生粋の「バント(白青緑)」使い、小平 善孝(東京)。
【ヴィンテージでも《珊瑚兜への撤退》を使ったバントデッキ】を使うほどのバント狂信者である彼は今日、宗旨替えをしたのか青白デッキを持ち込み上位卓へと進出していた。
ゲームの様子を見てみると、戦場に並んでいるのは《呪文捕らえ》、《霊廟の放浪者》といった『異界月』のスピリットたち。一瞬スタンダードのデッキかと勘違いをしてしまいそうなラインナップである。
これらのスピリットを採用した「白青《石鍛冶の神秘家》」デッキは【週刊デッキウォッチング vol.80】でも取り上げられていたが、本大会でも第4ラウンド終了時点で4-0という好成績を残している。その実力に疑いの余地はないだろう。
飛行クロック+《火と氷の剣》で「エルフ」を薙ぎ払い、華麗に勝利を収めた小平にさっそく話を伺うことにした。
--「早速ですが、この『白青スピリット』を作成された経緯について教えてください」
小平 「もともと《聖トラフトの霊》が好きなので、『イニストラードを覆う影』で《鎖鳴らし》が出たときから夢見ていたアーキタイプでした。そのあと『異界月』で《霊廟の放浪者》と《呪文捕らえ》が追加されて、いよいよデッキになりそうだったので【秋山くんと一緒にデッキを考えました】」
--「小平さんというと【いつもバントカラーのデッキを使用されている印象】でしたが、このデッキは青白のみですか?」
小平 「そうですね。クロックを速めるためのタッチ緑や、対『白青奇跡』用にタッチ赤で《赤霊破》などを入れた形も試したのですが、こちらが《魂の洞窟》を採用していることもあって、上手な『白青奇跡』使いはサイドボード後に《相殺》を減らしてくるんですよね」
VS. |
小平 「すると《赤霊破》をプレイしたいタイミングも減り、《精神を刻む者、ジェイス》などには《対抗呪文》のようなヘビーカウンターで対応できるようになるので2色に落ち着きました」
--「しかし、デッキ自体は細そうに見えます。たとえばレガシーには《秘密を掘り下げる者》や《真の名の宿敵》といったクリーチャーもいますが、それらのクリーチャーと比較してこのデッキのスピリットたちが優位な点はどこでしょうか?」
小平 「瞬速と呪禁、そして《霊廟の放浪者》の存在が大きいですね。瞬速はフェアデッキ相手に計算を狂わせることができて、プレインズウォーカーの対処も容易になります。呪禁のおかげで《罰する火》や《突然の衰微》のような除去にも強く、《霊廟の放浪者》はコンボデッキ相手の牽制にもなりますね。あとは《石鍛冶の神秘家》がクロックの細さを補ってくれます」
--「なるほど、たしかに瞬速でクリーチャーを展開できるのは《ヴェールのリリアナ》のようなプレインズウォーカーにも強そうですね。次にサイドボードについて、特にこれが強い!というものがあれば教えてください」
小平 「一番は《Moat》ですね。これがあるとないとではエルドラージやジャンドとのマッチアップはかなり変わってきます。さすがに高いカードだけあって《僧院の導師》や《タルモゴイフ》、《真の名の宿敵》といったクリーチャーも軒並み止まるので、見かけ以上に様々なデッキ相手にサイドインすることができます」
小平 「なので、サイド後は《聖トラフトの霊》と《Moat》、《ヴェンディリオン三人衆》を入れかえて飛行ビートになることも多いです。さすがの《聖トラフトの霊》も地上にブロッカーを用意されると弱いので……」
--「地上を止めて空から殴る、といった感じですね。最後に、環境の大本命である『白青奇跡』に対してはどのように戦えばいいのでしょうか?」
小平 「《カラカス》と《魂の洞窟》が揃えばあとは《聖トラフトの霊》が無双してくれますね。このために《カラカス》を2枚に増やしています」
--「ありがとうございました。この後も頑張ってください!」
3 《島》 1 《平地》 3 《Tundra》 4 《溢れかえる岸辺》 2 《霧深い雨林》 2 《吹きさらしの荒野》 4 《魂の洞窟》 2 《カラカス》 1 《ムーアランドの憑依地》 -土地(22)- 4 《霊廟の放浪者》 4 《鎖鳴らし》 4 《石鍛冶の神秘家》 4 《聖トラフトの霊》 4 《呪文捕らえ》 -クリーチャー(20)- |
4 《渦まく知識》 4 《剣を鍬に》 2 《呪文嵌め》 1 《至高の評決》 4 《意志の力》 1 《梅澤の十手》 1 《火と氷の剣》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(18)- |
2 《封じ込める僧侶》 2 《弁論の幻霊》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 2 《解呪》 2 《安らかなる眠り》 2 《基本に帰れ》 2 《Moat》 1 《対抗呪文》 -サイドボード(15)- |