Translated by Yoshihiko Ikawa
(掲載日 2018/09/26)
はじめに
Im super happy about how this season ends, the perfect way to probe that you are the player of the year is this one, 1 vs 1 battle. Hope everyone enjoy this as much I will do. Thanks for all the support and good vibes.1F4AA #hareruyalatin #hareruyapros #poy2018
— Luis Salvatto (@LuisSalvatto) 2018年9月16日
今シーズンをこのような形で終えられることをとても嬉しく思うよ。最優秀選手を決める完璧な方法、そう、1対1での試合だ。俺と同じように、みんなもこの試合を楽しんでくれることを願う。すべてのサポート、応援に感謝!
やぁ、久しぶりだな。読者のみんなも知っている通り、俺は2017-18シーズンの年間最優秀選手(プレイヤー・オブ・ザ・イヤー)レースで1位タイになることができた。今シーズン最後の好成績は、とても美しいデッキ――青白コントロールのおかげだ。
青白コントロールがモダンにおけるベストデッキの1つであり、少なくともTier1のデッキであることは今では誰もが知っているだろう。白はパーマネントを対処するのに最も適した色で、青は対戦相手を掌握したりカードアドバンテージを得るのに最も適した色であり、「アゾリウス」はモダンにおいてさらに良くなってきているのだ。
今回は、俺のデッキリストにおけるカードチョイスや、ゲームプレイにおけるテクニック、そしてサイドボーディングガイドをお届けしよう。
デッキリストと直近の成績
俺がグランプリ・ストックホルム2018で使ったのがこのリストだ。
3 《平地》
2 《神聖なる泉》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《天界の列柱》
1 《氷河の城砦》
4 《廃墟の地》
1 《幽霊街》
-土地 (25)- 2 《瞬唱の魔道士》
1 《ヴェンディリオン三人衆》
-クリーチャー (3)-
4 《選択》
4 《流刑への道》
1 《失脚》
1 《呪文嵌め》
1 《論理の結び目》
1 《マナ漏出》
1 《否認》
1 《機を見た援軍》
3 《謎めいた命令》
1 《ヒエログリフの輝き》
1 《至高の評決》
4 《終末》
1 《アズカンタの探索》
1 《拘留の宝球》
1 《世界のるつぼ》
3 《精神を刻む者、ジェイス》
2 《ドミナリアの英雄、テフェリー》
-呪文 (32)-
俺はスイスラウンドを12-2-1の成績で終えた。青白コントロールのミラーマッチと青赤ストームに負け(対戦相手は2人ともトップ8に入った)、最終的に9位となった青白ミラーで引き分けたんだ。
俺の対戦結果の詳細はこちら:
ラウンド | 対戦相手 | 結果 |
---|---|---|
Round 1 | BYE | |
Round 2 | BYE | |
Round 3 | BYE | |
Round 4 | 黒緑ミッドレンジ | 勝ち |
Round 5 | 青赤ストーム | 勝ち |
Round 6 | グリクシスシャドウ | 勝ち |
Round 7 | ジャンド | 勝ち |
Round 8 | ブリッジヴァイン | 勝ち |
Round 9 | バントスピリット | 勝ち |
Round 10 | 青白コントロール | 負け |
Round 11 | 《硬化した鱗》親和 | 勝ち |
Round 12 | ジェスカイ | 勝ち |
Round 13 | 青赤ストーム | 負け |
Round 14 | 青白コントロール | 引き分け |
Round 15 | アブザンカンパニー | 勝ち |
準々決勝 | バントスピリット | 負け |
グランプリ・ストックホルム2018の前にはチームモダンで開催されたグランプリ・デトロイト2018に参加したんだが、そのときも数枚は異なるものの似た形の青白コントロールを使用した。チーム成績は10-4で、俺個人の成績は11-3だった(うち2マッチはチームメイト2人の勝敗によって消化試合だったが、単純に楽しむために対戦相手とプレイを続けたんだ)。
ラウンド | 対戦相手 | 結果 |
---|---|---|
Round 1 | ブリッジヴァイン | 勝ち 2-0 |
Round 2 | エルフ | 勝ち 2-0 |
Round 3 | 5色人間 | 勝ち 2-1 |
Round 4 | スピリット | 勝ち 2-0 |
Round 5 | バント《聖遺の騎士》 | 勝ち 2-1 |
Round 6 | マルドゥパイロマンサー | 勝ち 2-0 |
Round 7 | 5色人間 | 負け 0-2 |
Round 8 | トロン | 勝ち 2-0 |
Round 9 | トロン | 勝ち 2-0 |
Round 10 | ジャンド | 勝ち 2-1 |
Round 11 | 4色シャドウ | 勝ち 2-0 |
Round 12 | 青白コントロール | 負け 1-2 |
Round 13 | 5色人間 | 負け 0-2 |
Round 14 | 5色人間 | 勝ち 2-0 |
そして、マジック25周年記念プロツアーではこんな感じだった。
一般的な部分について
「《選択》4枚+《終末》4枚」と「《血清の幻視》4枚+全体除去を散らす」、どちらが良いのだろうか?
どちらのバージョンも、手段は違えど同じぐらいの効率で盤面を一掃しようとしていて、非常に僅差だと思う。俺は、相手のターンにキャントリップをプレイして選択をより良くできる点、そして自分のターンに土地をタップしなくていい点から「《選択》+《終末》」の方が好みだ。また4枚ずつ投入されていれば「相手のターンに《選択》から《終末》を奇跡でプレイ」できる確率も高いし、いくつかのマッチアップでは4マナの全体除去よりも《終末》の方が優れている (《呪文捕らえ》、《無私の霊魂》、《復讐蔦》、《恐血鬼》、《台所の嫌がらせ屋》、《永遠の証人》が入っているデッキ、など)。
「《終末》 or 4マナの全体除去」の選択はゲームのアプローチ方法に大きな違いをもたらすが、どちらのバージョンだとしても「盤面をなるべく綺麗にするよう努めた上で、プレインズウォーカーと《天界の列柱》で勝利する」という点は変わらない。
《ヒエログリフの輝き》は画期的な新技術なのだろうかか?
俺はそれほど素晴らしいカードだとは考えちゃいない。とはいえこのカードは俺が予想していたよりも優れていたし、2枚程度採用してみてもいいだろう。なぜならこのカードは多才であり、「1マナサイクリング」と「インスタントタイミングでの《予言》」の2つの選択を選べるからな。だが少なくとも青白コントロールでこのカードを4枚使うことはないだろうと俺は思う。軽量除去が多いジェスカイなら4マナでプレイする時間も作れるだろうし、手札を増やすドローカードも必要だから4枚入れることも可能かもしれないな。
《世界のるつぼ》の採用理由は?
アグロデッキでないすべてのデッキ(モダンのフィールドの半分程度だと俺は考えている)に対して極端に強いので、俺はこのカードが大好きだ。アグロデッキに対してさえ、土地の枚数でトラブルを起こしているときに助けてくれる。
《世界のるつぼ》は《廃墟の地》や《幽霊街》のベストパートナーであり、さらには《精神を刻む者、ジェイス》が戦場にいる際はその《渦まく知識》能力とフェッチランド(もしくは《廃墟の地》)を墓地から出すことにより大量のカード・アドバンテージを得ることもできるし、しかも《渦まく知識》効果で追加の土地を手札にキープする必要もないのだ。また多くのデッキは基本地形がほんの数枚しか入っていないので、マナベースを攻撃することはとても容易く、それにより《流刑への道》もより強く活用できる。
また《世界のるつぼ》は3ターン目《ヴェールのリリアナ》に対する最高の解答でもある。対戦相手が自分の手札を捨てていく一方で、こちらは土地を捨てることで実質的に被害を受けずに済むのだ。
《世界のるつぼ》はウルザトロン、そしてときどき《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》デッキ、そしてコントロールのミラーマッチにおいて、イージーウィンを実現してくれる。
1枚挿しのカードについて
《機を見た援軍》
アグロデッキに対しては、全体除去を見つける前に相手を減速させることが絶対に必要であり、《稲妻》が入っているデッキに対してはライフ回復が必要となることもときどきある。このカードは、俺が常にメインボードでプレイするであろう1枚だ。
カウンター呪文たち
俺は多様性を好んでいて、これらのカード(《論理の結び目》を除く)を2枚引くのは厳しいこともあるし、このリストの前は「《呪文嵌め》1枚・《否認》1枚・《マナ漏出》1枚・《論理の結び目》2枚」という構成だったんだが、2枚目の《論理の結び目》を抜くことにした。2枚目の《論理の結び目》はフェッチランドを引いていないと中盤に少し腐ることもあるし、《安らかなる眠り》との相性は最悪だからな。
《ヴェンディリオン三人衆》
普段はサイドボードに採用されるカードだが、俺はサイドボードのスロットを空けたかったので、1枚だけメインボードに採用することにした。こいつの能力はときどき非常に素晴らしく、特にコンボデッキとの対戦やコントロールミラーで輝くんだ。戦闘で殴り切られそうなら、戦場に出して自分自身を対象にとり、《終末》を探す(もしくは《精神を刻む者、ジェイス》でトップに《終末》を積み込んだあと、他にキャントリップを持っていないときに使用する)こともできる。
《失脚》
これは5枚目の1マナ除去だ。早いターンにおいてはとても素晴らしく、また《翻弄する魔道士》で《流刑への道》を指定された上で《ガドック・ティーグ》にロックされているときの解答でもある。
《拘留の宝球》
少し重いが、すべてのパーマネントを対処できる。俺は《ドミナリアの英雄、テフェリー》以外に、最低でも1枚はアーティファクトやエンチャント、プレインズウォーカーへの解答が必要だと考えているんだ。
《ヒエログリフの輝き》
《アズカンタの探索》を2枚引くのはよろしくないので、2枚目の《アズカンタの探索》を抜いてこのカードを採用することにした。補足すると、通常サイドボード後は不要牌が少ないためその「疑似占術」能力はあまり印象的ではなく、結果として少し弱くなる傾向にある。要するに俺はメインボードにおいては2枚目の《アズカンタの探索》は好きだが、《ヒエログリフの輝き》の方がサイドボード後のゲームで優秀なんだ。
《アズカンタの探索》
ドローの質を向上させる手段であり、また除去しか引いていないときにプレインズウォーカーを探してゲームを決めてくれる手段でもある。
《祖先の幻視》
1ターン目においては最高のカードで、中盤戦でもたまに優秀である。アグロでなく、コンボでもないデッキに対しては序盤から中盤にかけて素晴らしく強いが、アグロデッキに対しては通常良くないカードであり、2枚引くことは許容できないため、メインに1枚しか採用していない。
《至高の評決》
《終末》を4枚使うということは、ときには1-2枚が手札に溜まってしまうということも意味していて、すなわち4ターン目にプレイできる全体除去が必要なんだ。このカードは《死の影》や青赤デルバーといった青いアグロデッキに対して強力であるが、スピリットに対しては《呪文捕らえ》で追放されてしまう上に《無私の霊魂》で無効化されてしまうので有効ではない。
デッキの核について
5枚のプレインズウォーカー
俺は《精神を刻む者、ジェイス》を3枚採用するのが本当に好きなんだ。1枚目の《精神を刻む者、ジェイス》は《終末》を仕込むために4マナの《渦まく知識》として使い、すぐ墓地に行くことが時々ある。そのあと2枚目の《精神を刻む者、ジェイス》が欲しくなるが、3枚採用することによって複数枚引ける可能性が上がるし、1枚目を守る必要もなくなるのだ。
すべてのパーマネントに対する解答であり、多大なカードアドバンテージを与えてくれ、そしてこのカードを対戦相手は生かしておきたくないため、マナとライフのアドバンテージも与えてくれる。だが忠誠度が5もあり、かつ土地を2枚アンタップしてくれる能力により最低1枚は《流刑への道》をプレイすることができるという事実が、この《ドミナリアの英雄、テフェリー》を倒すことを極めて難しくしている。
3枚の《謎めいた命令》
モダンにおける最高の青いカードの1枚であり、このカードを4枚プレイしていない唯一の理由は、展開が早いゲームにおいては複数枚引きすぎると厳しいからだ。もう1枚のモダンにおける最高の青いカードである《瞬唱の魔道士》に感謝しよう。彼のおかげで長期戦では複数回《謎めいた命令》をプレイできるので、厄介なパーマネントを対処することも、戦闘ダメージを防ぎながらドローすることも、そして最も古典的なモードであるカウンター&ドローを打つこともできるんだ。
マナベース
マナベースには特別なところはないかな。人によっては《幽霊街》の代わりに5枚目のフェッチランドを採用している人もいるが、《世界のるつぼ》をプレイしているならそれは明らかな間違いだと言えるだろう。基本地形はこの枚数より多かったり少なかったりと人によって違うが、俺は4枚のフェッチに《島》6枚と《平地》3枚、4枚の《天界の列柱》、そして5枚の《不毛の大地》、3枚のデュアルランド(2枚の《神聖なる泉》と1枚の《氷河の城砦》)のバランスが気に入っている。
サイドボーディングガイド
5色人間
vs. 5色人間
特に土地を十分に引いていないときは《霊気の薬瓶》が非常に問題になることもあるので、《アズカンタの探索》を抜いて代わりに《石のような静寂》をサイドインしてもいい。
可能な限り早く盤面を綺麗にしようと努めることが大事で、サイドボード後は対処するのが難しい《ガドック・ティーグ》と対峙することとなる。盤面を止めるのには《悪斬の天使》や《黎明をもたらす者ライラ》が最高の手段だが、最近ではこの天使たちを対処するために《四肢切断》をサイドインしてくることが多いようだから気をつけよう。
《クラーク族の鉄工所》コンボ(KCI)
vs. KCI
《練達飛行機械職人、サイ》が入る前はサイドボーディングがとても簡単で、全体除去を残す必要はなかった。だが今ではKCI側は《練達飛行機械職人、サイ》でこちらを倒してこようとするため、とても難しくなっている。
またKCI側は2マナのアーティファクトを減らしてくるため、《呪文嵌め》はあまり有効ではない。俺は相手のクリーチャーを捌くために最低でも3枚の全体除去と2枚の《流刑への道》は残し、残りはすべてコンボに対するヘイトカードと相手をコントロールするカードだけにするようにしている。
ホロウワン
vs. ホロウワン
スピリット
vs. スピリット
《霊気の薬瓶》の蓄積カウンターが3つ乗っているときは注意するように。《ドラグスコルの隊長》をインスタントタイミングで出して、クリーチャーに呪禁を付与することができるからな。
マルドゥ・パイロマンサー
vs. マルドゥ・パイロマンサー
トロン
vs. トロン
青白コントロール
vs. 青白コントロール
青赤ストーム
vs. 青赤ストーム
サイドボード後、青赤ストーム側はよく2-3ターン目に《巣穴からの総出》で6-8体のトークンを出そうとしてくるので、俺はこれへの対抗策として3種類は残すことにしている。また先攻2ターン目に仕掛けようとしてきても、《払拭》さえあれば防ぐことができる。
《パズルの欠片》のおかげで手札を再補充できるといえ、青白コントロール側は墓地コンボを効率的に止める手段をより多く持っているので、《巣穴からの総出》で攻めるべきなのだろう。1ゲーム目においては、《ゴブリンの電術師》と《遵法長、バラル》をすべて対処することが本当に重要になる。
黒緑X系ミッドレンジ
手札破壊呪文を打たれた後に効果的でなくなる数枚のカウンター呪文を、より多目的なカードに変えるだけに留めることにしている。
vs. 黒緑X系ミッドレンジ
早いターンはできるだけ基本地形を置くことが重要だ。なぜなら、2ターン目《闇の腹心》か《タルモゴイフ》のあとに《大爆発の魔道士》が出てくるとかなり厳しいことになるからな。《機を見た援軍》と《ヴェンディリオン三人衆》は《ヴェールのリリアナ》に対する最高の解答である。
デッキリストにもよるが、《マナ漏出》をサイドアウトしなくてもいいし、《悪斬の天使》をサイドインすることだってある。通常はどれかのプレインズウォーカーが残って勝利することになるだろう。
《貴族の教主》/《集合した中隊》デッキ
vs. 《教主》/《中隊》デッキ
ブリッジヴァイン
vs. ブリッジヴァイン
まとめ
このサイドボーディングガイドは、各マッチアップに対する君自身の考えに合わせて適応させることを強くオススメする。俺のサイドボーディング自体は良いものだと思っているが、君が改良できることもあるだろうし、2ゲーム目や3ゲーム目に向けてサイドボードするときに残り時間が少なければ、速やかにゲームに勝つために2枚の天使たちをサイドインすることもあるだろう。
デッキやサイドボードについてもしより具体的な質問があれば、気兼ねなく俺に連絡してくれ。今回の記事を楽しんでもらえたなら嬉しいよ。
さて次は、世界選手権2018とチームシリーズの決勝戦に向けて、スタンダードとリミテッドをプレイする時間だ。そのあとは、年間最優秀選手を決めるためのプレイオフだ!
俺に幸運を!読んでくれてありがとう!
(編注: この記事は世界選手権2018とチームシリーズの決勝戦の前に執筆されました。)
ルイス・サルヴァット