By Atsushi Ito
いつからここは『ローウィン』の世界になったのか?
『タルキール』の氏族、そして龍の世界観に満ちたスタンダード環境は、『マジック・オリジン』参入により一気に塗り替えられた。
何といっても、この準決勝のマッチアップは『エルフ』対『ゴブリン』。
伝統の部族デッキ同士の対戦なのだ。
平岡のデッキについては【デッキテク】で紹介済み。『マジック・オリジン』の新カード、《群れのシャーマン》を最大限フィーチャーしたデッキ構成となっている。
対し、高橋も《ゴブリンの栄光追い》と《ゴブリンの群衆追い》を得て大幅に強化された赤単ゴブリン。
勝つのは平岡のエルフか、高橋のゴブリンか。
Game 1
《ゴブリンの栄光追い》から《鋳造所通りの住人》と展開するが土地が1枚で止まっている高橋に対し、マリガンスタートの平岡はタップイン処理から《エルフの神秘家》《思考囲い》と好調に動く。公開された高橋の手札、
《僧院の速槍》
《ゴブリンの群衆追い》
《軍族童の突発》
《かき立てる炎》
《ウルドのオベリスク》
からはしかし、平岡は油断せずに最大打点の《ゴブリンの群衆追い》を奪い去る。
一方なおも土地が引けない高橋は地道に1体ずつクリーチャーを展開しつつダメージを刻むが、平岡は《召喚の調べ》をX=2で構えて《ドゥイネンの精鋭》を匂わせ攻撃を抑制しつつ、エンド前に《森の女人像》をサーチ。さらにメインで2マナ残しで《ティムールの剣歯虎》をプレイ、攻撃をシャットアウトしようとする。
平岡 拓 |
だが高橋はエンド前、メインと《かき立てる炎》を浴びせて《ティムールの剣歯虎》を除去すると、続くターンには依然土地が1枚しかないにもかかわらず「召集」を駆使して《ウルドのオベリスク》を設置。1ターンをおいたのち、満を持してフルアタックしにいく。
とはいえ平岡もさるもので、《召喚の調べ》から《再利用の賢者》をサーチし被害を最小限にとどめるが、《ゴブリンの栄光追い》の「威迫」が響いてなかなかうまいブロックができず、残りライフ5点まで追い詰められてしまう。
しかもこの局面で、次の高橋のドローは。
2枚目の《ウルドのオベリスク》!!
もはや平岡には、サイズがふた回りも違う敵軍に抗う力は残されていなかった。
平岡 0-1 高橋
Game 2
後手ながら《ゴブリンの栄光追い》スタートの高橋に対して《思考囲い》を打ち込み、
《マグマのしぶき》
《鋳造所通りの住人》
《軍族童の突発》
《ウルドのオベリスク》
《山》2枚
というラインナップから《鋳造所通りの住人》を抜く平岡。
だが3ターン目、《巨森の予見者、ニッサ》を抱えながら3枚目の土地が置けず、ターンを返さざるをえなくなってしまう。
高橋 優太 |
この隙に高橋は《僧院の速槍》を引き込み、クロックを高める。2枚目の《思考囲い》で《ウルドのオベリスク》は抜かれるが、さらに《軍族童の突発》が平岡を苛む。
《ティムールの剣歯虎》と《召喚の調べ》ばかりを抱えた平岡は結局そのままこのテンポ差を取り戻すことができずに、ゴブリンの群れに撲殺されてしまった。
平岡 0-2 高橋