How do you build? -Khans of Tarkir Sealed- Part3

伊藤 敦



 いよいよ『タルキール覇王譚』編は今回で最終回となる。

 最初はあれだけ難解に見えたこの環境のシールド構築も、今ではかなりルーチン化出来るようになったのではないだろうか。

 あとは数多く実戦をこなし、己の力を確かめるのみ。

 早速最後のシールドプールに挑戦していこう。



1.Wandering a sealed pool




「Part3 シールドプール」

2 《炎蹄の騎兵》
1 《マルドゥの悪刃》
2 《アイノクの盟族》
1 《休息地の見張り》
2 《雪花石の麒麟》
1 《塩路の巡回兵》

1 《果敢な一撃》
2 《大物潰し》
1 《停止の場》

-白(13)-

2 《春の具象化》
2 《龍の眼の学者》
1 《僧院の群れ》
1 《ケルゥの呪文奪い》
1 《旋風の達人》

1 《頑固な否認》
1 《テイガムの策謀》
1 《悪寒》
1 《運命編み》
1 《漂流》
2 《鐘音の一撃》

-青(14)-
1 《グルマグの速翼》
1 《ケルゥの吸血者》
3 《不撓のクルーマ》
1 《シディシのペット》
1 《朽ちゆくマストドン》
1 《よろめく従者》

1 《ラクシャーサの秘密》
1 《奈落の総ざらい》
1 《殻脱ぎ》
2 《消耗する負傷》

-黒(13)-

2 《谷を駆ける者》
1 《軍団の伏兵》
1 《沸血の導師》
1 《沸血の熟練者》
1 《山頂をうろつくもの》
1 《アイノクの足跡追い》

1 《粉砕》
1 《石弾の弾幕》
1 《ラッパの一吹き》
1 《軍族童の突発》
2 《矢の嵐》

-赤(13)-
1 《射手の胸壁》
1 《煙の語り部》
1 《高地の獲物》
1 《荒野の後継者》
1 《頭巾被りのハイドラ》
1 《高山の灰色熊》
1 《スゥルタイの剥ぎ取り》
1 《長毛ロクソドン》

2 《凶暴な殴打》
1 《部族養い》
1 《境界の偵察》
1 《地平の探求》
1 《龍鱗の加護》
1 《神秘の痕跡》

-緑(15)-

1 《軍族の解体者》
1 《象牙牙の城塞》
1 《子馬乗り部隊》

1 《族樹の発動》
1 《騎乗追撃》
1 《冬の炎》
1 《死の激情》

1 《群の祭壇》
2 《スゥルタイの戦旗》

2 《陰鬱な僻地》
1 《砂草原の城塞》
1 《急流の崖》
2 《平穏な入り江》

-多色・アーティファクト・土地(16)-
hareruya


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画像をクリックすると拡大します。
※レアが7枚ありますが、1枚はFoilとお考えください


 最後までマナ面がどちらかといえば不自由なプールで申し訳ないが、このレベルでも組めるデッキの選択肢は実に幅広い。

 どのように組むのが正解か。また、今回は簡単なサイドプランも用意してもらえると、より記事の理解が深まると思う。

 是非とも真剣に向き合ってみて欲しい。

 

































 自分の中に「これが正解だ!」という40枚を思い描いていただけただろうか。

 では、今回のゲスト2名の回答へと移ろう。



2.Tsumura’s answer

 まず1人目は、プロツアートップ8入賞経験6回の殿堂プレイヤーにしてHareruya Prosとしても活躍中のこの男。

 津村 健志。




 はたして世界の”Kenji” はどのようなデッキを組むのだろうか。


--「津村さんはこの環境のシールドでは攻めるデッキと守るデッキ、どちらを好んで組まれますか?」

津村 「特に希望はないですね。そのプールによる、とは思います。ただ攻めるデッキの方が組みづらい環境だと思うので、よほど偏っているかよほど弱くない限り、ミッドレンジかコントロールを組みますね」

--「とすると、先手か後手かで言うと……」

津村 加藤さんもおっしゃってましたが、後手寄りですね」

--「なるほど。今回のプールに関してはいかがでしょう?」

津村 「今回のプールでは《龍の眼の学者》《射手の胸壁》《僧院の群れ》など守りに向いているやつらが多くて、守りやすいんじゃないかと思いました。対空戦力だけ不安ですが、《消耗する負傷》などの軽い除去もあるので何とかなるかなぁと」



「緑黒タッチ青白」

6 《森》
4 《沼》
2 《平地》
1 《島》
1 《砂草原の城塞》
2 《陰鬱な僻地》
2 《平穏な入り江》

-土地(18)-

2 《龍の眼の学者》
1 《荒野の後継者》
1 《高地の獲物》
1 《射手の胸壁》
1 《頭巾被りのハイドラ》
1 《ケルゥの吸血者》
1 《僧院の群れ》
1 《ケルゥの呪文奪い》
1 《スゥルタイの剥ぎ取り》
1 《朽ちゆくマストドン》
1 《象牙牙の城塞》
1 《長毛ロクソドン》
1 《よろめく従者》

-クリーチャー(14)-
1 《族樹の発動》
1 《大物潰し》
1 《奈落の総ざらい》
1 《死の激情》
2 《消耗する負傷》
1 《停止の場》
1 《スゥルタイの戦旗》

-呪文(8)-
hareruya





--「他に悩んだ点などはありましたか?」

津村 「『戦旗』は《地平の探求》の方がいいかもしれません。《奈落の総ざらい》は『まあ長引いたら打てるでしょ』と思って入れましたが……(一人回し中)……ないと勝てないので入れるには入れるとは思いますが、序盤に引くとやばいですね(笑)」

--「サイドボードで色変えするプランなどあれば、教えていただきたいのですが」

津村 「うーん、このカードプールでは色を変えることはほとんどないと思いますね。rizer君ならサイド後は《矢の嵐》でビートするとか言うかもしれないけれど、僕はこの赤のカード陣を見て変えようと微塵も思わないので……たとえ多色コン相手でもこの程度では勝てないと思いますよ。カウンターが滅茶苦茶入ってる、みたいなデッキ相手だったらまあ変えうると思いますが」

--「津村さんはこの環境での色変えはあまりない、という考えなのでしょうか?」

津村 「もともとこの環境だけじゃなく、今までシールドをやっていてサイド後にメインカラーを変えたことがほとんどないんですよね。もちろん相手のデッキに合わせて1~6枚程度の入れ替えは当然やるべきだし、サイド後にデッキが40枚全く変わらないことなんてほとんどないと言っていいくらい僕はリミテッドでも必ずサイドボーディングをするようにしていますが、色まで変えるのはそもそもメインボードが構築ミスだったときだけですね」

--「ありがとうございました」



3.Yamamoto’s answer

 2人目はHareruya Prosつながりで、先日も世界選手権トップ4という好成績を残し来年の活躍も期待されるこの男。

 山本 賢太郎。



 この環境のグランプリでトップ4に入っている山本ならば、きっと既に自分なりのセオリーを確立しているに違いない。


--「山本さんはこの環境のシールドでは攻めるデッキと守るデッキ、どちらを好んで組まれますか?」

山本 「できれば2マナ域が4~5枚あるような、攻めるデッキの方が勝ちやすいと思いますね」

--「とすると、先手か後手かで言うと……」

山本 先手デッキばかり組んでいますね」

--「なるほど。今回のプールに関してはいかがでしょう?」

山本 「土地がちょっと青に寄ってて弱めなんですよね。どの色で組むにしろ2色タッチ1~2色くらいが限界かなと思います。緑白ベースも考えましたが、赤白の方が攻めているときに勝ちやすい点に着目して、赤白ベースにしようと考えました」



「赤白タッチ黒青」

8 《山》
4 《平地》
1 《砂草原の城塞》
2 《陰鬱な僻地》
1 《急流の崖》
2 《平穏な入り江》

-土地(18)-

2 《谷を駆ける者》
2 《アイノクの盟族》
1 《軍団の伏兵》
1 《休息地の見張り》
1 《沸血の熟練者》
1 《ケルゥの呪文奪い》
2 《雪花石の麒麟》
1 《山頂をうろつくもの》
1 《軍族の解体者》
1 《子馬乗り部隊》

-クリーチャー(13)-
1 《騎乗追撃》
1 《ラッパの一吹き》
1 《冬の炎》
1 《軍族童の突発》
1 《大物潰し》
2 《矢の嵐》
1 《漂流》
1 《停止の場》

-呪文(9)-
hareruya





--「他に悩んだ点などはありましたか?」

山本 「マナシンボルで赤8枚、白7枚を確保したかったので土地18枚になってしまっていますが、5マナでフリップする『変異』も少ないですし軽めのビートダウンなので土地は17枚の方が良かったかもしれません」

--「サイドボードで色変えするプランなどあれば、教えていただきたいのですが」

山本 「このデッキと同じような赤白ベースの速攻デッキなどに当たったら、サイドからは緑黒ベースで地上を固めて《死の激情》を撃つ感じのデッキにしそうですね。でもそれ以外では、相手が中速か低速デッキだったらこの形のままでいくと思います」

--「山本さんはこの環境での色変えはあまりない、という考えなのでしょうか?」

山本 いえ、そんなことはないですね。グランプリとかでは色はよく変えましたし、普通に色変えのテクニックが役に立つ環境だと思いますよ」

--「ありがとうございました」



4.and yours?

 いかがだっただろうか。

 マナベース以外のスペル面では、特に低マナ圏がどの色も恵まれているプールのため、色々な構築が考えられると思う。

 その中で、どのような戦略をメインボードでは選択するのか。そしてサイドプランとしてはどのような戦略を用意するのか。

 大まかなヴィジョンを持って臨むことができれば、シールドの構築時間が何倍も有意義に使えることだろう。

 と、いったところで。

 この記事への感想、自分ならばこう組んだというアイディア、津村や山本の構築についての意見などがもしあれば。

 例によってこの記事へのコメントに寄せてくれると嬉しい。

 さて、次回は”Blood” ブロックまで、また間が空くと思う。

 そのときまで、シールドの研鑽を続け、地力を育んで欲しい。

 それと、ここまで読んでくれた方がグランプリ静岡で無事初日突破を果たせることを願っている。

 See you!



5.rizer’s answer -Khans of Tarkir Sealed- Part3

 【こちら】をご覧ください!





 さらに。

 ここでお知らせがある。

 2014年12月23日(火)から1月9日(金)までの間、晴れる屋トーナメントセンターでは例によって。

 今回の記事で題材となったシールドプールの店内貸し出しを行っている。※終了しました

 これであなたが考えたデッキの一人回しが可能になる。

 友達と一緒に借りて、どのような構築が良いか議論するのもオススメだ。

 「タルキールシールドの練習がしたい」「実物のカードを並べて考えてみたい」「作ったデッキを実際に回してみたい」といった方は。

 トーナメントセンターにご来店の際、大会受付カウンターにてスタッフにお気軽にお尋ねください。