オークの環境は続く?
10月21日、晴れる屋トーナメントセンターで第6期統率者神挑戦者決定戦が開催されました。この記事では本大会のメタゲームを紐解いていきます。
前大会では《一つの指輪》と《オークの弓使い》に注目が集まりました。《一つの指輪》は青系アーティファクトデッキに必殺技を与え、《オークの弓使い》は緑の濃いデッキを環境からおしやりました。こうした傾向は今大会でもみられたのでしょうか。
メタゲーム
それでは実際のメタゲームを見ていきましょう。
共闘統率者は「マナ総量順」「英語カード名順」の記載としました。
Top Tier
前回からは少々数を減らしましたが、やはり《織り手のティムナ》《ルーデヴィックの名作、クラム》が最多となりました。予選ラウンドでは第3期統率者神であるタカハシリュウジ選手が脅威の6-0を果たし、2日目に進出しています。
《時の篩》との1枚コンボを持つ《秘密売り、ティヴィット》も引き続き人気です。2日目に2名を送り込んでいます。シンプルなゲームプランで人気の統率者がついにトップ12のテーブルに乗り込みました!
色の分析
色 | 採用率(第5期との比較) |
---|---|
白 | 41.8%(-9.6.) |
青 | 63.1%(+3.4) |
黒 | 58.2%(+2.3) |
赤 | 60.7%(+2.5) |
緑 | 38.8%(-1.1) |
無色 | 1.6%(-0.6) |
《悪魔の教示者》などの万能サーチ、《むかつき》に代表される暴力的なアドバンテージ獲得手段、《暗黒の儀式》などのマナ加速……依然として黒の人気が続いています。黒のほとんどすべてのデッキに採用されている《オークの弓使い》は黒いデッキを使わせたいとさえ感じさせてくれる非常に魅力的な一枚です。
一方で白の没落が目立ちます。前回は白を使うデッキが過半数を占め、「もはや最弱色とは言わせない!」という雰囲気でした。しかし今回は一転、不人気な色になってしまいました。
白は緑に次いでクリーチャーによるゲームプランが得意な色ですが、そんな白が《オークの弓使い》に屈したとでもいうのでしょうか。
また、「ティムナ&クラム」「ティヴィット」はともに人気の白い統率者ですが、どちらも数を減らしています。実のところ、決して「かんたんなデッキ」ではありません。
「ティムナ&クラム」は過去にタカハシリュウジ選手を神の座につかせ、今回も6-0という驚異的な戦績を残しているものの、そのあまりの器用さと「風評」により操縦が非常に難しいのです。
サーチカードの使い方、ブリーチコンボの手順や下準備など、非常に繊細で高度な判断ができたとき、「ティムナ&クラム」は非常に強力なデッキになりますが、そこへ至る前に挫折するプレイヤーはたくさんいます。高い練度が要求されるのに、それでいて対戦相手の脳裏にはタカハシ選手の顔が浮かび、ゲーム中はずっと警戒されてしまうのですから……。今回勝ち抜けた「ティムナ&クラム」はタカハシ選手、ただひとりです。
《秘密売り、ティヴィット》も、ゲームプランがシンプルな一方で、《秘密売り、ティヴィット》や《時の篩》が打ち消された場合にはとたんにゲームが難しくなってしまいます。
ティヴィットで「初見殺し」ができたのはとっくの昔。ティヴィットとの戦いに慣れたプレイヤーが増えてしまい、「試したけれど、思っていたように勝てない」と感じてあきらめてしまったプレイヤーが多かったようです。実際、前回は使用者9名に対し、二日目に残れたプレイヤーは1人もいなかったのです。
注目のデッキ
もっとも印象的だったのは《戦争の世継ぎ、ローアン》です。先月登場したばかりの統率者であるこのデッキは、《色あせた城塞》《真鍮の都》などでライフを失いつつ《戦争の世継ぎ、ローアン》の能力で呪文のコストを大きく軽減し、《陰謀団の儀式》などでマナを増やし、その末に待っているのは《深淵への覗き込み》……だけではありません。
《ドラゴンの嵐》です。
《洞窟に宝蓄えしドラゴン》《黄金架のドラゴン》で色マナを獲得し、《峰の恐怖》+《山背骨のドラゴン》や、《溜め込む親玉》でカードを獲得し、そのままゲームを終わらせてしまいます。
《ドラゴンの嵐》はストーム呪文であることで打ち消しに強く、《狼狽の嵐》か《精神壊しの罠》でなければ満足に対処できないというのが大きな強みです。
《戦争の世継ぎ、ローアン》デッキはこれまであまり大きな話題にはなってきませんでした。
持ち込んだナカムラ選手曰く、「トーナメントや交流会に持ち込まず、意図して情報を隠し続けていた」とのこと。その予想外の《ドラゴンの嵐》という必殺技に多くのプレイヤーが散っていきました。
《始祖ドラゴン》にも《ドラゴンの嵐》が見えます。「《始祖ドラゴン》といえば《全知》を踏み倒すデッキ」という印象の方も多いでしょうが、このリストに《全知》はありません。
かつては《ティアマト》でかき集めていた《帰ってきた刃の翼》+《霜のモーリット》のループコンボを1枚の呪文、それも打ち消されにくいストーム呪文で完遂することさえできるようになっているのです。
神に挑む者たち
- 2023/10/21
- トップ12デッキリスト
- 晴れる屋メディアチーム
挑戦者決定戦予選ラウンドトップ12
タカハシ リュウジ「ティムナ&クラム」
キドグチ ヒカル「ログラクフ&ティムナ」
カスガ リョウスケ「秘密売り、ティヴィット」
マルヤマ タクマ「帰還した王、ケンリス」
ナカムラ ユウヤ「戦争の世継ぎ、ローアン」
マツモト スケナオ「奪い取り屋、サーダ・アデール」
タナカ ショウマ「浄火の戦術家、デリーヴィー」
シングウ キイチ「ヨーグモスの息子、ケリク」
タナカ サトル「樹の神、エシカ」
ナカニシ カズキ「東の樹の木霊&ティムナ」
キノダ ユウヤ「秘密売り、ティヴィット」
カナヤマ ノブヨ「始祖ドラゴン」
トップ12に残る選手の中に「黒でない」デッキはわずか2つ。《浄火の戦術家、デリーヴィー》と《奪い取り屋、サーダ・アデール》のみ。《一つの指輪》で大量ドローを狙う2人は明日も《オークの弓使い》を突破できるでしょうか。
神・タテツ選手は前回と同じく《秘儀を運ぶもの、パコ》《熱心な秘儀術師、ハルダン》を選択しています。黒くないデッキで初の防衛となるでしょうか。
ゲームの模様は22日ひる12時よりyoutubeで生放送されます!激戦の模様をぜひご覧ください!
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