熊猫杯レガシーRound 2: 表西 幸次郎(大阪) vs. 黒田 正城(大阪)

晴れる屋

By Kazuya Hirabayashi

日本レガシー、今春一発目の大型大会となった熊猫杯。

その最初のカバレージは関西レガシーでは著名な2人、表西と黒田の対戦をお届けする。


表西「あの有名な黒田さんと対戦出来るだなんて!」

黒田「きっつい(笑)」

仲の良い2人、開始前からノリノリである。
 

Game 1

表西が《湿地の干潟》フェッチ、《Underground Sea》からの《思考囲い》で立ち上がり。


《島》
《溢れかえる岸辺》
《沸騰する小湖》
《不毛の大地》
《渦まく知識》
《天使への願い》
《剣を鍬に》


公開された黒田の手札から《渦まく知識》を。


黒田は《不毛の大地》《Underground Sea》破壊)でこれに応じ、続く表西のアクションは《石鍛冶の神秘家》《殴打頭蓋》をサーチ)。





表西 幸次郎


開始2ターンながら、この時点で表西がエスパー石鍛冶、黒田が白青奇跡であることが判明した。

ここで黒田は既定路線ながら《剣を鍬に》《石鍛冶の神秘家》へ。
《渦まく知識》を失った黒田は我慢の時間だ。

ところがテンポ良く動いていた表西、ドロー後に《渦まく知識》を使っても土地が引けない!
そのままターンを返すしかない。


明らかにここが勝機の黒田。
《世界のるつぼ》を叩き付けるのだが、表西からは《呪文貫き》

《Force of Will》を持つ黒田は考える。
土地が止まった表西には明確な切り札だ。

だが・・・・

黒田の出した回答は《世界のるつぼ》を墓地に置くことだった。


何故か。

それは青いカードを《精神を刻む者、ジェイス》しか持っていなかったこと。

そして表西の手札から《Force of Will》を読むことが出来たからだ。


一度は握りかけたイニシアティブだが無理は出来ない。
ゲームは再びドローゴーへと移る。


そうこうしているうちに土地が止まっていた表西の時間も動き出す。
2枚目の《不毛の大地》にも耐え、《渦まく知識》、フェッチ、と繰り返している内に土地が伸び始める。


《ヴェンディリオン三人衆》


再び黒田の手札が明かされる。


《精神を刻む者、ジェイス》
《Force of Will》
2《天使への願い》


ここから《精神を刻む者、ジェイス》がライブラリーの底に送られ、何も出来ずターンを返した黒田の前に表西が呼び出したのもまた《精神を刻む者、ジェイス》であった。

ライブラリーを検閲し、《渦まく知識》能力を連打し始める表西を前にアクションを起こせない黒田。


《仕組まれた爆薬》X=0をノンピッチ《Force of Will》しようとしても《対抗呪文》で弾き返され、《ヴェンディリオン三人衆》《剣を鍬に》することしか出来ない。

やがて《渦まく知識》モードから「消術」モードに能力が切り替わると、能動的に動けなくなった黒田は次のゲームに進めることにした。

表西 1-0 黒田


Game 2

打って変わって互いに《島》を置き合う静かなスタート。

だが第2ターンにして野蛮な時間が訪れる。


相殺



キターーーーーーーーーーーーー!


《突然の衰微》を持たないデッキにとって頭の痛い、そして最も面倒なカードの登場だ。

もちろんそんなことは十分過ぎるほど理解している表西、


「お願いします!」

《解呪》をプレイする、の、だが。



ペロリ、《瞬唱の魔道士》

「下手やなあ」と思わず笑う黒田。


ここから静かに土地を置き合う展開に。

表西にとっては我慢の時間だ。


互いに土地を並べ続け、表西の《思考囲い》で時が動き出す。

まずは《相殺》にお伺いをたて(公開は《Karakas》)、黒田に許しを貰うとようやくの手札公開だ。


《瞬唱の魔道士》
2《相殺》
《赤霊破》
《剣を鍬に》


思ったよりは手札が弱い。
黒田が動けなかった理由も分かる。

ここから《赤霊破》を落とす。


とはいえ軽いアクションが無い表西は動けない。
《精神を刻む者、ジェイス》では黒田の《瞬唱の魔道士》の的になってしまう。
待つしかない表西。


ここで黒田が立て続けに《不毛の大地》をドロー。
またか、またなのか。


苦しい表西はいよいよディスカード。
何とか《未練ある魂》を捨てたところで3枚目の土地を引けたのだが。


《未練ある魂》フラッシュバック。

2枚《相殺》が誘発します。
まず1枚目。


ペロリ、《ヴェンディリオン三人衆》


黒田「下手やなぁ」

表西「上手いなぁ」


この《ヴェンディリオン三人衆》の能力は黒田自らへ。
《仕組まれた爆薬》の存在がある以上、必要以上に《相殺》があっても意味はない。


そして黒田が《師範の占い独楽》を見せると・・・・戦争が始まった。


表西《否認》

黒田《瞬唱の魔道士》

これが一旦解決される。
指定が《赤霊破》になったことを受け、

表西《外科的摘出》


この間4連続で外し続ける《相殺》(笑)

結果《師範の占い独楽》はカウンターされる。


そして後続の《世界のるつぼ》《精神を刻む者、ジェイス》をリムーブしながら《Force of Will》
《ヴェンディリオン三人衆》《剣を鍬に》

《相殺》は盤面に残されたままとはいえ、表西、何とかなりそうな場まで持ってこれたか。


《天使への願い》を奇跡で。


祈る表西、手札に《仕組まれた爆薬》は無い。

表西に奇跡は起こらずゲームは3本目へ。


表西 1-1 黒田

「手札に《精神を刻む者、ジェイス》がいたんだから、《天使への願い》を防ぐことは出来たなあ・・・・」

自身のミスを悔やむ表西。

だがゲームはまだ終わっていない。
このことがマッチの結果に響くかどうかもまだ分からない。


Game3

再び表西の《思考囲い》からキックオフ。


《天使への願い》
《瞬唱の魔道士》
《渦まく知識》
《精神を刻む者、ジェイス》
《剣を鍬に》
土地2枚

ここから《剣を鍬に》落とす表西。



・・・・ということは?

もちろん2ターン目《石鍛冶の神秘家》の登場だ。
しかも定番《殴打頭蓋》ではなく、《饗宴と飢餓の剣》を持って。

早いゲーム展開が予告される中、急ぐ黒田は《渦まく知識》を。
それでも動かない。
いや、動けないのか。


黒田の第3ターンのアップキープ、表西が《石鍛冶の神秘家》の能力を起動。
促す黒田、表西が手札から呼び出したのは・・・・・

《殴打頭蓋》
そりゃそうだ、持っていたから《饗宴と飢餓の剣》を持ってきたに決まっている。

細菌トークンで攻撃を始める表西。


負けじと黒田は《ヴェンディリオン三人衆》を。


《饗宴と飢餓の剣》
《渦まく知識》
《解呪》
《平地》

《渦まく知識》を下へ送ることに。


続く大西のターン。

予告通り《石鍛冶の神秘家》《饗宴と飢餓の剣》を持ち、二体で攻撃してくる状況に黒田が《瞬唱の魔道士》を。

ここから《剣を鍬に》のフラッシュバック、ダブルブロックの合わせ技で、表西の圧倒的だった序盤を防ぎ切ることに成功する。




黒田 正城



窮地を脱した黒田。

悩みながらも《精神を刻む者、ジェイス》をプレイするのだが、ここにノータイムで《対抗呪文》を合わせられ、一度は確認した表西の手札から飛び出したのもまた《精神を刻む者、ジェイス》

カウンターを刺し返す余裕のなかった黒田にこれを弾き返す余裕があったわけもない。
思わず声が漏れる黒田。

消術、《渦まく知識》と動くのを見ていることしか出来ない。
このまま決まってしまうのか。


出来ることをするしかない黒田は《瞬唱の魔道士》から《渦まく知識》
積み込んだ《天使への願い》を奇跡。

まさに奇跡頼み、ここまでコントロールを確立されてしまっている以上、お願いする他に出来ることは・・・・


《瞬唱の魔道士》
《対抗呪文》がフラッシュバックされ、黒田の希望は打ち消される。


《精神を刻む者、ジェイス》有り。
《饗宴と飢餓の剣》有り。
手札には《殴打頭蓋》
場には2体の《瞬唱の魔道士》


この完全な場、表西の世界にはまだ死角があった。

再び《天使への願い》奇跡!


天使への願い



表西、必死に《渦まく知識》、フェッチから2枚目の《渦まく知識》と応じるが、ここで対抗手段を引き込めていない!
4体の天使トークンが表西の前に現れる。

メインに入ってからの《思案》《精神を刻む者、ジェイス》による《渦まく知識》
必死に打開策を求める表西。


そしてそうこうしている間に切れる時間。


・追加0ターン目

《石鍛冶の神秘家》を呼び、《饗宴と飢餓の剣》付きの《瞬唱の魔道士》で攻撃するしかない表西。
黒田は冷静に天使トークンでブロックし、アップキープに《師範の占い独楽》を回して今後のゲームプランを考える。


・追加1ターン目

《精神を刻む者、ジェイス》プレイ。
そして《渦まく知識》能力を。

黒田の出した答えはこれだった。


そうして1体の天使で表西の《精神を刻む者、ジェイス》を。
もう1体は表西に。
最後の1体は黒田自身の守りへ。


・追加2ターン目

手札は確かに厚い表西、だが効果的なアクションを用意することが出来ない。

《師範の占い独楽》ドローに対応して《渦まく知識》《外科的摘出》
妨害の限りを尽くしてターンを稼ごうとする。

表西の《饗宴と飢餓の剣》持ち《瞬唱の魔道士》が天使トークンと相討つ。


・追加3ターン目

黒田は《精神を刻む者、ジェイス》《渦まく知識》《師範の占い独楽》をプレイしてエンド。

表西は《石鍛冶の神秘家》から《殴打頭蓋》を。


・追加4ターン目

することの無い表西は《殴打頭蓋》《饗宴と飢餓の剣》を付けて攻撃。

黒田の《摩耗/Wear》が《殴打頭蓋》を対象に、《殴打頭蓋》が手札に返ったところで、黒田の最後の手札である《瞬唱の魔道士》で細菌トークンをチャンプブロック。


・追加5ターン目

黒田は《師範の占い独楽》起動、《精神を刻む者、ジェイス》消術、再びの《師範の占い独楽》起動で唯一枚勝ち手段を探し求めるのだが・・・・

必殺の《雷口のヘルカイト》が見つかることは無かった。


表西 1-1 黒田
引き分け