どもども。【はま屋】のはまさんこと金川です。
だいぶ遅くなってしまいましたが、先日参加した【グランプリ・メルボルン2016】のレポートを作成したのでご覧ください。
■ デッキが決まるまで
【グランプリ・ヒューストン2016】が残念な結果に終わり、帰国後すぐに出発しなければならないこともあって、どのデッキを使おうか結構悩みました。
世間的にはエルドラージ全盛。中でも【青白エルドラージ】の安定感は抜群で、多くのプレイヤーが選択すると思われました。
青白エルドラージに勝てるデッキを!
ということで、帰国して出発までのわずかな時間の間にMagic Online (以下MO) でいくつかのデッキを試したところ、エルフデッキがぼちぼち戦えそうだと。
エルドラージデッキは総じて除去が薄いため、速いデッキでなおかつコンボがあるデッキが勝ちやすいと考えていました。
エルフデッキは《遺産のドルイド》や《エルフの大ドルイド》経由で大量のマナを出し、《背教の主導者、エズーリ》の全体強化能力で相手を倒すのが基本的な流れになります。
デッキがほぼ生物のみで構成されているため、《集合した中隊》や《召喚の調べ》を強く使え、別の勝ち筋として《群れのシャーマン》のライフルーズがあるため、《崇拝》を張られての完封負けもケアできます。
エルフデッキは1マナエルフが12体採用されていることからも分かるように、速いデッキであり、ある意味コンボ的な動きもするので青白エルドラージに有利ではないかと考えました。
ろくに検証する時間もなかったので、エルフデッキと保険の青白エルドラージを携えていざメルボルンへ。
今回は昔山梨に住んでいて、今長野にいる友達のカイザー (小林さん) と一緒に遠征。
行きの機内でカイザー相手にひたすらエルフを回してみるも、イマイチしっくりこない。
確かに勝てるムーブはあるものの、安定せずに負けてしまうパターンも多い。《集合した中隊》がスカることは確かに少ないけれど、強いカードが捲れることも少ない。
会場についてからも青白エルドラージに強そうな《レンの地の克服者》や、《裏切り者グリッサ》などを入れて回してみるも、これじゃない感が凄い。
うーむ……これはもはや青白エルドラージを使うしかないのか……。
と諦めかけていたそのとき!
【BIG MAGIC】の【くーやん (日下部 恭平) さん】から、「ラストチャンストライアルで青白エルドラージ3回倒して優勝しました!」との報告が!
※画像は【グランプリ・北九州2013公式カバレージ】より引用させていただきました。 |
これや!!!
ってことでスライディング土下座からのデッキリストをいただけることに。感謝!!!
くーやんさんが何のデッキを使ってたかというと、僕が今回使うことになるアブザンカンパニーでした。
ちなみにそれまで僕の中でのアブザンカンパニーは、《出産の殻》が禁止になり、大事なものを失った抜け殻のイメージでした (殻だけに) 。
ですが、実際に使用してみると、新しく加わった《集合した中隊》が非常に強く、先ほど書いたエルドラージに強い条件である、
という2つの項目を見事に満たしている、まさに僕が求めていたデッキでした。
その後、僕の信頼している【はま屋】のスタッフに相談し、《根の壁》の増量と《永代巡礼者、アイリ》の採用を提案してくれたので、それを受けて以下のリストでGPに参加しました。
2 《森》 1 《平地》 1 《沼》 2 《寺院の庭》 1 《草むした墓》 1 《神無き祭殿》 4 《吹きさらしの荒野》 3 《新緑の地下墓地》 2 《湿地の干潟》 2 《剃刀境の茂み》 1 《地平線の梢》 2 《ガヴォニーの居住区》 -土地(22)- 4 《極楽鳥》 2 《臓物の予見者》 3 《根の壁》 2 《シルヴォクののけ者、メリーラ》 2 《族樹の精霊、アナフェンザ》 2 《復活の声》 1 《漁る軟泥》 1 《永代巡礼者、アイリ》 1 《呪文滑り》 4 《台所の嫌がらせ屋》 3 《永遠の証人》 1 《大物狙い》 1 《異端の癒し手、リリアナ》 1 《残忍なレッドキャップ》 1 《修復の天使》 1 《叫び大口》 -クリーチャー(30)- |
4 《召喚の調べ》 4 《集合した中隊》 -呪文(8)- |
3 《流刑への道》 2 《突然の衰微》 2 《石のような静寂》 1 《戦争の報い、禍汰奇》 1 《剛胆な勇士》 1 《オルゾフの司教》 1 《罪の収集者》 1 《再利用の賢者》 1 《先頭に立つもの、アナフェンザ》 1 《静寂の守り手、リンヴァーラ》 1 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》 -サイドボード(15)- |
■ デッキの解説
● コンボについて
基本的には以下のパーツを揃えることで、無限ライフ (or 無限ダメージ) で勝ちます。
一度無限ライフまで入ってしまえば、その過程で無限「占術」が可能なので、《残忍なレッドキャップ》をライブラリーの1番上に積むことで次ターンに無限ダメージにより勝利できます。
また、《臓物の予見者》の代わりに《永代巡礼者、アイリ》を使用して、擬似的にコンボを開始させることが可能です。無限ライフとは言わないまでも、マナの分だけコンボを循環させることができます。
● メインボードの1枚差しカードについて
《永代巡礼者、アイリ》
上でも書いたようにコンボの一端を担い、さらに「接死」を持つため、ただ出すだけでもエルドラージに対して有効で、無限ライフまでいけばパーマネント追放能力も使えて非常に優秀。
《大物狙い》
まさに対エルドラージのために存在するようなカード。《難題の予見者》、《現実を砕くもの》、《希望を溺れさせるもの》などなど、倒したい敵は多数。
その他のデッキに対しては全く役に立たないこともあり、メタゲームが把握しやすいこの時期ならではのメインボード投入と言えます。
《異端の癒し手、リリアナ》
能動的にクリーチャーを生け贄に捧げられるこのデッキでは、かなり優秀。「変身」すれば墓地に落ちているコンボパーツをほぼ拾うことができ、面白い動きが可能になる1枚。
《呪文滑り》
《欠片の双子》が禁止になってメインボードに入らないのではと思われがちだけど、エルドラージの使う《変位エルドラージ》、《希望を溺れさせるもの》の能力を無効化でき、除去を無視して安全にコンボをスタートできるので重要な1枚。
《漁る軟泥》
同型、グリセルシュートなどの墓地利用系に強い1枚。なんだかんだで墓地に生物が溜まりやすいので、終盤引いても強い。
《修復の天使》
基本的に《ちらつき》して強い生物しかいないので役に立つ場面が多く、それでいて貴重な飛行の戦力。思ったより全然活躍しました。
《叫び大口》
これも対エルドラージ用の必殺兵器。「想起」で使っても強いが、実はエルドラージデッキではこの生物をブロックすることが非常に難しいため、フィニッシャーにもなりえる。
● サイドボードについて
サイドボードは主に、(1)エルドラージ、(2)親和、(3)同型の3つを意識した構成になっています。
・《剛胆な勇士》 (エルドラージ用)
・《流刑への道》 (エルドラージ用・汎用)
・《突然の衰微》 (エルドラージ用・汎用)
・《静寂の守り手、リンヴァーラ》 (同型用)
・《オルゾフの司教》 (同型・親和用)
・《戦争の報い、禍汰奇》 (親和用)
・《石のような静寂》 (親和用)
・《再利用の賢者》 (親和用・汎用)
・《罪の収集者》 (コントロール・コンボ用)
・《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》 (?)
・《流刑への道》 (エルドラージ用・汎用)
・《突然の衰微》 (エルドラージ用・汎用)
・《静寂の守り手、リンヴァーラ》 (同型用)
・《オルゾフの司教》 (同型・親和用)
・《戦争の報い、禍汰奇》 (親和用)
・《石のような静寂》 (親和用)
・《再利用の賢者》 (親和用・汎用)
・《罪の収集者》 (コントロール・コンボ用)
・《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》 (?)
実はサイドボードの最後の1枚がなかなか決まらず、結果的に前日にバイヤーブースでエルフデッキのサイドボードのために泣く泣く買った33ドルの《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》を、せっかく買ったのでという理由で採用しました。
追加の《ガヴォニーの居住区》としても強いし、長期戦にも強い!
と自分自身を説得して使ってましたが、次に大会に出るときには別のカードになっていることは間違いないです。
■ グランプリ・メルボルン2016 簡易レポート
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 1 | BYE | |
Round 2 | BYE | |
Round 3 | バントエルドラージ | 〇〇 |
Round 4 | アブザンカンパニー | 〇×〇 |
Round 5 | 親和 | 〇×〇 |
Round 6 | 青赤エルドラージ | 〇×〇 |
Round 7 | エルフ | ×〇× |
Round 8 | 青白エルドラージ | 〇〇 |
Round 9 | グリセルシュート | 〇×〇 |
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 10 | 青白エルドラージ | 〇×〇 |
Round 11 | 青白エルドラージ (齋藤 友晴さん) | 〇〇 |
Round 12 | 青白エルドラージ | 〇〇 |
Round 13 | アブザンカンパニー | ×〇× |
Round 14 | 青白エルドラージ | ×〇× |
Round 15 | 青白エルドラージ | 〇〇 |
驚異の青白エルドラージ率 (笑)
R7のエルフは、この動きが毎回できれば俺もエルフ使ったよ!と、思わず愚痴りたくなる動きを2回されてしまい負け。相手の《集合した中隊》強すぎ!
R13のアブザンカンパニー同型では、練習不足と集中力不足が原因でミスしてしまって負け。明確に相手の方が上手でした。
R14の青白エルドラージには完璧な7枚先手ムーブを2回決められて、どちらも一手足りずに負け。エルドラージ側に先手で7枚を秒でキープされると、マリガン判断めちゃ悩みますね……。
というわけで、GP自体は肝心なところで負けての12勝3敗という惜しい結果になりました。
エルドラージとの戦績は7勝1敗という上々の結果で、デッキをシェアしてくれたくーやんさんに非常に感謝してます。エルフで出なくて本当に良かった (笑)
アブザンカンパニーというデッキの強さを十分に感じることのできた2日間で、次にモダンの大会に出るとしても多分このデッキで出るんじゃないかなというぐらい楽しいデッキでした。
反省点としてはここ一番でミスすることが多かったので、集中力および体力を向上させていきたいと感じたGPでした。
切り替えて次も頑張ります!
はまさん
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