晴れる屋協賛竜王戦もベスト8に突入した。
賞品のデュアルランドをかけた熱い決勝ラウンドが始まる。
石村は「ライザ」の相性で親しまれるプロプレイヤーで、昨年末に行われた世界選手権では賞金を獲得し、昨年のリミッツにおいては準優勝の成績を収めている。レガシーの大会に出場するのは今日が始めてでありながら、あっさりベスト8進出を決めてしまう辺りは、ライザの地力の高さが見える。
コンボデッキを好む石村は、今回のデッキもレガシー最強コンボと言われるANTを使用している。
ストームを稼ぎ、《苦悶の触手》で相手に一撃20点を叩き込むデッキである。
平山は2年前からレガシーの大会に出場し続け、地元千葉を中心に30回程の大会に参加しているという。ただ、今までの大会で目立った結果を出した事はなく、今回の予選ラウンド5勝1敗1分けという成績について、「大会で5勝したのは初めてですよ」と語っていた。普段はZooやステロイドを使用して、コンボデッキに負けてしまうという反省を生かし、コンボを倒すためのバントコントロールを今回の出場デッキに選択した事が今回の勝因なのであろう。
この準決勝も、平山が目の仇にしてきたコンボデッキなので、試合は平山有利の対戦になることが予想される。
Game 1
先手は平山。
後手石村の《強迫》に対し、《渦まく知識》で有効牌を隠す平山。
石村は「あー、ミスったー」と後悔。
《クァーサルの群れ魔道士》、《貴族の教主》と展開する平山の動きを見て、石村は大きく仕掛ける。
《ライオンの瞳のダイアモンド》2枚、《水蓮の花びら》、《師範の占い独楽》、《暗黒の儀式》と手札を全部展開した上で、《不正利得》をキャストするも、平山はきっちりと《Force of Will》でカウンター。
手札0のライザに逆転できるだけの余力は残されてなかった。
石村 0-1 平山
Game 2
石村が《渦まく知識》と《思案》を何度か打ち、手札を整えて機会を伺う。
危険を察知した平山は、《ガドック・ティーグ》を出してコンボにストップをかけようと抵抗を試みる。
ドローサポートを連打した石村は完全な手札を手に入れていて、《強迫》で生物のみの平山の手札を見て、安全を確認した後に、《暗黒の儀式》、《陰謀団の儀式》、《師範の占い独楽》、《水蓮の花びら》、《神秘の教示者》(《むかつき》をサーチ)、《ガドック・ティーグ》に《殺戮の契約》を打ち込んだ上で、ライフ16からの《むかつき》。15枚のカードがめくれた後に《苦悶の触手》で28点のダメージを叩き込んだ。
石村 1-1 平山
Game 3
マリガン後の後手1ターン目に石村が《強迫》を打つのに対応し、平山は《渦まく知識》を打つ。
石村「あー、間違ったー。俺は学習しないなー。」と同じ間違いを後悔。
《クァーサルの群れ魔道士》、《貴族の教主》とクロック展開してくる平山に対して、石村は手札にある《苦悶の触手》のストームを溜めるために何もしない。
石村が「これからストームを仕掛けるぞ」というターンで、ストーム貯めを見透かしたように、平山がタイミング良く石村のドロー後に《ヴェンディリオン三人衆》をキャストする。
《苦悶の触手》をライブラリーの下に送られた石村に勝つ術は残されていなかった。
石村 1-2 平山
平山Win!
過去の反省を生かしてコンボデッキを倒したいと願った平山。
積み重ねた努力が初めて結果として報われた平山。
そんな平山を応援したい。