By Kazuya Hirabayashi
グランプリ初日というのは非情なものである。
例え殿堂入りしたプレイヤーであろうと、マッチポイント21点。
二敗の壁を破ることが出来なければ二日目に残ることは出来ない。
如何にドラフトの研鑽を積もうとも、シールド戦という壁を突破しなくてはその土俵に上がることすらままならないのだ。
だからこそ、そのシールドに重点を置いて練習してきたプレイヤーもいる。
大澤 拓也(東京)もそんな一人だ。
ラヴニカブロックのブースタードラフトで行われた2006年プロツアープラハチャンピオンであり、2007年プロツアージュネーブこそ《肥満死体》の陰謀により準優勝に終わってしまったとはいえ、リミテッド分野における華々しい実績を持ち合わせている大澤。
近年はトーナメントシーンから遠ざかり気味ではあるが、マジック、ことリミテッドに対する情熱は今でも深い。
主にMO(マジックオンライン)という舞台でシールドの練習を重ね、今回のグランプリを迎えることになった。
だがしかし・・・・
■大澤 拓也、シールド構築の過ち
大澤「最初に組んだデッキがこれです」
黒緑タッチ《雨雲のナイアード》。
-強そうなカードをありったけ突っ込んだ、他環境のシールドデッキのような感じですね。
大澤 「実際は重い上に色拘束がきつくて、大したレアも無いデッキでした」
-他に組んだ形というのは?
大澤 「長岡(崇之)さんやフジシュー(藤田 修)さんに意見をもらった結果、こちらの方が良さそうということになりました」
-こっちは《火飲みのサテュロス》とかやる気に満ち溢れてますな(笑)
大澤 「赤は赤で火力があるわけでもないんですが、強化スペルでも十分代用が利きます。そもそも軽いカードとスペルの重要性を軽視しすぎてたのかも」
-過去の練習ではアグロに組んだりしなかったんですか?
大澤 「もっと分かりやすいプールを貰うことが多かったですね。デッキが若干重めになっても、今思うと軽いカードやスペルがそれなりに含まれていたプールを渡されていたんだと思います」
大澤 「今回は許容範囲を完全に超えていたんですが、それに全然気付けなかった。実際に回してみて、これは勝てる気がしないというのを実感しました」
-手なりに組んで失敗したと。
大澤 「赤はそもそも火力が無いですからね。ただジャイグロ系スペルの重要性もちょっと甘く見てた気がします」
-赤緑の方だと軽めだから土地16にしたりはしないんですか?
大澤 「よっぽどじゃなければランド16にはしませんね。アグロだと土地が止まったら絶対勝てなくなるじゃないですか。例えば赤いデッキはカラーホードも厳しいし」
-土地事故のリスクが許容できないということですか。
大澤 「土地を多く引いた時用に怪物化持ち、《不機嫌なサイクロプス》があればなお良い感じです」
-実際のスコアを教えてください。
大澤 「元の形(黒緑)で0-2して、その後毎回サイド後赤緑に変更して3-0、6ラウンド目で事故で負けました」
-赤緑に変更してからは実質負けてない(笑)
大澤 「だからこそ露骨に色を間違えていたわけでそれはやはり悔しいですね。やはり練習が足りないと思いました」
-練習を重ねていれば今回のようなケースに遭遇できたかもしれないと。
大澤 「まあ今回(グランプリ)を練習にしてPTQ頑張りますよ!」
-『ニクスへの旅』が出るまでPTQ無いけどね。
大澤 「同じテーロスブロックだから意味はあるし!」