高橋優太の『異界月』環境考察 -新バントカンパニー-

高橋 優太

各地の大会結果は、新環境のスタンダードを語る上では外せない。

特に【Star City Games】が開催しているSCGOは今後のメタゲームの指針となる。

ここから環境初期のスタンダードを読み解く!



■ 「帝王はこのバントカンパニーだッ!依然変わりなくッ!」

2016年7月24-25日

【SCGO Columbus】

優勝:バントカンパニー


無私の霊魂呪文捕らえ異端聖戦士、サリア


「緑白トークン」と共に旧環境の覇者であった「バントカンパニー」が、《無私の霊魂》《呪文捕らえ》《異端聖戦士、サリア》を得てさらに強力になった。

「緑白トークン」が『異界月』から得たものが少ないこともあり、強いデッキがさらに強くなるという顛末だ。

トップ64を見ても、実に64人中22人がバントカンパニーで、このデッキの支配力を表している。


■ バントカンパニーの変化点



Devin Koepke「バントカンパニー」
SCG Standard Open(1位)

5 《平地》
3 《森》
1 《島》
4 《大草原の川》
3 《梢の眺望》
4 《進化する未開地》
3 《ヤヴィマヤの沿岸》
2 《伐採地の滝》

-土地 (25)-

4 《無私の霊魂》
4 《森の代言者》
3 《薄暮見の徴募兵》
4 《反射魔道士》
4 《呪文捕らえ》
3 《異端聖戦士、サリア》
3 《不屈の追跡者》
2 《大天使アヴァシン》

-クリーチャー (27)-
4 《集合した中隊》
4 《ドロモカの命令》

-呪文 (8)-
3 《ラムホルトの平和主義者》
2 《巨森の予見者、ニッサ》
2 《否認》
2 《オジュタイの命令》
2 《石の宣告》
2 《悲劇的な傲慢》
1 《不屈の追跡者》
1 《次元の激高》

-サイドボード (15)-
hareruya


優勝デッキが2マナ域に《無私の霊魂》を採用しているのは、除去に弱い《呪文捕らえ》《異端聖戦士、サリア》を守るためだ


無私の霊魂大天使アヴァシン


《大天使アヴァシン》を任意で「変身」させられるギミックもある。


ヴリンの神童、ジェイス


かつては標準だった《ヴリンの神童、ジェイス》0-2枚に減少し、トップ64のほとんどのリストが《無私の霊魂》《薄暮見の徴募兵》《ラムホルトの平和主義者》になっている。

環境がより高速化したため、序盤の攻防に出遅れるジェイスよりもクロックを出した方が良い、という判断なのだろう。

《呪文捕らえ》のおかげで3ターン目をパスすることが非常に多くなったので、それらと相性の良い狼男の出番と言うわけだ。


跳ねる混成体


《呪文捕らえ》に加えて《跳ねる混成体》を採用しているリストもあり、「2ターン目狼男+瞬速クリーチャー」というのはこれからの定番になるかも知れない。

もともとインスタントタイミングでの選択肢が多いデッキなので、対戦相手からしたらやりづらいことこの上ない



《変位エルドラージ》型の減少


変位エルドラージ


《異端聖戦士、サリア》《呪文捕らえ》という単体で強力な3マナ域を得たことにより、《変位エルドラージ》型はほとんど見なくなった。

もともと《荒地》がマナベースに負担をかけていたし、《ヴリンの神童、ジェイス》を抜いてマナベースを白に寄せることで色事故率を減らしたリストが多い。青白緑均等というよりは白緑タッチ青に近い。



■ バントカンパニー攻略の鍵


● 自分も《薄暮見の徴募兵》《ラムホルトの平和主義者》を使う


薄暮見の徴募兵ラムホルトの平和主義者


《呪文捕らえ》《集合した中隊》といった構えるカードにデメリットを与えるためにも、自分も狼男を使う。



● 基本地形多目のマナベース

先手の《異端聖戦士、サリア》は圧倒的だ

これを出された後に《進化する未開地》を引くと2回もタップインしてしまう。


異端聖戦士、サリア


サリアで1ターン飛んでしまうことをなるべく避けたいので、基本地形が《進化する未開地》含めても12枚程度欲しい



《闇の掌握》

《呪文捕らえ》に屈しないためにはインスタントの軽い除去が必要だ。

《無私の霊魂》で守られないためにも、マイナス修正の除去が望ましい。


闇の掌握最後の望み、リリアナ衰滅


《闇の掌握》《最後の望み、リリアナ》《衰滅》というラインがバントカンパニー攻略の糸口になるのではないかと考えている。


ではまた。

高橋優太



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