リミテッドみたいなスタンダードデッキが平日大会で「1勝」するまで
- 2023/05/21
- スタンダードをとりあえずやってみよう!持っているカードでデッキを組んでイベントに出たらどうなる?
- 晴れる屋メディアチーム
いってつ:前回の記事、かなり楽しかったな~~
人物紹介:いってつ
晴れる屋メディアの統率者戦担当。コジレック野郎。パイオニアEDH委員会メンバー。スタンダードはよくわからない。
いってつ:カッツカツな資産の中でなるべく強いデッキを作るぞ~って試みは学生のころとか、マジックを始めたころを思い出してすごく楽しかった。やっぱりスタンダードって面白いな~
編集長:記事、評判もよかったねえ。毎週やろうよ、あれ。
いってつ:毎週!?ムチャですよ、デッキ作って勝つまでイベントに出るなんて!僕は統率者戦を遊ぶのに忙しいんです!
編集長:初心者向けの500円デッキ売ってるじゃん。あれで何とかならない?
なるわけねーだろ
いってつ:実際に販売されている「白赤賛助」(税込み500円)を借りてみたけれど……さすがにこれでスタンダードのイベントに出るのは厳しすぎるな……
いってつ:「賛助」シナジーそれ自体はかなり楽しいけれど、「強いリミテッド」みたいなデッキだなあ……
広報マン:ん?リミテッド?リミテッドと言いました?
人物紹介:広報マン
TC大阪が輩出した晴れる屋の広報マン。リミテッドが大好き。休憩中はMTGアリーナでドラフト。勤務後はテーブルでドラフトを遊ぶリミテッドジャンキー。好きなカードは「ない」。与えられたプールで戦う。それが広報マン。
広報マン:リミテッドのメンツ足りないとかですか?
いってつ:いや、スタンダードのデッキを組まなきゃいけなくて……見てくださいこれ
広報マン:強そうなデッキですねえ!これドラフトですか?
いってつ:スタンダードです……
広報マン:……さすがに弱すぎません??これでイベント出るんですか?
いってつ:まあ……これを2つ組み合わせるとか……
広報マン:いやいや無理ありますよ。ちょっと時間もらってもいいですか?
広報マン:できましたよ、最強のデッキが……白単赤単にも負けない”超”前のめりデッキが!
いってつ:休憩から戻ってきたらデッキが出来てる!この会社すげーな……
広報マン:1,2,3とこんなかんじで動ければすごい打点が出ます。勝ちです。
(編集注:勝ちではありません)
いってつ:すげえ!スタンダードで3ターン目に勝てるコンボデッキだ!
(編集注:違います)
いってつ:そんで1マナ域の枚数すごい。
広報マン:1マナ域20枚。シェオルドレッドが強いならシェオルドレッドが出てくる前にゲームを終わらせればいいのです。これは令和のジャッカルです。
いってつ:えっ(ジャッカルってリミテッドで強いアーキタイプなのでは……)
広報マン:メインボード60枚でだいたい2500円。足りなかったカードは僕のリミテッドの残骸から足しておきました。さあ、この最強デッキで3-0してきてください!
イベントに参加
黒赤ミッドレンジ ✕✕
白青兵士 〇✕✕
白単天使 ✕✕
いってつ:あわわ……大変なことになってしまった……
広報マン:馬鹿な……ジャッカルは最強のはず……(編集注:リミテッドでの話です)
原因はなんですか?
いってつ:まず、《轟く雷獣》を出せるタイミングが全然なかったですね……相性は良さげなんですが、1マナ域20枚土地22枚で4マナのカードは厳しそう……
いってつ:手札が増えるカードが1種類しかないのも厳しかった……。しかもこのカード、単体ではドローできないので、ピンチの場面で引いても解決にならない。
いってつ:そういう意味では《格納庫のたかり屋》のルーティング能力を活かしたいところなんですが、賛助でカウンターをのせる先が警戒持ちばかりで思ったように誘発しないのがもったいない……
広報マン:なるほど……これはボツですかね……
いってつ:いや!実はもう解決策を思いついているんです。
いってつ:《イーオスの遍歴の騎士》です。《轟く雷獣》よりも出しやすく、手札が増え、警戒とも《格納庫のたかり屋》とも相性がいい!!これは”ソリューション”ですよ!!
ウチでプレビューしたカードってのもイイ。
広報マン:おお!!これはめちゃくちゃ強そう!!今日は僕がイベントに出てきます!!
イベントに参加(2日目)
白青黒レジェンズ 〇✕✕
bye
白単兵士 〇✕✕
広報マン:大変なことになってしまった……
いってつ:メインはとれるようになりましたが、また勝ち星なし……これは少しツラいですね。
広報マン:サイド後は除去を足したいのですが、デッキのバランスを崩さずにサイドボードのカードを入れるのが難しいですね。攻め手を途切れさせたくないのでクリーチャーをあんまり抜きたくない。対戦相手は除去を増やしてこっちのシナジーを崩してくる……
いってつ:シナジーしてはじめて一人前って感じのカードが多くて、インスタントタイミングで除去をあてられるとキツいですよねえ……
広報マン:クリーチャーを減らしたくない、でも除去は欲しい。う~ん、やっぱり《粗暴な聖戦士》なのか……
いってつ:あるいは《別館の歩哨》……しかし4マナ以上のクリーチャーを除去できないのは厳しい。《黙示録、シェオルドレッド》を除去できないのがなあ……
イベント参加(3日目)
いってつ:うーん……特になにも思いつかないまま夜が明けてしまった……このまままた全敗はしたくないな……
笹井:いってつさん今日もスタンダード出るの?
人物紹介:笹井
TC大阪店日本橋店の店長を歴任。現在はエリアマネージャーを務める。
いってつ:ええまあ……そういう笹井さんはお買い物ですか?
笹井:そうそう。マーベリックとかで使うかな~って思ってよさげなカードをね。
いってつ:……これ……これだ!これならいけるぞ!
bye
白緑エンチャント ✕✕
4色レジェンズ ✕〇〇
いってつ:やった!やったぞ!実験は成功だ!!
広報マン:初の一勝だ!!
いってつ:このデッキに必要だったのは「除去」と「賛助の誘発」を兼ねた《精霊界との接触》だったんだ!
いってつ:賛助で自分以外にカウンターを置いた賛助持ちたちはサイズもイマイチで、チャンプブロックくらいしかやることがなかったんですが、インスタントタイミングでブリンクさせることで次のターンの打点の計算を大きく狂わせることができるようになった!
広報マン:メインから除去をいれつつ、シナジーを活かせる……!
いってつ:以前から《イーオスの遍歴の騎士》で見つけた《ヴォルダーレンの興奮探し》で《イーオスの遍歴の騎士》にカウンターをのせて6点アタック+6点《投げ飛ばし》……という動きが強力でした。
《精霊界との接触》の追加によって、《ヴォルダーレンの興奮探し》をタップして出した《イーオスの遍歴の騎士》に《ヴォルダーレンの興奮探し》のカウンターをあとからのせることも可能になりました。
いってつ:名付けて……「スリラーナイト」です
展望
最初は無理に思えた「白赤賛助」。
0-3からすこしずつ前進し、ようやく1勝をつかむことができました。
3度目のイベント参加でつかんだ1勝……本当にうれしい!マジックはこの試行錯誤が楽しいんですよ!
こうなると3-0してデッキリストを晴れる屋に掲載したいという欲が出てきました!今回、bye込みとはいえ2勝できたので、1000ポイントを獲得できました。この1000ポイントを使って《ロノムの発掘家、フェルドン》《包囲の古参兵》を試してみようと思います。
週明けには禁止改訂に関する発表が予告されています。スタンダードで禁止カードがでるかは明らかになっていません。仮にスタンダードでなんらかのカードが禁止されてしまうとしたら、それは悲しいことではありますが、多くのカードやアーキタイプに新たにチャンスが生まれるということでもあります。
「言われているほどつまらないフォーマットじゃないな」、この数週間スタンダードのイベントに参加して強く実感しています。
みなさんもぜひ思い思いのデッキでテーブルトップのイベントに挑戦してみてください!「スリラーナイト」はおすすめしません。
それではみなさん、スタンダードのイベントにでお会いしましょう。
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