皆さんこんにちは、井川です。
さて、今週末の11/28(土)には【第5期モダン神挑戦者決定戦】が控えているということで、最近の勝ち組デッキと注目のデッキ紹介をさせていただきたいと思います。
主要なアーキタイプの解説については、【第1回】の記事を参照していただければと思います。また、モダンのデッキリストやテクニックを学びたい!という方は、【モダンの達人シリーズ】もぜひご覧になってみてください。
☆ 直近のモダンイベントの勝ち組をチェック!
『戦乱のゼンディカー』発売後、日本国内では【2016年最初のプロツアーへのプロツアー地域予選 東京大会】が開催されたほか、海外では【SCG Modern Open Dallas】、【GPポルト・アレグレ】、【GPピッツバーグ】などプレミアイベントが多数開催されています。
そこで、最近好成績を残しているデッキをピックアップしていきます!
■ 呪禁オーラ/Hexproof Aura
2 《平地》 1 《森》 1 《ドライアドの東屋》 4 《寺院の庭》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《剃刀境の茂み》 4 《地平線の梢》 -土地(20)- 4 《林間隠れの斥候》 4 《ぬめるボーグル》 4 《コーの精霊の踊り手》 -クリーチャー(12)- |
3 《流刑への道》 4 《天上の鎧》 4 《怨恨》 4 《ハイエナの陰影》 4 《蜘蛛の陰影》 1 《魂の絆》 4 《夜明けの宝冠》 1 《霊魂のマントル》 3 《ひるまぬ勇気》 -呪文(28)- |
4 《神聖の力線》 3 《石のような静寂》 2 《安らかなる眠り》 2 《抑制の場》 2 《原基の印章》 1 《ガドック・ティーグ》 1 《流刑への道》 -サイドボード(15)- |
モダンで開催されたRPTQ(プロツアー地域予選)で堂々の1位通過を果たしたのは、根強い人気を誇る呪禁オーラ!!!
メインに採用されている《夜明けの宝冠》《ひるまぬ勇気》という二種の絆魂付与エンチャントのおかげで、トップメタであるバーンに高い耐性を持つのがこのデッキの最大の魅力です。
相手への妨害手段が薄いため、《精力の護符》コンボやトロンのようなデッキに対しては相性が悪いですが、中速デッキには有利に戦えるこのアーキタイプ。今後さらに目にする機会が増えそうです。
■ エスパーメンター/Esper Mentor
【第3期モダン神挑戦者決定戦】で松本 友樹がデザインし市川 ユウキを優勝に導いた、このエスパーメンターというアーキタイプ。『マジック・オリジン』『戦乱のゼンディカー』の新戦力によりさらに強化され、今回見事RPTQ突破を果たしています。
1 《平地》 1 《島》 1 《沼》 2 《神聖なる泉》 2 《神無き祭殿》 1 《湿った墓》 4 《汚染された三角州》 4 《溢れかえる岸辺》 2 《湿地の干潟》 2 《忍び寄るタール坑》 1 《乱脈な気孔》 1 《天界の列柱》 1 《大天使の霊堂》 -土地(23)- 3 《瞬唱の魔道士》 2 《ヴリンの神童、ジェイス》 3 《僧院の導師》 2 《黄金牙、タシグル》 -クリーチャー(10)- |
1 《殺戮の契約》 4 《流刑への道》 4 《思考掃き》 4 《コジレックの審問》 2 《呪文嵌め》 1 《思考囲い》 2 《差し戻し》 1 《盲信的迫害》 4 《未練ある魂》 1 《残忍な切断》 1 《ヴェールのリリアナ》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(27)- |
2 《疲弊の休息》 2 《対抗突風》 2 《機を見た援軍》 2 《石のような静寂》 1 《静寂の守り手、リンヴァーラ》 1 《思考囲い》 1 《天界の粛清》 1 《解呪》 1 《盲信的迫害》 1 《至高の評決》 1 《殴打頭蓋》 -サイドボード(15)- |
その新戦力とは、今スタンダードで大活躍中のこの2枚。
まずは《ヴリンの神童、ジェイス》。各種フェッチランドに加え、《思考囲い》《コジレックの審問》《思考掃き》《流刑への道》といったスタンダードにはない超優秀な1マナスペルの存在により、最速3ターン目には《束縛なきテレパス、ジェイス/Jace, Telepath Unbound》に変身も可能です。
そして《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》。単体でのクロックの高さ、ジャンドなど中速デッキへの強さ、そして《未練ある魂》と「紋章」のバツグンの相性の良さなど、まさにジャストフィットの1枚です。
■ ズー/Zoo
2 《森》 1 《平地》 2 《聖なる鋳造所》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《寺院の庭》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《樹木茂る山麓》 3 《乾燥台地》 1 《地平線の梢》 1 《活発な野生林》 1 《幽霊街》 1 《ケッシグの狼の地》 -土地(22)- 4 《貴族の教主》 4 《野生のナカティル》 4 《タルモゴイフ》 3 《復活の声》 2 《漁る軟泥》 2 《クァーサルの群れ魔道士》 4 《聖遺の騎士》 3 《ロクソドンの強打者》 -クリーチャー(26)- |
4 《流刑への道》 4 《稲妻》 1 《ドロモカの命令》 2 《集合した中隊》 1 《遍歴の騎士、エルズペス》 -呪文(12)- |
2 《渋面の溶岩使い》 2 《スレイベンの守護者、サリア》 2 《呪文滑り》 2 《血染めの月》 2 《ひるまぬ勇気》 1 《月の大魔術師》 1 《引き裂く流弾》 1 《古えの遺恨》 1 《石のような静寂》 1 《崇拝》 -サイドボード(15)- |
高速ビートダウンの代名詞、Zoo。《野生のナカティル》解禁直後はあまり目立った成績が残せていませんでしたが、《集合した中隊》が入ってからは好成を残しています。自分より早い《精力の護符》コンボなどに対しては不利ですが、双子やジャンドなどに対しては比較的有利に戦うことができるのが魅力。
【GPポルト・アレグレ】を席巻したこのZooですが、基本的なタイプ(ナヤタイプ)だけでなく、『戦乱のゼンディカー』から《珊瑚兜への撤退》を採用したタイプも結果を残しています。
1 《平地》 1 《森》 2 《踏み鳴らされる地》 1 《繁殖池》 1 《神聖なる泉》 1 《聖なる鋳造所》 1 《寺院の庭》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《樹木茂る山麓》 4 《乾燥台地》 1 《地平線の梢》 1 《ケッシグの狼の地》 -土地(22)- 4 《貴族の教主》 4 《野生のナカティル》 2 《極楽鳥》 4 《タルモゴイフ》 3 《クァーサルの群れ魔道士》 1 《漁る軟泥》 4 《聖遺の騎士》 4 《聖トラフトの霊》 -クリーチャー(26)- |
4 《流刑への道》 4 《稲妻》 2 《珊瑚兜への撤退》 2 《遍歴の騎士、エルズペス》 -呪文(12)- |
3 《渋面の溶岩使い》 2 《スレイベンの守護者、サリア》 2 《コーの火歩き》 2 《否認》 2 《統一された意思》 2 《引き裂く突風》 1 《クァーサルの群れ魔道士》 1 《古えの遺恨》 -サイドボード(15)- |
発売前から【MTG Just Now! vol.13 -聖遺の騎士 etc.-】や【神が選ぶ『戦乱のゼンディカー』注目カードトップ3!】でも話題に出されていた《聖遺の騎士》+《珊瑚兜への撤退》コンボを搭載した新型のZoo。
このコンボの弱みは「《珊瑚兜への撤退》が単体では機能しづらいこと」でしたが、《聖遺の騎士》がいない場合でも「土地を置くだけでブロッカーをタップして排除できる」という部分に目を付け、《聖トラフトの霊》を始めとする打点のバックアップとして機能するように作られているのが特徴的です。
■ ジェスカイ双子/Jeskai Twin
3 《島》 1 《平地》 1 《山》 3 《蒸気孔》 1 《神聖なる泉》 1 《聖なる鋳造所》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 3 《天界の列柱》 1 《滝の断崖》 1 《硫黄の滝》 -土地(23)- 4 《瞬唱の魔道士》 1 《前兆の壁》 4 《詐欺師の総督》 1 《やっかい児》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 2 《修復の天使》 1 《鏡割りのキキジキ》 -クリーチャー(14)- |
4 《血清の幻視》 4 《流刑への道》 4 《稲妻》 2 《呪文嵌め》 1 《払拭》 3 《差し戻し》 1 《電解》 1 《謎めいた命令》 3 《欠片の双子》 -呪文(23)- |
2 《払拭》 2 《機を見た援軍》 2 《血染めの月》 1 《ピア・ナラーとキラン・ナラー》 1 《嵐の神、ケラノス》 1 《天界の粛清》 1 《瞬間凍結》 1 《否認》 1 《摩耗+損耗》 1 《石のような静寂》 1 《仕組まれた爆薬》 1 《太陽の勇者、エルズペス》 -サイドボード(15)- |
モダン黎明期から活躍する《欠片の双子》コンボ。テンポ重視からコンボ偏重型まで様々なタイプがある「青赤双子」、《タルモゴイフ》が入った「ティムール双子」、《コラガンの命令》や《黄金牙、タシグル》が入った「グリクシス双子」の3種類が主流ですが、先週末に開催された【GPピッツバーグ】では白が入った「ジェスカイ双子」が見事栄冠を掴みました。
《流刑への道》《修復の天使》、そしてサイドボードの《天界の粛清》《太陽の勇者、エルズペス》のおかげでジャンド・アブザンといった「黒緑系」のデッキに対して大幅に耐性が上がっています。
「どうしてもジャンドに勝てない」とお嘆きの《欠片の双子》スキーの方は、ぜひ一度このジェスカイ双子を試してみてください!
■ 赤緑ヴァラクート/Titan Scapeshift
7 《山》 4 《森》 4 《燃えがらの林間地》 1 《踏み鳴らされる地》 4 《樹木茂る山麓》 3 《吹きさらしの荒野》 4 《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》 -土地(27)- 4 《桜族の長老》 4 《原始のタイタン》 -クリーチャー(8)- |
4 《探検》 2 《遥か見》 2 《溶岩との融和》 4 《明日への探索》 4 《風景の変容》 1 《原初の命令》 4 《カルニの心臓の探検》 4 《大祖始の遺産》 -呪文(25)- |
3 《強情なベイロス》 3 《引き裂く流弾》 3 《自然の要求》 3 《神々の憤怒》 3 《塵への崩壊》 -サイドボード(15)- |
スタンダード時代からエクステンデッド、モダンまで脈々と受け継がれる由緒正しき《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》デッキ。
《風景の変容》+《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》のために《燃えがらの林間地》が使われることは【前回】もお伝えしましたが、こちらのリストではなんと《踏み鳴らされる地》よりも《燃えがらの林間地》が優先して採用されています!!
《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》が4枚採用されているので、3ターン目にアンタップインできるかは少し不安が残りますが、《踏み鳴らされる地》よりも「痛くない」ことを優先したということでしょう。序盤の数ターンさえ生き残れば《原始のタイタン》ないし《風景の変容》で大逆転が可能なので、理にかなった採用といえると思います。
また、こちらのリストには珍しいカードが採用されています。
赤緑という色の関係上ドロースペルが乏しいためマナフラッドを起こしやすいのがこのデッキの常ですが、そこを解消するための1枚がこちら。大きな値のXでプレイすることにより、5枚目の《原始のタイタン》、5枚目の《風景の変容》として機能することでしょう。
☆ 新進気鋭のローグデッキもチェック!
見慣れたデッキ以外にも、モダンならではの斬新なデッキたちが鎬を削っています。
そこで、いくつかご紹介していきたいと思います。
■ 同盟者/Allies
『アヴァシンの帰還』で《魂の洞窟》、『基本セットマジック2015』で《戦列への復帰》、『タルキール龍紀伝』では《集合した中隊》と徐々に強くなってきた、『ゼンディカー』生まれのアグロデッキ同盟者。
最新エキスパンション『戦乱のゼンディカー』でも期待通りに新しい「同盟者」が収録され、さらにデッキが強化されました。
2 《平地》 1 《森》 2 《寺院の庭》 1 《聖なる鋳造所》 1 《踏み鳴らされる地》 4 《吹きさらしの荒野》 2 《乾燥台地》 4 《同盟者の宿営地》 4 《魂の洞窟》 1 《地平線の梢》 -土地(22)- 4 《探検隊の特使》 4 《ハーダの自由刃》 4 《カザンドゥの刃の達人》 4 《アクームの戦歌い》 4 《オラン=リーフの生き残り》 2 《コーの刃振り》 4 《カビーラの福音者》 2 《ランタンの斥候》 1 《炎套の魔道士》 -クリーチャー(29)- |
1 《戦列への復帰》 4 《集合した中隊》 4 《霊気の薬瓶》 -呪文(9)- |
3 《流刑への道》 2 《戦争の報い、禍汰奇》 2 《オンドゥの僧侶》 2 《呪文滑り》 2 《戦列への復帰》 1 《炎套の魔道士》 1 《カメレオンの巨像》 1 《石のような静寂》 1 《窒息》 -サイドボード(15)- |
新たな1マナ同盟者である《探検隊の特使》。《ハーダの自由刃》に続く1マナ域として、同盟者ではない《教区の勇者》が採用されていましたが、自身が同盟者ではないため後引きで弱かったのがネックでした。そこで現れたのが同盟者版《サバンナ・ライオン》こと《探検隊の特使》。1ターン目に出たときの打点はもちろん、後半引いても「同盟者」シナジーのトリガーとなるため、いつ引いても腐らないグッドカードです。
続いては《炎套の魔道士》。《タルモゴイフ》《黄金牙、タシグル》のような軽くてサイズの大きなクリーチャーはこれまで脅威でしたが、「威迫」をつけることにより無視して攻撃することができます。
そして新しい5色ランドである《同盟者の宿営地》。安定した展開を「痛くなく」実現でき、かつ《カビーラの福音者》のような優秀なクリーチャーを除去から守りながら再展開できるこの土地は、まさに同盟者デッキが求めていた一品です。
それ以外にも《アクームの戦歌い》と相性の良い《コーの刃振り》、ダメージレースを一瞬で崩壊させる《ランタンの斥候》など、『戦乱のゼンディカー』の同盟者が目白押し。同盟者マニアのみならず、ビートダウンが好きな方にはぜひ一度触ってほしいデッキです。
■ 白日の下に/Bring to Light
1 《平地》 1 《森》 1 《繁殖池》 1 《神無き祭殿》 1 《神聖なる泉》 1 《草むした墓》 1 《聖なる鋳造所》 1 《蒸気孔》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《寺院の庭》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《樹木茂る山麓》 1 《怒り狂う山峡》 1 《乱脈な気孔》 -土地(24)- 4 《極楽鳥》 1 《貴族の教主》 4 《水蓮のコブラ》 1 《前兆の壁》 1 《呪文滑り》 3 《聖遺の騎士》 1 《クルフィックスの狩猟者》 4 《修復の天使》 1 《鏡割りのキキジキ》 1 《雷口のヘルカイト》 1 《幽霊議員オブゼダート》 -クリーチャー(22)- |
3 《稲妻》 1 《流刑への道》 2 《召喚の調べ》 1 《未練ある魂》 3 《白日の下に》 1 《爆裂+破綻》 1 《珊瑚兜への撤退》 1 《饗宴と飢餓の剣》 1 《火と氷の剣》 -呪文(14)- |
3 《コーの火歩き》 3 《流刑への道》 2 《引き裂く突風》 1 《イゼットの静電術師》 1 《ジャディの横枝》 1 《スラーグ牙》 1 《稲妻》 1 《白日の下に》 1 《塵への崩壊》 1 《殺戮遊戯》 -サイドボード(15)- |
やりたいことやったもん勝ち!!!と言わんばかりのこのデッキ。《白日の下に》《召喚の調べ》でのシルバーバレット戦略を軸に、古今東西の強力なカードが詰め込まれています。
コントロールデッキに圧倒的な強さを誇る《幽霊議員オブゼダート》。《未練ある魂》キラーの《雷口のヘルカイト》。相手の色に合わせたプロテクションが光る《火と氷の剣》《饗宴と飢餓の剣》。分割カードのルールをうまく利用した、現代の《ハルマゲドン》である《爆裂+破綻》。
さらにはZooの項でも取り上げた《聖遺の騎士》+《珊瑚兜への撤退》コンボ、過去の《出産の殻》デッキで数多の人のライフを一瞬で吹き飛ばした《修復の天使》+《鏡割りのキキジキ》コンボなどの瞬殺コンボも盛り込んだ、モダンの自由さを最大限に生かした意欲作です。
国内ではGP神戸までスタンダードシーズンだったこともあり、モダン環境はそこまで研究が進んでないのが実情です。
自分だけのデッキやテクニックで【第5期モダン神挑戦者決定戦】を勝ち抜き、モダン神・市川 ユウキへの挑戦権を獲得しましょう!
それでは、また次のコラムで!
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