『カラデシュ』が発売され、最初の週末が終わりました。皆さん、新しい次元へのプレインズウォークは無事に終わりましたか?
- 2016/09/18
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- 伊藤 敦
ボックスを購入した人は、パックを剥き終わって一喜一憂していることでしょう。シングルを購入した人は、早速新しいデッキを試しに大会へ参加した頃でしょうか。
今日から10月14日(金)にホノルルで開催されるプロツアー『カラデシュ』までの2週間、晴れる屋の大会や、世界各地で活躍したデッキと、注目のカードをご紹介していきます。
発売当初は有名でなかった1枚のカードが、一躍トップメタのキーカードにもなり得るのが、新環境の、そしてマジックの面白さです。短い間ではありますが、お付き合いいただければ幸いです。
さて、「新セット発売後の週末が終わった」ということは、「環境の初動を決める大きな大会が終わった」ということでもあります。そう、【StarCityGames.com Standard Open Indianapolis】です。
“新セット発売後のSCG”といえば、新環境で、そしてプロツアー前に唯一開催される大型大会。世界中のプレイヤーが注目する、新環境の試金石とも言える大会であり、プロツアー『カラデシュ』で勝利し、環境を席巻するデッキの鍵は、このSCGにあると言えるでしょう。
本日ご紹介するのは、そのSCGで優勝したこちらのデッキです。
10 《平地》 6 《山》 4 《感動的な眺望所》 4 《鋭い突端》 -土地 (24)- 4 《スレイベンの検査官》 4 《模範的な造り手》 4 《経験豊富な操縦者》 4 《無私の霊魂》 3 《模範操縦士、デパラ》 2 《ピア・ナラー》 -クリーチャー (21)- |
4 《石の宣告》 2 《蓄霊稲妻》 4 《密輸人の回転翼機》 3 《高速警備車》 2 《領事の旗艦、スカイソブリン》 -呪文 (15)- |
4 《流電砲撃》 4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 3 《稲妻織り》 2 《断片化》 2 《空鯨捕りの一撃》 -サイドボード (15)- |
「白赤『機体』」「白赤人間」「白赤アグロ」と表記の違いはあれども、TOP8の内、5名が白赤の前のめりなビートダウンを選択しています。(【TOP64 デッキリストは、こちら】)
まさに環境最速を決める戦い。各種「機体」の活躍にスポットを当てたいところなのですが……何よりも話題になったのは、このカードです。
《密輸人の回転翼機》。
トップ8に32枚!8名が4枚ずつ!
今まさにもっとも熱い1枚ですね。効果は、2マナ3/3、飛行。搭乗コストは1。そして「カードを1枚引いて、1枚捨てる」という、いわゆるルーター能力を持っています。
ルーター能力と言えば、『カラデシュ』の発売と同時にスタンダードから姿を消した《ヴリンの神童、ジェイス》!手札の質を高めたり、墓地を肥やして「昂揚」達成の手助けをしたり、マッドネスの始点になったり、と「変身しなくても強い」という評価のとおり、とにかく強力でしたが、我々は懐かしむ暇もなく、新たなルーター能力持ちを手に入れたわけです。
注目すべきは、ルーター能力が誘発する条件です。こういった戦闘時に誘発する能力は、「戦闘ダメージを与えるたび」と書かれていることがほとんどだったのですが、この《密輸人の回転翼機》は、「攻撃かブロックするたび」!
《波止場の潜入者》との大きな違いが際立ちますね。2ターン目に2マナ3/3飛行が盤面を警備し、動き出せばルーター能力が起動する……うーむ、これは恐ろしい。TOP8の32枚、そのすべてがメインボードから採用されていたというのも納得の強さです。
ちなみに、《密輸人の回転翼機》をメインボードから4枚採用しているデッキが、発売当日の9月30日に開催された、晴れる屋の平日大会でも結果を残しています。
6 《山》 5 《平地》 4 《霊気拠点》 4 《秘密の中庭》 4 《感動的な眺望所》 -土地 (23)- 4 《模範的な造り手》 4 《スレイベンの検査官》 4 《発明者の見習い》 4 《屑鉄場のたかり屋》 4 《経験豊富な操縦者》 3 《模範操縦士、デパラ》 -クリーチャー (23)- |
4 《蓄霊稲妻》 2 《癇しゃく》 4 《密輸人の回転翼機》 4 《反逆の先導者、チャンドラ》 -呪文 (14)- |
3 《断片化》 2 《大天使アヴァシン》 2 《石の宣告》 2 《停滞の罠》 2 《高速警備車》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 1 《ピア・ナラー》 1 《無許可の分解》 -サイドボード (15)- |
こちらも白と赤のカードでまとめられたビートダウンデッキですが、《屑鉄場のたかり屋》が採用されており、「黒マナが供給できる」ということでサイドボードには《無許可の分解》も採られています。
ちなみに、「搭乗」コストとして支払うクリーチャーは召喚酔いしていても構いませんが、「機体」は召喚酔いをしてしまいます。忘れることのないようにご注意ください。
環境初期は、サイドボードにも注目です。どんなデッキと出会うか分からない、ということで、様々なカードが並びます。白は《断片化》や《停滞の罠》、そして《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》が人気のようですね。赤では《流電砲撃》や《反逆の先導者、チャンドラ》、そして色を選ばないアーティファクトでは《高速警備車》の姿が目立ちます。
- 2016/9/30
- 明日から使える?白赤「機体」デッキ解説
- 井川 良彦
初期環境の鍵を握るであろう白赤「機体」デッキについて、Hareruya Prosの井川 良彦さんが詳しく解説をしておりますので、ぜひ、お読みください。採用されているカードの理由はもちろん、不採用の理由、そしてメタゲームを見据えたサイドボードの候補まで解説されています。プロプレイヤーによる環境初動のデッキ解説、必見です!
プロツアーで活躍するのは、どのようなデッキなのでしょうか?最速でライフを削り取るビートダウン?それを押さえつけるコントロール?それとも、まだ見ぬ未知のデッキ……?
あなたが調整しているそのデッキが、もしかしたら未来のトップメタかもしれません。
とはいえ、まだまだ環境初期。答えを出すには早急過ぎるでしょう。一緒にゆっくりと、その動向を追っていこうではありませんか。
それでは、プロツアーまでの2週間、どうぞお付き合いください。
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