前回に引き続き、『The Last Sun2014』予選のデッキリストの中から新しいコンセプトに意欲的に挑戦したものを厳選してお届けする。
モダンの新たなアーキタイプはこういうところから生まれるのかもしれない。
アイデアの萌芽を、見逃さないようにしよう。
3 《島》 3 《平地》 3 《神聖なる泉》 1 《繁殖池》 1 《寺院の庭》 3 《乾燥台地》 3 《霧深い雨林》 2 《氷河の城砦》 3 《エルドラージの寺院》 1 《地盤の際/Tectonic Edge(WWK)》 -土地(23)- 4 《ぬめるボーグル》 3 《林間隠れの斥候》 2 《呪文滑り》 3 《聖トラフトの霊》 2 《ヘリオッドの巡礼者》 1 《アカデミーの研究者》 -クリーチャー(15)- |
4 《流刑への道》 4 《天上の鎧》 4 《広がりゆく海》 3 《奥義の翼》 1 《夜明けの宝冠》 2 《強迫的な研究》 4 《エルドラージの徴兵》 -呪文(22)- |
4 《神聖の力線》 2 《外科的摘出》 2 《石のような静寂》 2 《亡霊の牢獄》 1 《雪花石を率いる者、ブルーナ》 1 《解呪》 1 《機を見た援軍》 1 《至高の評決》 1 《沈黙のオーラ》 -サイドボード(15)- |
鬼才デッキビルダー、AJ Sacherが開発した《奥義の翼》デッキと、モダンではお馴染みの白緑オーラとをハイブリッドしたデッキ。
《呪文滑り》《流刑への道》や《広がりゆく海》の採用によりコンボ・コントロール色が強まっている。
自身の「呪禁」クリーチャーに《流刑への道》を撃つテクニックや《エルドラージの寺院》を駆使することで、《エルドラージの徴兵》を素でプレイできるオプションが備わっているのが面白い。
また、『マジック基本セット2015』からは《ヘリオッドの巡礼者》が採用されている。《奥義の翼》と《エルドラージの徴兵》のいずれもサーチできる上にオーラの付け先にもなるため、まさしくこのデッキのためにあるカードといっても過言ではないかもしれない。
2 《森》 2 《平地》 1 《沼》 2 《寺院の庭》 1 《神無き祭殿》 1 《草むした墓》 1 《聖なる鋳造所》 1 《踏み鳴らされる地》 4 《湿地の干潟》 4 《新緑の地下墓地》 1 《乾燥台地》 1 《霧深い雨林》 1 《魂の洞窟》 -土地(22)- 4 《野生のナカティル》 4 《貴族の教主》 2 《極楽鳥》 4 《タルモゴイフ》 3 《復活の声》 1 《漁る軟泥》 3 《台所の嫌がらせ屋》 2 《ファルケンラスの貴種》 -クリーチャー(23)- |
1 《殺戮の契約》 4 《流刑への道》 1 《思考囲い》 3 《突然の衰微》 3 《未練ある魂》 3 《出産の殻》 -呪文(15)- |
3 《忌むべき者のかがり火》 3 《血染めの月》 3 《倦怠の宝珠》 2 《石のような静寂》 2 《神聖の力線》 1 《思考囲い》 1 《古えの遺恨》 -サイドボード(15)- |
こちらはZooと《出産の殻》デッキとのハイブリッド。
《出産の殻》というデッキが抱えがちな「1枚差しが多いため、引きムラが大きい」「干渉手段が少ないため、自分より早いコンボに弱い」といった弱点を、よりジャンクビートダウン色を強めることで解決しようとしている。
イニストラード当時のスタンではお馴染みだった《ファルケンラスの貴種》や《忌むべき者のかがり火》など、豊富な「わからん殺し」要素も魅力だ。
20 《山》 -土地(20)- 4 《ゴブリンの付け火屋》 4 《軍勢の忠節者》 3 《鋳造所通りの住人》 4 《モグの戦争司令官》 3 《ゴブリンの酋長》 3 《ゴブリンの熟練扇動者》 2 《探検家タクタク》 2 《ゴブリンの戦術家、半心臓のイッブ》 2 《群衆の親分、クレンコ》 2 《鍛冶の神、パーフォロス》 -クリーチャー(29)- |
4 《ゴブリンの手投げ弾》 3 《業火への突入》 4 《クレンコの命令》 -呪文(11)- |
4 《稲妻》 4 《かき立てる炎》 3 《武器への印加》 2 《怒鳴りつけ》 2 《魂の再鍛》 -サイドボード(15)- |
モダンでは珍しいゴブリン。
純粋なビートダウンというよりは、横に並びやすいゴブリンの持ち味を生かし、対処しきれないほどの物量による総攻撃をかけるイメージとなっている。
《探検家タクタク》《ゴブリンの戦術家、半心臓のイッブ》といったマニアックなゴブリンのチョイスや、エクステンデッド期の《炎の儀式》を彷彿とさせる《業火への突入》の採用にセンスが光る。
《神々の憤怒》や《悲哀まみれ》といった対策カードにより、横に並べることを封じられてしまいがちなサイド後はスライにシフトする、というのもなかなか興味深い戦略だ。
『マジック基本セット2015』からは《ゴブリンの熟練扇動者》が加わっている。強制攻撃のデメリットはあるが、そもそも生き残ればかなりの打点を叩き出せるカードのため、速度勝負に持ち込むこともできるというメリットがある。
4 《魂の洞窟》 4 《スリヴァーの巣》 4 《宝石鉱山》 2 《古代の聖塔》 1 《真鍮の都》 4 《変わり谷》 -土地(19)- 4 《先制スリヴァー》 4 《風乗りスリヴァー》 4 《筋力スリヴァー》 4 《捕食スリヴァー》 4 《血吸いスリヴァー》 4 《拡散スリヴァー》 4 《毒牙スリヴァー》 3 《双頭スリヴァー》 2 《マナ編みスリヴァー》 4 《幻影の像》 -クリーチャー(37)- |
4 《霊気の薬瓶》 -呪文(4)- |
3 《調和スリヴァー》 3 《静翼のグリフ》 2 《呪文滑り》 2 《ファイレクシアの破棄者》 2 《吸管スリヴァー》 2 《エイヴンの思考検閲者》 1 《大祖始の遺産》 -サイドボード(15)- |
最後はみんな大好きスリヴァーである。
《幻影の像》まで採用した、《霊気の薬瓶》を除けばオールクリーチャーという思いきった構成で、対戦相手への干渉がない分、速度に特化した形と言える。
モダンだと《スリヴァーの巣》だけでなく《魂の洞窟》も使えるため、デメリットのない多色土地で5色にも拘わらずマナベースが非常に強固なのが売りだ。数枚《反射池》の採用も考えてみてもいいほどだ。
その分スペルの選択肢が少ないが、《四肢切断》《はらわた撃ち》《変異原性の成長》などのファイレクシアマナのスペルは検討対象に挙げてもいいだろう。
《拡散スリヴァー》《血吸いスリヴァー》《スリヴァーの巣》と、もしかしたらスリヴァーは『マジック基本セット2015』で最も強化されたアーキタイプと言えるかもしれない。
グランプリ神戸での番狂わせに期待しよう。