「だらだらクソデッキ」
ここでは
どんなデッキを作っても
許される
紹介しよう。
伊藤敦。いや、まつがんと呼んだ方が通りがよいか。
彼は、ゼウスを目指し、クソデッキを作り続けることで
ある能力に覚醒した。
「だらだらクソデッキ(グレイト・クソデッカー)」
創りだしたクソデッキに応じた能力を手に入れることができる
(クソデッキを創り続けるメンタルさえあれば)最強の能力に覚醒した。
この能力で。
ゼウスを、そして、その楽園(エデン)を、K.I.(クソデッキ・アイランド)へと。
だが、そのために必要なクソデッキが作れない。
誰でも知っているカードでは、誰も知らないクソデッキは作れない。
そんな悩みを抱くまつがんの元へ、謎の4行詩が3編送られてきたのは
5月8日のことだった。
全員揃うのはまだ先で
宴の前の宴に興じよう
すべての企業が集まり
配信されし戦いがある
久しぶりすぎるこの地で
とんでもない人数が揃う
理詰めで戦うものが集い
デッキで戦うものが集う
いくなら東がいい
いくなら西の北がいい
のこるはまだ見ていない場所
だれも見たことのない世界に1枚のカードがそこに
まつがん 「この符合……!!」
常人であれば、自分に酔いすぎた謎の文章としか受け取れないこの詩から
まつがんは、意味を見出す。
どだい、無意味から意味を見出さなければクソデッキなど作れないのだ。
これが、暗黒時代を生き抜いた男の知恵。
これが、「黒世代の覇王譚(ティムール・ニュー・ジェネレーション)」!
まつがん 「まず、ひとつ目の詩。全員集まる前の宴で、企業があつまり配信されるといえば、企業対抗戦!」
まつがん 「そして、ふたつ目の詩。久々の場で多くの人が、理詰めのプレイとデッキで戦う場……それはグランプリ・東京16に間違いない!」
まつがん 「この3つの詩は、この週末のイベントに1日ずつ対応しているのだ……!つまり、みっつ目の詩が指し示すのは、今日、5月8日……行くなら東、つまり、グランプリ・東京16に向かえば……見たことのない世界に1枚のカードに出会える……ゼウスになれる!」
まつがん 「ここが、グランプリ・東京16の会場か……2行目の西の文字に気が付かなければ、西ホールではなく、東ホールへ行ってしまうところだった……」
東ホールへ行っていれば、幸せだったという結末を、まつがんはまだしらない。
しかし、この広い会場でまつがんはどうやって、世界にひとつのカードを探すのか。
まつがん 「なにか手掛かりがあれば……」
1000円払って手掛かりを手に入れたが、何も閃かない。
まつがん 「これは、あの技を使うしかないな……」
まつがん 「『龍でもなんでもない龍紀伝(バトルワーム)』」
説明しよう!!
『龍でもなんでもない龍紀伝(バトルワーム)』とは、一旦落ち着いて考えることで、普通に見落としていたことに気がつく、技でもなんでもない技だ!
強いて言えば、レアなカードのオーラを感じられる気分になれるぞ!
まつがん 「そうか!カードのことだから、バイヤーブースに向かえば!」
当たり前のことに気がついて、当たり前の行動をとるまつがん。
そう、当たり前のことに気がつくのは何よりも大切なのだ!!!
まつがんがまず向かったのは、晴れる屋。
まつがん 「すいませーん、超レアなカード、ないですか……」
店員 「これなんて、レアなことで有名ですよね」
これは……パワー9!!
パワー9とは、α版の時代からある、9枚の強力カードの通称。
5種類のモックス
《Ancestral Recall》
《Time Walk》
《Timetwister》
そして《Black Lotus》のことだ。
まつがん 「これは……たしかに強力で、レアなカードだが……クソデッキの念(オーラ)を感じない……このカードはお返ししよう……」
店員 「(何言ってんだ、この人……)」
まつがん 「……この、オーラは……超レアなカードのオーラを感じるぞ!」
まつがん 「こ、これは!!」
《Splendid Genesis》!!
まつがん 「ゲーム中にプレイヤーを増やすとは……これは見たことのないクソデッキを作れる予感!!これが世界に1枚しかないカードのはず!」
店員 「いや、100枚はあるという話ですが……」
……が、ダメ!!
続いてまつがんが向かったのは、東京MTG。
まつがん 「……この、オーラは……超レアなカードのオーラを感じるぞ!」
まつがん 「こ、これは!!」
黒枠Foilテスト版の《適者生存》
まつがん 「クソコンボにサーチカードは必須。普通の《適者生存》では(強すぎて)使う気にならないが、このカードなら……!これが世界に1枚しかないカードのはず!」
店員 「いや、1枚ってことはないですよ……」
……が、ダメ!!
続いて、まつがんがむかったのは、ENNDAL GAMES。
まつがん 「……この、オーラは……超レアなカードのオーラを感じるぞ!」
まつがん 「こ、これは!!」
M15テストプリント!!
まつがん 「これは……自由にテキストを考えていいというメッセージか……!つまり、理想のクソデッキが!?これが世界に1枚しかないカードのはず!」
店員 「いや、1枚ってことはないですよ……」
……が、ダメ!!
そもそも、オリカでクソデッキを作ろうというメンタルがダメ!!
続いて、まつがんがむかったのは、BIG MAGIC。
まつがん 「……この、オーラは……超レアなカードのオーラを感じるぞ!」
まつがん 「こ、これは!!」
《Phoenix Heart》!!
まつがん 「これは……なんともコメントがしにくいが!?これが世界に1枚しかないカードのはず!」
店員 「いや、とりあえず、3枚は確認されてます……詳しくは僕の記事を読んでください」
まつがん 「世界に1枚のカードは……オレがゼウスになるために必要な世界に1枚のカードはどこだ!?」
その後、お気に入りのダイスを見つけたり
お気に入りの女の子をみつけたまつがんだったが
世界に1枚のカードは見つからない。
まつがん 「クソデッキを創りつつも、カバレージライターをやってきたオレにとって、サイドイベントで毎回バイヤーブースを紹介してきたオレにとって、バイヤーブースはよく知る場所、いわば、よーく知るシティなのに、なぜ、世界に1枚のカードが見つからないんだ!」
まつがん 「今回のよーく知るシティは、今まで以上にレアカード満載で、見てるだけでも楽しい場所だからついでに、レアなカードを紹介できたのはラッキーだったけど、オレの念 (クソデッキ) を完成させる世界に1枚のカードはどこに……」
まつがん 「とはいえ、レアなカードは見るだけでも楽しい……クソデッキの源は楽しさ……次回以降のグランプリでも、ぜひ、よーく知るシティの皆さんにはレア物を展示して欲しいし、参加者には、よーく知るシティを見てほしいぜ……」
最後に、ダダダダダとまとめに入ったかに見えるまつがん。
だが、みっつ目の詩の謎は、解かれていない。
いくなら東がいい
いくなら西の北がいい
のこるはまだ見ていない場所
だれも見たことのない世界に1枚カードがそこに
そして、この詩に隠された真の警告にも。
【5月8日(2)】へ続く……
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