1勝2敗同士でベスト8の芽はほぼ難しいマッチアップではあるが、ナカジマ、ナガシマの名前が濁点の位置が違うだけで似ているのでフューチャーマッチに呼ばせてもらった。
というのは嘘で、長島のエンチャントレスデッキの面白い動きを見たいがためにフューチャーマッチに呼ぶことになった。
長島のデッキは、《アルゴスの女魔術師》、《女魔術師の存在》をドローエンジンとして、30枚を越えるエンチャントでデッキが構成されている。《空位の玉座の印章》でエンチャント呪文を唱える度に4/4飛行を出すカードがフィニッシュとして用意されている。クリーチャーデッキの攻撃を防ぐために、《エレファント・グラス》《独房監禁》などのエンチャントも入った、ファンデッキとも思えるデッキだが、2ターン目から独房監禁を維持しつづけることも可能なデッキである。
中島のデッキは《ゴブリンの放火砲》デッキ。《ゴブリンの放火砲》以外のカードはほぼすべてマナで構成だが、土地は1枚。《Elvish Spirit Guide》、《ほくちの壁》、《金属モックス》、《ライオンの瞳のダイアモンド》などでマナを増やし、7マナから《ゴブリンの放火砲》を起動して勝つというデッキである。環境最速の呼び声も高く、平均2ターンキルのデッキと言われている。
ただ、カウンターに弱く、対策にも弱いデッキなので、自分の初手と相手の手札内容で1,2ターン目には勝負は決まるおみくじのようなデッキである。
中島 「今日は今年のおみくじを引きにきた」
Game 1
先攻は長島。
中島はドローの内容次第では後手1ターン目に勝つこともできるが、リスキーな手札をマリガン。
長島もマリガン。
長島は土地を置くのみで1ターン目を終えたが、中島はおみくじデッキの名に恥じぬ後手1ターン目の展開を見せる。
《Taiga》、《ライオンの瞳のダイアモンド》、《ほくちの壁》、《水蓮の花びら》、《金属モックス》(《猿人の指導霊》刻印)、から《ゴブリンの巣穴》で10体のトークンをばらまく。
これで、長島に残された猶予はあと2ターン。
ここから長島が見せた完璧な動き。
長島
2ターン目《アルゴスの女魔術師》
3ターン目《エレファント・グラス》1ドロー
4ターン目《独房監禁》1ドロー
5ターン目《女魔術師の存在》1ドロー
6ターン目《楽園の拡散》2ドロー、《女魔術師の存在》2ドロー
7ターン目《エレファント・グラス》3ドロー、《忘却の輪》3ドロー
8ターン目《空位の玉座の印章》3ドロー
9ターン目《アルゴスの女魔術師》、《楽園の拡散》4ドロー、4/4トークン
という展開をしたところで中島が投了。
《独房監禁》と《エレファント・グラス》を両方維持しながらの展開なので、ほぼ負けることはない。
その間、おみくじデッキの中島がキャストした呪文は0。
中島 「《ゴブリンの巣穴》じゃなく《ゴブリンの放火砲》だったら後手1キルだった」
長島 1-0 中島
Game 2
中島先手
初手を見て中島長考。
《魔力変》が2枚あり、完璧に引けたら1キルの手札を悩んでキープ。
先手の中島、都合良く2枚引くリスクを犯さずに何もせずにエンド。
1ターン目に何もしない7枚をキープするのが正当化されてしまうレガシーという世界。
長島は、《森》に《楽園の拡散》で緑を宣言。
運命の2ターン目、中島のドローは既に手札にある、2枚目の《ゴブリンの放火砲》。
思わず中島「これいらねー」と呟く。
3ターン目のドローで《ほくちの壁》を引き込み、コンボをスタートさせる。
《金属モックス》(《魔力変》刻印)で1マナ、《Elvish Spirit Guide》で2マナ、《ほくちの壁》で3マナ、《魔力変》、《炎の儀式》で4マナ、《ゴブリンの放火砲》キャスト、《ライオンの瞳のダイアモンド》で《ゴブリンの放火砲》起動。
中島の残りデッキ枚数は49枚。
土地は《Taiga》1枚のみ。
《Taiga》の前に10枚めくれれば勝つので、約80%で勝てるギャンブル。
1枚、
2枚、
3枚、
4枚、
5枚、
6枚、
7枚、
8枚、
9枚、
《Taiga》!!!!!!
中島 「18点与えてエンドです・・・・・。」
おみくじデッキの中島が息を吹き返す事はなく、長島が4/4トークンの群れによって中島を介錯した。
長島 2-0 中島
試合終了後の中島の一言
中島 「今日のおみくじは大凶でした。」