みなさん、こんにちは。
6月18日/19日に、世界各国で「ワールド・マジック・カップ2016予選」が開催されました。フランスの開催地は、Rapahel Levyが2013年にフランスチームのキャプテンとして【ワールド・マジック・カップ2013】を制したトゥールーズでした。
私はこの大会に対して非常に高いモチベーションを持っていました。キャプテンになるであろうRaphael Levy、またはPierre Dagenと共に、フランスを代表して「ワールド・マジック・カップ2016」に参加できるチャンスと考えると、気持ちの高ぶりを抑えることができませんでした。
■ 準備
今大会に向けて、フランスの若手プレイヤーであるJulien Henryとパリで練習を行いました。彼は【グランプリ・マンチェスター2016】でトップ8に進出し、決勝戦でRaphael Levyに敗れてしまったプレイヤーです。
世界中で開催されたいくつかのスタンダードグランプリの結果を受け、依然として白緑トークンは最高のデッキであり、私たちはそれに対して何かしらの解答を用意する必要があることが判明しました。直近のふたつのグランプリでは、白緑トークンはトップ8に7名を輩出し、両大会で栄冠を勝ち取っています。
【グランプリ・マンチェスター2016】 1) 白緑トークン 2) バントカンパニー 3) 白緑トークン 4) グリクシスコントロール 5) バント《謎の石の儀式》 6) 青赤《ウラモグ》コントロール 7) 白緑トークン 8) バントカンパニー |
【グランプリ・コスタリカ2016】 1) 白緑トークン 2) ナヤプレインズウォーカーズ 3) バント人間カンパニー 4) 白緑トークン 5) バントカンパニー 6) 白緑トークン 7) 白黒コントロール 8) 白緑トークン |
私はJulienに「おそらくバント人間カンパニーは良い選択だろう」と伝えました。白緑トークンの《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》と《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を対処するためには、可能な限り攻撃的に動く必要があるからです。
グランプリに向けた練習期間中に、私はバント人間カンパニーを使って一度たりとも白緑トークンに負けませんでした。また、デッキを交換して白緑トークンで大会に参加してみたところ、白緑トークンでバント人間カンパニーに一度も勝つことができませんでした。
そこで私たちは、渡辺 雄也選手の使用したリストを元に、3枚の《変位エルドラージ》のためにマナベースを変更 (《荒地》1枚、《進化する未開地》×4、《ヤヴィマヤの沿岸》×4) したリストを選択することにしました。
《変位エルドラージ》は、《反射魔道士》と組み合わせて対戦相手の脅威を凌ぐことも、《サリアの副官》と組み合わせて自軍を成長させることもできます。また、対処法が限られた《搭載歩行機械》や《大天使アヴァシン》といったカードに対しても頼りになりますし、大量に土地が並んだゲーム終盤での強さは特筆に値します。
バント人間カンパニーはとても能動的で攻撃的なデッキですが、《スレイベンの検査官》、《薄暮見の徴募兵》、《不屈の追跡者》などアドバンテージを得る手段が豊富で、いわゆる「オールイン」タイプのデッキではないのが好印象です。
そして、このデッキは《衰滅》や《炎呼び、チャンドラ》に対して十分に戦える構成になっています。《集合した中隊》は全体除去直後のリカバリーに最適ですし、時には《サリアの副官》のタフネスを5以上にあげて生存させることもあるでしょう。
5 《平地》 2 《森》 1 《島》 1 《荒地》 3 《梢の眺望》 1 《大草原の川》 4 《進化する未開地》 4 《要塞化した村》 4 《ヤヴィマヤの沿岸》 -土地 (25)- 3 《スレイベンの検査官》 4 《サリアの副官》 4 《薄暮見の徴募兵》 4 《ラムホルトの平和主義者》 4 《反射魔道士》 4 《不屈の追跡者》 3 《変位エルドラージ》 -クリーチャー (26)- |
4 《ドロモカの命令》 4 《集合した中隊》 1 《オジュタイの命令》 -呪文 (9)- |
4 《否認》 3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 3 《悲劇的な傲慢》 2 《棲み家の防御者》 1 《死者を冒涜するもの》 1 《現実を砕くもの》 1 《石の宣告》 -サイドボード (15)- |
私はメインボードの構成にはとても満足していて、何も変更を加えようと思いません。しかしながら、サイドボードの数枚には改善の余地があります。
《否認》×4、《石の宣告》×1、《棲み家の防御者》×2、《悲劇的な傲慢》×2 (3枚目に関しては確信が持てていません) はとても有能でしたが、その他のカードに関してはおそらく再考が必要です。
《死者を冒涜するもの》はバント人間カンパニーが苦手とする黒緑ハスクに対してのみ効果的なので、黒緑ハスクがいると予想するなら入れておいてもいいでしょう。《グリフの加護》も検討に値します。
《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》はコントロールデッキに対して強力なカードですが、《集合した中隊》を使用する際にはデッキに含まれるクリーチャーの数を意識しなければいけません。そのため、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》は2枚で十分だと考えています。
《現実を砕くもの》は準々決勝の赤緑トークン戦で私に勝利をもたらしてくれたものの、このカードをサイドインしたのはその1戦のみでした。
以上を踏まえ、私が考案する新サイドボードはこのようになります。
■ サイドボーディング
● 白黒コントロール
OUT
4 《ドロモカの命令》
3 《変位エルドラージ》
2 《ラムホルトの平和主義者》
1 《反射魔道士》
1 《オジュタイの命令》
IN
4 《否認》
3 《棲み家の防御者》
2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
1 《巨森の予見者、ニッサ》
1 《現実を砕くもの》
OUT
4 《ドロモカの命令》
3 《変位エルドラージ》
2 《ラムホルトの平和主義者》
1 《反射魔道士》
1 《オジュタイの命令》
IN
4 《否認》
3 《棲み家の防御者》
2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
1 《巨森の予見者、ニッサ》
1 《現実を砕くもの》
● 青単プリズン
OUT
3 《不屈の追跡者》
3 《変位エルドラージ》
2 《反射魔道士》
1 《集合した中隊》
1 《オジュタイの命令》
IN
4 《否認》
3 《棲み家の防御者》
2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
1 《巨森の予見者、ニッサ》
OUT
3 《不屈の追跡者》
3 《変位エルドラージ》
2 《反射魔道士》
1 《集合した中隊》
1 《オジュタイの命令》
IN
4 《否認》
3 《棲み家の防御者》
2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
1 《巨森の予見者、ニッサ》
■ ワールド・マジック・カップ2016 トゥールーズ予選レポート
私は考えうる中で最悪のスタートを切りました……。1回戦で白緑トークンに負けてしまったんです!
1本はメインボードの《龍王ドロモカ》に敗れ、もう1本は3体の《反射魔道士》しかいない状況で《大天使アヴァシン》に負けてしまいました。バント人間カンパニーはトークンやプレインズウォーカーに対しては強いものの、大型飛行クリーチャーに対してはそれほどでもありません。《保護者、リンヴァーラ》も同様に大きな問題です。
先ほどもお伝えしたように、このデッキは《集合した中隊》のヒット率を上げるために、3マナ以下のクリーチャー数を常に高く保つ必要があります。ですが、私は白緑トークンに対してのみこのルールを無視することにしています。なぜならば、このマッチアップで引きたいカードは《ドロモカの命令》と《否認》であり、それらを1枚たりともサイドボードに残しておきたくはないからです。
この大会中には、3ターン目に「《サリアの副官》か《ドロモカの命令》をキャストして《ラムホルトの平和主義者》で攻撃する」か、それとも「《不屈の追跡者》をキャストするか」という選択を強いられることが多々ありましたが、私は常に《不屈の追跡者》を選択しました。なぜならば、4ターン目に《不屈の追跡者》から《手掛かり・トークン》を出す動きよりも、4ターン目に2マナ圏のクリーチャーをキャストしつつ《ドロモカの命令》を構える展開の方が優れているからです。
マナカーブ通りに展開することはより重要で、《ドロモカの命令》や《反射魔道士》、《サリアの副官》を温存しておくことも鍵になります。
■ 結果
85名のプレイヤーが集結しました。私とJulien Henry、そしてLouis Deltourが先ほどのバント人間カンパニーを使用し、それぞれ1位/9位/5位で大会を終えました。私たちの合計成績は18勝5敗 (1敗はミラーマッチによるもの) で、勝率は78%でした!
トップ8に残った面々。左から、Jeremy Dezani(バント人間カンパニー)、Rapahel Levy(白緑トークン)、Alain Bardini(白緑ミッドレンジ)、Eliott Boussaud(青単プリズン)、Cedric Merlet(白赤エルドラージ)、Louis Deltour(バント人間カンパニー)、Thierry Ramboa(赤緑トークン)、Loic Le Briand(白単人間)。
トップ8には、合計で40回のグランプリトップ8を記録し、そして今年だけで131点ものプロポイントを稼いでいる強力な8人が揃いました。
ひとつめのワールド・マジック・カップ予選で優勝できたことをとても嬉しく思います。この勝利のおかげで、すでに来季に向けて良いスタートが切れましたし、母国のために戦うことはいつだって光栄なことです。
なお、この週末はRaphaelの家に泊めてもらったのですが、そこでたくさんのトロフィーを目にしました。しかしながら、その中で最もすばらしいトロフィーはこれをおいて他にないでしょう。 (特にこの週末においては)
私自身もこのトロフィーを掴み取れるよう夢見ています。
もしも私が大会に参加するのであれば、間違いなく再びこのデッキを使用します。バント人間カンパニーは使用していて非常に興味深い試合が多かったですし、私はこのデッキを本当に信頼しています。
みなさんが私と同じようにこのデッキを楽しみ、同様の成功を収められるように願っています!
Jeremy Dezani,
Hareruya Pros
この記事内で掲載されたカード
Twitterでつぶやく
Facebookでシェアする