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『X火力』――
その起源は古く、『リミテッド・エディション(アルファ)』の頃から存在していた《火の玉》は、「最古のコンボデッキ」と呼ばれる『チャネル・ファイアーボール』のキーカードでもあった。
-土地(0)- -クリーチャー(0)- |
20 《火の玉》 20 《チャネル》 20 《Black Lotus》 -呪文(60)- |
カジュアルプレイヤーの間では《火の玉》と《チャネル》と《Black Lotus》を20枚ずつ入れたデッキが存在した、などという伝説もまことしやかに語られているが、ともかく魔術師がそのすべての力を注ぎ込み炎で敵を打ち払う、という場面はファンタジー世界においてはお約束だ。
そして、そんなお約束のカードだからこそ『X火力』はマジックの歴史に寄り添うように、常に環境に存在していた。「あなたにとって『X火力』と言えば?」と聞けば、十人十色の答えが返ってくることだろう。
そうだ。
『X火力』は常にスタンダード環境に存在していた。
そして、僕らの劇的な勝利の傍には、いつも『X火力』があった。
日本人初のプロツアーチャンプ・黒田 正城が、その決勝戦で最後に唱えた呪文もまた《火の玉》だったように。
さて、そろそろもったいぶるのは止すとしよう。
察しのいい方ならすでにお気づきだと思うが、4月8日(金)発売の『イニストラードを覆う影』から晴れる屋が独占プレビューでご紹介させていただく新たなる『X火力』がこの『内部着火』だ。
内部着火
(X)(赤) ソーサリー
クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。内部着火はそれにX点のダメージを与える。これによりクリーチャーにダメージが与えられたなら、ターン終了時まで、それは破壊不能を失う。そのクリーチャーがこのターンに死亡するなら、代わりにそれを追放する。
Burn from Within
(X)(R) Sorcery
Burn from Within deals X damage to target creature or player. If a creature is dealt damage this way, it loses indestructible until end of turn. If that creature would die this turn, exile it instead.
(X)(赤) ソーサリー
クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。内部着火はそれにX点のダメージを与える。これによりクリーチャーにダメージが与えられたなら、ターン終了時まで、それは破壊不能を失う。そのクリーチャーがこのターンに死亡するなら、代わりにそれを追放する。
Burn from Within
(X)(R) Sorcery
Burn from Within deals X damage to target creature or player. If a creature is dealt damage this way, it loses indestructible until end of turn. If that creature would die this turn, exile it instead.
過去の数ある『X火力』で言うならば《悪魔火》、《赤の太陽の頂点》の新たな仲間。
《悪魔火》には「暴勇」が、《赤の太陽の頂点》には”ライブラリーに加えて切りなおす”という一文が。
そして『内部着火』もまた、これらの先人たちに倣いオマケの一文として“これによりクリーチャーにダメージが与えられたなら、ターン終了時まで、それは破壊不能を失う。”というテキストが付記されている。
これまで白には《流刑への道》のような追放除去が、黒には《悪魔の布告》のような生け贄除去や《闇の掌握》のようなマイナス修正があったが、それら2色と比較すると、赤いカードではどうしても破壊不能の一文を持ったクリーチャーの対処には手を焼くことが多かった。特に構築に制限がかかる「統率者戦」などではその弱点が顕著だったことだろう。
だが、もう安心してほしい。この世に不滅のものなんてない。
これからのマジックでは、『内部着火』で破壊不能を破壊してもいいのだ。
◆ 実際に “破壊不能” を破壊してみよう
さて、そんな画期的なこのテキストがどれだけの意味を持つかは環境次第ではあるが、私が注目したいのは“ターン終了時まで、それは破壊不能を失う。”というセンテンスである。
つまり、必ずしもこの『X火力』のみによってタフネスを超過するだけのダメージを与える必要はないのである。
たとえば対戦相手の《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を前にしていても、『内部着火』で1点でもダメージを与えれば残りの9点ダメージさえ何とかできれば破壊し、あまつさえ追放することができる。
ただし、仮に戦場に《ムラガンダの印刻》がある状況で《ダークスティールのマイア》に対して『内部着火』を「X=1」で唱えた場合、状況起因処理をチェックする時点ですでに能力を失っているので《ダークスティールのマイア》は2/3になっており、『内部着火』のダメージのみでは破壊できない。
モダン以下の環境では十分に発生し得る状況なので、くれぐれも「X=3」でプレイするように心がけよう。
いつだってトップデッキして嬉しいカードといえば『X火力』と相場が決まっている。
不可能すら可能にするこのカード。これからは、『内部着火』が僕らの劇的な勝利を演出してくれることだろう。
いかがだったでしょうか?
『イニストラードを覆う影』は2016年4月8日(金)発売です。
2016年4月2~3日(土・日)には晴れる屋トーナメントセンターでプレリリースも開催されます☆
恐怖と狂気の『イニストラードを覆う影』の世界を、あなたも体験してみませんか?
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