けることで
ある能力に覚醒した。


「だらだらクソデッキ(グレイト・クソデッカー)」


創りだしたクソデッキに応じた能力を手に入れる事ができる
(クソデッキを創り続けるメンタルさえあれば)最強の能力に覚醒した。

この能力で。

ゼウスを、そして、その楽園(エデン)を、K.I.(クソデッキ・アイランド)へと。

だが、そのために必要なクソデッキが作れない。
誰でも知っているカードでは、誰も知らないクソデッキは作れない。

突如送られてきた4行詩導かれ、世界に1枚しかないカードを手に入れるべく、グランプリ・東京16の会場へとやってきたまつがんだったが、そんなカードは見つからない。


あとは、5月8日(1)を読んでいただくとして、とにかく、行き詰ってしまったまつがん。

まつがん 「これは、あの技を使うしかないな……」





まつがん『龍でもなんでもない龍紀伝(バトルワーム)』





説明しよう!!

『龍でもなんでもない龍紀伝(バトルワーム)』とは、一旦落ち着いて考えることで、普通に見落としていたことに気がつく、技でもなんでもない技だ!

強いて言えば、レアなカードのオーラを感じられる気分になれるぞ!

普通に見落としていたことに気がつくために、まつがんは、元々の4行詩を思い出す。


全員揃うのはまだ先で
宴の前の宴に興じよう
すべての企業が集まり
配信されし戦いがある


久しぶりすぎるこの地で
とんでもない人数が揃う
理詰めで戦うものが集い
デッキで戦うものが集う


いくなら東がいい
いくなら西の北がいい
のこるはまだ見ていない場所
だれも見たことのない世界に1枚カードがそこに



まつがん 「そうか!グランプリ京の西ホールというだけで納得してたが、まだ、に行っていない!そして、この会場で一番北に位置するのは……」





まつがんグランプリ東京 謎解きゲームのブースだ!!」





まつがん 「ここに手掛かりがあるに違いない」





まつがん 「どこかで見たような……」

まさか、一番最初に1000円払って手に入れた手掛かりに、ふたたび1000円払っているとは気がつかない。

そもそも、ホビージャパンの英知が産みだしたこの謎解きゲームをまつがんに解けるはずもない。

論理的な思考なぞできぬ男なのだ。

そんな男でなければ、クソデッキ使いにはなれぬのだ。

未だ、簡単な謎解きにすら気がついていない。

だが、この男。

クソデッキ使いであるだけに、妙に勘が良い。





まつがん 「この会場でまだ見てていない所……二階かな?」

そして、やけに鼻が利く。





まつがん 「……この先に、世界に1枚しかないカードがある気がする……この扉の向こうに……」





警備員 「ちょっと、あんた!謎も解いていないくせに何をそこにはいろうと……」





警備員 「!?!?!?」





まつがん 「これが、『戦乱の虚無(タイドウォーク)』!グランプリ・東京16の前に完成させておいてよかった」

読者諸兄にはわからないだろうが、『戦乱の虚無(タイドウォーク)』とは、おそろしく速い手刀、筆者でなきゃ見逃しちゃうね。

まつがん 「今度こそ、この扉のむこうに……」









《Shichifukujin Dragon》!

これこそ、真に、世界にひとつしかないカード!

このグランプリ・東京16の会場で、謎解きゲームをクリアしたもののみが、その実物を目にすることができた、正真正銘のお宝だ。

まつがん 「オレは、まさにこのカードに出会うために……だが、この圧倒的なオーラ……オレがこのカードでデッキを作ることは……」

できないねお前は……





まつがん 「(ちがう!!)」

デッキが回るか
回らないかの方が
大事だから





まつがん 「(ちがう!!)」

作れない
答えは出ている





まつがん 「(ちがう!!)」

勝てるか
勝てないかでしか
無理だね

完成させられない
カードで
デッキを組むな





まつがん 「(ちがう!!)」

伝説のカードよりも





まつがん 「オレは、伝説のカードでデッキを創って、ゼウスになるんだ!!」







まつがん 「さぁ、何と組み合わせよう……まずは《倍増の季節》か!?それとも、縁起のいいカードを揃えて、開運イケメンパラダイスか!?それとも……」





!?





まつがん 「!?」





まつがん 「なんだ、ここは……もしや、ここがゼウスの楽園……K.I.(クソデッキ・アイランド)?」

??? 「おい」





まつがん 「なんだ?」





逢坂 「あの方の忠告を無視して、ゼウスを目指してしまったようだな」





まつがん 「な、なにものだ!?……なんだ、このオーラは……」

まつがん 「駄目だ……先にヤらなければ、ヤられる……」





まつがん 「オレの最大のクソデッキを叩き込む」





まつがん『動物園を覆う死の影(スーパー・クレイジー・ズー)』!!!」





逢坂『一握りの顧客(システマ・ゼロ)』!」

まつがん 「こ、これは……念(クソデッキ)!!」





逢坂 「念(クソデッキ)を使えるのがてめぇだけだと思うなよ」





逢坂 「アウトー!」

まつがんは、4行詩に隠された警告にしたがっておとなしくしていれば良かったのだ。

ゼウスを目指して、詩の謎を解読したら、逢坂の元に飛ぶように設定されていたのだ。





逢坂 「ゼウスは一人でいいのだ」





逢坂 「解放(リリース)」





まつがん 「ぎゃーーー」


【※「お宝カードハンター、まつがん」はまつがん急病のため、長期休載とさせていただきます】



Twitterでつぶやく

Facebookでシェアする