【Hareruya Pros】所属の金川 俊哉(山梨)が今日持ち込んだのは「白単ソウルシスターズ」だ。従来のリストに加えて《物静かな使用人》や《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》といった新しいカードも採用されており、独自のチューンを施されたリストとなっている。
対する牧ヶ野 太洋(東京)は『神々の軍勢』でマジックを始め、『タルキール覇王譚』から本格的に競技マジックをプレイし始めたという新人。【第4期スタンダード神挑戦者決定戦のデッキテク】などでも紹介されており、特徴的なデッキを好む彼が今日選択したデッキは、【GP Porto Alegre】でも結果を残した「バント《珊瑚兜への撤退》」だ。
ラウンド2にしてもう後がない展開となってしまった2人。果たして勝利を収めるのはどちらになるか。
Game 1
先行は金川。《魂の管理人》、《戦隊の鷹》とプレイし、素早く戦線を整える。
だが、序盤の動きは牧ヶ野も負けていない。《極楽鳥》、《聖遺の騎士》とテンポプレイが冴え渡る。
ここで「白単ソウルシスターズ」の切り札である《セラの高位僧》が飛び出す!この時点で金川のライフは25だが、30を超えるのも時間の問題だろう。少しでも”ゴール”を遠のかせようと、牧ヶ野も4/4の《聖遺の騎士》で攻勢をかけるが、金川は涼しい顔をしてこれを通す。
《戦隊の鷹》をチャンプブロックに供する選択肢もありながら、《聖遺の騎士》の攻撃を通した。《セラの高位僧》を少しでも早く強化したい状況にかかわらず、だ。これが意味するところはすぐに明らかとなった。金川の手札には《砂の殉教者》がいたのだ。
《砂の殉教者》のプレイに対し牧ヶ野も渋い顔を浮かべながらスタックで《集合した中隊》。《ロクソドンの強打者》と《聖トラフトの霊》を呼び出すも、《砂の殉教者》の着地には何ら干渉できず、即座に起動された《砂の殉教者》の起動型能力によって金川のライフは43まで回復。
さらにセラの加護を受けた《セラの高位僧》と《戦隊の鷹》が激しい猛攻を加え、牧ヶ野には猶予がなくなってきた。
返すターンには《聖トラフトの霊》と《ロクソドンの強打者》で反撃を試みるも、金川のライフはなお30を超えており、よもやライフレースの様相を呈していない。
窮地に追い込まれてしまった牧ヶ野だが、金川の第1メインフェイズにプレイされた《オーリオックのチャンピオン》に対して《謎めいた命令》で「タップ」と「カウンター」のモードを選択し、続くターンには虎の子の《珊瑚兜への撤退》をプレイした!
これで《聖遺の騎士》と《珊瑚兜への撤退》が揃う形となったが、金川のライフはコンボの射程圏外。ひとまず《聖トラフトの霊》と《ロクソドンの強打者》でダメージを蓄積させていく。
金川 俊哉 |
金川の猛攻は止まらない。ドローした《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》をプレイし、さっそく「-4」能力を使用。戦闘を開始しようとする。
牧ヶ野は《セラの高位僧》に対して《流刑への道》をプレイし、《聖遺の騎士》+《珊瑚兜への撤退》のコンボで金川のクリーチャーをタップすることでわずかに時間を稼ぐことしかできない。
《聖トラフトの霊》と《ロクソドンの強打者》が次なる攻撃を加え、ライフは7対23。ようやく牧ヶ野にも勝機が見えてきたが、金川は落ち着いて《イーオスのレインジャー》をプレイ。そのETB能力によって徴兵された《砂の殉教者》がふたたび金川にライフを与えると、牧ヶ野の勝利の芽は完全に摘まれてしまうのだった。
金川 1-0 牧ヶ野
「バント《珊瑚兜への撤退》」と「白単ソウルシスターズ」。コンボデッキの横行するモダン環境では限りなくフェア寄りなデッキ同士の対決となったこのマッチアップ。
第1ゲームでは金川が《ロクソドンの強打者》と《聖トラフトの霊》の10点クロックを物ともしない圧倒的なライフで以て押し潰すような試合展開となったが、はたしてここから牧ヶ野の巻き返しはなるだろうか?
Game 2
《貴族の教主》、《聖遺の騎士》と第1ゲームを彷彿とさせる好調な滑り出しを見せる牧ヶ野。対する金川は《セラの高位僧》に続いて《安らかなる眠り》をプレイ!これで3ターンキルは封じられた。
とはいえ《集合した中隊》から《クァーサルの群れ魔道士》を見つけ出した牧ヶ野。さっそくこれで《安らかなる眠り》を破壊する。
牧ヶ野 太洋 |
しかし、安心感から出たミスプレイだろうか。《貴族の教主》と《極楽鳥》で攻撃を宣言してしまう。《ガヴォニーの居住区》があるが、オープンな土地は3マナのみ。金川も「ううん?」と唸りつつ《セラの高位僧》で《貴族の教主》をブロックする。もし1体のみでアタックに行っていれば、「賛美」+マナクリーチャー+《聖遺の騎士》の起動型能力で5マナを得て、《ガヴォニーの居住区》が起動できたものの……
金川は《エイヴンの思考検閲者》をプレイし、《珊瑚兜への撤退》コンボに対して二の矢を継ぐ。さらに《アジャニの群れ仲間》、《戦隊の鷹》と次々に戦力を揃え、牧ヶ野にプレッシャーをかける。
《聖遺の騎士》のサーチ能力を封じられ、手札に《珊瑚兜への撤退》も《流刑への道》も持たない牧ヶ野。仕方なく《聖遺の騎士》がアタックに行くも、これは《戦隊の鷹》に阻まれる。
続く金川のターンには2体の《戦隊の鷹》が追加され、それを眺めていることしかできない牧ヶ野の前にさらに《魂の管理人》、《物静かな使用人》が差し出される。
万事休すか。圧倒的物量差の前に、牧ヶ野が投了を宣言した。
金川 2-0 牧ヶ野
Hareruya Pros・金川 俊哉が貫録を見せつけるプレイで勝利!