『エターナルマスターズ』先行プレビューカード《ミシュラの工廠》公開!

晴れる屋メディアチーム

By Hiroshi Okubo



 クリーチャー化する土地――


変わり谷樹上の村乱脈な気孔


 例として3枚のカード画像を並べたが、これ以外にも《天界の列柱》《ちらつき蛾の生息地》など、同様の性質をもった土地カードは枚挙に暇がない。これらとはやや性質は異なるが、《隠れ石》《ナントゥーコの僧院》もこの仲間と言える。

 普段は土地としてマナを供給しながら、ゲームを決めうる戦力となり、いざとなればブロッカーにもなる。おまけに性質上ソーサリータイミングでの除去にも強い。そして、これだけ多機能でありながら呪文のスロットを圧迫することなく採用できるスマートさも魅力的だ。

 これらの強力なカード郡は当然トーナメントシーンでも活躍が見られ、スタンダードはもちろんモダンやレガシー、ヴィンテージでも使用されている。レガシーやヴィンテージでは『ランドスティル』と呼ばれる勝ち手段がほとんどこれらの土地しかないというアーキタイプも存在しているほどだ。


フェアリーの集会場行き詰まり


 そして、これらのクリーチャー化する土地が“ミシュラランド”という俗称で呼ばれていることはみなさんご存知のことだろう。

 国内外問わずあまりにも広く浸透しているため、マジックを始めたばかりというプレイヤーでも、(その呼び名の由来は知らずとも)ミシュラランドと言われれば「ああ、《風切る泥沼》《さまよう噴気孔》みたいな土地のことね」とピンとくるはずだ。


 では、なぜこれらのカードがミシュラランドと呼ばれるのか?


 それはこれらの「クリーチャー化する土地」の元祖が、《ミシュラの工廠》というカードであったからに他ならない。


ミシュラの工廠ミシュラの工廠ミシュラの工廠ミシュラの工廠


 今から22年前、『アンティキティー』で初めて収録されたこれらのカードは全てのミシュラランドの祖であり、その名の由来ともなった存在だ。また、この『アンティキティー』版だけでイラスト違いのバリエーションが4種類存在している。これは、当時WotCがコレクター向けカードとして試験的にイラスト違いのカードを収録したことによる。(※1)

 かつてドミナリア次元にて、古代のアーティファクトに起因する対立から若きウルザとその弟・ミシュラが長きに渡り争った「兄弟戦争」。その戦時のミシュラの工廠の様子が描かれたものと思われるイラストでは、春夏秋冬の変化が見て取れる。季節が移ろう中、絶え間なく伸びる煙突の煙は年間を通して収まることのない戦火の激しさを物語るようだ。


(※1:プレイヤーの混乱を招くという理由から、現在ではプロモーションカードや再録カード、および基本土地と《荒地》などの例外を除いて廃止されている。ソースは【こちら(英語)】)


 気になるカードとしての性能も、歴代ミシュラランドの中でもトップクラスの性能を誇る。


《ミシュラの工廠/Mishra’s Factory》
(T):あなたのマナ・プールに(◇)を加える。
(1):ターン終了時まで、ミシュラの工廠は2/2の組立作業員(Assembly-Worker)アーティファクト・クリーチャーになる。それは土地でもある。
(T):組立作業員クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+1/+1の修整を受ける。

(T): Add (1) to your mana pool.
(1): Mishra’s Factory becomes a 2/2 Assembly-Worker artifact creature until end of turn. It’s still a land.
(T): Target Assembly-Worker creature gets +1/+1 until end of turn.


 まず目を引くのはそのクリーチャー化する起動型能力のコストだ。わずか1マナで2/2のクリーチャーとして運用できるというのは、マナレシオ面から見ても非常に優れている(※出したそのターンには攻撃できない点に注意。詳しくは【MTG Wiki: 召喚酔い(1.1)クリーチャーでないパーマネントがクリーチャーになった時】を参照)

 次の“組立作業員クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+1/+1の修整を受ける。”という起動型能力も見逃せない。《ミシュラの工廠》が2枚並んでいればクリーチャー化した方の《ミシュラの工廠》を強化できる、という点はもちろんだが、それに加えてクリーチャー化した《ミシュラの工廠》自身を強化することもできるのだ。

 対戦相手の2/2などが不用意に攻撃してきた際に《ミシュラの工廠》をクリーチャー化し、ブロック後に自身を対象にこの能力を起動することで打ち取ることができる、というテクニックである。これにより、ブロッカーとしては基本的に3/3として機能する。

 さらに、これだけのハイスペックなカードでありながらアンタップインの土地であるという点も見逃せない。無色マナしか出すことができないというデメリットはあるが、テンポの損失なくマナを伸ばせるのはそんな弱点を補って余りある強みだ。


ミシュラの工廠


 『第4版』で再録され、その際に日本語名が与えられたが、その後は“強すぎるから”という理由で通常セットで再録されることはなかった。それもそのはず、マジック史上初めて開催された「プロツアー・ニューヨーク1996」ではトップ8のうち6名《ミシュラの工廠》をデッキに入れていた。


※画像は【MAGIC: THE GATHERING 英語公式ウェブサイト】より引用させていただきました。


 1996年といえば、インターネット先進国であるアメリカでさえインターネットの人口普及率は20%前後だった(※2)ような頃だ。当時はそもそもマジック:ザ・ギャザリングの公式ウェブサイトすら存在しておらず、当然情報の伝播速度も現代とは比較にならないほど遅かった。今のように誰もが簡単に強いカードやデッキリストの情報を共有できる、というわけもない。

 そんな時代背景を鑑みるに、その採用率の高さはまさしく誰がどう見ても強いカードだったことの証左だったと言えるし、《ミシュラの工廠》の圧倒的な強さを物語っているエピソードの一つに数えられるだろう。


(※2:参考:ピュー研究センターの【Digital differences】より)


ミシュラの工廠


 さて、先ほど“通常セットで再録されることはなかった”と述べたが、実は特殊セットでは一度だけ再録されたことがある。その収録セットというのが『デュエルデッキ:エルズぺスVSテゼレット』だ。


※画像は【MAGIC: THE GATHERING 英語公式ウェブサイト】より引用させていただきました。


 旧《ミシュラの工廠》と一転してより工廠の内部(?)的な雰囲気のアートとなっており、この新アートを手掛けたアーティストのScott Chou氏はこの他にも《かごの中の太陽》《解放の天使》など、数々の美麗なカードイラストを描いている。

 また、この『デュエルデッキ』版は新枠として初めて収録された《ミシュラの工廠》でもあり、新枠ファンにとっては待望の再録だったといえる。

 惜しむらくは、本セットが英語版、フランス語版、ドイツ語版、イタリア語版、スペイン語版のみの発売で日本語版が存在しないことである。せっかくの新イラスト、新枠のカードということもあって、可能な限りデッキ内のカードを日本語版で統一したいというこだわり派のプレイヤーは少し悔しい思いをしたかもしれない。



 だが今日(こんにち)、多くのプレイヤーに愛されてきた《ミシュラの工廠》が、初めて収録された『アンティキティー』発売より22年と3ヵ月の月日を経て――



 2016年6月10日発売予定の新セット『エターナルマスターズ』に、満を持して再録される。






 今回の再録の最大の注目ポイントといえば、ついに日本語版の《ミシュラの工廠》光らせることができるということだろう。これまで『アンティキティー』、『第4版』、『デュエルデッキ』で三度の収録を経てきたカードではあったが、ジャッジ褒賞以外でプロモ化もされていなかったことから未だに日本語版のFoilは手に入らなかった。

 それが今回『エターナルマスターズ』で再録されたことで、日本語版Foilの《ミシュラの工廠》が入手できるようになるのだ。コレクターにとって垂涎の品であることは言うまでもない。


 もちろん新枠《ミシュラの工廠》日本語版が手に入るチャンスという点も見逃せない。というよりも、現在(2016年5月25日現在)のところ『エターナルマスターズ』に収録されるもの以外で《ミシュラの工廠》・新枠・日本語版」は存在しないのだから、超貴重な機会である。


 すでにエターナル環境でゲームをプレイしている方はもちろん、これからエターナルをプレイしてみようかな、と考えているプレイヤーもぜひこの機会に“ミシュラランドの原点”に触れてみていただきたい。





 いかがだったでしょうか?

 『エターナルマスターズ』2016年6月10日(金)発売です。




 2016年6月12日()には『エターナルマスターズ発売記念休日晴れる屋杯』、6月19日()には『エターナルマスターズ発売記念晴れる屋シールド』が開催されます。6月に開催される大会情報の詳細は【こちら】をご覧ください!

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