現在5勝0敗1分けで勝者はベスト8が確定する重要なデュエルだ。
二人は去年のALMC(年度の関東レガシーチャンピオンを決める大会)で上位に入賞したレガシーの強豪である。
ALMCでは仙波は《冷淡なセルキー》入りのZooでベスト4、夏目は青黒フェアリーを使用してベスト8に入賞したのだが、互いに予選ラウンド、決勝ラウンド共に浅原晃にのみ負けたそうで、二人通算で4連敗を喫したらしい。浅原はプロとしては有名だが、レガシーを日常的にプレイしているわけではない。その浅原がレガシーの強豪である二人を倒したというエピソードは浅原の神通力を思わせる。
夏目はレガシーの大会に50回以上参加している根っからのレガシープレイヤーだ。ニコニコ動画にうpされている五竜杯やグランプリのマジック動画編集長でもある。
仙波はレガシー大会には10回程参加しているプレイヤーだが、先日行われたリミテッドのPTQで優勝するなど、レギュレーションを問わず幅広く活動する千葉の強豪として知られている。
仙波 「先輩の胸を借りるつもりでやります」
と、実績と年齢の共に上である仙波のボケなどもあり、和気藹々ムードでゲームスタート。
Game 1
ダイスロールで仙波が6、夏目が12で夏目の先攻。
12を出した夏目を恨むように、仙波が台をパンチ。通称「台パン」。最近のブームである。
1ターン目は互いにフェッチランドを出すのみ。
先手の夏目が2ターン目に《相殺》をキャスト。
後手2ターン目の仙波は《強迫》をキャストするのだが、夏目の手札の強さに長考。
《Force of Will》、《渦まく知識》2枚、《ロウクスの戦修道士》の中からコンボを決めにいくために《Force of Will》を捨てさせる。
3ターン目に夏目は3枚目の土地は置けずに、《タルモゴイフ》をキャスト。
返すターンで《渦まく知識》をキャストした仙波だが、《相殺》で《貴族の教主》がめくれて、うっかりカウンターされてしまう。手札に《暗黒の儀式》2枚、《陰謀団の儀式》、《陰謀団の儀式》を持っており、《相殺》でめくれるカード次第ではこのターンに《むかつき》まで繋げることができた仙波は、苦虫を噛み潰したような表情。
この《相殺》と《渦まく知識》2枚がプチ独楽バランスとして機能してしまい、思うように動けない仙波は《タルモゴイフ》にライフを削りきられてしまった。
仙波 0-1 夏目
今日はALMCと竜王杯レガシーが同日開催になってしまったために、レガシープレイヤーはどちらに行くかを選択することになってしまい、仙波は竜王杯を選んだ要素の一つとして「カバレージがあるから」と言っていた。カバレージでフューチャーマッチに呼ばれるという事は大抵のプレイヤーにとって嬉しい事だ。今回協賛の晴れる屋店主斉藤友晴は、「カバレージは多ければ多いほどいい」と言っているので、今後も晴れる屋協賛の大会では、多数のカバレージライターが投入されることであろう。
さらに、話題は枝葉に分かれていくが、齋藤 友晴がやっているトレードブースは非常に盛況で、「今度はもっとたくさんカード持ってきます」と言う方もいたくらいだ。斉藤友晴はどんな価値のないカードでもある程度の値段としてトレードを行うので、家に眠っている使わないレア等を持ってトレードに来れば、思わぬ宝に化ける可能性がある。
Game 2
《目くらまし》、《Force of Will》、《タルモゴイフ》、《ヴェンディリオン三人衆》、《渦まく知識》、土地2枚という、これ以上ないくらい強い夏目の手札。
仙波 「手札強いなー」
夏目 「よく言われます」
仙波 「田中久也さんはもっと優しい手札だったよ」
小考の後、《Force of Will》を捨てる。
夏目は島を置くのみ。
仙波の2ターン目、《強迫》、《闇の腹心》、《陰謀団の儀式》を持つ仙波はプレイ方針を悩んだ末に、《目くらまし》で《闇の腹心》を打ち消されないように、《陰謀団の儀式》から《強迫》、《闇の腹心》を展開するプランを選択。夏目は《強迫》にスタックで《渦まく知識》。
公開された夏目の手札は、《目くらまし》、《ヴェンディリオン三人衆》、《剣を鍬に》、《タルモゴイフ》、土地2枚。何を捨てても《闇の腹心》が場に残らないため、仙波の選んだ安心プランが裏目に出てしまう。
その後、夏目は《ヴェンディリオン三人衆》、《タルモゴイフ》と展開を進めていくが、仙波はその間、コンボに繋がるカードを引けずに、敗北してしまった。
仙波 0-2 夏目