ちょっと珍しいスタンダードのデッキたち

晴れる屋

By Atsushi Ito




 『イニストラードを覆う影』の発売まで2週間を切ったということで、プレイヤー諸兄は『タルキール覇王譚』『運命再編』のカードのスタンダードにおける使いおさめを楽しんでいると思われるが、同時に今の段階から早くも『イニストラードを覆う影』後の環境を見据えてデッキを構築しているプレイヤーも存在することだろうと思う。

 そこでここでは、「ホビーステーション協賛 グランプリ・東京2016 VIPサービス争奪戦」に参加していたプレイヤーのデッキの中で、『イニストラードを覆う影』後の環境の注目アーキタイプの1つであると思われる「青黒ベースの墓地利用デッキ」を紹介しておこう。



「青黒ドレッジタッチ《死に微笑むもの、アリーシャ》
ホビーステーション協賛 グランプリ・東京2016 VIPサービス争奪戦

3 《沼》
2 《島》
1 《山》
4 《窪み渓谷》
2 《燻る湿地》
4 《血染めのぬかるみ》
4 《汚染された三角州》
2 《溢れかえる岸辺》
1 《さまよう噴気孔》
1 《ならず者の道》

-土地(24)-

2 《シディシの信者》
3 《ヴリンの神童、ジェイス》
2 《金切り声のスカーブ》
4 《墓刃の匪賊》
3 《死に微笑むもの、アリーシャ》
2 《マラキールの解放者、ドラーナ》
1 《苦痛の公使》
1 《異端の癒し手、リリアナ》
4 《つむじ風のならず者》
1 《ゲトの裏切り者、カリタス》
2 《血の儀式の司祭》

-クリーチャー(25)-
4 《屍体の攪拌》
3 《墓所の力》
1 《破滅の道》
2 《時を越えた探索》
1 《戦線突破》

-呪文(11)-
3 《強迫》
2 《光輝の炎》
2 《無限の抹消》
2 《残忍な切断》
1 《竜使いののけ者》
1 《苦痛の公使》
1 《悪行の大悪鬼》
1 《究極の価格》
1 《コラガンの命令》
1 《塵への崩壊》

-サイドボード(15)-
hareruya


墓刃の匪賊つむじ風のならず者屍体の攪拌


 鍵となっているのは《墓刃の匪賊》《つむじ風のならず者》とのシナジーで、十分量の墓地を溜めた後に《墓刃の匪賊》《つむじ風のならず者》の能力でブロック不可にすれば、対戦相手に大ダメージを叩き込むことができる。

 《ヴリンの神童、ジェイス》《金切り声のスカーブ》、そして《屍体の攪拌》を合わせれば、なかなかのスピードで墓地を溜めることができそうだ。

 このデッキの場合は《死に微笑むもの、アリーシャ》が残念ながらローテーション落ちしてしまうものの、《墓刃の匪賊》を釣り上げる役割は代わりに《異端の癒し手、リリアナ》が果たすことができる。

 《墓刃の匪賊》を使ったデッキは過去にも【デッキウォッチング】で紹介したこともあるくらいで、『マジック・オリジン』の発売当初から様々なデッキで活用が試みられてきたが、これまではそのポテンシャルが花開くことはなかった。




 しかし昨晩発表された【『イニストラードを覆う影』のカードリスト】を見る限り、「青黒墓地利用デッキ」にはかなりの可能性が感じられる。


ヴリンの神童、ジェイス異端の癒し手、リリアナ


 何より《ヴリンの神童、ジェイス》《異端の癒し手、リリアナ》という、次代のエースを担いそうなプレインズウォーカーはどちらも墓地を積極的に利用するカードなのだ。

 《墓刃の匪賊》《つむじ風のならず者》によるフィニッシュは、『イニストラードを覆う影』後の新環境におけるフィニッシュ手段として、記憶に留めておく価値があるかもしれない。



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