こんにちは!
今回も【津村健志オススメの『マジック・オリジン』注目カード20選】の反省会を実施したいと思います!
【前回】と同様に、『選んでてよかったこの5枚』と、『どうして選ばなかったこの5枚』と題しまして、ランキング形式でお届けしていきます。
まずは、『選んでてよかったこの5枚』から!
■ 『選んでてよかったこの5枚』
・5位 《悪魔の契約》
第5位は強力な効果と大胆なデメリットが共存するこのカード。
5 《沼》 4 《森》 4 《ラノワールの荒原》 4 《ジャングルのうろ穴》 4 《疾病の神殿》 1 《神秘の神殿》 1 《静寂の神殿》 1 《華やかな宮殿》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 1 《精霊龍の安息地》 -土地(26)- 2 《棲み家の防御者》 4 《クルフィックスの狩猟者》 2 《侵入する生物種》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 1 《再利用の賢者》 3 《森林の怒声吠え》 -クリーチャー(14)- |
4 《思考囲い》 2 《胆汁病》 2 《究極の価格》 4 《英雄の破滅》 1 《骨読み》 2 《衰滅》 4 《悪魔の契約》 1 《精霊龍、ウギン》 -呪文(20)- |
3 《悲哀まみれ》 2 《強迫》 2 《命運の核心》 2 《精神染み》 1 《エレボスの代行者》 1 《自然に帰れ》 1 《骨読み》 1 《リリアナ・ヴェス》 1 《世界を目覚めさせる者、ニッサ》 1 《精霊龍、ウギン》 -サイドボード(15)- |
【プロツアー『運命再編』で王座に輝いたAntonio Del Moral Leon】が世に送り出したのは、《悪魔の契約》を《侵入する生物種》で使いまわす欲張りデッキでした。
《侵入する生物種》は《森林の怒声吠え》からサーチすることができたり、《悪魔の契約》以外にも、《棲み家の防御者》や《再利用の賢者》を戻して再利用することができます。
実は《侵入する生物種》・《森林の怒声吠え》・《悪魔の契約》の3点セットは、【グランプリ・千葉2015チャンピオン】の松本 友樹さんも調整中に使用されており、その発想力の豊かさに皆が驚かされていました。
最終的に松本さんはオリジナルの「シディシウィップ」で参戦されたので、このシステムはお蔵入りとなりましたが、次回のプロツアー『戦乱のゼンディカー』でも松本さんのデッキ、そして《悪魔の契約》の行方に要注目です!
・4位 《マナ喰らいのハイドラ》
第4位は次世代のデカブツこと《マナ喰らいのハイドラ》さん。
7 《森》 5 《平地》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《豊潤の神殿》 3 《マナの合流点》 -土地(23)- 4 《名誉ある教主》 2 《鱗の召使い》 4 《搭載歩行機械》 4 《毅然さの化身》 4 《アブザンの鷹匠》 4 《マナ喰らいのハイドラ》 -クリーチャー(22)- |
2 《神々の思し召し》 4 《ドロモカの命令》 4 《硬化した鱗》 3 《城塞の包囲》 2 《英雄の導師、アジャニ》 -呪文(15)- |
3 《スズメバチの巣》 3 《巨森の予見者、ニッサ》 3 《勇敢な姿勢》 2 《神聖なる月光》 2 《太陽の勇者、エルズペス》 1 《不動のアジャニ》 1 《英雄の導師、アジャニ》 -サイドボード(15)- |
類稀なる成長速度を誇るこのカードですが、行弘君のこのデッキでは、《硬化した鱗》や《城塞の包囲》などで、成長速度に一段と磨きのかかった《マナ喰らいのハイドラ》を拝むことができます。
爆発的なサイズをしっかりと生かすべく、「トランプル」が付いていることも高評価の要因です。《神々の思し召し》や《ドロモカの命令》などで、除去呪文や火力呪文を回避することができれば勝利は目前!
マナのかからない《かき集める勇気》なんかともぜひとも組み合わせてみたい逸材ですね。
・3位 《衰滅》
スタンダードに大きな影響を与えた《衰滅》。事前の予想ほど使用頻度は高くありませんでしたが、環境から多くのクリーチャーやデッキを締め出したのは紛れもない事実です。
4 《森》 1 《平地》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《砂草原の城塞》 4 《疾病の神殿》 4 《静寂の神殿》 2 《ラノワールの荒原》 2 《コイロスの洞窟》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(26)- 2 《棲み家の防御者》 4 《クルフィックスの狩猟者》 3 《巨森の予見者、ニッサ》 4 《包囲サイ》 2 《黄金牙、タシグル》 1 《龍王ドロモカ》 -クリーチャー(16)- |
4 《思考囲い》 2 《究極の価格》 1 《胆汁病》 4 《アブザンの魔除け》 3 《英雄の破滅》 2 《衰滅》 2 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(18)- |
2 《アラシンの僧侶》 2 《強迫》 2 《ドロモカの命令》 2 《神聖なる月光》 2 《骨読み》 1 《胆汁病》 1 《霊気のほころび》 1 《悲哀まみれ》 1 《悲劇的な傲慢》 1 《精霊龍、ウギン》 -サイドボード(15)- |
事前の予想そのままに、最高の相棒は《包囲サイ》と《黄金牙、タシグル》でした。
単純明快ながら実に強力なこれらの組み合わせは、「アブザン・コントロール」の地位を確固たるものにしています。デッキの根幹が強いため、今後も《包囲サイ》と《衰滅》はスタンダードを牽引し続けることでしょう。
・2位 《巨森の予見者、ニッサ》
先ほど紹介した「アブザン・コントロール」でも、目覚ましい活躍を見せている《巨森の予見者、ニッサ》。
8 《森》 6 《平地》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《豊潤の神殿》 1 《花咲く砂地》 1 《マナの合流点》 -土地(24)- 4 《エルフの神秘家》 2 《始まりの木の管理人》 4 《棲み家の防御者》 4 《羊毛鬣のライオン》 2 《隠れたる龍殺し》 4 《死霧の猛禽》 3 《加護のサテュロス》 3 《巨森の予見者、ニッサ》 2 《クルフィックスの狩猟者》 -クリーチャー(28)- |
3 《ドロモカの命令》 3 《勇敢な姿勢》 2 《英雄の導師、アジャニ》 -呪文(8)- |
4 《搭載歩行機械》 3 《霊気のほころび》 2 《静翼のグリフ》 2 《進化の飛躍》 2 《悲劇的な傲慢》 1 《異端の輝き》 1 《勇敢な姿勢》 -サイドボード(15)- |
決して派手さこそないものの、戦場に出たときの効果はデッキに安定性をもたらしてくれ、一度「変身」すれば着実なアドバンテージ獲得手段として機能します。
《精霊信者の賢人、ニッサ/Nissa, Sage Animist》の「+1」能力は単体でも十分に強力ですが、《クルフィックスの狩猟者》と組み合わせるとさらに驚異的な能力になります。
《クルフィックスの狩猟者》がいれば「変身」条件も達成しやすくなるので、この2枚の相性は抜群ですね。
・1位 《異端の癒し手、リリアナ》
栄えある1位は《異端の癒し手、リリアナ》さんを。
2 《森》 2 《平地》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《砂草原の城塞》 4 《疾病の神殿》 4 《ラノワールの荒原》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(21)- 2 《エルフの神秘家》 4 《エルフの幻想家》 4 《サテュロスの道探し》 3 《森の女人像》 4 《異端の癒し手、リリアナ》 4 《不気味な腸卜師》 3 《ナントゥーコの鞘虫》 3 《肉袋の匪賊》 2 《無慈悲な処刑人》 2 《モーギスの匪賊》 -クリーチャー(31)- |
4 《先祖の結集》 4 《集合した中隊》 -呪文(8)- |
3 《悲哀まみれ》 3 《英雄の破滅》 2 《アラシンの僧侶》 2 《再利用の賢者》 2 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 2 《思考囲い》 1 《苦悶の神、ファリカ》 -サイドボード(15)- |
スタンダードで一体どういった使われ方をするのかな?と疑問に思っていたカードですが、《無慈悲な処刑人》と《肉袋の匪賊》、そして《集合した中隊》と併用する大味なデッキが鮮烈なデビューを飾っています。
「+1」能力は対戦相手の妨害のみならず、手札のクリーチャーを墓地に送り込む手段としても機能します。珍しいクリーチャー陣が織り成すシナジーはこのデッキならではなので、クリーチャーコンボデッキがお好きな方はぜひ一度手に取ってみてください。
いやぁ今回も魅力的なカードばっかりでしたね!
……っと、ここで終了したいところですが、残念ながら反省会の本編はここからです。今回はいつにも増して盛大に外してしまいました……。それでは、恐怖の『どうして選ばなかったこの5枚』をご覧ください。
■ 『どうして選ばなかったこの5枚』
・5位 《ヴリンの神童、ジェイス》
笑えません……(涙)
2 《島》 2 《平地》 1 《山》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《神秘の僧院》 3 《天啓の神殿》 3 《凱旋の神殿》 3 《シヴの浅瀬》 3 《戦場の鍛冶場》 -土地(25)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《魂火の大導師》 4 《カマキリの乗り手》 3 《ゴブリンの熟練扇動者》 2 《嵐の息吹のドラゴン》 -クリーチャー(17)- |
3 《乱撃斬》 3 《稲妻の一撃》 3 《勇敢な姿勢》 1 《焙り焼き》 1 《ジェスカイの魔除け》 3 《オジュタイの命令》 2 《かき立てる炎》 2 《時を越えた探索》 -呪文(18)- |
3 《軽蔑的な一撃》 2 《アラシンの僧侶》 2 《存在の破棄》 2 《否認》 2 《神々の憤怒》 2 《悲劇的な傲慢》 2 《太陽の勇者、エルズペス》 -サイドボード(15)- |
あちらこちらで『マジック・オリジン』最注目のカードと評されていたこのカードを選んでいないだなんて……。
実際に使用して/されてみて分かりましたが、《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound》の初期忠誠度「5」は高すぎです。「-3」能力を使用したら死んでしまう「3」くらいが適正だったのではないかと思います。
個人的に「+1」能力を過小評価していたのも20選に選べなかった原因です。前述の通り初期忠誠度がとても高いので、この能力も見た目以上に強力なものでした。
また、これまであまり使われなかった《オジュタイの命令》も、すっかり《ヴリンの神童、ジェイス》の相棒として定着してきましたね。
この組み合わせは、青い《棲み家の防御者》+《死霧の猛禽》と恐れられるほど。ターン終了時に《ヴリンの神童、ジェイス》が出てきて、次のターンには「変身」して《時を越えた探索》を墓地からキャスト、なんて動きは詐欺みたいなもんです。
・4位 《スフィンクスの後見》
これは気付けませんシリーズ第1弾。
5 《山》 4 《島》 1 《血染めのぬかるみ》 1 《溢れかえる岸辺》 4 《急流の崖》 4 《天啓の神殿》 4 《シヴの浅瀬》 4 《光輝の泉》 -土地(27)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 -クリーチャー(4)- |
4 《マグマの洞察力》 4 《苦しめる声》 2 《焙り焼き》 2 《眠りへの誘い》 4 《神々の憤怒》 2 《圧倒的な波》 4 《宝船の巡航》 1 《時を越えた探索》 4 《スフィンクスの後見》 1 《僧院の包囲》 1 《アルハマレットの書庫》 -呪文(29)- |
4 《焦熱の衝動》 4 《否認》 3 《無効》 1 《分散》 1 《氷固め》 1 《大地の断裂》 1 《圧倒的な波》 -サイドボード(15)- |
《スフィンクスの後見》を設置してからドロー呪文を連鎖させて勝利を目論むデッキが、なんとグランプリ優勝という快挙を成し遂げました。
原案はチーム「ChannelFireball」の一員であるAndrew Cuneoさん。《眠りへの誘い》や《圧倒的な波》、さらには《アルハマレットの書庫》と、マニアックなカードを使いこなすセンスはさすがの一言。
カードだけでなく、デッキ全体としても非常にマニアックな構成に仕上がっているので、面白いデッキがお好きな方はぜひお試しください。
・3位 《つむじ風のならず者》
これは気付けませんシリーズ第2弾。
6 《島》 1 《山》 4 《天啓の神殿》 4 《シヴの浅瀬》 1 《マナの合流点》 4 《ダークスティールの城塞》 1 《領事の鋳造所》 -土地(21)- 4 《羽ばたき飛行機械》 4 《ファイレクシアの破棄者》 4 《搭載歩行機械》 4 《鋳造所の隊長》 4 《つむじ風のならず者》 -クリーチャー(20)- |
3 《頑固な否認》 1 《巻き添え被害》 4 《爆片破》 4 《アーティファクトの魂込め》 4 《幽霊火の刃》 3 《バネ葉の太鼓》 -呪文(19)- |
4 《焙り焼き》 3 《軽蔑的な一撃》 3 《大地の断裂》 3 《飛行機械の諜報網》 1 《引き裂く流弾》 1 《否認》 -サイドボード(15)- |
このカード最大の罠は、なんと言っても同セットに《ピア・ナラーとキラン・ナラー》がいたことでした。
初見では《ピア・ナラーとキラン・ナラー》の方が強いと思っていましたが、《つむじ風のならず者》は能力起動にマナを必要とせず、なおかつ《アーティファクトの魂込め》付きのクリーチャーを通せば《ピア・ナラーとキラン・ナラー》よりもダメージ効率が良いということで、【プロツアー『マジック・オリジン』】で大活躍を見せました。
リミテッド戦で強いカードは構築戦でも強い。これは昔からお馴染みの台詞ですが、《鋳造所の隊長》や《つむじ風のならず者》の活躍を見ていると、コモンやアンコモンも例外ではないんだと実感しますね。
・2位 《ケラル砦の修道院長》
第2位は【プロツアー『マジック・オリジン』】を制した「赤単ビートダウン」の主力カード。
21 《山》 -土地(21)- 4 《稲妻の狂戦士》 4 《僧院の速槍》 3 《火飲みのサテュロス》 3 《鐘突きのズルゴ》 4 《ケラル砦の修道院長》 -クリーチャー(18)- |
4 《乱撃斬》 1 《焦熱の衝動》 4 《稲妻の一撃》 4 《灼熱の血》 4 《極上の炎技》 4 《かき立てる炎》 -呪文(21)- |
4 《大歓楽の幻霊》 4 《焙り焼き》 3 《サテュロスの火踊り》 2 《弧状の稲妻》 2 《紅蓮の達人チャンドラ》 -サイドボード(15)- |
序盤は優秀なアタッカーとして、後半はそれに加えてカードアドバンテージまで提供してくれるとあらば、これを使わない理由はありません。例によってプロツアー後は「赤単」へのマークが厳しくなり、その後は際立った活躍ができずにいるようですが、いずれにせよ”環境初期は「赤単」が強い”という流れは、今後のプロツアーでも変わらないでしょう。
「赤単」の3連覇なるか。次回のプロツアーでは、そういったところにもご注目いただければと思います。
・1位 《搭載歩行機械》
今回20選に入れていなかったカードで、最大の失敗が《搭載歩行機械》です。
3 《森》 2 《平地》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《砂草原の城塞》 4 《疾病の神殿》 1 《静寂の神殿》 3 《ラノワールの荒原》 3 《コイロスの洞窟》 1 《マナの合流点》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(26)- 1 《始まりの木の管理人》 4 《搭載歩行機械》 4 《羊毛鬣のライオン》 4 《棲み家の防御者》 4 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 4 《包囲サイ》 -クリーチャー(21)- |
4 《ドロモカの命令》 2 《究極の価格》 4 《アブザンの魔除け》 1 《英雄の破滅》 1 《真面目な訪問者、ソリン》 1 《英雄の導師、アジャニ》 -呪文(13)- |
4 《思考囲い》 2 《自傷疵》 2 《悲劇的な傲慢》 2 《太陽の勇者、エルズペス》 1 《アラシンの僧侶》 1 《黄金牙、タシグル》 1 《異端の輝き》 1 《正義のうねり》 1 《究極の価格》 -サイドボード(15)- |
【青赤<アーティファクトの魂込め>】や、【青黒飛行機械コントロール】など、《搭載歩行機械》を主軸に据えた新機軸のデッキから、【白緑・大変異】、【赤黒ドラゴン】のように、既存のデッキの新たなエースとして、実に多くのデッキで使用されています。
特に驚いたのが上記「アブザン」での採用で、これまでほとんど変化のなかった軽量クリーチャーの枠に割って入ってこようとは、全くもって予想できませんでした。
《搭載歩行機械》を効果的に対処するには墓地に落とさないことが1番なので、《先頭に立つもの、アナフェンザ》・《マグマのしぶき》・《霊気のほころび》といったカードも再び日の目を浴びるようになりました。
《ヴリンの神童、ジェイス》や《衰滅》など、環境に多大なインパクトを与えたカードは数あれど、明確に環境を変えたという意味合いではこのカードの右に出るものはいないのではないでしょうか。
■ 終わりに
今回の反省会は以上です。《ヴリンの神童、ジェイス》と《ケラル砦の修道院長》、そして《搭載歩行機械》を入れていない散々な結果となってしまいました……。
「プレインズウォーカー」が好きだと豪語しておいて、この結果は情けない限りです。《異端の癒し手、リリアナ》と《巨森の予見者、ニッサ》が望外の活躍を見せてくれたのは喜ばしいですが、今回も反省点の方が多かったですね。
次回の『戦乱のゼンディカー』こそは!みなさんにご満足いただける20選をお届けできるようがんばります!
それでは、また次回の記事で!
この記事内で掲載されたカード
Twitterでつぶやく
Facebookでシェアする